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デスゲーム
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これは俺のなんでもない日常に起きた
恐怖の物語
プロローグ
「おっはよー!」
今日も元気いっぱいに俺の元へ走ってくる
名前は西条筑紫 何故か俺の後ろをちょこまかついてくる
おっと俺の自己紹介が遅れてしまった
俺の名前は滝沢朔夜ちょっと女みたいな名前だけど俺はあまり気にしてない
「おはよう」30秒くらい遅れて返事をそっけなくかえした
「今日さ放課後暇だったら」「断る」俺は全部言われる前に断った「最後まで言ってないのに...」そんなムスッと顔をしてきて上目遣いをしてくる 思わず笑みが零れてしまった俺は「そんな可愛い顔しても無駄だ」と笑って答えた「ちぇ」そう怒っている筑紫 「えへへ」急に可愛い顔をしたので思わず顔を逸らしてしまう
別に気になっている訳じゃないよ?! そう俺が頭を抱えているうちに、いつの間にか筑紫は俺の元を離れどこかへ行ってしまっていた「あー今日も空が綺麗だ」俺は学校のベランダにでていつものようにその景色に浸っていた もうすぐ夏だな、こんななんでもない日常じゃなくてスリルが味わえるようなこと起きないかななんて思いながら自分の席へと向かう
俺の前の席はいつも空いている…理由はいじめられて自殺したのだ
いじめられていた人の名前は石井恭太
恭太は俺の一番の親友だったはずなのに俺は見捨ててしまった 俺もいじめられるのが怖くて...
「はぁー」そう小さくため息を着く
でもこんな日常が急に恐怖のどん底に落ちる
なんて誰も知らなかった
授業が始まるのでみんなが一斉に席につき
みんなも退屈そうな顔をする
恭太をいじめていた人の名前は西連寺芽衣
伊勢亮太 真野恵里菜 一ノ瀬千鶴女子2人男子2人の4人だった西連寺は凄く気が強いそしてまじで色々終わってる女だ俺は苦手だな…
伊勢はすごく頭がいいでもたまにとても怖い
真野は誰もが可愛いと思うキャラ、だが全然可愛さの欠けらも無いマジで男みたいな性格でみんなは知らないだろうけどみんながいない所で声がすごく低い俺はたまたま聞いただけだけど...
一ノ瀬はとにかくチャラい
人をいじめてもなんとも思わない最低野郎だこの4人はみんなそうか
まあこんな感じでいじめていた主犯達も何事もなかったかのように席につき4人で笑っていた
俺はみんなのリーダーのような存在なぜなら生徒会長だからである
もう3年生になるという時期だ
えっと1時間目は数学か
憂鬱だな...
数学が始まって10分経った
先生は何故かよく分からないルールを言い出した。授業内容は三角形の証明だからその解き方を説明し始めたのだと思う、ちゃんと聞いとけばよかった…
「ルールその1 外へ助けを求めてはならない」ん?先生今変なこと言わなかったか?
気のせいかな?「ルールその2 トイレに行っても誰か戻ってこなかったら逃げた人もクラスの人も全員殺します」すらすらと黒板に書く 先生に異変が現れた 俺の気のせいなんかじゃない「先生」俺は大きな声で先生に呼びかける 先生は女のはずなのにあんな聞いたことも無い低い声で喋れるはずがない
嫌な予感がする...
「ルールその3 命令には絶対に逆らうな」
そう言って黒板に書き終わったのかこちらを振り向いて先生は自分のバッグに手を突っ込んだ
すると布のかかったものを出した
なんだあれは?
「逆らうと...」先生は布がかかったものを自分の頭に突きつけた 何をするつもりなんだ?
「先生何言ってんの?ハハ」一ノ瀬は笑ってふざけているようだった ふざけてる場合じゃない気がする「うふ」さっきまでの低い声がうそのようだった 先生はいつもの笑顔を見せる
変だ 「先...」バン...俺の声と重なって銃声音のような音ともに布がかかったものが鈍い音を立てて落ちた「いや...いやー」みんなが一斉に後ろへ走ってくる 女子は泣き喚いていた
死ん...だ?「筑紫何があったの?」俺は近くにいた筑紫に何があったのか聞くと「先生が頭を自分で撃って死んだ」と答えた やばい吐きそうだ 布がかかったものは床に落ち布は真っ赤に染まり、
鈍い音を立てたものが正体を現した
それは紛れもなく銃だった
みんな冷静さを失い、教室から出ようとする だが先生が言っていたルール通りなら俺達は死ぬことになる「みんな出るな!」そう言うがみんなには聞こえてないみたいだった
ザッザッザー
「え?」俺は軽く声を漏らした
放送室を誰か使ってる?もしかして、不審者が入ったから、避難の放送かも…「2年C組のみなさーんこんにちは俺の名前は うーん…適当に殺人者Aとでも呼んでください」俺の予想は外れてしまった 放送をしていたのは、不審者だった それより殺人者A?とても甲高い声で喋る男は誰かわからなかった
2年C組と指定して言った なんでわざわざ指定して言ったんだ?俺達のクラスが狙いか? 俺は頭を掻きながら考えていると放送はどんどん流れいく「2年C組の人以外 先生達もグラウンドに出てくださいさもなくば殺します」どんどん外へ出ていく みんな気づけば教員も俺達以外のクラスもグラウンドに出ていた
「それではグラウンドに出ていただいた皆様にはおかえりを願います」帰らせるのか 俺達はどうなるんだ?俺はベランダにでて話を聞こうとする ふと下を見た時ここから飛び降りれないかと考えた 無理かここは三階落ちたら即死って所だ
「それは無理だ」そういう先生 放送室に聞こえるのか?「あーそうですか生徒の皆さんはどうします?帰りますか?残りますか?」「生徒は全員帰らせろ」そう先生達は指示をする生徒は逃げるようにその場を立ち去った
「あーあー自分の命よりこれから希望のある生徒を帰らせるのかハハ」そう笑いながら話す殺人者A「何がおかしい?」先生は質問をする「俺の時はなかったのにな」そう小さな声で言った 先生には聞こえてないみたいだった「帰れば良かったものの」急に低い声になった
「先生が生徒を必死に助ける…凄いですね では、2年C組も助けるつもりですか?」聞きながらクラスの様子を見るまだ泣いている人
恐怖でみんな腰が抜けたのか動けていない
「先生方放送室に来て貰えますか?」その言葉で先生はみんなで放送室へと向かって行った「先生方俺の時はそんなことしてくれなかったですよね」殺人者Aはまた同じことを言うすると放送室から「君は.....」
その瞬間タイミングを測ったかのように放送室から声が聞こえなくなったそして5分後に放送がまたついた「まさに先生の鏡ですね それでは先生方さようなら」その瞬間先程のような銃声音また死んだのか?「うぁ」と呻く声それは1人2人のものでは無い ほんとに殺されたのかもしれないさっきまで静かだった教室もまた泣き声と喚く声でうるさくなった俺は先生の死で「おぇぇ」と嘔吐した 気持ち悪くなってきた
「それでは邪魔ものはいなくなったのでデスゲームを始めたいと思います」さっきまでの甲高い声で殺人者Aは言った
あいつは今悪魔の笑いをしている気がした
神様あのなんともない日常を返してください
第1章ー ルール ー
「それではデスゲームを始めます」
デス...ゲーム?
「あっ!言い忘れたけど盗聴器と監視カメラとかついてるから色々分かるからだからちょっとでも変なことしたら殺すから」ゾクッ…背筋に冷たい何かが走った
おそるおそる俺は殺人者Aに質問をするちょっとでも気に触るようなことを言ったら何されるか分かったもんじゃない「ゲームをするのか?」「うん!そうだよ!デスゲームつまり〝 死のゲーム〟だ」死のゲーム…
「それではルール説明をするね」
「ルールその1外へ助けを求めてはならない」
「ルールその2トイレに行ってもいいが誰か逃げたらその生徒も教室全員を殺す」
「ルールその3命令には絶対逆らうな」
「ルールその4生き残れるのは10人だけ」
「ルールその5どんなに汚い手を使っても良い」ルールを全て言い終わったのか少しの沈黙があった気づけばみんなは静かになっていた 俺は希望を失ったかのように、その場で倒れ込むように座った
でも、その沈黙はすぐに恐怖へと変わった…
「いやー」そう言って教室の外へ飛び出したのだ
「ちな!」筑紫が呼び止めるように大きな声を出したのにも関わらず、一目散に角を曲がって階段へと向かった このままではみんな死ぬ…
そう思った瞬間「やっいややめて殺さないで」逃げたはずのちなは後ずさりをしている
何かから逃げているのか?「殺さないで教室へ戻るからお願い」そう言って必死に逃げようとする角からは謎の黒い服を羽織った人がいた片手には銃を持っている
まずい…
「ちな!こっちに走ってこい!」俺は力いっぱい声を張った それに気づいたのかこちらへ走ってくる そして右手を伸ばした瞬間だった
頬に何か付いたのだ 左手の人差し指で拭った
血… 「あっあ」と呻く
目の前のちなは俺の手に触れる前に撃たれて死んでいた…
みんなはうぁわと言って俺から後ずさりをしていく
俺に倒れ込むように屈んでいくちなを、受け止めて その場で座り込んだ
「うう…あぁ」助けられたかったという気持ちが込み上げてきて、1粒涙を流した
俺の手にはちなの血がベッタリとついている
「あーあ今回だけ特別だからクラス全員を殺すのはやめるよ」1人殺してしまった
「無駄死にした赤井ちなゲームオーバー」
その掛け声にあーゲームだったと思い出す
「これ以上無駄死にしないでねちっとも面白くないから」そうお願いををしてくる殺人者A
「お前の狙いはなんだ」俺は質問をした「俺の狙いねーそれはねみんなに知ってほしいだけ」知って欲しい?何をだ?「みんなが助かる道はないのか?」これが1番いいと思う 今1人犠牲になったお陰でみんな冷静さを失いつつある だからこそだ「うーん基本的にそれを聞かれる予定はなかったから、あっだったら俺を納得させてみろよそしたら10人以上でも助けてあげるよ」納得?それはどゆことだよ誰か分からないのにどうすればいいんだよ
「お前って誰なの?」俺は名前を聞こうとするよっぽど殺人者Aとか名乗るから教えてくれないと思った
「俺は…石井恭太」その言葉にきっとみんなが凍りついただろう
俺だって固まった「恭太?」俺はおそるおそる聞く「そうだいじめられていた石井でーす」そう言うと「ウソだろ」と一ノ瀬と伊勢が言う きっといじめていたあの4人が1番恐怖心を抱いているのだろう
あいつの目的は 復讐
「え?まってなんでこんな所にいるの?死んだはずでしょ?」そう筑紫が聞いた
「おー、いい質問!なんでここに居るかでしょ?それはね未練が強すぎて転生ができなかったんだ、けどねある日まあ君たちは知らないだろうけど上の人間がいるんだいわゆる神様ってやつだ その人に言われたんだ 3ヶ月くらい経って、まあ色々あって命令が下された だから帰ってきた、俺の未練を晴らすためにね」思ってもない展開にびっくりしたけど まあとにかくデスゲームをするしかなさそうだ
「あーその顔いいね恐怖と絶望に溢れたその顔たまらない俺もあんな顔をしてたんだろうなあの目に光がなくなった顔 大丈夫だよ?そこの4人すぐには殺したりしないから生きたいならゲームに勝てばいいんだよ」
狂ってしまったここまで変えたのは俺達だったこのままではみんな死ぬ早く手を打たないと…
「もうさっきから始めようとしてるんだからとめないでよね あっ!そういえば校舎ごと異世界に飛ばすね!」返事を待つ前に場所が変わる さっきまで明るかったのが真っ暗になったのだ本当に異世界にきたのか
「それでは改めてデスゲームを始めたいと思います」俺は自分の命よりみんなが生き残れる手段を考えなければならない
「恭太…」
俺は狂った彼の名前を小さく呼んだ…
第2章 ー死の鬼ごっこー
「俺といつまでも友達だ!」
その言葉が急に頭によぎった
こんなにも壊してしまったのは俺なのか?
「デスゲームを始める前にみんな一旦席に着いて」そう言われて俺達は席へ向かう 1番前の席の人は教卓の後ろには死んだ先生がいるのでゆっくり、ゆっくり前へ行く「大丈夫だって急に動き出したりしないから俺が確実に殺したから」殺したか…そんなことが問題なのではない あそこに死体があるのが嫌なのだ
「はーい みんな席に着いたね じゃーみんな目を閉じて 俺が指示するまで開けちゃダメだよ」みんなはきっと一斉に目を閉じただろう
ガチャ…ガチャ…物と物がぶつかり合ってする音 何を出している?
するとなにか急に恐怖感をおぼえた
俺の前に誰かいる…机の上になにかおいて
服が擦れるサッサっという音はどんどん遠のいていく
「開けていいよ」恭太からの指示があって
目を開けた 机の上にあったのは、銃とナイフ…本物?そして懐中電灯
こんなものを持ってどうする?
俺達は死ぬか、生きるかのはず…
「それはね殺し合いをさせるためのものだよ」ニタァ…そう笑った気がした
「殺し合い…」そう聞いてみんなが一斉にざわつき始めた
「ゲームを始めたいと思います」
1番最初のゲームは何をするのか?
「ミッションは全部で5それで生き残ったものが勝ち」
ミッションか…俺は本物の銃を持つことの恐怖を感じた そして生き残りたいと思う本能が芽生えた瞬間だった
きっと誰もがそうな気がした
「ミッション1 鬼ごっこ」鬼ごっこ?
「この校舎にバケモノを1体放す」バケモノ?今まで俺もゲームをして追いかけられるゲームをしてきただが
実際にする日がくるとは思ってもいなかった
「まあそのバケモノは思ったより優秀だから気をつけてね隠れてもよし自分が生き残るために他の人を殺してもいいよ」その残酷な言葉に鳥肌がたった 俺だって人間だ怖いという気持ちだって湧く そういえばこのゲームが始まる前は何時だった?授業が始まったばかりだったなもう結構経った気がして時計を見るだがまだ時間は30分しか経ってなかった
恐怖で時間の感覚がおかしくなっている
「その銃とナイフでどうにか対処するのもよし まあ死ぬことはないから…あの〝バケモノ〟は…」不死身なのか生き延びたいならするしかなさそうだ「30分ずっと生き延びてる人が勝ち死んだら負け」30分?長くねぇか?
