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二人の夢
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翌日、私達は普段通り勤めを行った。
今はまわりを油断させなきゃ。それには普段通りに振る舞うのが一番だ。
時間は残されていない。なんとか祭事までにシェリスを逃さないと。今はシェリスの返事待ちではある。もし、逃げないと言われたら私がシェリスを連れて逃げなくては。
**********
数日後、夜中にシェリスが部屋に訪ねて来た。
声に出すことは出来ないので、又紙に記す。
"恋人と話しして、神殿から出て行くことに決めたよ"と
決心してくれた。シェリスの恋人も真摯に考えてくれたようだ。
"決行は、祭事の前日勤めの最中に紛れて出て行こうと思う。追手のこともあるから違う領地のとこまでは行くつもり。"
逃走の計画まで考えてくれたんだ。私はまずほっと息を吐いた。でもまだ計画段階だ。
私がしようとしてる事にミコトは何も言わない。姿はもういつも通り神殿で出て来てくれている。
私が、いつものミコトに話しかけるそれはもう皆が知ってる習慣だ。不審に思われないように。いつ通りに装わなければいけない。
そして間がいいのか悪いのか、祭事の前日はカイン様との約束の日。私はその日に、カイン様も、妹も同時に失うことになる。
でもそれでいい。二人の世界に私はいないのだから。
妹が旅立つ前日の夜。
当日にはそんな時間はないので、今日最後のお別れをした。
妹は私も一緒にと最後まで食い下がったけど、妹を確実に逃すために私が行くと足手まといでしかない。私は頭を縦には振れなかった。
ミコトは言った。
これは人が起こしたことだから、人がなんとかしなければいけないと。私には大層な力なんてないけれど、せめて妹を守る事くらいはしたい。
たった一人の家族……幸せになってね……
**********
翌日、変わらず勤めを終えて、カイン様との二人で過ごせる最後の時間を迎えた。
行くとカイン様が先に待っていた。
顔は険しい…目の下も隈ができてる。カイン様は私との事どう思っててくれたのだろう。
私を認識してもカイン様は喋らなかった。
だから私が先に、「こんにちは」
と微笑んだ。
隣に座り、沈黙が流れる。
カイン様は目を閉じて黙ったままだ。
私はカイン様の言葉を待つ。
すると、私の手をカイン様が握って決心したように私に顔を向けた。
「領主の父が、俺の婚姻話をつけて来て……明日式をあげる事になった。」
握られてる手に力が入っている。
「はい。存じてます。長から聞きましたから。」
「サニア!俺と一緒に出て行かないか。俺は嫌だ!愛している人がいるのに、そんな決められた女と婚姻するなんて!」
まさかの駆け落ち提案に驚いた。
そこまで考えてくれていたのか……
私は胸が熱くなるのを感じた。
嬉しい……一緒にいれるなら……
でも……
「カイン様それはできません。
私達は生きて行く世界が違います。
それぞれに役割がある以上、割り切らなければいけません。」
「そんな⁈
サニアはいいのか、いつかは君も好きでもない男と……」
それ以上は言葉にできなかったようだ。言いたくもない事なのかな。
私にとってそんな未来は無いけれど。
今はカイン様を納得させないと……
「そうですね。それは、私の決められた定めです。そう言われて育って来ましたから、異をとなえるつもりはありません。
そもそも、それを承知でいたのかと思っておりました。」
「……なんで、そんなこと言うんだ。君だって幸せになる権利はあるんだ。
どうしてそれを叶えようとしない。」
「叶えるにあたって、私は何かを犠牲にはできません。」
「何を犠牲にすると言うんだ。」
「私は巫女です。浄化はこの土地で生きて行くために必要なこと。それをあなたは犠牲しろと言うのですか。」
「君一人で浄化してるわけじゃ無いだろ。
他にもいるなら…「私が良ければ他はいいとは、そんな身勝手はできません。」」
