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12章 深夜の散歩
⑦山乃家
校門から出て左の坂を下り、一人で県道沿いを歩く帰り道。
族車らしい車やバイクが、横を通り過ぎる度に胃がキュッと縮む。
(やっぱり、多分…探してるんだ…アタシの事…)
放課後、礼子達に用事があると告げ、屋上に来ていた同じ中学出身のクラスメイトの男子を捕まえ…根掘り葉掘りの情報収集。
「んぁ?別に良いけど?別に秘密じゃ無いし、でも…佐藤先輩も後で篠田先輩のグループにも注意しておくって言ってたけど?」
悪名高い暴走族…射道(シャドウ)、最近までは尾形市をメインに活動していた暴走族だった。
最近この山間市で連中の車やバイクが頻繁に目撃されている。
悪名と言っても不良として名前が上がるのは、大体が悪名ではあるのだが、連中はその点では別格と言っても過言では無い。
喧嘩やスピード違反、凶器準備集合罪、集団暴走、色々有るが連中の場合はそのどれでも無い。
かつては山間よりももっと北東部、尾形市や高原地域の先、県庁都市方面の円火市、或いは阿良川市で旗揚げされたらしい。
当初はナンパを目的としたリーダーもいないお遊びのチームであったと言われて居るが、詳細はハッキリしない。
唯一キチンと由来が伝えられているのはチーム名、発足当時はオシャレに英文字でShadowだったとか?
世代が変わり、トップが代替わりする度に、少しづつ南下して来るにつれ、その凶悪さや無軌道さは加速し、ナンパとは言えない、強引な誘拐紛いの強姦行為をする者まで出始めたのだと言う。
ナンパした女をアジトに連れみ、何処から手に入れたのか薬物漬けにした女を廻し、楽しんでいるのだとか?
更には攫(さら)った女達のあられもない姿を写真やビデオカメラに撮影し、ばら撒かれたく無ければ…と金銭を要求しているだとか?
結局破棄せずに、そのまま裏に流しているなどという噂も聞いている。
そんなシモに関する噂が絶えないチーム、既に暴走族とも言えない、無軌道な半グレの犯罪結社に近いのかも知れない。
メンバーの中には強姦罪で服役中の者までいるのだと、もっぱらの噂で有る。
どこまでが真実で、どこまでが噂か分からないが、話半分でも女の子に取っては危険極まりない集団ではあるだろう。
メンバーは十代の少年達は少なく、殆どは二十歳を超えた者達で構成されており、彼等に薬物を提供し、または撮影した写真やビデオテープを、裏ポルノを商品として引き取れる存在は…つまり…
暴力団が絡んでいると言う事である。
「で、連中がさぁ~尾形市から、この辺に溜まり場ってか、アジトを移動させたんじゃ無いかってさ、でなきゃ頻繁に奴等の車やバイクが走ってる筈も無いし、それに…」
既に被害者も出ているらしい。
ビジネス街のOLと第二高校の生徒や第一高校のOBが目撃したらしい、それは仏教女子の生徒だったらしいが、調べてみなければ分からない。
誰にも話せないだけで、第一高校にも既に数人はいるのでは?
…と言う噂も有る。
ここ最近休みガチだったり、暫く来ていない女子生徒が何人かいる…全てが被害者では無いかも知れないが、調査をしてみなければ何方とも言えない。
奴等は集団でツルんで歩く事が多い不良娘は滅多に狙わず、一人歩きの孤立した生徒、真面目ちゃんを狙う事が多い。
特にいじめの兆候も無いのに、学校を休んでいる女子は被害者である可能性も捨てきれない。
OLの方は目撃証言で、恐らくは会社の同僚と飲んだ帰りだったのだろうか?
飲み屋街の付近で、通学中に何度か見かけた事があるOLが、連中の車に連れ込まれるのを見た者がいるのだとか?