「逃げる範囲はこっち側の校舎だけあっちの校舎に行ったらゲームオーバーと見なします」やりたくないな …
「それでは1番最初のゲーム死の鬼ごっこを始めたいと思います」始まってしまう
俺はナイフを机に一緒においてあったナイフケースに入れ 銃と懐中電灯を持って教室から出る準備を始めた まるで今からサバイバルゲームをはじめるかのように…
みんなもやるしかないと考えたのか準備を始めた 女子達はさっきまですごく泣いていたが
少し冷静さを保って、目が真剣になっていた みんなが一斉にドアの前へ集まると恭太からの掛け声を待った
「それではゲームスタート!」その掛け声で
みんなは走って教室を出る 俺もその人の流れに乗って廊下へと出た
グイッ…そう俺は服を引っ張られて振り返る
とそこには筑紫がいた
「お願い一緒に行動して欲しい」そう震えた声と服を引っ張っていた震えた手でお願いしてきた
俺もひとりじゃ怖いし、足でまといとも思わない なので俺は一緒に行動することを決意した
筑紫のことなんとも思ってないって言っていたけど、実は前まで好きだった人だ
俺は好きだったけど、振られてしまってもう無理だなと思い諦めたのだ
でも今思えばまだ好きなのかもしれない
他の女の子だったらここまで守りたいっても思わないだろうし、こんな状況なのに話しかけてくれて嬉しいとも思う
そういえば放課後になんかしようって誘われたな なんであの時断ったんだろ
「なぁ」俺は筑紫に声をかける俺達は廊下を少しづつ歩きながら隠れる場所を探していた
「放課後暇だったら何したかったの?俺と」
そう聞いてみる あの時は遊びの誘いかと思っていたけれど、実は違うのかもしれないと思った「えっとね 放課後遊ぼっていようと思って大事な話があるからっていようと思ったけどすぐ断られちゃった あはは」そうクスクス笑いながらその話をする筑紫
やっぱり好きだったな…
「大事な話って?」「うーん教えない」と意地悪な笑顔で言われた「じゃーこれが終わったら教えてね」その温かい空気はいつもの教室へいる感じだった
「キャー」その声に温かい空気は一瞬でなくなり、ゲームをしていたということを二人とも思い出した
「ここに隠れよう」俺は小さな声で筑紫に言った 筑紫の手を掴んで中へ入った俺達は大分密着していた 筑紫にハグした状況だった「ねぇ朔夜近くない?」そう言われて返事をする「悪いだが今は我慢してくれ音がするんだ」
そう言うと筑紫は静かになった
ペチャペチャ… 音がして光を消す
音はどんどん近づいてきた
音がしなくなった部屋の前で止まっ…た?
俺は筑紫を強く抱きしめて
緊張感が増したのか息をしなくなっていた
部屋を開けられないといいが
すると、音はどんどん遠のいていくどうやらやり過ごしたようだ 俺は少しして息をし始めて、筑紫とは体をはなした すると放送が鳴った
「ここで!ゲームオーバー者を発表します
!真野恵里菜 池上明 橋長司 金川美波ゲームオーバー」もう4人やられたのか?!
しかも真野恵里菜っていじめてた主犯の1人じゃねぇか
やべぇなこれは…思ったよりすごそうだ
開始してすでに5分経過している
5分で4人って…おわる頃にはどうなってるんだ?
「私達も死ぬのかな?」不安そうな顔をしながらその目には涙が溜まっていた 確信はないからなんとも言えない
「大丈夫俺が守るから」そう言ってもう1回抱きしめた 恋人でもないのに急に抱きしめたくなってやってしまった
「あーごめん」そう俺は急いで筑紫を離し
謝るすると筑紫はクスクス笑い「じゃーお願いします王子様」と笑ってくれたこんな状態でもほのぼのさせてくれる
緊張が少し解けた 「じゃー行こうか」そう手を強く繋いだ
「それではお知らせー!」恭太は放送をかける「ただの鬼ごっこじゃ楽しくないことに気づいたので新しいルールを付け足すね!」
ルールを付け足す?「今からどこかに鍵を至る所に置いていくね 教室の鍵とは違う形で もっと見たことの無いような形その鍵を2年C組の教室に持っていき」ガタン...
ビクっ…体が軽く跳ねた「今教室の鍵を閉めたからその鍵で開けてね その鍵で2人助かることにします 教室にはバケモノが入って来られないようにするね」助かるのは2人
俺達は2人だから助かるかもしれない
「探しに行く?」筑紫に聞くと声を震わせながら「ええもちろん」そう言われて部屋を出ようとする「あっ!ちなみにバケモノは音に敏感だから大きな音が少しでもすると追いかけてくるよ そして教室を開ける時のドアの音に注意してね」そうだ俺達の教室のドアは音が物凄くするドアなのだ
音に敏感か無駄に音を出せないな
でもさっき喋っても大丈夫だったということは多少は喋っても大丈夫そうだ
「じゃー頑張ってね!」そう告げるともう喋らなくなった
「じゃー行こうか」俺達は手を繋いだまま
歩き出した 鍵は至る所に置いとくと言ったが
そんな簡単には見つからないはず
「ここ探してみよう」ここは音楽室何故かここを調べたくなった 教室のように机が並べてある「探そうか音を立てないように」筑紫が怖がると思って一緒に行動しようと思ったが筑紫から意外な事を言った「手分けして探そうそっちの方が見つかりやすいでしょ?」「大丈夫なのか?」「うんだっていざとなったら助けてくれるんでしょ?」「おう」そう言って俺達は手分けして探す机の中を2人で探した「あったか?」「ううんない」どこにあるんだよ 俺は辺りを見渡す すると目に入ったのはピアノだった 「ピアノら辺探そう」
そう言うと筑紫は頷いて、2人で探した
「あった!」筑紫が軽く大きな声を出した
見たこともないような鍵これか…
そう思って動こうとすると、ガタン…
机に思いっきりぶつかってしまった
しまった!俺達はすぐさまそこを離れて、隣の家庭科室へと逃げ込んだ
ペチャペチャ…そう音を立てながら歩く
家庭科室を通り過ぎる時にその〝バケモノ〟はこちらをみた
俺の心臓は飛び出しそうだった
バクバクッ…
そして、音楽室の方へと歩いていく
「ふぅー」そうそっと息をはく
「ちょっと朔夜近いよ!」そう小さく叫んだ
俺の前に筑紫が座ってバックハグした状態
そりゃあ怒るよ 馬鹿だな何してんだよ俺
「あー悪ぃハハ」俺は少し笑いながら筑紫を離した 俺は無意識のうちにやっていた訳だが気づいた時にはもっと抱きしめときたいって気持ちがあったやっぱり好きだなそう改めて思う瞬間だった
「もう!朔夜めっちゃ近いよ!」暗くてよく見えなかったが、筑紫は怒っていたみたいだ
俺は顔が赤いのバレなくて済んだけど…
バケモノが来る前にここを動こう
「教室へ急ごう」俺は筑紫の手を掴んで家庭科室をゆっくり出た
まだバケモノは音楽室に居るはず
今のうちに行くしかないそう思った時だった
ペチャペチャ…
最悪だ タイミングが悪すぎる
家庭科室は出てしまってもう戻れない
走ろうにも音がするから走れない
「朔夜どうしよう死ぬのかな?」少し冷静を装って俺は軽く笑顔を見せた「大丈夫俺が守るから」そんなこと言ってももう恐怖でいっぱいだった
異世界に飛ばされて真っ暗な訳だが
月は見えるここの月は凄く綺麗だった
ペチャペチャ…
そう音は近づく俺は筑紫の手を強く握った
月の光に照らされて〝バケモノ〟がこちらをみた
「え?」俺は小さく声を漏らした
「朔夜くん!」月の光に照らされて見えていたのはこの学校の制服をきた女子生徒だった
こんな子クラスにいたっけな?
「朔夜くん怖かったんだよ 1人で行動して、筑紫さんもこんにちは」そう言って俺は安堵した ただの女子生徒か 名前はなんて言うんだっけ?
「朔夜」そう小さく俺の名前を呼んだ筑紫
「ん?なんだ?」俺は筑紫を見て答えた
「早く…早く逃げないと」そう言って俺の服を引っ張り走り出した「おっおい」俺は筑紫に呼びかける だが一向に止まろうとしない
振り向くとさっきの女子生徒は、首をかしげながらこちらをみていた
〝バレちゃったか〟それは朔夜にも筑紫にも聞こえていなかった
もう一度教室近くの部屋へと逃げ込んだ
「おいなんで逃げたんだよ?」筑紫は顔を真っ青にしながら答えた
「あんな生徒見たことなかった…それになぜかあの人を見た瞬間 顔が血まみれに見えてしまった気がした そして殺気が感じられた、だとしたら」『 バケモノ』
そう2人で口を揃えて言った
「みぃつけた」その声に俺は体を震わせた
ゆっくり振り向くとさっきの女子生徒
「バレちゃったね、ということで死んでもらうね」そう笑顔で言われて俺達はお互いにゆっくり手を繋いだ 強く…強く…握った
恐怖に勝てるように冷静さを保てるように…
その〝バケモノ〟は姿がどんどん変わっていく
右手には大きな鎌をもち顔の左半分には仮面を被り黒いセーラー服に赤いリボンをつけ、
髪はポニーテールになった
「お前が何故一気に4人殺せたか分かったぞ」そう俺はバケモノに問ただせた
「おーなんででしょう」「お前はさっきみたいにか弱い女子生徒を演じ、みんなに近づいたみんなが油断した時を狙って殺したんだろ
」「おービンゴ」そう笑顔で言っている女は楽しそうに話す
「じゃー君たちも死んでもらわなくちゃね」
大きな鎌をこちらに向けた
振りかざそうとしてくる時に筑紫に抱きつき
避けた
「あっぶねぇ」ギリギリだもう少しで足が切り落とされるところだった
「おっ!凄いね 避けたのは君たちが初めてだよ」クソどうにかここを逃げ出さなければ
「よいしょ!」もう一度鎌を振りかざす
「朔夜」俺の腕を強く握って目に涙をためる
「大丈夫だから」俺は筑紫にそう言った
「大丈夫じゃないっよ!」そう俺はバケモノに背中を切られた かすり傷程度だが「痛ってぇ」「きゃははははは」「大丈夫?!朔夜 いやっ血が…」めっちゃ痛てぇ
筑紫だけでも逃がすこと出来ないか
「いいねいいね朔夜って男の子は結構楽しそう その顔が恐怖に変わる瞬間が楽しみだな」
俺は笑った
「ふっ」「何がおかしい?」そう冷たい目をするバケモノ
「死なねぇよ 俺達はなんとしてでも逃げ出してやる」「ふーん 君は私の嫌いな人にそっくりな目をしているね 君をみているとなんだか自然と怒りと憎しみが溢れ出てくる」誰だよそいつは俺には関係ないだろうが
そんなことを言っているうちに隙が出来たことに気づき、俺はそのうちに筑紫とその部屋を急いででた
「おっおい待て!」バケモノはすぐさま気づいて追いかけてくる
クソ…速いな…
もうすぐで教室だって言うのに
「筑紫走れ!教室のドアを開けてくれ!」
「いやでも」「お願いだ」俺は筑紫にお願いをした「分かった」筑紫は1人でどんどん走っていく
これで、俺だけしか死なない
「へー変なの自分の命を投げ打ってまであの女の子を助けたいのか?」
「あーそうだよ何が悪い」時間稼ぎになるのは俺しかいない
筑紫頼む生き残ってくれ
第3章 ー頼みー
「あぁぁぁぁぁ」俺はでかい声で呻く
俺の手や足は鎌で傷をつけられすぎてもう動くのも辛い
あれから数分、耐えたがもう限界だ
俺は最後の力を振り絞って教室へと走る
生き残りたいからだ… 俺だって生きたい
血は足に力を入れる度にぽたぽた垂れる
激痛がして転けそうに何回かなる
「朔夜!開いたよ!こっちに走って!」
そう筑紫に言われて走る
筑紫の手に触れようとした時
後ろにいた〝バケモノ〟がいなくなっていた
「どこに行った?」「そんなことより入らなきゃ!」「うっうんそうなんだが」
俺は辺りを見渡す
姿がどこにもない
俺がつくしに視線を戻した瞬間だった
スッ…筑紫の後ろにいたのだ
「え?」筑紫が軽く声を出した
「やめろ やめてくれ」バケモノに頼んだ
頼む殺さないでくれ
そいつがいないと俺は死んだも同然だ
何故そう思ったかは不思議だった でも筑紫がいなくなったら俺が俺じゃ無くなりそうだった
「さぁどうする? 自分だけが生き残る道を選ぶか一緒に死ぬか」ニタァ…笑った俺の返り血を浴びて顔が血だらけなのが分かる
〝悪魔〟だ
「朔夜 私は大丈夫だよ朔夜は生きて ね?」間をおいて〝ね?〟と言ったのはまだ迷いがあったらからだ なんとしてでも生きて欲しい
「いいねやっぱり恐怖に変わった瞬間の顔 私の大っ嫌いだった人にそっくりだよその顔 今まで散々私を壊したくせに私が壊そうとすると命乞いをする でも…君は違った」
筑紫の首に鎌がかけられる少しでもひいたら
切り落とされるくらい
なにか考えろ!逃げれる方法を!
「君は自分の為じゃなくてこの女のために命乞いをした それに惚れたよ だから選ばせてあげる この女を死なせて自分が助かるか 一緒に死ぬか」めっちゃくちゃだ
「めっちゃくちゃだね 俺はどっちも選ばねぇよ」「は?」「朔夜?何をするつもり?」すすり泣きをしながら俺に聞いてくる
「こうするんだよ…今回の勝負は俺の勝ち…チェックメイトだ」俺は鼻で笑って、思いっきり銃の弾をバケモノの額にぶっぱなした
「あぁぁぁぁぁ」そう呻いている間に
筑紫と教室へと逃げ込んだ
「大丈夫か?怪我はないか?」
「うっうんそんなことより朔夜の血の量が半端じゃないよ」
ドンッ…
そうドアを叩かれて
振り返るとそこにはバケモノがこちらをみていた ていうか脳を撃たれたのによく生きてられるな さすが〝バケモノ〟だ
〝お前らの勝ちだよ 次は殺してやる〟
口パクで言われた気がして、勝ったという事を確信した
ザッザッ
「はーい!滝沢朔夜、西条筑紫クリア!おめでとう救急箱が必要ならさっき教室に大量に置いておいたから使ってね!」
俺は筑紫に傷を応急処置をしてもらいながら
筑紫が死ななかったことに泣いた
そして俺は筑紫に「良かった生きてて」そう言って泣きながら筑紫を抱きしめた
「よしよし男でしょ泣かないの」そう言われて泣きやみ
傷を応急処置をしてもらっていた
何回か俺たちみたいにちょくちょく入ってきてた人がいたが全然全然少なかったためあのバケモノに殺されたのかと思ったのだ
30分経った頃に生きてた人がどんどん入ってくる
30人いたはずなのに数えたら10人いなくなっていた
10人もやられたのかよ
「すごーい!10人しか殺られてないんだね
さすがだねこのクラスは俺が思った通りだよ」確かにあのバケモノ相手に俺も死んでないことが不思議なくらいだ
「ミッションクリア!今ここにいる人達はあと4個ミッションをクリアしなければなりません」あと四つもクリアしなきゃいけないなんてもう無理な気がする
ほんとに俺は生き残れるのか?