私は毅然とカイン様にある対峙した。
今日カイン様と終わるために。
今はまわりを油断させなきゃ。それには普段通りに振る舞うのが一番だ。
時間は残されていない。なんとか祭事までにシェリスを逃さないと。今はシェリスの返事待ちではある。もし、逃げないと言われたら私がシェリスを連れて逃げなくては。
**********
数日後、夜中にシェリスが部屋に訪ねて来た。
声に出すことは出来ないので、又紙に記す。
"恋人と話しして、神殿から出て行くことに決めたよ"と
決心してくれた。シェリスの恋人も真摯に考えてくれたようだ。
"決行は、祭事の前日勤めの最中に紛れて出て行こうと思う。追手のこともあるから違う領地のとこまでは行くつもり。"
逃走の計画まで考えてくれたんだ。私はまずほっと息を吐いた。でもまだ計画段階だ。
私がしようとしてる事にミコトは何も言わない。姿はもういつも通り神殿で出て来てくれている。
私が、いつものミコトに話しかけるそれはもう皆が知ってる習慣だ。不審に思われないように。いつ通りに装わなければいけない。
そして間がいいのか悪いのか、祭事の前日はカイン様との約束の日。私はその日に、カイン様も、妹も同時に失うことになる。
でもそれでいい。二人の世界に私はいないのだから。
妹が旅立つ前日の夜。
当日にはそんな時間はないので、今日最後のお別れをした。
妹は私も一緒にと最後まで食い下がったけど、妹を確実に逃すために私が行くと足手まといでしかない。私は頭を縦には振れなかった。
ミコトは言った。
これは人が起こしたことだから、人がなんとかしなければいけないと。私には大層な力なんてないけれど、せめて妹を守る事くらいはしたい。
たった一人の家族……幸せになってね……
**********
翌日、変わらず勤めを終えて、カイン様との二人で過ごせる最後の時間を迎えた。
行くとカイン様が先に待っていた。
顔は険しい…目の下も隈ができてる。カイン様は私との事どう思っててくれたのだろう。
私を認識してもカイン様は喋らなかった。
だから私が先に、「こんにちは」
と微笑んだ。
隣に座り、沈黙が流れる。
カイン様は目を閉じて黙ったままだ。
私はカイン様の言葉を待つ。
すると、私の手をカイン様が握って決心したように私に顔を向けた。
「領主の父が、俺の婚姻話をつけて来て……明日式をあげる事になった。」
握られてる手に力が入っている。
「はい。存じてます。長から聞きましたから。」
「サニア!俺と一緒に出て行かないか。俺は嫌だ!愛している人がいるのに、そんな決められた女と婚姻するなんて!」
まさかの駆け落ち提案に驚いた。
そこまで考えてくれていたのか……
私は胸が熱くなるのを感じた。
嬉しい……一緒にいれるなら……
でも……
「カイン様それはできません。
私達は生きて行く世界が違います。
それぞれに役割がある以上、割り切らなければいけません。」
「そんな⁈
サニアはいいのか、いつかは君も好きでもない男と……」
それ以上は言葉にできなかったようだ。言いたくもない事なのかな。
私にとってそんな未来は無いけれど。
今はカイン様を納得させないと……
「そうですね。それは、私の決められた定めです。そう言われて育って来ましたから、異をとなえるつもりはありません。
そもそも、それを承知でいたのかと思っておりました。」
「……なんで、そんなこと言うんだ。君だって幸せになる権利はあるんだ。
どうしてそれを叶えようとしない。」
「叶えるにあたって、私は何かを犠牲にはできません。」
「何を犠牲にすると言うんだ。」
「私は巫女です。浄化はこの土地で生きて行くために必要なこと。それをあなたは犠牲しろと言うのですか。」
「君一人で浄化してるわけじゃ無いだろ。
他にもいるなら…「私が良ければ他はいいとは、そんな身勝手はできません。」」
私は毅然とカイン様にある対峙した。
今日カイン様と終わるために。
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