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1章
転校生
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夏休みが明けた。今日から学校が始まる。高校1年の佐藤望向(のぞむ)は、テストが近いため大好きな漢字の勉強をしていた。教室中にチャイムが鳴り響く。
「今日は転校生を紹介しまーす!」
思いもよらない言葉に教室中がざわめく。身長は低くもなく高くもない、ごく普通の少女が教室に足を踏み入れた。顔は整っている方だろう。
先生が黒板にその子の名前を書いた。「遠山蒼華」。「とおやま…あお…?そう…?」望向は珍しく読めない名前に興味が湧いた。
「とおやまあおば…です。よろしくおねがいします。」
望向は「なるほど。」と関心していた。
「遠山さんはあいている席に座ってくださいね。」
そう言われた遠山蒼華は望向の方へと向かってきた。そして望向の左隣の席に座った。
「…よろしく。」
か細い声だった。望向は「不思議な子だな。」だと思った。少し興味が湧いた。
1時間目は国語だ。
「お願いします。」
今日の日直である新山蓮(れん)が少し面倒くさそうに言った。望向は理系科目が得意だった。漢字は得意なのに文章題が苦手だった。正直やる気が出なかった。横目で蒼華をみてみた。すると蒼華はずっと窓の外をみていた。窓のすぐ近くの席のため、窓の外を見るしかなかったのだろうか。何分、何十分たってもずっと空を見続けたままだった。「………。」その不思議さに望向は言葉が出てこなかった。
1時間目が終わり、教室が一気に賑やかになった。望向は蒼華に声をかけてみた。
「…遠山さん。ずっと窓の外みてたみたいだけど飽きないの…?」
「…うん。飽きない。」
短い返事だった。これ以上何を言えばいいか思いつかなかった望向は話題を考えていた。
「佐藤くんは超能力とか幽霊とか信じる?」
どこから繋がったのかわからない、いきなりの質問だった。
「え…。うん、まぁ…。」
正直信じている訳でもなく、信じていない訳でもなかった。あまり考えたことがなかった。
「じゃあ…。」
少し間があいた。はっとし、なぜか焦った様子だった。
「…。ごめんやっぱりなんでもない。」
望向は何を言いかけたのかとても気になった。蒼華は、次の移動教室の準備をするために後ろのロッカーへと行ってしまった。時計に目を移すと、次の授業開始時刻の2分前だった。
「やべ!遅れる…!!」
そう言って次の授業の教室へと向かった。
2時間目、3時間目と時間がたっていった。4時間目が終わり昼食の時間だ。蒼華の周りはたくさんの人で群がっていた。
「なんで転校してきたの!?」
「兄弟いる?」
いろいろな質問が飛び交っていた。何人もの人が一度に言っているため、「聞き取れてはいないだろう。」望向はそう思った。
「おい…。1人ずつ言」
「ちょっと理由があって転校してきた。兄弟は兄が2人いる。…好きな食べ物はイチゴ。得意な教科は全部。好きな色は青と白。それから…」
周りにいた人は皆唖然としていた。誰しもが自分の声はかき消されているだろうと思ったからだ。まさかほぼ全部の質問に答えられるとは思いもしなかった。
そのままお弁当をみんなで食べ、昼休みが終わろうとしていた。望向も蒼華とみんなの輪に入りお弁当を食べていた。望向は蒼華が不思議すぎてお弁当どころではなかった。気がつけばずっと蒼華の方をみていた。望向は気づいた。「遠山さん、一度も笑わない…。微笑みもしない…。」そう思った望向は、蒼華に対する謎が深まった。
5時間目が終わり掃除の時間になった。蒼華は望向と同じ班になった。望向の班は、全員望向の幼なじみだった。スポーツが得意な神崎颯人(はやと)、文武両道の奥山聖也(せいや)、絵を描くのがうまい高橋和紗(かずさ)、男勝りな大原ひかり、そして蒼華。班員は5人になった。
「遠山さんよろしく!!」
いつも明るい颯人が1番に蒼華に声をかけた。
「よろしく…。」
やはり人見知りしてしまうのだろうか。少し緊張しているようだった。
「俺、神崎はや」
「よろしくねー!うち大原ひかり!ひかりって呼んで!」
ひかりが割って入る。
「おい!俺が喋ってるだろ!!」
「は?最初に言わない方が悪いんですぅー!」
颯人とひかりはいつもこうだった。だが仲がとてもいい。
「私は高橋和紗。よろしくね。」
「俺は奥山聖也。普通に聖也ってよんで!」
「うん。よろしくね。」