筑紫を生き残らせることは出来るのか?
「さてさて次のミッションは」
みんなが息を呑む
「偽者探し」ニセモノ?
「このクラスに偽物が5人いるその中の5人を殺して?」それって意外と簡単な気がする
「でも間違えたら自分も死ぬし殺された相手も死ぬ」〝死ぬ〟その言葉に慣れてしまったのかもしれない
もう、背筋にゾクッとこなかった
慣れたくないなこんな言葉に…
「成功すれば偽者を殺した人は生き残れる10人のうちの1人となる」え?それって生き残れるってことなのか?
でも、鬼ごっこよりもずっとハードのかもしれない 偽者ってことはきっとそっくりで出てくるそういう事だ
「その偽者を殺す5人は出席番号2から6」
2から6か
あの2人がいるな
一ノ瀬と伊勢だ なんか恭太はあの主犯を狙ってる気がする
気のせいか?
「それではゲームスタート!」
その5人が一斉に偽者を探し始める
一ノ瀬は乱暴に探し始める
「おい!お前が偽者か?」
そんな乱暴にしたって見つかるはずがない
なにかあるはずだ見つける方法が
考えろ…
「俺は偽者じゃない!信じてくれ!」みんな命乞いを始める
俺は全員を見渡す
泣いている数名と命乞いをしてる全員
ん? なにかおかしい?
「私じゃない!お願い殺さないで」その子は泣きながら命乞いをする
おかしいぞ
この女変だ 他の女子はみんな冷静を保っているのにこの女だけ凄く必死だ
すると伊勢はその女をすぐ撃った
バンッ…
「おっおい嘘だろお前泣きながら命乞いをしてた奴殺したのかよ」そうクラスの人が言い始める
「こいつは偽者だよ ほらみろよ」
みんな一瞬で凍りついたと思う
俺だって声が出なかった
数秒経ってやっと声がでた
そしてみんなが口々と同じことを言う
「血がでてな…い?」
「ほらな 俺はこれでおしまい」
伊勢は余裕をぶっ越えて喋った 頭がいいな
でもなんでわかったんだ?
「なんで分かったんだよ」俺は伊勢に聞いてみる「は?そんなのすぐ分かるだろ」
そう言おうとした瞬間に「はーいそこまで!言ったらせっかく助かるのに助かる道なくなるよ?」すると、伊勢はすぐに黙った
「伊勢亮太クリアね!」そう言うと、恭太はまた黙った
それからまた数分が経つ
俺はやっとわかった 伊勢がわかった理由を…
それは偽者が泣いているという事
みんな冷静を保っているのにやけに泣いて必死なのだ
だから泣いているあの5人は…
え?5人?
俺は自分で考えていたことにびっくりしまた
泣いている人の数を数える
やっぱり5人だ
もしかして冷静を保てなくなって泣いたのか!?
これはまずい5人が一斉に助かるチャンスなはずなのに
でも、あと2人はクリアしたのだ
4分の1の確率だったのによく出来たな
そして、また恐怖に落ちた
一ノ瀬が誤って1人殺したのだ
血が出てみんなが気づいた
「嘘だろ俺は死ぬのか?」みんなが一ノ瀬から離れていった
「おいなんで離れていくんだよ 頼むよ 俺を1人にしないでくれ」そう泣きながらみんなに近づいてくる
すると一ノ瀬は急に苦しみ始めた
「あっあがくるじい…」
自分の首を掴んで自分で首を締めているようだ
みんなが泣きはじめた
筑紫は「いっいやっ」そう目をそむけた
俺も見てられたくなって目をそむけようとする
すると一ノ瀬が最後の力を振り絞ったのかなにかを言い始めた「おっまえら…呪っ…てや…る」そう言って一ノ瀬は静かになった
みんなが冷静を失い、疲れきって泣くことも叫ぶ気力もないみんなはもう生きる希望を無くしたような目になった
俺はもう一ノ瀬のあの顔を忘れることは出来ないだろうもう何もみたくない
結局死んだ人間は合計4人もなった
3人はクリアしたが一ノ瀬ともう1人が間違えたのだ そして間違えられた人2人と間違えた2人が死んでいった
そして残りの人数は15人となった
「はーいこれでミッションはクリアです!生き残った人お疲れ様でした人が死ぬ所を何度もみたからおつかれなのでしょう?」みんなはもう疲れて喋ってすらない
「ここで休憩タイム!」え?休憩?
なんだそれ
「休憩の間だけ俺を納得させるチャンスをあげます」納得か…これで助かるのかもしれない
「あっでもそんな簡単には俺の心は揺れないから」
その言葉に俺は希望を無くした
あいつの目的はなにか
そしてなんのためにこれをしているのか
謎だらけだ…
第4章 ー目的ー
「納得させてみせてよ」その言葉を聞いてみんなが一斉に納得させようとした
「俺、お前見捨てて悪かったって思ってるだからもうやめてくれ」そうクラスの1人が言う
俺には〝俺は何も悪くない勝手に死んだのはお前だろ俺は生き残りたい〟としか聞こえなかった
心が読めるようになったかのように人の裏声が聞こえてしまう
こんな〝恨み、憎しみ、憎悪〟にまみれた
声を聞く日がくるなんて思ってもいなかった
俺は何も言えない
もう殺されてもしょうがないって思い始めてきた
俺が見捨てたことに変わりない
そしてふと思った
「恭太お前ってほんとに自殺だったのか?」俺の言葉に誰もがびっくりしただろう
でもなんだかおかしく感じた
ほんとに自殺なら、いじめの主犯だけにやり返せばいい なのに、何故こんな手間のかかるやり方をしているのか もし仮に俺たちみんなが見捨てたから、でもそんな理由で人を殺すような奴じゃないはず…
もしかしたら…俺の頭の中に嫌な言葉が思い浮かんだ
〝恭太を誰が殺した〟
そんなはずはない
そんな人はいないはず
俺はそう思いたいだけど
聞かずには居られなくなった
「お前って誰かに殺されたのか?」
もし 殺されたとすれば、誰に殺されたのか分からない 大勢の人を巻き込めば、必ずまた殺しにくるはず
そして俺の発言を待った 〝殺された〟そのキーワードさえ出れば、その犯人が誰だか分かるからだ…
これが狙いなのか?
「うーんどうだろ」曖昧な返事は、話をそらそうとしているように思えた
「正直に答えてくれ殺されたのか?」
俺はもう一度問いただす
俺はもうなんだか分かってしまった
分かりたくない、最悪な答え
そんなこと思いたくなかったのに、さっきの曖昧な返事で分かった きっと恭太は殺されたのだと…
ガラッ…
教室のドアがあき、俺達は身体を震わせた
そして入ってきたのは…
「恭太」みんなが口を揃えて一斉に言った
入ってきたことに少し動揺した
「朔夜」恭太は俺に笑顔を見せた
あのいじめられていた時の痛々しい笑顔
もう二度と見ることは無いと思っていたのに…
「朔夜の言う通りだよ 俺は殺された その人を探して欲しい この計画は元々俺を殺した犯人を探して欲しいだけだった」
「なっなのに関係のないやつを殺すのはおかしいでしょ!」西連寺が恭太に牙をむく
「殺さなきゃ恐怖は味わえないでしょ?」そう笑った
その笑顔は口は笑っているのに目には一欠片の光もない
「でも納得が先だから」
もう納得なんて誰もできない気がした
こんなにも変わってしまった
「殺す必要があったのは俺が何言ってもあんたらは助けてくれないし、見捨ててだってくる なにより1番苦しいのは〝孤独〟だった」恭太は俺たちに、語り始めた
「そして何を言っても心は動かない だから恐怖で教えてあげるしかない」俺は胸が締め付けられた
変えたのは俺…
怖いとか言わないで助けておけば俺のせいで、自殺なんてしなかった
どれだけ足掻いてもどれだけ泣いても
罪は消えないし、恭太は帰ってこない
「それにこれは朔夜のためでもある」
その言葉に俺ははてなマークでいっぱいだった
俺のため?
「納得させてくれる人!手上げて!」
恭太がみんなに言い始める
あの時の恭太みたいだった
あれはきっと小学生の頃だ
俺は小学生の頃 リーダーのような存在ではなかったただの平凡な男の子
そこら辺にいるただ普通の男の子
でもいつも俺が見るところ見るところに
輝いている恭太がいた
「これわかる人!」そうみんなで笑いあって
恭太は、リーダーというよりムードメーカーだった
みんなに愛されてみんなに褒められていた
「朔夜!遊ぼ!」あいつはこんなただの平凡な俺でも受け止めてくれた
あいつのおかげで俺は今みたいな俺がいる
助けてくれたのだ
あの孤独から
俺は両親を殺された
目の前で… 今も思い出す
鮮明に血の匂いも母さんの声も父さんの声も兄さんの声も俺に最後に言った言葉も母さんは俺をかばって死んだ母さんは最後に俺にこういった〝生きてあなたなら大丈夫〟そう言って母さんは息を引き取った
その後俺と妹がいるが一緒に殺されそうになったがその殺人犯は言った
「また大きくなったら殺しにくるね」狂ったような笑顔で言われてその場で腰が抜けた
家はそこら中に血まみれ妹は気を失って俺は
もうなにもかも分からなくなって
もう何もない
幸せが奪われた
俺はその殺人犯を恨んだと同時にいつ殺されるかと怖がっていた
でもその殺人犯は捕まった
殺されることは無くなったが、幸せを奪ったことが許せなかった そして同時に俺も死のうかと思ったのだ
でもそんな時妹が俺に言ってくれた
「お兄ちゃん あのねあの日から私のこと見ていてくれてありがとう 親もいないのにお兄ちゃんが色々してくれてありがとう お兄ちゃんは幸せが無くなったかもしれない でもね、憎しみはまた憎しみをうむの そして同時に後悔をする だからやめてね変な事考えるの 私から2度も幸せを奪わないでね お兄ちゃんがいてくれるだけで幸せだからさ」そう言われて
俺はその日から妹と過ごしている
普通だったら嫌いとかなるんだろうけど
たった一人の家族と思うと大切で仕方がなかった
そして俺の恨みは消えていった
でも心の傷はいつになっても癒えない
もう何十年と経っているのに
そんな時恭太が居てくれた
恭太に全てを話して、妹とも遊んでくれて俺の事も気遣ってくれて嬉しかったなのに何故いじめられてしまったのだろう
誰にでも優しかったのに…
「いないのー?」その声に現実に引き戻された
「そっかーいないのかならまたゲームを始めようと思う」ゲームか
また殺し合うのかな…
するとあの何十年も前の母達の事件が頭によぎった
もうあんな光景見たくないのに
「それではゲームを再開します」
その声はまるで戦争が始まる鐘の音のようだった
恭太お前に何があったんだ?
俺には今の恭太が理解できない
第5章 ー犯人探しー
「それではゲームを再開します」
その声に俺達は身構えた
次はどんなことが起こるのか
俺達はほんとに生き残れるのか
「ミッションその3犯人探し」
犯人探し?
「俺を殺した犯人を探して欲しいこれが終われば全てを話す」俺たちの目の前で恭太は話し始める
犯人探しか殺されたりするよりはマシだな
「それでは話し合いスタート」
俺達は話し合いを始めた
「恭太を殺した犯人は手上げて」
誰もがしーんとなった
そりゃあ犯人が潔く手をあげるわけが無い
「お前が犯人なんじゃねぇの」
伊勢が俺に指を指してくる
「は?なんで俺が犯人なんだよ?」そう聞いた 誤解を生むようなことはよしてほしい
「だってよお前は1番仲良かっただろ?だから喧嘩とかしたから殺したんじゃねぇの?」
そんなことするか 俺は恭太のこと本気で大切に思ってたんだぞ
「朔夜お前はいい人ぶってるだけだろ?」
その言葉に俺は鼻で笑ってしまった
「何がおかしい?」伊勢は切れた様子で俺の事を伺う
「じゃーお前も殺しの動機にはなるよな 恭太をいじめてたんだからよ」俺と伊勢は睨み合った
「あーあもういいわ お前じゃねぇのは分かったから」そう言われてなんだコイツと俺は思った
「誰が殺したんだよ」
みんなもう限界だった
異世界に飛ばされて、真っ暗
時計を見てももう7時きっと現実世界も夜だろうみんなは疲れた様子で寝ていた
「もうみんな疲れているみたいだから1回寝ちゃダメか?恭太」俺は恭太に提案をする
「うーんみんな疲れちゃって動けてないしね 怪我してる人は放送室においで俺が手当てしてあげる」そうだった俺は怪我してた
まだ傷はズキズキする
みんなは怪我してないみたいで、俺だけ放送室へ行くことになった
「行かないで」そう筑紫に言われる
「大丈夫帰ってくるよ」そう俺は筑紫をみて笑った
そして恭太に呼ばれる
「朔夜」「今行く」俺はこんな久しぶりな感じが少し嬉しかった また恭太と話せる
「恭太ひとつ聞いていいか?」
「ん?なに?」恭太は俺の手当てをしながら
俺の質問に応えようとしてくれる
「お前さ本当は誰も殺してないんじゃないの?」俺はほんとにそう思ったのだ
親友の感としてそう思ったというよりそう思いたい
「なんでそう思ったの?」恭太が俺に返事をしてくれる
「いやだって恭太は関係の無い人殺すかなって思って それに誰にでも優しかったじゃんだからそう思った」俺は恭太が誰も殺してないことを願った
頼むから殺してないって言ってくれ
「朔夜には余程俺が優しくみえるんだね まあそれでもいいよ教えてあげる朔夜にだけ」
俺にだけ?「ここにいる鎌を持って追いかけて来た女の子いるだろ あれは俺のまあ知ってるやつ この世に未練を残した女の子でも傷は付けてくるけど誰も殺してない 俺が嘘の放送をながしただけ」え?殺してない?ほんとに殺してないのか?俺は胸を撫で下ろしたそして同時に恭太が誰も殺してないことが良かったと思った
「まあ朔夜の場合、傷付けられすぎだけど」そう学校で俺と笑ってくれた笑顔をしてくれた
懐かしい…
「じゃーちなや一ノ瀬は?」「あーアイツらは偽者にすり替えた ちなは角を曲がった直前に麻酔を吸わせてそして一ノ瀬は鬼ごっこの時にみんなすり替えた だからみんな生きてる」そう言ってくれた生きてるのか良かった
「誰にも言うなよ 分かったか?」
「分かった でも目的を」「教えれない」え?