進学校の女生徒などに関しては、既に裏も取れている。
…佐藤と多少の繋がりが有るらしい、第二高校の不良達のリーダー格…柴崎や山川の協力も有り、話を聞く事が出来たのだ。
進学校の不良は男女で仲が悪いが、一般生徒に関しては、【軟派師】などと呼ばれる山川は兎も角、【堕ちた英雄】と呼ばれる元野球部のエース柴崎は、成績上位のエリートからの受けは悪いが、その他の一般生徒からの信頼は厚いのだ。
最初は町中でナンパされ、ファミレスなどでそれなりに楽しく話をし、紳士的に家の近くまで送るなどと言われ、帰りも車に乗り込んだ。
だが…
その、帰りの車の中で急に眠くなり、気付けば廃工場の様な場所で裸に剥かれていたのだと言う。
その後は半ば脅され、レイプされ…裸のままで恥ずかしいポーズを取らされ…写真撮影と……ビデオカメラでの撮影が待っていた。
最後には、これをバラ撒かれたくなければ…と。
金銭を要求され、勿論彼女…ユキはそんな金額は払えないと、泣いて懇願した。
…学生証から住所も割り出されており、親にでも相談しろと目隠しをされ再び車に詰め込まれたそうな。
車が動き出し、目隠しを外されたのは…彼女の自宅の前だった。
今現在の第一と第二高校の男子達は射道のアジトを特定しようとあちこち探っているらしい。
ユキの語っていた長い真っ直ぐの道…は恐らく山道…そんな体感で感じた情報を元に、周辺を探っている最中なのだとか?
そこまで佐藤達が深刻になっているのは、身近にも被害が出始めたからだった。
狙われるのはヤンキー娘では無く、矢張り普通の生徒が多い。
大抵は未遂で終わってるが、とうとう三年の女子に被害が出た。
彼女もナンパされたらしい、普通科高校の一般生徒とはいえ、不良の噂には相当詳しい。
車に乗せられた後に貼ってあったステッカーのチーム名にピンと来て、ファミレスに着いた時に、ダッシュで逆車線の向こう側まで駆けて行き、そのまま車が入って来れないであろう田んぼのあぜ道を必死で走り、撒いて来たそうな。
間一髪で逃延びた彼女の武勇伝は、あっと言う間に三年生の間で広がり、次々と声を掛けられたなどの話が湧いて出る事になった。
一般生徒だけで無く、たまたま一人で歩いていた不良娘からも声が挙がっている。
ナンパされた者も半分程いたのだが、連中は誰かを探しているらしい。
同級生との会話の中で恵が恐れた話は…つまり…
不良少女ので連中に声を掛けられているのは、殆どが惠と同じ髪色の娘達だったと聞く事になった。
「………赤茶色の髪だからさ…加藤も気をつけた方が良いよ?ああ、それで佐藤さんは今日はこれから頭数集めに工業高校にまで出向くらしい。佐藤さんがウチの学校仕切ってるって言っても、手足になって体を賭けれる人間は少ないからさぁ。第二高校の元エースや【軟派師】も参加してくれるらしいけど、あそこも喧嘩出来る奴は少ないから五人だけだってさ。俺も馬渕先輩に声掛けられて無きゃ、多分参加して無かったかも…」
昔の硬派なバンカラやスケバンが主流だった時代は既に過去の物となり、大規模な乱闘事件や暴力事件が減った代わりに、陰惨で陰湿な遊び半分のイジメや、この手の軟派で享楽的な…下半身を暴走させる集団が暗躍する時代になっていた。
だが…佐藤達は暴走族とコトを構える為、頭数を揃えるのに苦労していた。
軟派な時代らしく不良達も小粒で、喧嘩なんぞしたくないと一向に纏まりが無い。
佐藤と仲間達が必死に声を掛けても、集まった不良男子は二十名に満たない。