少し緊張がとけたようだった。颯人とひかりは昔の話にまで遡って言い合っていた。それをみた蒼華は笑っていた。望向は初めて見る笑顔だった。まだまだ不思議なところもあるが、蒼華と仲良くなっていこうと望向は思った。
ー続くー
「今日は転校生を紹介しまーす!」
思いもよらない言葉に教室中がざわめく。身長は低くもなく高くもない、ごく普通の少女が教室に足を踏み入れた。顔は整っている方だろう。
先生が黒板にその子の名前を書いた。「遠山蒼華」。「とおやま…あお…?そう…?」望向は珍しく読めない名前に興味が湧いた。
「とおやまあおば…です。よろしくおねがいします。」
望向は「なるほど。」と関心していた。
「遠山さんはあいている席に座ってくださいね。」
そう言われた遠山蒼華は望向の方へと向かってきた。そして望向の左隣の席に座った。
「…よろしく。」
か細い声だった。望向は「不思議な子だな。」だと思った。少し興味が湧いた。
1時間目は国語だ。
「お願いします。」
今日の日直である新山蓮(れん)が少し面倒くさそうに言った。望向は理系科目が得意だった。漢字は得意なのに文章題が苦手だった。正直やる気が出なかった。横目で蒼華をみてみた。すると蒼華はずっと窓の外をみていた。窓のすぐ近くの席のため、窓の外を見るしかなかったのだろうか。何分、何十分たってもずっと空を見続けたままだった。「………。」その不思議さに望向は言葉が出てこなかった。
1時間目が終わり、教室が一気に賑やかになった。望向は蒼華に声をかけてみた。
「…遠山さん。ずっと窓の外みてたみたいだけど飽きないの…?」
「…うん。飽きない。」
短い返事だった。これ以上何を言えばいいか思いつかなかった望向は話題を考えていた。
「佐藤くんは超能力とか幽霊とか信じる?」
どこから繋がったのかわからない、いきなりの質問だった。
「え…。うん、まぁ…。」
正直信じている訳でもなく、信じていない訳でもなかった。あまり考えたことがなかった。
「じゃあ…。」
少し間があいた。はっとし、なぜか焦った様子だった。
「…。ごめんやっぱりなんでもない。」
望向は何を言いかけたのかとても気になった。蒼華は、次の移動教室の準備をするために後ろのロッカーへと行ってしまった。時計に目を移すと、次の授業開始時刻の2分前だった。
「やべ!遅れる…!!」
そう言って次の授業の教室へと向かった。
2時間目、3時間目と時間がたっていった。4時間目が終わり昼食の時間だ。蒼華の周りはたくさんの人で群がっていた。
「なんで転校してきたの!?」
「兄弟いる?」
いろいろな質問が飛び交っていた。何人もの人が一度に言っているため、「聞き取れてはいないだろう。」望向はそう思った。
「おい…。1人ずつ言」
「ちょっと理由があって転校してきた。兄弟は兄が2人いる。…好きな食べ物はイチゴ。得意な教科は全部。好きな色は青と白。それから…」
周りにいた人は皆唖然としていた。誰しもが自分の声はかき消されているだろうと思ったからだ。まさかほぼ全部の質問に答えられるとは思いもしなかった。
そのままお弁当をみんなで食べ、昼休みが終わろうとしていた。望向も蒼華とみんなの輪に入りお弁当を食べていた。望向は蒼華が不思議すぎてお弁当どころではなかった。気がつけばずっと蒼華の方をみていた。望向は気づいた。「遠山さん、一度も笑わない…。微笑みもしない…。」そう思った望向は、蒼華に対する謎が深まった。
5時間目が終わり掃除の時間になった。蒼華は望向と同じ班になった。望向の班は、全員望向の幼なじみだった。スポーツが得意な神崎颯人(はやと)、文武両道の奥山聖也(せいや)、絵を描くのがうまい高橋和紗(かずさ)、男勝りな大原ひかり、そして蒼華。班員は5人になった。
「遠山さんよろしく!!」
いつも明るい颯人が1番に蒼華に声をかけた。
「よろしく…。」
やはり人見知りしてしまうのだろうか。少し緊張しているようだった。
「俺、神崎はや」
「よろしくねー!うち大原ひかり!ひかりって呼んで!」
ひかりが割って入る。
「おい!俺が喋ってるだろ!!」
「は?最初に言わない方が悪いんですぅー!」
颯人とひかりはいつもこうだった。だが仲がとてもいい。
「私は高橋和紗。よろしくね。」
「俺は奥山聖也。普通に聖也ってよんで!」
「うん。よろしくね。」
少し緊張がとけたようだった。颯人とひかりは昔の話にまで遡って言い合っていた。それをみた蒼華は笑っていた。望向は初めて見る笑顔だった。まだまだ不思議なところもあるが、蒼華と仲良くなっていこうと望向は思った。
ー続くー
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