恭太は俺の言葉に口挟んで言った
教えれないか「なんでダメなんだ?」「なんとなくだ」そう恭太は悲しい笑顔をした
なんでたまにあんなに悲しい笑顔をするのだろう
「よし!終わったぞじゃー教室へ戻れ」
俺は帰ろうとしただが少し心配になって、俺はもう一度恭太をみる
「ん?どうした?」恭太は俺にまた笑ってくれた
「俺は信じてるからな」俺は恭太に言った
俺は誰も殺してないことに信じてるなんて言ったんじゃない
恭太が自分を犠牲にしてるんじゃないかと思った
理由はそういう奴だからだ
「何をだよ」そう笑いながら言ってくれた
前のような恭太が生きてる時のような感覚
「じゃーまた後で」俺はそう言ってその場後にした
「朔夜ごめんな 俺のせいで」その声は朔夜には聞こえていなかった
教室に戻ってきた俺は筑紫の側へと座った
寝ている筑紫の髪の毛は顔にかかっていたので俺はそっと筑紫の耳にかける
すーすーと寝息をたてている筑紫を見ながら
「可愛いな」と俺は柄でもないことを呟いた
何言ってんだろ なんて思いながら俺は深い眠りについた
「朔夜」恭太?なんでお前泣いてんだ?
「朔夜ごめんな俺のせいで許してなんて言えない」何言ってんだよ、お前が俺に何をしたっていうんだよ
視点が変わった?俺はもう1人の俺と恭太を見ていた
「ごめんな」恭太は泣いていた
「許せない殺してやる」そう俺は呟いた
何言ってんだよ俺なんで殺すなんて言葉使ってんだよ
「はぁはぁ」俺は息を切らしながら起きた
ゆ…め?あれ?なんの夢見てたっけ?
忘れたな…凄く嫌な夢だったはずなんだけどな
「朔夜大丈夫?顔色悪いよ?」そう筑紫が俺に問いかけてくれる
「あっうん大丈夫だよ」俺は少し間あけて大丈夫だと答えた
「おはよー諸君」恭太が笑いながら入ってくる俺は殺される恐怖など感じなかった
俺は恭太を信じてるから
でもみんなは殺されるという恐怖で目に光がない
みんなは自分のことでいっぱいいっぱいだった
「それではミッションその4を始めようと思います」
また恭太はニタァと笑った
第6章 ー信頼ー
「それではミッションその4を始めます」
その声のトーンも喋り方も聞き慣れた
「ミッションその4は殺し合い」
ゾクッ…もうきっと驚くことは無いと思っていたのに寒気がした
誰も殺してないって言ったのにこれじゃ誰かが死ぬことになるどうするつもりだよ
「え?殺し合いって」みんながざわざわとし始めた
どうする俺は恭太を信じるか?それとも
恭太に言うなと言われたことを言ってしまうか?どうする
俺が出した答えは…
そうするうちにゲームがはじまりつつあった
あと5人殺せば10人になる
そして合図がある「それではゲームスタート!」そして一斉に殺し合いが始まった
俺を襲ってくるやつもいたが俺はするりと避けた
あの〝バケモノ〟を相手にしたんだぞ俺は
だから今はお前のナイフなど止まって見える
そして俺は我慢ができなくなりみんなに呼びかけようとする
一斉に殺し合いが始まったのだが動いた人は1人2人 みんな人を殺す勇気などないのだ
その1人2人も俺が呼びかけようとした頃には止まっていた
「恭太ほんとにこんな事したいのか?」俺は恭太へと呼びかける
恭太は狂ったような笑顔で言った
「俺の目的は最初から復讐だ 人を殺すのに1ミリたりとも感情はない」感情はあるはずだろ お前は俺に沢山笑顔を見せてくれただろ
「もう頼むからやめてくれ 誰も殺さないでくれ」俺は何故か急に泣きそうになりながらお願いをした
「ふっ無理だよ お前も俺の事を見捨てただろ」そう言った そうだ確かに俺は見捨てた
「でも殺し合いはないよくない 後悔するだけだ」俺は恭太に必死に語りかける 頼む心に届いてくれ
「人が人を押しのけて生きる それのなにが悪い、いやそうしてきただろお前らも」
そうだ自分が生き残るためになんだってするでも、お前にはもうこれ以上悪役になって欲しくないんだよ俺は
「そうだ 誰だって自分が一番可愛い 自分が1番なんだよ」自分が生きてる価値に比べたら他人の命なんて造作もない でもな、それでも今わかる気がするんだ
俺がやらなきゃいけない事が…
「そうだよ…他人の命なんてどうでもいいやつがいっぱいいる俺だってそうだ なのに暇つぶしやウザイと言うだけで人の命を簡単に貶してくる奴がいる」恭太がそう言った「人の命なんて本当はどうでもいいくせに簡単に人の心を傷つけて自殺したら知りませんって顔をする だから、少し痛みを与えようと思っていざしようと思うと相手の方がすぐ謝ってくるそれは本物の気持ちではなくて、自分が助かりたい一心で…哀れだよな」
「もうやめてくれ」「だったら止めてみろよ」その言葉は何か嫌なことが起きそうな言葉「いやー殺さないで…」その声は西連寺!
「ほらやめて欲しんだろ?その拳銃で俺を撃てよ そしたら俺は消滅するけど西連寺は助かる」消滅?「消滅ってなんだよ」「あれ?消滅って知らない?消えること」そんなこと知ってるよどうゆう事だって言ってんだよ「あー俺は消滅してしまったら魂が成仏でも悪霊化する訳でもない ただの〝無〟だ」恭太は俺が考えていたことが分かったかのように説明をした「それってもしかして消えるのか?」「うん消えるよ…俺の魂もみんなの記憶からも俺の存在は綺麗さっぱりなくなってしまう そして忘れる…思い出すことなんて一生ない」一生?もう思い出せないのか?俺は今からこいつを殺すのか?殺さないと西連寺を犠牲にしてしまう「まあ俺は西連寺達には死んでもらっても構わないけどね だって俺をずっと苦しめていたやつだからさ」そう西連寺に向かって笑った「ざけんな!お前なんかのために死んで溜まるかよ 私はお前なんかのために生きてたんじゃない!」「だったら!なんで俺をいじめたんだよ?そして今俺が殺そうとしたら、なんで死にたくないって言えるんだよ?自殺まで追い込んだやつが命乞いなんてすんじゃねぇよ!」恭太は西連寺に狂ったように語った 西連寺は生きたいからかもがいている「人の命がどれだけ大切か分からないなら!自分の命と比べて、どれだけのことをしでかしたか考えろ!」
西連寺はやっと意味が分かったのかいじめていた伊勢でさえも泣いていた西連寺も泣いていた「ごめんなさい…あの時は楽しかったから」西連寺が謝る それに伊勢が便乗して一緒に謝った「俺も謝るよごめんだから西連寺を殺さないでくれ」「悪いがそれは出来ない」恭太はすっぱり断った「さぁ殺せよ 朔夜俺を殺さないと西連寺は助からない」そんな事言われても無理だよ「滝沢…私死んでもいいよ 石井は大事なお前の友達だったよな 私は今分かった…お前の気持ち凄くわかる だって、さっき私の友達が死んだ時すごく苦しかった」
そうだな俺は、あの時にとんでもない罪悪感を感じた そして過呼吸になるくらい苦しくなった「人が死んだ時に心がポッカリ空く気持ちが前にも石井が死んだ時感じた それは本当は分かっていたからだったんだね だから滝沢見殺しにしてもいいよ 私が石井を殺したも同然」そんなこと言う西連寺はきっと本当は死にたくないけど
自分がした事の重さに気づいたから覚悟を決めた上のお願いだろう「朔夜 西連寺にここまで言わせてまた1人犠牲にするのか?」
それはしない、だからって俺は恭太を殺すことは出来ない
「ほら早く殺せよ お前が俺を殺したように」
そうだ…俺は恭太を殺した 心を殺してしまった そして俺は恭太に拳銃をむけた「あぁいいねぇー朔夜が俺を殺す光景こんなこと滅多にない ほら殺せ」その挑発の言葉に俺は腹が立って引き金を引こうとした瞬間「朔夜ごめんな」いつもの笑顔だった 俺が知っている笑顔「あぁぁぁぁ」バン…「ハズレだな」
「うっうっ」俺は泣きながらその場に座り込んだ 涙をポロポロと床へと落ちていく…俺は悔しくて床を拳で殴りつけた「クソ!」すると恭太が「結局お前には誰も救えない」そう耳元で言われた「お前は助けたいのに誰も殺せないその感情が余計なのだ」そうだ助けれなかったことになっているだろう でも恭太は西連寺を離した
最初から殺す気無かったのかもしれない…西連寺は怖かったのか、その場で気を失った そして俺は恭太に言い返した「人を殺すのを躊躇って何が悪いんだよ この感情のどこが余計なんだよ!」「そのせいで1人犠牲になっても同じこと言えるのか?お前はただ俺を殺した時の罪悪感が残るのが怖かっただけだろ?人殺しと思われるのが嫌なだけだろ?俺のためとかじゃないだろお前もみんなと一緒だよ」そんなことないそう思った 俺はほんとに殺せないんだ
「自分は優しいから人を殺せません…そうじゃないだろ?みんなそうだよ 俺はあいつのためにやった それはただの自己満だ 自分がかっこよく見えたいだけなんだよ」「うるさい!俺はそんなんじゃない」俺は必死に言い聞かせたそうだそんなんじゃないと「じゃーなんで俺を見捨てた?」その言葉で身体に一気に寒気が走った「そっそれは」「ほらな 結局1番自分が大事なんだよ 綺麗事ばっかり並べて結局は自分自分だ」もう何も言い返す言葉が見つからない「お前らもそうだろ!このクラス全員結局俺がこうやって帰ってこないと俺が味わった恐怖は分からなかっただろ」恭太必死にみんなに語りかけた もう人格が変わったかのように
「朔夜…そういうのなんて言うか知ってるか?〝偽善者〟だ」〝偽善者〟という言葉が頭の中でこだまする そしてもう一度、俺は恭太の言葉に耳を心を傾けた
「人の命を殺すのなんて容易いんだよ」俺はつぅっと涙を流しながら聞いて口を開いた
「それでもだ殺しちゃいけねぇんだ 復讐でもなんでも人の命なんて安くない この世に死んでもいい命なんてないんだよ」俺は頑張って恭太に語りかけるいい人ぶってるんじゃない
俺は恭太にもうやめて欲しいだけなのだ
もう恭太が傷つくとこなんてみたくない…
「じゃーなんで俺は死んだんだよ…この世に死んでもいい命なんてないならなんで俺は死ななきゃいけなかった?」
俺はもう苦しくて泣いて、泣いて、泣いた
「確かに俺はこうやってゲームをしている
なのにお前はいつまでも優しいよな 俺は死ななきゃいけなかったんだ確かに、でもこんな俺は生きててもよかったって言うのか?」もうやめてくれ それ以上自分を責めないでくれ恭太が辛いだろ?やめろよもう
その瞬間あの時の痛い笑顔を思い出した「生きてなきゃいけなかったんだ」「なんで…なんでだよ いつまでもそんなに優しいから人を助けることが出来ないんだろ それなのに俺に生きてて欲しかったって言うのか?」当たり前だ「友達だから…」そう俺は泣きながら笑顔で言った
その時ある恭太の顔を思い出した…ため息はつくくせに笑ってくれる顔 その時と同じ顔をしたのだ そして俺に言った「お前はどこまでも優しいな ごめんな俺はお前を試した」試した?
「元々殺すつもりなんかなかった 殺し合いなんてさせるつもりはなかった」俺が出した答えは…信じるだった よかった信じて
「……」え?恭太なんて言ったんだ?
