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第5話 わたしの記憶と闇夜の出会い
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これは…、わたしの記憶…
…
わたしの眼前には、お花畑が広がる。
私はその中をお母さんと歩いていた。
「ねぇねえおかーさん、ここどこー」
「うふふ。凄く良い場所よ」
「~~?」
「よく見ていなさい」
ウィィィィィィィン…
その瞬間、わたしの目の前の何も無い空間に、蒼い柱が立った。
「わー、なにー」
その蒼い柱から、一人の女性が現れた。
「ここって人間界?私たちを呼ぶのはいったい何者?」
その女性は言った。
その女性は、青と白のひらひらした衣装にその手に持つ杖に、全体に広がる大きなつばのある、ふんわりした帽子を被っている。その姿はまるで…
「わぁ~!!魔法少女さんだぁ~!!」
「ふふ…」
驚くわたしとお母さんに気づいた女性は、私たちに近づく。そして、お母さんがはなしかける
「こんにちは」
「…あなたは…」
お母さんと女性は、なにか親しげに話していた…
「そう、この子が…」
「ええ、もう毎日魔法少女に会いたい~って言って聞かなくてね…」
「魔法、少女…?」
「ええ?あなたたちはそう呼ばないのかしら」
「よ、呼ばないと思うけど…、そう。人間界(そっち)ではそんなふうに語り継がれているのね…」
魔法少女の女性は、私に、向けて話しかけてきた。
「こんにちは。私は○○○○。~~~~~~よ!」
「わあ魔法少女さん…?」
「ええそうよ。…ん?…まさか、貴女は………」
「え?」
「いえ、なんでもないわ。…貴女は、魔法を信じているのね。心の底から」
「うん!!」
「今どき、絶滅危惧種ね…貴方みたいな子は」
「ねえお姉ちゃん魔法使えるんでしょ~魔法見せて~」
「ふぅん。それじゃあ見せてあげるわ。…ファイア!」
魔法少女は手から炎を出した。
「お~」
「どう?」
「うーん…すごいかもしれないけど、もっと出来るでしよ?」
「え」
「もっとこう、おっきくてすごーい魔法をドーン!ってバーン!!ってやったりして~、それで敵をやっつけて~」
「な、ナニソレ……ちょ、ちよっとアンタ、この子に何教えてるの…」
「うふふ、私は何もしてないわよ~」
「ねぇねえできないの~ドーンパーン!!って」
「え、えぇと…出来なくはないけど…。そんなことしたら、この辺り一帯が焼け野原になっちゃうわよ…それに、あなたもただではすまないわ」
「そうなの?」
「ええ…。そうね、貴女、魔法を使えるようになりたいんでしょう?」
「うん」
「なら、大切な事を教えてあげる」
「なに?」
「魔法はね。人を傷つけたり、その力を誇示するためのものではないの。…魔法は、人々を。世界を幸せに導くためにある力…」
そして、魔法少女はその手に魔法で花を作り出した。
魔法少女はその花をわたしに渡す。
「わあ…」
「これは、わたしの魔力が込められた花。~~~~~~~~~~な限り。永遠に咲き続ける、枯れない花よ」
「ありがとう…お姉ちゃん…。…ねぇお姉ちゃん、わたしもいつか、魔法少女になれるかな」
「………なれるわ。きっと。貴女がその心を持ち続けていれば、必ず…」
魔法少女は私に背を向けて柱の方に空を飛ぶ。
「もう、帰っちゃうの」
「ええ……。最後に"私たちの魔法"を魅せてあげる」
パチンと魔法少女は指を鳴らした。
すると
すぅぅぅぅぅと、魔法少女の後ろに、何十人もの他の魔法少女の姿が表れだした。
「ええええええええええええぇぇぇぇ!!!?」
わたしはびっくりした。
「ふふふ…みんな、今まで魔法で隠れて居たのよ」
そして、魔法少女たちは、杖を空に向けた。
そして、そこから、魔力の塊を放った。
それは、空高くに上り。はじけた。
はじけた魔力は夜空に大きく広がり、7色に輝き夜空を彩った。それはまるで、美しい花火のようだった。
「わぁ………………………………………」
わたしは言葉を失った。
じゃあね…。
私の言ったこと、忘れないでね。
またいつか逢いましょう…。
………………
「うーん、よく寝た~」
さっきのは、夢か…。私、星川まどか、が小さい頃。お母さんと一緒に、あの人に出会ったあの日の…。
小さい頃の事だから、所々思い出せないところもあるけど…。
「………………」
魔法は、人々を幸せに導くためのものよ…
……
魔法なんて、クソだ…
…
立花くん。どうしてあんなことを…。
まるで、魔法を知っているかのような口ぶりだった。
それに、あの時の。
あの言葉を放った時の立花くんの表情は、とても。とても…
哀しそうだった…。
どうして、どうしてあなたは、そんなに悲しい顔をするの。どうして…。
魔法って、なんなの。
…………
わたしはふと、時計を見た。
「…まだ3時じゃん…」
もう一度眠ろうと思ったその時、窓から光る何かが見えた。
わたしは気になって外に出て見た。
「え……」
それは、光の柱だった。
それはあの日、魔法少女に出会ったあの日見た。アレとそっくりだった。
「どういうこと」
……
「あそこは、公園の方、そんなに遠くない」
すっかり目が覚めたわたしは、あの光の柱に向かうことに決めた。あそこに行けば…、もしかしたら…!
「ごめん、おばあちゃん…ちょっと行ってくるね」
わたしは静かに外に出た。
………………
「はっはっはっはっ」
深夜の誰もいない町。誰もわたしを見る物もいない。
わたしは思いっきり走って公園へと向かった。
キラ☆
わたしが走っている時、空で何かが光った。
「なに…流れ星っ?」
それは、わたしの前方から後方へ真っ直ぐ飛んで行った。
「…違う、流れ星ならあんな動きはしない…、あれはいったい…」
気になったけど、今は公園へ行くのが先だ!
……
公園
公園に着く頃には、蒼い柱は消えかかっていて。
わたしが到着したのと同じに、柱は消えた…。
「はぁ…は…ああ」
周りには、誰もいなかった…。
せっかく、やっと…魔法への手がかりが掴めると思ったのに…!
公園を見渡してもなにも、変なところはなかった。わたしは落胆して、とぼとぼと帰路につこうとする。
と、その時。
「…………ぅ、うぅ」
謎の声が聞こえた。
「え…だれ…?」
「た、たすけ………」
どこにも誰もいないはずなのに…、なんで…。
「ここだよ…、し、した…」
「下?」
わたしは足元を見る。
「あっ…………あなたは?」
そこには、奇妙な動物?がいた。
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とても綺麗な印象が目に浮かぶはじまり方で、感動しました。
時間のあるときに、じっくり読ませてもらおうと思いました。
普通に売ってる本には、爆笑したことなかったんですが、
カタカナとかの使い分けで、爆笑したりするよね、と思ったし、
なんだかすごく嬉しい気持ちで笑えて、ありがとうございました。