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婚約解消って本当ですか?
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「シア、婚約を解消しよう。」
いつもの婚約者とのお茶会。
ただ、ひとつだけ。
いつもとは異なっていたことがありました。
それは、婚約者の鬼気迫る顔。
話しかけてもお茶をすすめても、動かず黙り込んでしまっていたので何かあったのかと心配しましたが。
いきなり婚約解消をすすめられるとは、思いもしませんでした。
「理由を伺っても?」
こちらを見た婚約者である、アレクは涙を浮かべていました。
あぁ、またこれは。
「私がシアを、好きすぎるからです。」
バカなことを。
私の婚約者は一言で表すとバカです。
いや、私に関わること以外は割と優秀なはずなのですが。
少しでも私が関わればバカになってしまうのです。
少し手を切っただけでメイドの首をはねようとしたり。
私が不機嫌な素振りを見せると何でも与えようとしたり。
笑いかけただけで相手の目を潰そうとしたり。
それからというもの、感情など怖くて表に出せません。
ですので、初対面の方は無表情で冷たく見えてしまうようですが、こればかりはどうにも出来ないのです。
そのせいもあってか、常に私の周りに意識を配るようになった婚約者は誰かに何かを吹き込まれたのでしょう。
「すみません、シアのことが好きなのです。異常なくらい好きなのです。出来れば、ずっと閉じ込めてしまいたいほど。私以外を見て欲しくもないてますし、私だけを求めて欲しいと思うのです。」
これが巷で噂になっているヤンデレなのでしょうか。
この婚約者は何故こんなにも私に執着しているのでしょう。
「では、婚約を解消して私が誰かと結婚してもよろしいのですか。」
そう言うと、アレクは泣き出してしまいました。
いやいやって貴方、5歳ですか。
こんなになるなら何故解消しようとしたのかしら。
「シアは、僕のことが好きでしょう?何で僕以外の男と結婚するの!」
いや、何を言ってるのかしら。
「シアは!僕が飼うの!誰にも渡さないの!」
「では、私以外の女と結婚して子を産ませて。私をペットにでもするつもり?」
クズ男ですね。
誰に何を吹き込まれたのでしょう。
「だって、リリアがこうすればずっとシアを閉じ込めておけるって。」
リリアさんね。
覚えましたわ。
私、婚約者のこと意外にも愛していますのよ?
横取りなんて許せませんわ。
えぇ。
持ちうる権力全てを使って潰してあげましょう。
「しかし、私と婚約を解消しますと、私は貴方と一緒にいることが不可能になりますわ?お分かりですね?」
アレクの蜂蜜色の瞳がドロリと濁りました。
あら、これは。
最初から分かっていましたね?
よろしい。
貴方がここまで整えた舞台。
美しく踊りましょう。
ただ、私をペットにするのは諦めてくださいな。
いつもの婚約者とのお茶会。
ただ、ひとつだけ。
いつもとは異なっていたことがありました。
それは、婚約者の鬼気迫る顔。
話しかけてもお茶をすすめても、動かず黙り込んでしまっていたので何かあったのかと心配しましたが。
いきなり婚約解消をすすめられるとは、思いもしませんでした。
「理由を伺っても?」
こちらを見た婚約者である、アレクは涙を浮かべていました。
あぁ、またこれは。
「私がシアを、好きすぎるからです。」
バカなことを。
私の婚約者は一言で表すとバカです。
いや、私に関わること以外は割と優秀なはずなのですが。
少しでも私が関わればバカになってしまうのです。
少し手を切っただけでメイドの首をはねようとしたり。
私が不機嫌な素振りを見せると何でも与えようとしたり。
笑いかけただけで相手の目を潰そうとしたり。
それからというもの、感情など怖くて表に出せません。
ですので、初対面の方は無表情で冷たく見えてしまうようですが、こればかりはどうにも出来ないのです。
そのせいもあってか、常に私の周りに意識を配るようになった婚約者は誰かに何かを吹き込まれたのでしょう。
「すみません、シアのことが好きなのです。異常なくらい好きなのです。出来れば、ずっと閉じ込めてしまいたいほど。私以外を見て欲しくもないてますし、私だけを求めて欲しいと思うのです。」
これが巷で噂になっているヤンデレなのでしょうか。
この婚約者は何故こんなにも私に執着しているのでしょう。
「では、婚約を解消して私が誰かと結婚してもよろしいのですか。」
そう言うと、アレクは泣き出してしまいました。
いやいやって貴方、5歳ですか。
こんなになるなら何故解消しようとしたのかしら。
「シアは、僕のことが好きでしょう?何で僕以外の男と結婚するの!」
いや、何を言ってるのかしら。
「シアは!僕が飼うの!誰にも渡さないの!」
「では、私以外の女と結婚して子を産ませて。私をペットにでもするつもり?」
クズ男ですね。
誰に何を吹き込まれたのでしょう。
「だって、リリアがこうすればずっとシアを閉じ込めておけるって。」
リリアさんね。
覚えましたわ。
私、婚約者のこと意外にも愛していますのよ?
横取りなんて許せませんわ。
えぇ。
持ちうる権力全てを使って潰してあげましょう。
「しかし、私と婚約を解消しますと、私は貴方と一緒にいることが不可能になりますわ?お分かりですね?」
アレクの蜂蜜色の瞳がドロリと濁りました。
あら、これは。
最初から分かっていましたね?
よろしい。
貴方がここまで整えた舞台。
美しく踊りましょう。
ただ、私をペットにするのは諦めてくださいな。
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