「なんて言ったんだよ今」「いや、なんでもない」そう言った「悪いなみんな」恭太はみんなに謝ってこう言った「本当は誰も殺してない」そう言ったら、みんなびっくりしてたと思う それと同時に胸を撫で下ろした人がいるだろう そして、怒るやつもいた「は?ふざけんなじゃーなんでこんなことしたんだよ」「こういうことしないと俺が味わった恐怖は味わえないでしょ?」「味わいたくねぇよ 俺ら関係ないし」「一応言っとくけど殺そうと思えば殺せるから 別に気が変わったから殺さなかっただけ」「じゃー殺してみろよ だったら素直に怖かったってこと認めてやるよ」すると目の前にいた恭太はいなくなっていた 喧嘩を売っていた男を見るとナイフを向けられている首に当たるスレスレで…
「はい…死ぬ準備はいい?」「ひっ」男は情けない声を出す さっきまでの威勢はどこいったんだ?「悪かった謝る謝るから!」「みんなまだ分からないの?俺が何を言いたいのか」大体の人が予想がついただろう〝復讐〟違うな
〝人の苦しみ〟
きっと恭太は人の苦しみについて知って欲しかったのだろう 簡単に人は死ぬということ 傷つければ傷つけるほどその人は壊れていく事
そして心が死ぬことを…
「まああとは自分で考えて」すると沈黙が現れた
「そういえば結局恭太のこと誰が殺したんだ?」一人の男がそう口に出した
先程までの沈黙は、一瞬にしてざわつきはじめみんなが口々に言った「西連寺とかじゃね?」西連寺と伊勢が責められる「俺らじゃねぇよ」伊勢はそう言う そして恭太がいつの間にかいなくなっていたこと気付き周りを探すがどこにもいない どこに行ったんだ? するとガラッと教室のドアがあき、死んだはずのみんなが戻ってきた
みんなが嬉しそうにしてみんなの顔が明るくなった
そしてまた話が戻った
「恭太は誰に殺されたんだ?」自殺じゃないと分かった以上ほっとく訳にもいかない
「誰が殺したんだよ名乗り出ろよ」そんなこと言っても出てくるはずがない「そんなこと言っても出てこねぇだろ」もう1人の男が笑いながら言った瞬間 衝撃的な発言が聞こえた
「私が殺した…」
第7章 ー辛い過去ー
私は西条筑紫
あれはちょうど7年前の話
私はお母さんから虐待をされていた
その虐待は日に日に酷くなっていく
傷も深くなっていった
「あんたなんか生まれて来なければよかったのに!あんたなんかが生まれたせいでお父さんは私を見捨てた!私の幸せ奪わないでよ!」そうお母さんに言われる度に私のせいだと思った
いつも朝から夜まで家庭のために仕事して
お父さんはいなくて女ひとりで私を育ててくれたことそれは凄く感謝していた
だからストレスが溜まるのもしょうがないと思っていた そんなある日の事だった
お母さんがこう言ったのだ
「明日は休みだからどこか行く?」私はお母さんとどこか行くのは初めてで嬉しくて「うん!」そう言った「あ!でも買い物行かなきゃいけなかった」お母さんがそういうので私が「私が行こうか?スーパーすぐそこだし」そう言うと「あれ?行けるのかなぁー」そう笑顔で言ってくれる こんな優しいお母さんは初めてみた そして今までの事を謝ってくれた「ごめんね今までこんな痛々しい傷ばかりつけて幸せをあげれなくて もうやめるわ殴ったりするの」そう言ってくれたのが嬉しくて、もう痛い思いをしなくていいと思った「ほんとに?」私は思わずそう聞いた「うんもう絶対しない」そう言った
私はずっとお母さんに嫌われていると思っていた しょうがないとはいえずっと殴られたりしてきたから…
だから本当は好きでいてくれてるってことをこれから知るはずだった
そして次の日
私は買い物へ出かけた
お母さんから貰った紙を頼りに買い物を進めた
そして30分経ったくらい
私はやっと買い物が済んだ
好きなものも買ったしあとは帰るだけ!
「ただいまー」私は大きな声で言ったのに聞こえるはずだったお母さんの返事がない
「お母さん買い物してきた…よ?」そこで目にしたのは血まみれのお母さん
「お母さん?お母さん!」
私は必死に呼びかけた こんな日常だけど、どれも大切な1日だった
「筑紫?おかえ…りだい…すきよずっと」その言葉で最後だった
「お母さん…私も」そう言った
それからだ 私がお母さんを殺した相手を憎んだのは、私の辛い日常はそこで終わりではなかった 普通だったら引き取られるのだろう 叔父さん叔母さんに、引き取られて幸せに暮らすはずだった けど私は叔父さんも叔母さんも大っ嫌いだ
あの家庭は先祖からずっと受け継がれている物があるらしくそれを受けつがなくてはならなかった
「筑紫にはしっかり働いて貰いますから」私の事を全く考えてない 叔母さんの家に1回行ったけれど、腹が立って逃げ出した だから私は1人で今は住んでいる だからってお金は遠くのお母さんのお姉ちゃんがお金を送ってくれている お母さんのお姉ちゃんは、私のことを小さい頃から可愛がってくれていた だからお母さんが死んだ後でも世話はできない代わりにお金を送ってくれている 私はそれがすごく嬉しかった 叔母さん叔父さんの家にはそれ以来1回も行っていない
でも…あの時、当時10歳にして生きる意味を無くした
私は生きている意味も 価値も 存在も 生きてていいのすらも分からなくなった
だから愛されたことがない日々をずっと1人で生きてきた
ただ愛されたかっただけだったのに、幸せを奪ったあの男が許せなかった
そしてある日大量殺人事件で男が捕まった
そこに今まで殺してきた人の名前が書いてあったことそこで滝沢って名前があったことを知った
私は、児童養護施設に引き取られた
お母さんのお姉ちゃんはお金を送ってくれていたが、やっぱり心配で児童養護施設に入れて貰えるようお願いをしたらしい
そこに引き取られるまでご飯はまともに食べれず、1人で孤独に生きていた
久しぶりに温かいご飯を食べた時は泣きながら食べた そこの人達は私に優しくしてくれた
事が嬉しかった…だからって愛情を貰った訳では無い 他にも子供はいっぱい居る
私は、やっと学校に行くことが出来た
お母さんが殺されたショックでずっと学校に行っていなかった
そして、登校をすれば恭太に会った みんなの中心に立って楽しく喋る石井の姿
私の席の隣は、滝沢朔夜だった
私はテレビでやっていた苗字と一致した事を知った、苗字が一緒だからってその人かどうかなんて分からない
私は何故か朔夜に惹かれるように話しかけたそれが恋とかではなく身体が本能的に動いたのだ そして、ある日突然変な噂が流れた
「恭太のお父さんってあの有名な連続殺人者だったらしいよ名前は…」その名前を聞いた瞬間、殺意が湧いた ずっと恨んできた…苦しみを私に与えた人をやっと見つけたのだ
今思えばただの逆恨みだっただろう でもどうしても、関係してなかった恭太に殺意が湧いた
でも朔夜はそんな恭太が大好きだった
唯一の友達
私もそんな友達が欲しかった
だけど…私は出来ない
生まれてきてはダメだったから
確かに話をする女の子はいる
だけど、私は1人がよかったのだ
私には人を信じることができない…
ある日朔夜が変なことを言った
わざわざ校舎裏にまで呼び出してきたのだ
もう正直何を言われようと驚かないと思っていたのに、思いっきり驚いてしまった
「ねぇ俺さ筑紫のこと好きなんだよね」
その言葉は凄く嬉しくて泣きそうになっていた
それはきっと私にとって幸せな言葉…
私も実は朔夜のことが気になっていたから付き合ってもいいかなって思っていた
けれど「私も!」って言うのを身体は許してくれなかった
金縛りにあったかのように動かなくなったのだ
私はきっと心のどこかで怖かったのだ
ずっと愛されたことがなかった…
愛されたくて一生懸命頑張ってきた…
だけど、いざとなったら愛されるということが怖くなった そしてお母さんのように、目の前から急にいなくなるのではないかと思った
もう誰も失いたくない…
「ごめんね 私といると不幸になるの」そう言って私はその場を立ち去った
これで良かったんだよね?
それから、恭太はいじめに合うようになった
理由は分からなかったけど、私には好都合だ
だって私のものを全部奪った人がいじめられているのだから…
そして私は勇気をだして、恭太を呼び出すことを決めた
全部言おう…思ってること全部
「ところでなに?」私は恭太を屋上に呼び出した 恭太はニコニコした笑顔で私に聞いてくる
私はその笑顔に負けそうだった
その笑顔はまるで天使…
ダメダメ!負けちゃだめ
この人のお父さんは私の大事なものを奪った
だから今から聞くの
「あなたのお父さんって金沢達海でしょ?」そう言うと先程までの笑顔は消え去った
「だったらどうするの?」恭太は、私に聞いてきた「俺がその息子だったらどうする?」そう言った
「やっぱりそうなんだ…」そう私は呟く
「俺を殺したい?」違う…
「文句を言いたい?」それじゃなんか違う
「俺をどうしたいんだよ まあ俺はこうやっていじめられているから死んでもいいんだけどね もう辛いし」痛々しい笑顔を見せた
その笑顔は何故か私にそっくりで、もう何を言おうかも忘れてしまいそうだった「あんたのお父さんのせいで…お母さんは殺された」恭太は真剣に私の話を聞こうとしてくれた
「あんたが私の幸せを奪ったのよ! 私はずっと孤独で生きてきた なのに!あんたはのうのうと生きてて、愛されて、幸せで!あんたみてると腹立つんだよ!」私はきっと今ひどい顔をしているだろうとそう思った
「悪かった 俺のお父さんのせいで…」私はきっとこの言葉で腹が立ったのだ 私はどうしたらいい もうわかんないよ 実際頭では分かってる 恭太に文句を言ったってこの人は関係ないことぐらい だけど幸せを奪われたことが何より辛かった…
「あんたのせいで私はずっと1人 誰にも愛されないまま孤独で死んでいくかもしれない なのになんであんたは!私より幸せなの?意味わかんない!」 私はこの手で突き落としたのだ
そこから私には記憶がない
手で押した時、「ごめん…西条」それだけが頭に残っていた
気づけば屋上の下を座って見下ろしていた
血がじわじわ出ている恭太を呆然と眺めている
きっと私が殺したのだ
この手で…
それしかありえない
だから今こうして言った「私が殺した…」ってね もうどれだけ足掻いたって恭太の思う壷 ならば私ごと狂っちゃえばいい さぁ私はどうなるかな 私は不気味な笑みを浮かべた
朔夜…ごめんね 心の中で強く思った
第8章 ー狂気ー
「おっおい何言ってんだよ筑紫…」
俺はものすごく動揺していた
恭太を殺した?のか?
「そうよ、私が殺したのよ!」筑紫が狂ったように顔を上げてそう言った
「なんで?なんで?殺したんだよ!」そう俺は問いかける
俺の大事な友達を奪ったのは筑紫だった
またひとつ何かを失った
「俺の大事なものを奪ったのかお前は…
俺を苦しめたいのか?これ以上苦しいのは御免なんだよ!」俺は悲しかった
俺の好きな人は一瞬にして悪者になった
「ただ、訳もなく殺したんじゃない!あんたらは知らないだろうけど…私のお母さんは殺された そこから辛い人生を送ってきた それなのに恭太は普通に生きていたのが許せなかったのよ!」筑紫のお母さんが殺された?
「誰に殺されたんだよ」俺は筑紫に質問を重ねた
もしかしたら俺に関係があるのかもしれないと思ったからだ
「恭太の父親だよ」恭太の父親?
恭太が殺したわけじゃないのに、なんで?
「恭太の父親の名前は…金沢達海」
俺はその言葉を聞いた瞬間 鳥肌がたった
金沢って連続殺人犯
俺の家族を殺した殺人者
俺は恐怖を抱いたと同時に殺意が芽生えた
あーこういう事か…俺は軽く笑う
「私はずっと恨んできた だから殺したのよ!」俺はその言葉を耳にした時、泣いてしまった
俺の家族を思い出したからだった
「じゃー恭太お前はどんな気持ちで聞いてたんだ?俺の話」そう聞いた
きっと今泣きながら笑っているんだろうなそ思った
「すまなかったって思ったよ」「すまなかったってなんなんだよ!俺を騙していたんだな?俺を面白がって見ていたんだろ!」
俺は裏切られたショックで我を失いつつあった
「違う!」恭太がでっかい声を出した時 ビクッと身体が跳ねた
「違う!俺はお前に嫌われたくなかった お前が唯一の友達で失いたくなかった お前の傷ついた顔を見たくなかった」そう言われた時何故だか自然と泣いていた
「うるさい!もう俺は誰も信じない!信じれない!俺が!俺ばっかりが失って裏切られてきた!なのにお前は、俺を傷つけたくなかったなんて綺麗事言って、結局お前はいじめているヤツらと一緒じゃねぇか!自分のことばかりじゃねぇか!」俺は泣きながら訴えた
俺の辛い過去は一生の傷となっていた
信じてたのに今頃〝俺は殺人者の息子でした〟なんて言われたら、苦しいよ
俺は、分かっている お前が悪くないことぐらい…お前にいくら言ったって家族が帰ってこないことくらい
「ほんとに違うんだ…確かに俺は殺人者の息子だ だけど1ミリもお前を裏切ったつもりは無い」筑紫も恭太も俺も、もう必死だった
もうここが教室だと思えない程だった
「俺は!お前らとは違う!俺はお前らとは違うんだよ!俺はお前らみたいに心まで腐っていない!」俺は必死に言った
だってほんとに俺は違う
「朔夜…ごめん」そう恭太は謝った
もううんざりだった
人が目の前で死ぬのも…
人が人を殺す姿も…
孤独で生きていくのも、もう疲れた
俺は恭太達とは違う
「分かった もう俺を殺せよ 消滅させてくれ お前をこれで傷つけてしまったのならば、俺を壊せ」恭太がどんな思いで言っているのか知っていた
恭太は、ほんとに優しいやつだった
俺が泣いている時は必死に慰めてくれて
俺が苦しんでる時は話を聞いてくれて
俺が笑っている時は幸せそうにしてくれて
こんな俺といたら疲れるはずなのにいつでも
笑ってくれていた
だから分かる 恭太は悪くないことぐらい
恭太は、俺の知っている彼は、憧れの存在
俺は感謝しているのだ
恭太がいなければ俺はもうこの世にいなかったからだった
だからありがとうって言いたかった
だけどこんな状況でもう言えないよね
俺はそっと銃を恭太に向けた
「俺はお前が好きだ だけど許せない」
「うん!知っていた」
恭太は俺の大好きだった笑顔をした
その笑顔には〝俺はお前に殺されても悔いはないよ〟そう言われた気がした
「うっうぅ」俺は少し声をあげて泣いた
殺したくない…だけど許せない
こんなことがあるのか 大好きな人を殺す俺はきっと凄く最低だ
「なんで泣いてんだよ お前は俺を憎んでるんだろ?殺したいんだろ?だったら殺してよ」
引き金を引こうにも引けなくて、いつまでも苦しくて、痛かった
「あぁぁぁぁ!」
俺はついに引き金を引こうとした瞬間
ごめん…の気持ちを込めて
ありがとう…の気持ちを込めて
大好き…の気持ちを込めて
「朔夜…ありがとう」恭太は笑顔で言ってくれた
「あぁぁぁ!」俺は引き金を引いた
だけど、その弾は恭太にはあたらなかった
「なんで?なんで殺せねぇんだよ!なんで!」俺はその銃を床に投げつけてその場で、発狂した
「もう!誰も愛してくれない! 恭太は俺をずっと嘲笑っていた なのになんで?こんな…殺せねぇんだよ」俺は、もう何が何だか分からなかった
ただ、苦しかっただけだった
「それは、朔夜が恭太をほんとに好きだからだろ?本当は分かっているからだろ?」
1人の男にそう言われて、俺は顔を上げる
「それにお前は1人じゃない、俺だって好きだし、みんなだってお前のこと好きだぞ?」
クラスの男子達が俺に喋りかけてくる
「そうだよ!滝沢君は1人じゃないよ?」そう言った女子
みんなは俺に笑いかけてくる
なのに、みんな泣いていた
「なんで、泣いてんのさ」
そう聞くと、みんなが顔を見合わせた
そして、もう一度笑った
「これは、朔夜がこんなにも苦しい思いをしてたってことに気づけなくて…悔しくて…」
俺なんかに泣いてくれてるのか?