射道のメンバーは話を聞く限りでは四十人近いらしい。
少数で多数を討つのは漫画では王道ではあるが、負けない為にも数は揃えねばなるまい。
底辺高の不良の喧嘩は、負けたらお終いなのだから…
そんな話を聞きいて思ったのは、現在三十人を超えた礼子のグループは…実はかなり凄いのかも知れない。
そんな考察をしつつ、県道から国道迄、あと少しの歩道をトボトボと歩いていた恵に、突然声が掛かった。
◆ ◆ ◆
心臓が口から出そうな程驚いた。
だが男の声では無く…
恵を呼んだのは女の声、恐る恐る振り返る。
「よぉ!加藤じゃん♪こんなトコで何してんの?用があるって言ってたけど…もう終わったん?」
そこには、一見シャコタンの族車に見える車から顔を出し、こちらを見ている唯だった。
一瞬、唯も連中にナンパでもされたのか…?と…思ったがどうやら違う。
車も割と高そうな物で、改造にも随分と金をかけている様に感じる。
ナンバープレートもこの近辺の物では無く、所有者が県庁都市近辺の人間である事を示している。
「あ、あ…栗原先輩!ど、どうしたんですか?こんな所で、車?…買い物とか?…お兄さん?とか?」
「あ~この先にでっかいスーパーあるだろ?おと父のビールと食材の買い出し!兄弟じゃ無くて…えっと…おとうの…え~と仕事の弟子?の中本さん♪オマエ家帰るトコだろ?送ってってやるよ♪」
「え?そんな悪いですし、そこまで遠くも…」
唯の隣、運転席に座っていた、いかにもな元ヤン風の職人風の男が、恵に明るく声を掛けて来た。
「いーっていっーて♪ついでだからさぁ~♪ほら後ろ!早く!乗って乗って♪」
「は、ハイ、それじゃあお言葉に甘えて…」
後部座席を空け、車に乗りこむ。
内装にも相当に拘っているのか、足元の敷物も白く綺麗な艶の有る敷き物で…思わず触りたくなる。
後部座席のカバーも、白いモコモコとしたファーに覆われ、座るのも気が引ける。
「っと…恵ちゃん♪どこまで送ってけば良い?」
「あ~確か加藤は二中出身だもんね?こっち歩いてるなら…血糊川とか越えた先?田んぼとか住宅が多い…」
恵が何か言う前に、唯が家の場所を考察などし、車を発進させる。
そのまま恵がナビしながら、車を進めるという事だろう。
「はい、川を渡って住宅街の外れの方で…えっと分かりますかね?農地とダンプ道路の辺なんですけど……」
「あ~あ!ハイハイ♪山之屋の辺りでいいんかい♪」
「…あ、そこ家です…」
「へぇ~!メグちゃんは山之屋の娘さんかぁ~!あの辺に資材置き場あるでしょ?あそこ親方…唯ちゃんのお父さんが借りてる所なんだよ。だからさぁ~昼に資材置き場に寄る時は、俺も親方も結構山之屋で食べてるんだよねぇ♪美味いよね♪しょうが焼き定食とか♪」
直ぐにメグちゃん呼びになった中本に若干引きつつ…小遣いが余分に欲しい時以外は、店の手伝い等滅多にしない恵も、実家を褒められれば素直に嬉しい。
「あ、ありがとうございます♪生姜焼きも人気ですけど…山菜おこわとか、猪肉のカツ定食なんかも有名ですよ?」
「へぇ~お前ん家、食堂やってたんだぁ~へぇ~知らんかったぁ~そっかぁ…おとう昼はそこで食べてるんだぁ…私も今度行ってみたいなぁ~」
唯も初めて知ったらしい、随分と嬉しそうな…良く料理をしているので食堂と聞き、興味深そうな反応をしている。
そこで、つい最近の…あの夜の会話が頭を過る。
(そう言えば栗原先輩、アルバイト探してるとかって、厨房の仕事がしたいって言ってた様な記憶が…帰ったらお母さんに聞いてみようかな?栗原先輩が学校に来る回数も減るし、調理師志望なら充分な理由…)
