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★異世界からの来訪者★
ネージュの過去⑨
しおりを挟むリリスがネージュの侍女となり半年がたったある日のこと
コンコンコンッ
扉をノックする音が部屋に響き渡った。
リリスが扉を開けると、そこにいたのは執事長のジュールだった。
「朝早くから失礼致します。
旦那様もよりネージュお嬢様をお呼びするよう仰せつかって参りました。
お手数ですが、旦那様の執務室にお越しいただいてもよろしいでしょうか??」
「…おとーたま??…ネージュのことよんでるの…??」
「はい。お嬢様にお伝えしたいことがあるそうです。
このままご案内させていただいてもよろしいでしょうか??」
ネージュは少し悩みながらリリスを見上げた。
「お嬢様、リリスも一緒に参りますので旦那様の元へ参りましょうか。」
「…うん。」
ネージュはリリスのスカートをギュッと掴みながらジュールの後を付いて行った。
コンコンコンッ
「旦那様、ネージュお嬢様をお連れ致しました。」
「入れ。」
イモーテルの声に従い、ジュールが扉を開けた。
そこにはイモーテルの他に見覚えのない、派手なドレスを着た金髪の女性がいた。
ネージュが不思議そうな顔をしているとイモーテルが声を発した。
「ネージュ。彼女はアマリリス・ビュグロス伯爵令嬢だ。ソージュにも伝えてあるが君たちの母親候補でもあり、私の婚約者候補でもある。
何かあれば彼女に相談するといい。」
イモーテルの言葉にネージュとリリスは戸惑いの表情を見せる。
「はじめまして。ネージュ様。アマリリス・ビュグラスですわ。ソージュ様とネージュ様の良い母となれるよう頑張りますので、よろしくお願いしますね。」
そう言いながら、ネージュを見下すような笑みを浮かべたのをリリスは見逃さなかった。
「失礼ながら、旦那様。奥様が亡くなられてから、まだ1年ほどしか経たれておりませんが…」
リリスは恐る恐るイモーテルに問いかけた。
「…この子達には母親が必要だろう。
話はそれだけだ。異論は認めない。」
イモーテルはそれだけ伝えるともう口を開くことはなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自室に戻る途中から、リリスはネージュの表情をチラリと見やった。
ネージュの表情は困惑と悲しみが感じ取れ、リリスは胸が痛んだ。
部屋に戻り、リリスはネージュにココアを淹れて落ち着かせることにした。
「…お嬢様。こちらをお飲みになられてください。心が落ち着きますよ。」
「ありがとう。…ねえ、リリス…なんでおとーたまはあたらしいおかーたまだなんていったのかな??
ネージュのおかーたまはおかーたまだけなのに…。」
ネージュの言葉にリリスは先ほどのアマリリスのネージュに向けた笑みを思い出しながら言葉を選んだ。
「…お嬢様。旦那様はきっとソージュ様とネージュ様がのことを思われてあのようなことをおっしゃったのかと思います。
もし、何かございましたら、すぐにリリスにおっしゃってください。
リリスはいつでもお嬢様の味方でございます。」
「うん…ありがと。」
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