最初から俺は、勘違いをしていただけだった
そうだ、最初から分かっていた
恭太を殺したって何も変わらないこと…
恭太を恨んでも、しょうがないってこと…
俺はただ悲劇をヒロインを演じて、みんなに愛されたかっただけだったのかもしれない
1番醜いのは俺だった…
「大丈夫か?」みんなが俺の周りを囲んで、優しい手を差し伸べてくる そこに見えたのは、一人一人の糸が俺につながっていた光景
すごく暖かった…
「ごめんなさい…謝っても許して貰えないよな 取り返しのつかないことをしようとしていたのだから ほんとに悪かった」俺が泣きながらそう言うと
恭太はいつものように笑った
「大丈夫!俺はお前を信じてたから…俺が謝らなきゃいけなかったんだけどな」そう言われて俺は泣いた
きっと安心したのだろう
俺はとんでもないことをしようとしていたことを知って、みんなに止めてもらったことが心の底からよかったと思った
「うるさい!」ビクっと身体が一瞬跳ねる その声は筑紫だった
「本当に、どこまでも馬鹿な人達ね」
筑紫は、なんとも言えない笑顔をしていた
「私はずっと恨んでいた 殺せて良かったわよ!でも恭太がこっちに帰ってきた時、正直焦った…でも、魂まで消滅出来ると知った以上、もう一度殺してあげるしかない」めっちゃくちゃのことを言う筑紫は、恭太に銃を向けた
「死んで」そう言った筑紫は、引き金を引こうとした
その瞬間、「助けて」そう聞こえた
なんで、そんな言葉が聞こえたのかは分からない…でも筑紫から聞こえた気がした
そして、俺は急いで止めにかかろうとする
「なんで止めるの?朔夜も、恨んでたんじゃないの?」「恨んでたよ…でもそれは恭太の父親」フッ…そう筑紫が鼻で笑った
「朔夜も甘いね!いいわよ…朔夜が殺せなかった分、私が殺してあげる」そう言った筑紫は、少し泣いていた
なぜ、泣いているのかは分からない…
でも止めるために必死に頑張った
「やめろって!」俺は筑紫の手を掴んで、必死に止める
「なんで止めるのよ!ふざけないで!」
俺は手を払われた…それでも、負けずと俺は筑紫の手をもう一度掴んで、こう言った
「じゃあ!なんでお前は泣いてんだよ!」
そう言うと、動きが止まったのだ
「知らないわよ!そんなの! なんで?なんで?私は泣いてるの? 苦しくなんてないのに!」
筑紫は自分で、自問を続けた
筑紫自信何故泣いているのか、分からないらしい
「大丈夫…俺がどんなお前も受け止めるから」
そう言った…筑紫は一瞬抵抗をやめる
いつの間にか筑紫の目からは涙はもう出ていない
「何言ってんの?」その目に圧倒された
今まで見たことの無い冷たい目
すると、俺は思いっきり殴られる
「痛…」痛くて思わず呟く
「ふざけないでよ…何言ってんの?私の全てを受け止める?私のなにを知ってそんなこと言えるの?」
めっちゃくちゃ殴られた 痛いはずなのに、抵抗はしないと決めた…受け止める!そう言ったから
「そうさ!私は最初からあんたらみたいに裕福に暮らしてなんかいなかった!小学生の時にはいじめられ、その上家でも虐待をうけ、やっとやめてくれると思ったらお母さんは死んでやっと掴めそうだった幸せを逃した!全部恭太のせいだ!」そんなに辛い思いをしていたのか
気づいてやれなくてごめんな
俺は殴られながら話を聞いた…
「人間なんて、野蛮で、傲慢で、嘘つきで、醜い生き物!みんな、私も消えちゃえばいいのよ!」そうだ、俺もそう思っていた
けどな、誰もがそんな人じゃないんだぞ
「愛されたことがない気持ちを分かってたまるか!」筑紫… そこでやっと俺は喋った
「ごめんな 俺も同じ経験をしていたのに気づいてやれなくて」
そして殴られていた手を止めて
俺はそっと筑紫に近づいた
「近づいてこないで!同情なんか受けない!私はずっと1人なんだ!」「そんなことない俺が一緒にいてやるから…」そう言って、逃げないように片手を強く掴む
「いや!」そう筑紫が叫ぶと、俺はナイフで刺されていた
それでも俺はひるまず抱きしめた
「いや!離してよ!」俺の腕の中でもがく筑紫…でも俺は離さなかった
「愛されないの!愛されたいの!なのにどうして私は幸せになれないの?」
分かる その気持ちは凄く分かるぞ
だけどな…お前はひとりじゃない
「俺はなお前に凄く感謝してる」
そう言うと引き離そうとする力が少し弱まったことが分かった
「恭太がいなくなった後 俺が辛い顔してたら笑ってくれた 大丈夫だよって俺の事励ましてくれたじゃん」そうだ…俺は凄く感謝してるぞ
「お前はひとりじゃないよ」俺は精一杯の気持ちを込めてそう言った
「私は恭太を殺したのよ? だからこれが終わったら私も…」「自分も死ぬ?それこそふざけるな!死んで何もかも終わりなんて、甘いこと考えてんじゃねぇよ」
そうだ…俺は筑紫に優しくしすぎた
だから…知ってもらうために酷い言い方をするしかないんだ
「じゃあ!他に何したらいいのよ!人を殺したのよ!私は…」
「1人殺したなら、その分の人を助ければいい…死んだら確かに楽かもしれない…でもな!その分の人を助ければいつか愛してくれる人がいる それに俺は信じてるぞ お前が恭太を殺してないって」
「いいや…私は確かに恭太を殺したの…この手で…恭太を殺した私はもう陽のあたる場所に戻ることを誰も許してくれない」
ううん…そんなことない 確かに人を殺したことは、大きな過ちだ
「みんなのアイドルだった恭太を殺した時点で私はもうみんなの敵なのよ!」
「大丈夫…敵なんかじゃない 周りを見てみろ」
みんなは、筑紫をみていた
その顔は恐怖ではなく…心配をしているようだった
「私はこんな醜い人なのよ? 愛されたことがなかった私は朔夜や恭太に酷いことをした 愛されたいよ…」そう腕の中で呟いた筑紫は少し泣いていた
「もう愛されてるよ…お前が一生愛されることがないことなんてない だって俺がこんなにも愛しているから」筑紫はもっと泣き始めたきっと嬉し涙だろう
「生まれてきてよかったのかな?」筑紫は泣きながら質問してくる
俺は少し鼻で笑って
「当たり前だ!生まれてきてくれてありがとう」そう言った
女の子の魔法は長い間かかっていた
その魔法にどんどん蝕まれていくが今の言葉ひとつでその魔法が溶けたのだ
筑紫は大声で泣いた
クラスの人も泣いていた
これがデスゲームか
俺は恭太の方を見て笑顔で心の中で〝ありがとう〟そう思った
すると身体が急に動かなくなった
さっき筑紫に刺されていた傷が広がって
血は沢山出ている こりゃあ死ぬかな… 俺はその場に倒れた
みんなに声を掛けてくるが
もうそのあとは聞こえなかった
これでいいんだ
恭太ほんとにありがとう…
第9章 ー夢ー
「朔夜!朔夜ってば!」
私は一生懸命に呼びかけた
だけど返事はない…
私のせいだ…私があの時刺したせいで…
「朔夜…お願いだから目を開けてよ」そう言った そんなこと言ったところで目は覚まさないことは分かっている
「ごめん…なさい…」私は小さな声で謝った
「どいて」恭太にそう言われて、抱きしめていた朔夜を離した
「何をするつもり?」私は恭太にそう聞く
「ねぇみんな聞いて…」
そう言われて私達は一斉に恭太へと耳を傾けた
「人は死んだらどうなるか知ってる?」
その言葉に誰もがゾワっとした
そんなこと聞きたくないのに、勝手に耳が聞こうとする
「人は死ぬ前に夢をみる」夢?
「夢の内容はその人によって違う でもひとつ共通なら、幸せな夢を見るということ」
幸せな夢?何よそれ
「その幸せな夢は人が死ぬ時まで続く 逆に死にそうなくらい痛い夢をみる人もいる…それは悪人だ」「それがどうしたって言うの?」恭太の言いたいことがさっぱり分からない
「きっと今朔夜もみている…それは生死をさまよっている合図」それは死ぬかもしれないということ?
「なんとかならないの?」私のせいで朔夜は死にかけている だからどうにかしたいのだ
「約束出来るか?」約束?「今から言うことを朔夜に言わないって約束出来るか?」朔夜に言ったらダメなの?
なんで?恭太が助けてくれるんだから言ってもいいじゃない
「俺が今から使う能力は、傷に癒しをもたらす 完璧に傷を塞ぐ能力…そしてもう1つは言霊」言霊?言霊って言葉に魂を宿す能力のこと?
「言霊は彼を呼び戻す 俺たちに出来ることはそれだけだ それと俺はまず幽霊だ 人に触れることが出来ない 触れていたように見えただろうけどそれは違う 触れているように見せかけていただけ…だから俺には人の温もりを知ることも知られることも無い だけど力を貸してくれ 俺の手に温もりになってくれ」「分かった!」
今はなんだってやってやる それで助かるなら…
「そしてリスクを背負う」リスク?なにそれ
「夢の中で現実世界に帰りたいと思った瞬間…その夢は悪夢に変わる」
悪夢?それでもなんでもいいから!助けなきゃ
「お願い 恭太…私のせいで死にかけているの この人の人生壊したくないの もう目の前で人が死ぬのは見たくない!」そう言うと恭太は少し痛い笑顔をしてこう言った
「俺もだ」そう痛々しい笑顔をもう1回した
そして朔夜を助ける作戦が始まった
この痛々しい笑顔に意味があるなんて誰も知らなかった
「ん?ここは…」俺は目を覚ました
すると自分の家のベッドで寝ているのだ
あれは全部夢?
すると、「朔夜ーご飯よー」え?母さん?
なんで?死んだはずだろ?
「母さんが生きてる…」俺は母さんをみながら言うと、「何寝ぼけてるの…ご飯よ」そう言われた
「また朝っぱらから怒られてる」俺は声がする方を振り向くと「兄さん」
そう俺は言った「絢!朔夜!雫!ご飯よ」そうもう一度母さんに呼びかけられて2階を駆け下りた
そこにはあたたかい風景があった
あれは夢だったんだ
そう…悪い夢
これが現実…だよな?
たとえこれが夢だとしてもこのまま夢を見ていたい だってこんなにも幸せ
愛されてるって感じがする
「いってきまーす」父さんもそこにいて
出かけに行く様子だった
「行ってらっしゃい」俺はそう言った
「朔夜!一緒にゲームしよ!」
「いいよじゃー俺の部屋来いよ」そう言って俺は雫と俺の部屋でゲームを始めた
そして2時間経って2人で家の階段を降りると
父さんはいつの間にか帰ってきていた
「おかえり父さん」「あーただいま」父さんは新聞をみながらコーヒーを飲んでいた
母さんと兄さんは喋っていた
それに俺達も入っていって、みんなと話をし始めた
こんな普通の日常どこにでもある普通の生活だった
そして俺は夜になったので眠りについた
「おはよう」「うわ!びっくりした」気づけば兄さんは俺を見下ろしていた
「あはは 寝すぎだぞおきろ」兄さんは、俺にそう言うと出ていこうとする
「兄さん!待って」そう言うと「その呼び方やめろよ 絢でいいって」元々俺が絢と言わない理由は、2つある
1つ目は俺達は血の繋がった兄弟ではないということ…俺と雫は元々児童養護施設にいた
俺達は家族に捨てられたのだ
前の家族でも兄がいた その兄がとても優秀で
いつも比べられていた
それからご飯は自分で作れだの、洗濯を一緒にしないでと言うようになった
でもその兄さえもクズで「俺はお前とは違って頭悪くないから」そんなことを言われたり次第に親のプレッシャーでストレスが溜まるのか、最初は雫を殴っていた それが許せなくて俺は雫を助けると怒りの矛先が俺に向いたという事だ
俺と雫は警察に電話して、児童養護施設に入れられた
その時の母の言葉を覚えている
「自分から出て行ってくれるなんてありがたいわね さっさと出て行って、あんたらみてると腹が立つ」その言葉が最後だった
俺はそれが許せなかった
幸せになりたくて新しい家族を探した
その前の家族の兄を〝兄さん〟と呼んでいた
そして、2つ目は本当に家族と思ってもらっているのかと言うこと…
俺達は引き取られて、自分の子供のようにこの家族に扱って貰っている
やっと手に入れた幸せだった
だけどほんとに家族と思ってもらっているのかなんて知らない
だから、絢と言えないのだった
「朔夜 あのなお前がどんなこと思ってるか知らないが、拾われたからって他人じゃないんだぞ 母さんは何度か流産をしたんだ 俺を産んでも子供が欲しかったみたいでな 俺だって家族が欲しかったし、だからお前達を児童養護施設から引き取った 」でも好きかどうかなんてわからないよ「確かにおかしいかもしれない でも母さんは3人も増えて嬉しいって言ってたし、あの二人お利口でとても可愛いから、自分が産んだみたいに育てれるわって言ってたんだよ」そんなこと言ったのか…俺はとても嬉しかった
そして兄さんに肩をポンッと叩かれた
「だから!な?俺の事本当のお兄ちゃんって思って絢って呼んでくれ」兄さんがそう言ってくれた事がとても嬉しかった
少し自分が幸せになれた気がした
よし!どこか出かけようかな
「雫 どこか出かけようぜ」「えー?朔夜とー?」そう言われた俺は笑って「行こ!」
俺は雫と出かけた
俺は恭太にあって恭太と3人で出かけることにした
「じゃ!バイバイ」そう恭太が言って俺達は別れた
「楽しかったな」笑顔で雫に言うと「うん!」雫は笑い返してくれた
帰ってまたいつもの様に家ですることをした
母さんや父さん、絢は笑って俺達の話を聞いてくれた
そして、夜になって雫とまたゲームをしていた時だった
下から物凄い音がしたので、俺達は下に降りた
「え?」俺はそこに立ちすくんだ
「うっぅ」母さんが知らない男の人に刺されていた
「あは、いいね生きてるって感じ」その男は笑って母さんの血の付いた包丁を舐めた
「おぇ」俺は思わず吐いてしまった
気持ち悪い 「まだこの家に人が居たんだ もういないと思ってたのに」そう男が言うと俺たちに襲いかかってきた
するとピタッと動きをやめた…なぜなら目の前には絢がいたのだ…
「あははは 誰だよー」男が笑いながら言うと
「こいつらの兄だ!」そう言ってくれた
でも目の前でみんながどんどん死んでいく
「もうやめてくれ…」泣いた 凄く泣いた
苦しくて痛かった
「朔夜…俺なお前に会えてよかった もっとお前と話したりしたかったなぁ あはは」そう笑いながら言う絢に俺はもっと泣きながら俺は絢に抱きついた
「笑い事じゃないよ 救急車呼ばないきゃ」
雫は俯いて顔を手で抑えて泣いていた
「もういいよ ねぇ母さん」絢は母さんに声をかけると、母さんは少しの声で「うん…いいわ…ありがとう 少しでも私の子供になってくれて」母さんも泣きながら笑ってくれた
「あぁ朔夜 雫 俺達は元は他人だけど今は大切な家族だ愛しているぞ」そう父さんまでも言った
「みんな死なないでくれ…俺を1人にしないでくれ」雫は俺に少し抱きついて泣いていた
雫がこう言った「今までありがとう 素敵な家族出会えてほんとによかった」雫がもう死ぬような言葉をかけた瞬間俺はみんなに泣きついた
「俺達を拾ってくれてありがとう こんな俺を愛してくれてありがとう…素敵な家族に拾われてほんとによかったです」そう言ったらみんなが一斉に「どういたしまして」そう言った
もうみんなは意識朦朧としていた
殺人犯はその現場を見て呆然と立っている
そしてその殺人犯は俺に刃物を向けた
俺をまた襲いに来る
そう思って覚悟した瞬間母さんが俺をかばった 絢にもがばって貰ったのになんで?
