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俺と彼女の可愛い主張
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夏実の頭を撫でて説明し終えると、夏実はしばらく俯いた状態で
「そっか……そうだよね。それなら大丈夫だよね」
と、まるで何かを確認するみたいな事をブツブツと呟いてから俺に向き直ると
「っていう事は、湊人は静華さんとキスした事ってないんだよね?」
と、いきなり驚くような事を訊いてきた。
「キス?!」
ビックリしすぎて声が上擦りつつも聞き返してみると
「あのね! 滉くんが変な事を言ったの!! 『2人は付き合ってたんじゃないか』って!!」
なんて、更に驚くような事を口走る。
「付き……って、えぇ?」
「キスしてないよね? 唇と唇くっつけてないよね? お口とお口くっつけてないよね? だよね?」
動揺する俺の肩を夏実は掴んで、質問を畳み掛け俺の上半身をガクガクと揺らす。
頭を揺さぶられながら俺は意識をしっかり保って
「してない……した事ない。」
と、正直に「キスはしていない」と事実を伝えると
「あああ~……よかったああぁ♡」
と、夏実は安堵した声をあげた。
どうやら夏実の頭の中では男女の交わりに「唇を合わせる事」が不可欠であるという認識らしく
「それなら付き合ってないよね! だったら安心して眠れる♪ 湊人っ、一緒に寝よ寝よ♡」
安堵した表情で俺との添い寝を要求した。
「お……おぅ」
今朝出した夏用羽毛布団に裸で包まりながら、夏実は俺の真横でスウスウと即座に寝息を立てて眠り始める。
「キスは……してないけど……」
もし夏実にそれ以外の事を質問されたら、俺は本気で返答に困ったと思う。
「付き合う」と「キスする関係」がイコールで結ばれる単純思考な夏実で正直ラッキーだったし、そういった面では本当に単純なアホの子だと再認識した。
それだけでなく……。
「ちゃんとセックスしたの俺だけって……アレ、マジかよ」
騒がしい店内の中で読み取った静華の唇の動きを思い起こし困惑する。
ーーー
『ちゃんとセックスしたの、みなとっちだけ』
ーーー
あの時、唇の動きだけでなく声も確かにそう言っていた。
「結婚してたのに……なんで…………?」
その爆弾発言的な告白は「いじめ」では片付けられないくらい俺の頭を悩まし、睡眠をも阻害して脳内を支配した。
「そっか……そうだよね。それなら大丈夫だよね」
と、まるで何かを確認するみたいな事をブツブツと呟いてから俺に向き直ると
「っていう事は、湊人は静華さんとキスした事ってないんだよね?」
と、いきなり驚くような事を訊いてきた。
「キス?!」
ビックリしすぎて声が上擦りつつも聞き返してみると
「あのね! 滉くんが変な事を言ったの!! 『2人は付き合ってたんじゃないか』って!!」
なんて、更に驚くような事を口走る。
「付き……って、えぇ?」
「キスしてないよね? 唇と唇くっつけてないよね? お口とお口くっつけてないよね? だよね?」
動揺する俺の肩を夏実は掴んで、質問を畳み掛け俺の上半身をガクガクと揺らす。
頭を揺さぶられながら俺は意識をしっかり保って
「してない……した事ない。」
と、正直に「キスはしていない」と事実を伝えると
「あああ~……よかったああぁ♡」
と、夏実は安堵した声をあげた。
どうやら夏実の頭の中では男女の交わりに「唇を合わせる事」が不可欠であるという認識らしく
「それなら付き合ってないよね! だったら安心して眠れる♪ 湊人っ、一緒に寝よ寝よ♡」
安堵した表情で俺との添い寝を要求した。
「お……おぅ」
今朝出した夏用羽毛布団に裸で包まりながら、夏実は俺の真横でスウスウと即座に寝息を立てて眠り始める。
「キスは……してないけど……」
もし夏実にそれ以外の事を質問されたら、俺は本気で返答に困ったと思う。
「付き合う」と「キスする関係」がイコールで結ばれる単純思考な夏実で正直ラッキーだったし、そういった面では本当に単純なアホの子だと再認識した。
それだけでなく……。
「ちゃんとセックスしたの俺だけって……アレ、マジかよ」
騒がしい店内の中で読み取った静華の唇の動きを思い起こし困惑する。
ーーー
『ちゃんとセックスしたの、みなとっちだけ』
ーーー
あの時、唇の動きだけでなく声も確かにそう言っていた。
「結婚してたのに……なんで…………?」
その爆弾発言的な告白は「いじめ」では片付けられないくらい俺の頭を悩まし、睡眠をも阻害して脳内を支配した。
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