【本編完結&番外編更新中】この雨が上がったら一緒にコーヒーを飲みませんか?

silverchaff

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本編

★上原亮輔の兄8



「あっ……やあぁん♡」

 アパートに到着し、朝香が203号室の鍵を開けながら向日葵さんに声を掛けようとした途端、彼は彼女の身体を抱き寄せ一緒に部屋の中へと押し入る。

「っ、ん……」

 朝香を雨で濡れた衣服ごと抱き締めている向日葵さんはそのまま朝香の耳に舌を差し込み、リップ音を鳴らし始める。

「あぁん♡ だめぇ、エッチな気分になっちゃうぅ♡」

 向日葵さんとのイチャイチャは回を重ねるごとに濃厚になっていき、全身を舐められるのが常であった。よって、彼の耳舐めや耳キスで朝香はパブロフの犬のように反応し既に下半身は熱を帯びている。

「エッチな気分になってよ、あーちゃん」

 昨夜はあまり寝ていないはずなので、朝香としては休日の朝くらい寝る時間をとってほしいと思っている。が、向日葵さんの場合は違うようだ。
 寝不足な上にコンビニ勤務でクタクタになっているかと思いきや、性的な意味でのさを示していて睡眠を取る気が全くない。
 バックハグしながら唾液たっぷりの舌で朝香の丸い耳を可愛がり、時折フーッと息を吹きかけて朝香を欲情させようとしてくる。

「ぁ」

 いつのまにか朝香はベッドに寝かされ、濡れた服をスルスルと脱がされる。

「っはぁ……はぁ……」

 向日葵さんも興奮しており、荒く息を吐きながら自らも下着姿になると

「やぁ♡ かたいぃ♡」

 朝香の両膝を持ち上げ、熱く腫れた肉棒を彼女に知らしめるがごとく、ショーツのクロッチ部分に押し付け始めた。

「うん、硬いよ……あーちゃんが好きで好きで、こうなってる」

 クチュッ……

「んっ」
「濡れてるね、あーちゃん気持ちいい?」

 彼に舌で愛撫された経験から、朝香の陰部はそれだけで疼き体内から蜜液が分泌されていた。

「んぅ♡」
「口では愛した事あるから、分かるよ。今あーちゃんが凄く気持ち良くなってるの」

 いつもの舌や唇ではなく、今は性器同士が擦れ合っている。
 互いに下着を着けたままではあるが、その行為は今までよりも一歩も二歩も進んでいたので

「ああぁ♡」

 朝香はいつも以上に恥ずかしくなる。

(でも気持ちいいしドキドキする……)

 大好きな向日葵さんとの行為に悦びを感じ高揚していた。

「恥ずかしいけど気持ちいいんだ、あーちゃん可愛い♡」

 彼の顔を確かめると、気持ち悪くなっている様子はなく、目がトロンとして朝香と同じような快感を得ているように感じられる。

「向日葵さんも……きもちいい?」

 声を上擦らせながら朝香が訊くと、向日葵さんは目を細めて

「気持ちいい……きもちいいよあーちゃん」

 と頷きながら答え

「もっと、あーちゃんがほしい」

 片手で朝香の左脚を支えつつ、もう片方の手で自分の下着を脱いで全裸になり

「あーちゃんは俺だけの彼女だから」

 左脚を抱き締めながら腰を前後に揺らし始めた。

「ああぁ♡」

 朝香の視界に入るのは、欲情にまみれた向日葵さんの表情と逞しい上半身。

 ショーツ越しに感じるのは、熱く勃起した男性器。

 背中に感じるのは、ベッドのスプリングやシーツの衣擦れ。ゆっくりと揺れる乳房の振動。

「気持ちいい……きもちいい……」

 向日葵さんはそう呟きながら、高く挙げた朝香の左脚にチュッチュッと唇を押し付けたり、膝裏をペロペロ舐めたりしている。

「ああ♡ 私もっ♡ きもちぃ♡」

 頭の中がボーッとなりながら朝香はこれが「擬似的なセックス」だと気付いていた。

(向日葵さん、気分が悪くなったりしてないかな……)

 今まで出来なかった行為が、限りなく近しい接触によって叶えられている。
 それは朝香にとっても、彼にとっても喜ばしいことであるのは間違いない。
 けれど、過去のトラウマでずっと「出来ない」とされてきたのに、今になって急に「出来てしまった」ので朝香は不安を抱えていた。

(どうしてこのタイミングで?)

 快感に溺れながらも、朝香は両目をしっかりと開いて向日葵さんの表情を確認した。

「っ……あーちゃん……あーちゃん」

 本能のままに腰を揺らす、必死な表情の彼。

「俺の……俺の大事な彼女」

「あーちゃんを喜ばせるのは……俺、だからっ」

(えっ……?)

 その表情は苦しんでいるようにも見え……

「俊哉くんに……奪われたく、ない、から」

(え?! 俊哉くんって、向日葵さんのお兄さん?)

 彼の口から苦し紛れに紡がれた「俊哉くん」の言葉でようやく朝香は

(そっか……嫉妬、してるんだ)

 上原俊哉が語っていた「ジェラ」なのだと気付く。

「あーちゃんは俺だけ……誰にも渡したくない……」

(私を想って嫉妬してるなら嬉しいけど、向日葵さんが無茶をしてるとしたら……)

 自分を独占したくなる彼の気持ちそのものは嬉しいが、無理をしてほしくない。彼を想う人なら誰だってそう考えるであろう。

「ひまわり、さん」

 快感に身を委ねるながらも、朝香は声を発して彼に伝えようとした。

「だいじょぶ、だから……わたしは、ひまわりさんだけ、だよ……」


 朝香の想いが彼に通じたのか、そうではないのか…………。

「っ、ぁぁぁぁ……」

 吐精によって、その行為は終わりを告げる。






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