俺は他人なんだよ?なのにどうして…「私の息子と娘に手を出さないで」そう言ってくれた 俺は泣きながらお母さんに抱きついた
「生きてあなたなら大丈夫」そう言って母さんは息を引き取った
何故かその後不満そうな顔をさせながら、玄関に向かっていった
そしてまた不気味な笑みをもらした犯人
するとこう言った…
「大きくなったら殺しに来るね」その言葉が怖くて、その場で腰が抜けてしまった
男はスタスタ家を出ていった
俺はその場で呆然と座っていた
もう何が何だか分からなくなった
「うっあっあが…」俺は急に心臓が痛くなって、その場に倒れた
意識朦朧としている中俺はごめんなさいと謝った
きっと俺を憎んでいる…他人の俺のせいでみんな死んだのだから
そして、恨んだ あの殺人犯を…
「うわぁぁぁ!」俺はその悲鳴で目が覚めた
辺りを見渡しても何も無い
ただ暗闇が辺り一面に広がっていた
その闇に吸い込まれそうになった
「やっと起きたんだ」後ろから女の人の声がして、振り向くと着物をきた綺麗な人がいた
「ここは…どこだ?」俺はすかさず質問をする
「ここはね…生死の境 」生死の境?そっか俺は、筑紫に刺されたあと気を失って倒れたんだっけ?
あれ?なんかおかしい…
「あっ…じゃーあの母さんと父さんと兄さんが生きていた…あれはなんなんだ?」
「あーそれ?私が見せた夢よ」そう女はニタァっと笑った
その笑顔はまた俺を恐怖に落とそうとしていた
「君が見た夢は幸せから恐怖に落ちるまでの話だったはず…私はみんなにそうやって見せてきたのよ」狂った笑顔はとてもこの綺麗な顔には似合わなかった
「ここで見た夢は全部現実であったこと…誰もが共通で持っているもの それはなんだと思う?」彼女は見せる笑顔は、血まみれで汚いような…でも綺麗な気がする笑みだった
「それはね…恐怖…痛み…苦しみ…憎しみ…恨み…憎悪にまみれた魂があるということ」
「だから俺にも見えたってことか…」人に共通点があったとはこりゃびっくりだな
「そういうこと そういうことで…どうする?現実に戻りたい? このまま死ぬ?」
現実に戻れるというのか?
「現実に戻れるのか?」「そうだね…最近自殺や、他殺で死ぬ人が多くなっている だから一度だけチャンスがあることにした」まだ死にたくない!「ただし、これはゲーム」ゲーム?またゲームするのか?
もう懲り懲りなんだが…「帰りたければ、ゲームに勝たなければならない」
「なんのゲームなんだ?」俺は気を引き締めて話を聞いた
「それは教えられない…けど」「けど?」
綺麗な彼女はまた笑った
「死のゲーム」彼女は唇を軽く噛んで発音をしてこう言った
〝デスゲーム〟その言葉に聞き覚えがあった
恭太と同じことを言っている
「このゲームは強く帰りたいと思わなければ帰れない 少しでも怖がったり、殺意が芽生えたり、心が解放されないと帰ってはこれない」これは恭太のゲームよりやばいかもしれない
「そして夢の中で死んだら…感情が無くなってしまう」感情が?無くなる?
「行っておいで…私は帰ってこれること願ってるよ」そう言った彼女は思い出したかのように声を出した
「そう言えば君は同じ目をしてるねあの人と…」「誰のことだ?」俺は少し集中して聞くことにした
「彼は自分で自殺をした子で、殺したっていう誤解と大切な友達に会いたいからと言って頑張ってた」それって恭太の事なのか?
「まあせいぜい頑張れ」彼女はスタスタ歩いていく…まだ質問は終わっていない「あの!何者ですかあなた…」俺は彼女に話しかけて
、1番知りたかったことを聞いた
「私?私の名前はね〝瑞悪〟と言います 人に瑞夢を見せることも悪夢を見せることも出来る 」瑞悪か どっちでもない半分半分の彼女は暗闇に消えていった
「うぁっ!」俺はまた苦しくなって、意識を失った…
「ここは…」俺はいつの間にか寝ていて、またベッドの上に寝ていた
起き上がると俺は身体が動かなくなった
そして酸素が薄くて苦しくなる
「前の家」そう俺は前の家にいたのだ
苦痛でしかない家
もうダメだ…
「そうは言っても、みんなにほっとかれていたからすることは無い」俺はまたベッドにダイブして天井を見ていた
そして俺は、深い眠りについた
起きるとそこには真っ暗な空間
すると前の母がいた
「お母さん…」俺は呟くと、怖くなって逃げ出したくなった
「あら、朔夜じゃない まだ生きてたのね」そう言われて、俺は少しだけ腹が立った
「お母さん…なんで俺を捨てたの?」俺が1番聞きたかったことだった
「はー?そんなの聞かなくても分かるでしょ?私はあなたが嫌いなのよ」そう言われて俺は泣いてしまった
なぜ悲しくもないのに涙が出るのかは分からないけど俺は泣いた
「朔夜…あなたは生まれてきてはダメだったのよ ここで愛してくれる人なんていないのだから」うるさい…俺は違う 愛されてきた
「現実に戻った所で愛してくれる人なんていないでしょ? あなたが好きな女の子さえも」俺は筑紫の笑顔を思い浮かべて、その場に倒れ込みそうになった
「誰にも愛されないのよ あなたは…みんなあなたを見捨てるわ…私たちのように」少し笑みを浮かべたお母さんは俺から少し1歩下がった
これは瑞悪が見せてる夢だと分かっているのに、身体が思うように言うことを聞かない
恐怖に負けそうになってしまう
「朔夜…あなたの人生は全て私の手の中にあるのよ 私が支配しているの あなたの人生は全て私のもの」そう言われて、俺は泣きながら大きな声で叫んだ
「違う!」俺の人生は俺のものだ
「あなたは愛されてこなかったでしょ?だから見捨てられたんでしょ?私たちにも…拾われた家族も…あなたが生きてるせいであの家族は死んでいった 」俺のせいなんかじゃない
俺のせいじゃないよな?絢…
俺は間違ってないよな?
「ふっ 朔夜は人の事を幸せにすることは出来ず、不幸にすることは出来る…最低だね」
狂ったように笑うお母さんはどこか寂しそうな顔をしていた
「いいね…その顔あんたのその顔を見てると気分がいい…絶望した顔 それをみるだけで心が楽しくなる…いわゆる〝他人の不幸は蜜の味〟だね」俺は、少しずつ生きる希望を無くしていった
もうダメだ…ここで死んでもいい
生きてる価値がない
「あなたは一生私の手の中で踊らされるのよ」その言葉で俺完全に心が壊れかけた
でも、最後の勇気を振り絞った
全部言ってやる…言いたいこと全て
「違う…」「何が?」お母さんは笑っていたのに、その顔から笑みが消えていた
「俺の人生は俺のものだ! 全てお母さんの計画通りなんて思うな!」お母さんは少しビクッとして固まっていた
「あの家を出て行ったのは俺の判断
幸せになるために家族を探したのも俺の判断 俺が女の子を好きになったのも俺の判断
俺の人生全てがあんたらが操ってたなんて思うな!」俺は全てを言いきった
「お母さんなんか、あの家族なんか…みんな みんな 」大っ嫌いそう言いたいのに言えなかった
嫌いその言葉を言おうとすると、胸が苦しくなった
言おうとすると涙が止まらなかった
「朔夜…」お母さんは一筋の涙を流していた
なんで泣いてるんだよ
「あぁぁぁぁぁ!」やっと分かった
俺は、みんなに愛されたい訳じゃなくて
この家族に愛されたかったんだ
この家族に愛して欲しかったんだ
「お母さん…ごめんなさい」
そう言うと、俺は死ぬほど泣いた
痛みが取れないほど苦しくなるばかりで倒れ込んだ
ギュッ…
え?お母さん
俺はお母さんに抱きしめられていた
「朔夜…おめでとう 合格だよ」
ほんとに?俺帰れるのか?
「最後に見て欲しいものがある」
いつの間にか画面は変わっていて
俺は病院にいた
「生まれたな 」「えぇ生まれました」
そこには若い頃のお母さんとお父さんがいた
「あなたの名前は朔夜よ」お母さんは俺にそう声をかけると幼い俺は凄く笑っていた
「強くて優しく…人の気持ちを考えれる子になって欲しい 取り柄なんてなくてもいい ただ優しく育って欲しい」お母さんは優しく微笑みながら、俺に名前をつけ願いを言った
気づけばまた場所が変わっていた
「朔夜はかわいいね おいでおいで」お母さんもお父さんも俺を見て喜んでいる
そこに兄さんがいた
「お母さん…朔夜にばっか構ってないで俺にも構ってよ」そう兄さんが言うとお母さんは
優しく微笑んで兄さんに笑った
「お兄ちゃんなんだから朔夜を許してあげて」そう言うとまたお母さんは俺に笑っていた
俺は今まで小さい頃からお母さんに愛されてないって思っていたけど、違ったんだ
そして俺はどんどん成長して、幼稚園に行くようになったぐらい、兄さんからよく暴力を受けるようになっていた
「お前ばっかり、可愛がられて…お前が生まれてきたせいで俺は誰からも見られなくなった」「あっ…かはっ!」俺は蹴られていた
あれはとても痛そうだった
その光景は最悪で痛々しい景色
「ごめんなさい…ごめんなさい…兄さん許して!」そう言っている…俺が殴られていた理由はこれだった
そういう事だったのか
雫が殴られ始めたのは、この後だった
俺が完全壊れたあとは、雫を殴るようになった
勉強だけでしか、見られない兄さんの気持ちがやっと分かった気がした
そしてある日の夜
お母さんはすごく泣いていた
「お兄ちゃんに毎日のように雫と朔夜が殴られているの…どうしたらいいの」お母さんの背中を摩っているお父さん
「お兄ちゃんはとても頭がいいからうちの仕事の利益になる お兄ちゃんはそう定められた男だ 自分からすると決めたヤツだ でも、朔夜や雫はそんなことをしなくてもいい子達」そうお父さんが言うと、お母さんは悟ったように、怒った
「まさか!捨てろって言うの?私の子供よ!ふざけないで!」お母さんは泣きながらお父さんを叩いた
でもお父さんは、お母さんの手をとってお父さんも泣いた
「でも!アイツらに幸せになって欲しいなら!新しい家族で幸せになってくれればいい」そう言うと、お母さんは決断したかのように大きな声で泣いた
俺は、愛されない理由の裏にこんなことがあったなんて思ってなかった…そしてまた一筋の涙を流した
そしてついに別れの日
お母さんは俺にひどいことを言って背中を向けた瞬間、声を殺しながら泣いていた
俺の目は憎しみに狩られた目をしている
それで最後だった
俺は気づけば真っ暗な空間にいた
目の前にはお母さんがいて、最後にこう言った「幸せになって」その言葉が頭から離れなかった
「おかえり」俺は寝転がっていて
泣いていた…それほど俺にとっては悪夢だったのかもしれない
瑞悪におかえりと言われて起きた俺は、急いで起き上がった
「どうだった?私が見せた夢は…怖かったでしょ?痛かったでしょ?」そう言われた俺は確かに怖かったし、痛かった…でも最後に見たものは、俺が長い間いた檻から解放された気分だった
「ありがとう瑞悪 俺、これで前に進めるよ」
そう言うと、瑞悪少し呆れたような顔をした後、直ぐに微笑んだ
今度は怖い感じのでは無く
優しい笑顔
「じゃーまた帰っても頑張んな」
瑞悪はいつの間にか消えていて、体にとても温かいものが巡った
「帰ってきてくれ!頼む」そう恭太から言われた気がして
俺は全身で温かさを感じた
するとまたどこかへ飛ばされた
もう夢は終わったはずなのに…そんなことを思っていると瑞悪の声だけが聞こえた
「本当は帰らせても良かったけど、まだあなたの心は解放されていない…だからこれが最後だ」その声だけが聞こえたあとは
公園に立っていた
そこには1人の男の子 俺はその男の子に話しかけた「君…名前なんて言うの?」俺は男の子に話しかけると「僕?滝沢朔夜」俺?