少々邪な理由も有りはしたが、実家に取っても唯に取っても、そして…自分に取ってもメリットはある。
そんな事を考えながら、車はスイスイと進み、山之屋の駐車場に止まった。
トラック運転手や家族連れが車を停める駐車場だけあり、敷地も家屋を含む店自体も、かなり大きい。
夕方の開店時間を待ってでもいるのか?数台のトラックや乗用車が停まり、車内でタバコを吸っているのが見える。
「うへぇ~!結構デカイ店だねぇ!お前ん家って…ちょい古いけど、三階まであんの?」
「あ、ハイ、三階の隅の方がアタシの部屋です…あの虎柄のカーテンの…」
他と違い、如何にもなヤンキー臭いアニマル柄のカーテンの部屋が見える。
窓からは数体のクマやウサギの縫いぐるみ達がこちらを見下ろしている。
親に相談はしていないが、先程計画した案を実行すべく唯に声を掛ける。
「あっ!そう言えば!栗原先輩アルバイト探してるんでしたよね♪なんか…厨房やってみたいとか?」
「え…?アレ?私お前に言った事あったっけぇ?……あぁ…瑞稀が喋ったの?」
(あっ!マズ…先走っちゃった…)
恵は少し焦りながら、話題を先に進める。
「あ、あの…そうだ!ウチでアルバイトして見ませんか?まだ聞いてみないと分かんないですけど、でも大体昼も夜も忙しいので今も募集なんかも出したりしてるし、多分大丈夫かと…」
「えぇ!?良いの?!年明けからになっちゃうけど、週三~四くらい?学校にも週一回は行かないと駄目でさぁ、土曜日は礼子様の顔もあるから、猿先輩のレンタルビデオ屋でバイトする事にもなってるし」
「ハイ!それも含めて親に聞いてみますね♪」
◆ ◆ ◆
山乃家の駐車場から手を振り見送る恵に軽く手を振り返し、車は国道沿いに有るディスカウントスーパーに向かって走る。
「あ~♪ラッキー♪こんなトコで念願の厨房のバイト決まりそうになるなんて♪良いコトするもんだよね♪中本さん♪」
「おう!お安い御用よ♪このお礼は後で酒のツマミ増やして返してくれよなぁ♪」
「分かってるって♪じゃあ揚げ出し豆腐に挑戦してみ………」
対抗車線を走る車に目が止まり、少し眉を顰める。
「……最近あのステッカーの族車良く通るよねぇ?何て読むのかなぁ?工業科の連中がやってるチームであんなの聞いた事が無いし…しゃ…どう?」
その名前に中本が反応する。
「おっ!漢字でシャドウって言うの?昔さぁ~♪俺が作ったチームと同じ名前じゃん♪俺が作ったのは英文字でシャレ乙にShadowなんだけどね♪」
「へぇ~!地元って阿良川市だったんでしょ?そんじゃあ中本さんって総長とかだったの?」
「あ~~!?そんなの無いよぉ~ガキの頃の話だしさぁ♪みんな五十CCのバイクでさぁ~♪族とか名乗ってればナンパすんのに泊が付くだろ?それだけだよ♪総長とかヘッドとかねぇって!ただのガキの遊びだよ♪」
「なんだぁ~♪だっせ~♪まだ残ってんの?そのチームとか?」
「アハハハ♪一緒にナンパしてた奴でさぁ♪一個下の後輩が引き続きやってたみたいだけど…もう無いんじゃね?そん時は金無くてね~、バイクに金掛けられ無かったからさぁ、それが悔しくて、それで今、この車があんのよ♪大人の経済力で金掛け放題♪」
「へぇ~そうなんだぁ~♪」
手触りの良いファーに覆われたシートを撫でながら、何故か妙に気になり…
既に走り過ぎ、見えなくなった族車の方にチラリと目を向けるのであった。
◆ ◆ ◆
後日、山乃家に面接に訪れた唯は希望通りの条件で受け入れて貰う事が出来た。
とはいえ、皿洗いと野菜の下拵えがメインでは有ったが、恵の両親としても高校生に刃物仕事をさせるのに難色を示していたのだが、唯は慣れているからと実際に腕前を披露した。
そこで恵の両親も折れ、野菜の下拵えまでなら、と言った条件付き採用である。
調理に関しては、他の調理専門の従業員に手伝ってくれと言われたら補助に入る。
と…言う条件で纏まった。
そして唯が学校に来ない間は唯に替わり、恵が礼子の鞄持ちとして毎朝駅前で待機する事になった。
当然の事、恵の本当の願望など知る由もない礼子は別にいらないと断った。
礼子にしてみれば、そもそも唯へのお仕置きの為に何となく提案した制裁、契約の一部であって最初から望んでやらせていたワケでも無いのだ。
だが、そこは恵いつに無く強い言葉で、第一高校の女帝が取り巻きも無しで登校するなど、あり得ない!と力説し…やや強引に押し切った。
礼子も深く考えず、言われてみればそんな気もする。
…と言って了承した次第。
しかし、恵の頑張りもそこまでで…
結論から言えば、その後もさしたる進展は無かった。
恵は礼子に心酔する忠実な従者で、何かあれば必要な情報を与えてくれる知恵袋である。
香への悪戯の件で裸に剥き、制裁をした当初は…見た目も可愛いらしいし、玩具になるかも…と言った考えは礼子にもあっただろうが…
今はそんな事を思った事さえ忘れていたし、現在の恵に対してそんな事をする必要も感じて居ない。
礼子は礼子なりに、恵を重用し、それなりに側近として知恵袋として大切に扱ってはいたのだ。
礼子は察しが悪く、頭もそれ程良くは無い。
恵の本当の望みなど、言われなければ分かり様も無いのだ。
直接望みを告白すれば…勿論礼子もそれに喜んで応え、ペットとしての恵の痴態を心ゆくまで堪能しただろうが…
しかし恵は礼子に憧れるあまり、人前では超然とした態度(他からみればロボット)を崩さない。
「篠田先輩!アタシを玩具に…ペットにして!アタシの恥ずかしい姿を見て!…虐めて下さい…」
そう…何度も機会はあり、喉まで言葉は出かかった。
結局は…お仕置きされる娘達を横目に、礼子が卒業するまで過剰な性欲と願望を抱えたまま…
悶々とした日々を過ごす事になった。
そして、もう二度とやらないと誓った筈の【夜の散歩】人には絶対言えない恵の秘密の遊び…
喉元過ぎれば熱さを忘れる。
…と言った格言がある通り、更に危険で過激な野外露出にのめり込む事になる。
家の近くの住宅街、時には深夜の血糊側の河川敷、昼間に駅向こうの北部地区に有るデパートでも…
車の免許を取得した後には、円火市の市営プールにワザワザ紐で結ぶタイプのビキニで行き、ウォータースライダーで事故に見せかけ、衆人環視の前で全裸になり、脱げた水着を探す為に、慌てたフリをして人に止められるまで合法的に全裸遊泳を楽しむまでになる。
そして…人が見ていなければ…
癖になりつつある、野外での放尿や排泄を数限り無く繰り返す事になったのである。
そんな…もう二度としないと思っていた野外露出を恵が再び始めてしまう事になった要因は…
突き詰めれば安心感と危機感からの解放に依る所が大きい。
その遠因とは…
後に【族狩り】の二つ名で伝説になった。
山間第一高校の不良達のリーダーで有る…佐藤大志の人生最大の抗争が始まろうとしていた。
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