「こんな所で何してるの?」そう聞くと小さい俺はこう答えた「みんなにほっとかれているから、こうやって1人で遊んでるの」そう言うと小さい俺は泣いていた
「僕もっとみんなに見て欲しいだけなんだけどな」俺はその言葉を聞くと、小さい俺を抱きしめた
「ごめんな…俺がこんなんで生まれてきたせいで…ごめん」そう言いながら抱きしめていると、小さい俺が「よしよし…大丈夫!」ニカッと笑った
さっきまで泣いていた小さい俺は強かった
なのに俺はいつ弱くなってしまったんだろう
すると、小さい俺の元へ小さい女の子がやってきた
「あっ!筑紫ちゃん!こんにちは」そう小さい俺はペコッと頭を下げた
筑紫ってあの…その時俺は筑紫の笑顔を思い出した
小さい時に会っていたんだ
「お兄ちゃん…お兄ちゃんは何があったのか知らないけど、お兄ちゃんには居場所があるから…生まれこなければ良かったなんて思っちゃダメだよ?誰だってひとりじゃない!」そう笑顔で言われた
小さな俺のはずなのに、その姿はまるで未来の俺なような気がした…その姿はたくましく、強かった
「ありがとう」そう言ってその場を後にした
心が楽になった俺は瑞悪に話しかけるように
大声で叫んだ
「もう大丈夫だ!戻してくれ!」俺は心が晴れて、瑞悪の元へと帰ってきた
そしてやっと帰れることになった
すると恭太の声がした「帰ってこい!絶対に!」その声を聞いて、一筋の光が指した
「ありがとう…瑞悪」一言そう言って
俺は歩き出した
大丈夫…これからはもっと前へ進んでいける
ゆっくり目を覚ますとそこには、俺を覗き込むみんながいた
俺は起き上がるとみんな俺に抱きついてきて
俺は嬉しくなった
「そう言えば本当に筑紫は恭太を殺したのか?」俺は、1番聞きたかったことを聞いた
きっと殺してなんかいない
「殺してないよ」そう恭太が言った
「だったら…」「殺されたなんて言わなきゃ良かったのにって言いたいんだろ?」そうだ
ほんとにそうなのであれば…わざわざそんなことを言わなくてもいいじゃないか
「分かってるさ…でもな、殺されたって言わなきゃこれは解決しなかった」
筑紫の方をみると思い出したかのように
口がふわっと空いた
「思い出した…あの日」
筑紫はゆっくり話し始めた
「恭太を呼び出した日…確かに押したんだ でもそれじゃ恭太は落ちなかった」
どういうことだ?
俺達は呼び出されるところまでを真剣に聞いた…そして、殺してなかった所まで話がたどり着いた
「確かに押されたよ でも、俺が自分から落ちたんだ こんなにも苦しめている人がいた事を知って」そうだったんだ
みんな恭太と筑紫の話を聞いた
「でもあの時筑紫は見殺しにしなかったんだ」え?憎んでいたのに?なんで?
「あの時言われたんだ 〝あんたが死んだら誰を憎んだらいいんだよ〟って〝朔夜には恭太しかいない〟って〝死なないで〟ってね」そんなこと言ったのか
「あの時私は何故か身体が動いた 殺してしまったら変わっていまう気がした だから私は落ちた時でも腕を引っ張った」そんなことがあったんだ
「だから誰も悪くない」そう恭太は笑った
「筑紫…ありがとな!お前があの時あんなこと言ってくれなかったら俺は救われてなかった…ずっと俺は、殺人者の息子として石をぶつけられてきた でもあの時〝死なないで〟って言ってくれた時すごい嬉しかった」そう笑顔でお礼を告げた
これで終わりだ
「みんなありがとう」そう言うと恭太が泣いて、「今までありがとう」と言った
その瞬間恭太から光が飛ぶように青白い綺麗な光がどんどん恭太を包んでいく
それはお別れの時…未練を晴らしたからか
恭太はほぼ消えかけていた
「俺の思いは伝わった…これで終了だ ゲームはこれで終わりにします」
俺は恭太に聞いた「また会えるよな?魂は消滅しないよね?」そう聞くと「おう!」と泣きながら笑ってくれた
「ミッションクリア!おめでとうみんな!」
恭太はそれで綺麗な光に包まれて消えていった
「三角形の公式言うわよ」
気づけばそこは太陽の差し込む教室だった
「先生?」先生が生きていた
先程までがまるで嘘のようだった
俺はきっと悲しい顔をしていたんだろう
それでみんなは俺の周りに集まってこう言った〝お前は1人じゃないぞ〟と…
あの出来事が嘘のようだったけど、恭太のことは一生忘れない
ありがとう…大好き
そう心の中で思うと、俺もそう聞こえた気がした…
エピローグ
あれから何年も経った
筑紫と暮らすようになった俺は幸せだった
雫は筑紫ととても仲良くして、何年か前に雫は男と婚約を結び家を出ていった
それから、結婚して、俺は親が殺された悲しみと恭太が教えてくれたことを胸に警察官になった
そして警察官から出世して刑事になった
筑紫は産婦人科の看護師になった
新たな命の誕生を大切にしたいと言って…
そして俺たちにも宝物ができた
子供が出来たのだ
子供の名前は〝幸愛〟幸せになって欲しい
愛される子に愛してあげる子になって欲しいということで〝幸愛 「さちあ」〟
ある日幸愛から変なことを言われた
「お母さんとお父さんってどこで知り合ったの?」
そう言われて俺達は2人で顔を見合わせて笑った
「それはねある男の人のおかげだよ」
「変なの 2人で笑いあって」
そして俺は2人を抱きしめて、笑った
「愛してるよ」そう言った
これからもこの幸せが続きますように…
第?章ー お仕事ー
あの日俺は死んだ…
俺も瑞悪の能力で夢を見た
でも、俺はその賭けに負けたのだ
あの世では、未練が完全に断ち切れている人の〝天国と地獄〟は決められ
未練が断ち切れていない人には、時間制限があった
3日以内に未練が断ち切れていないと、 魂が消滅するまで、ある〝仕事〟をやらされる
その仕事に入ると、人によって違うが一つだけ能力を貰う
俺は〝人の傷を癒す力〟と言っても、あまり使うことは無い
朔夜に初めて使った時はどうなる事かと思ったが、上手くいった
この仕事をして、途中自分の未練を断ち切った所であの世に行ける訳では無い
この仕事を引き受けてしまったら、一生この仕事をしなければならない
俺はわずか1ヶ月で、上司になった
この仕事で行くと、3番目に偉い
部下からも〝先輩〟と呼ぼれる
もうすぐ雲の上の会社につく…
この仕事内容は、〝魂をあの世に途中まで送ること〟
これが思った以上に大変で、未練がある人は、とりあえず瑞悪の所まで行くことになっているのに、行かない人や、悪霊化してしまう魂を除霊してあげるのが俺達の仕事
そして俺は空に浮きながら、もう一度学校の方を見た
朔夜たちとはもう別れて、これから幸せに暮らすことだろう
俺は少し笑みをこぼして、帰ろうとすると
上から2番目に偉い上司が降りてきた
俺はお辞儀をして、彼の話を聞いた
名前は、この仕事では番号で呼ばれ俺は「398」と呼ばれている
「おい!398お前自分が何をしたのか分かっているな?」もちろんお叱りを受けることは知っていた
俺はとんでもないことをしたのだから
「分かっています」俺は少し俯いて、笑って答えた
「俺はお前が消えるのは嫌なんだ! 頼むよ…頼むからもうあんなことするのやめてくれ」
俺は上司の顔を見た
彼はとても苦しそうな顔をしている
ここは、俺を大切に思ってくれる人が沢山いる
それが嬉しかった…
「分かっていますよ 能力を使う度に魂が削られていくことは、凄く分かっています」
そう、あの能力を使うには、代償が勿論あった
それは魂を削っていくこと…
人を生き返らせるためには、なんのリスクも背負わないなんて、そんなことないって分かってました でもね…
「でも…俺はこの魂を掛けてこの計画に出ました」そうだ…この魂が例え消えてしまっても、俺は必ず朔夜に幸せになって欲しかった
「お前覚えているよな?この仕事をする時においての約束」「はい…」
「第1条 この仕事をする際によっぽどのことがない限り、人間に姿を見せてはならない
第2条 人に情を持ってはならない
第3条 人の運命は変えてはならない これを覚えているな?」
これが約束事…この仕事をする際に約束されるもの
これを破ったら、即消滅される
「今回はお前のことだから、第1条と第2条は大丈夫だったが、お前は1番してはならないことをしたんだぞ」
人を生き返らせた時点で、俺は盛大に約束を破っている
「はい…だからもういいんです 殺してください 俺はもう大丈夫です」そう言った
「朔夜って男は今日死ぬ運命だった それを変えたんだぞ?」
そう、朔夜は今日死ぬ運命にあった
でも俺がその人生を狂わせたのだ
例え、苦しい思いをしても 生きて欲しかった
俺のせいでずっと苦しい思いをさせていたのに、こんな所で死んだら困る
「お前が人生を変えたせいで、あいつは苦しい思いをしてたのかもしれないんだぞ?
それでも良かったって言うのか?」
「はい…それでも良かった 元々俺が狂わせた人生をまた俺のせいで狂わせるなんて最低じゃないですか 最後にあったから最後くらいカッコつけさせて貰いました」
俺は上司に今とんでもないことを言っているのだろう
上司はポカンとしている
「今日、朔夜が死ぬ運命にあったのは知っています でも、どうしても助けたかった だからこの計画を練ったのです そして早めに決行した」
上司は少しため息をついて
頭をぐしゃっとさせながら喋り出した
「あぁそうか もう知らねぇぜ俺は今日あったことは言わないでおいてやるよ その代わり、仕事ばんばんやらせるから 覚悟しとけ」そう上司は笑って、俺の手を引っ張って上に上がっていこうとする
「ありがとうございます」そう俺はお礼を言った
そして、俺は瑞悪の所へ行った
「瑞悪 ありがとな!本当に助かった!」
俺は瑞悪にお礼を言った
「あんな恭太さん初めて見ましたよ
すっごく慌てて…まあ好きだからいいんだけどさ」最後らへんはボソボソ喋ってなんて言ったのか分からなかったがほんとに助かった
俺一人じゃこんなの無理だった
「ほんとにありがとう」そうもう一度お礼を告げて頭を軽くポンポンと叩くと、瑞悪は頬を赤らめた
そして俺は、その場を立ち去った
ちなみに俺が398なのは〝さくや〟だからである 自分で番号は決めれるので〝朔夜〟にした 「398さん!今日も頑張りましょう!」
後輩がやって来て俺達は動き出した
「よっしゃ!今日も仕事頑張ろう!」
彼の名前は石井恭太
通称〝死神〟という…
恐怖の物語
プロローグ
「おっはよー!」
今日も元気いっぱいに俺の元へ走ってくる
名前は西条筑紫 何故か俺の後ろをちょこまかついてくる
おっと俺の自己紹介が遅れてしまった
俺の名前は滝沢朔夜ちょっと女みたいな名前だけど俺はあまり気にしてない
「おはよう」30秒くらい遅れて返事をそっけなくかえした
「今日さ放課後暇だったら」「断る」俺は全部言われる前に断った「最後まで言ってないのに...」そんなムスッと顔をしてきて上目遣いをしてくる 思わず笑みが零れてしまった俺は「そんな可愛い顔しても無駄だ」と笑って答えた「ちぇ」そう怒っている筑紫 「えへへ」急に可愛い顔をしたので思わず顔を逸らしてしまう
別に気になっている訳じゃないよ?! そう俺が頭を抱えているうちに、いつの間にか筑紫は俺の元を離れどこかへ行ってしまっていた「あー今日も空が綺麗だ」俺は学校のベランダにでていつものようにその景色に浸っていた もうすぐ夏だな、こんななんでもない日常じゃなくてスリルが味わえるようなこと起きないかななんて思いながら自分の席へと向かう
俺の前の席はいつも空いている…理由はいじめられて自殺したのだ
いじめられていた人の名前は石井恭太
恭太は俺の一番の親友だったはずなのに俺は見捨ててしまった 俺もいじめられるのが怖くて...
「はぁー」そう小さくため息を着く
でもこんな日常が急に恐怖のどん底に落ちる
なんて誰も知らなかった
授業が始まるのでみんなが一斉に席につき
みんなも退屈そうな顔をする
恭太をいじめていた人の名前は西連寺芽衣
伊勢亮太 真野恵里菜 一ノ瀬千鶴女子2人男子2人の4人だった西連寺は凄く気が強いそしてまじで色々終わってる女だ俺は苦手だな…
伊勢はすごく頭がいいでもたまにとても怖い
真野は誰もが可愛いと思うキャラ、だが全然可愛さの欠けらも無いマジで男みたいな性格でみんなは知らないだろうけどみんながいない所で声がすごく低い俺はたまたま聞いただけだけど...
一ノ瀬はとにかくチャラい
人をいじめてもなんとも思わない最低野郎だこの4人はみんなそうか
まあこんな感じでいじめていた主犯達も何事もなかったかのように席につき4人で笑っていた
俺はみんなのリーダーのような存在なぜなら生徒会長だからである
もう3年生になるという時期だ
えっと1時間目は数学か
憂鬱だな...
数学が始まって10分経った
先生は何故かよく分からないルールを言い出した。授業内容は三角形の証明だからその解き方を説明し始めたのだと思う、ちゃんと聞いとけばよかった…
「ルールその1 外へ助けを求めてはならない」ん?先生今変なこと言わなかったか?
気のせいかな?「ルールその2 トイレに行っても誰か戻ってこなかったら逃げた人もクラスの人も全員殺します」すらすらと黒板に書く 先生に異変が現れた 俺の気のせいなんかじゃない「先生」俺は大きな声で先生に呼びかける 先生は女のはずなのにあんな聞いたことも無い低い声で喋れるはずがない
嫌な予感がする...
「ルールその3 命令には絶対に逆らうな」
そう言って黒板に書き終わったのかこちらを振り向いて先生は自分のバッグに手を突っ込んだ
すると布のかかったものを出した
なんだあれは?
「逆らうと...」先生は布がかかったものを自分の頭に突きつけた 何をするつもりなんだ?
「先生何言ってんの?ハハ」一ノ瀬は笑ってふざけているようだった ふざけてる場合じゃない気がする「うふ」さっきまでの低い声がうそのようだった 先生はいつもの笑顔を見せる
変だ 「先...」バン...俺の声と重なって銃声音のような音ともに布がかかったものが鈍い音を立てて落ちた「いや...いやー」みんなが一斉に後ろへ走ってくる 女子は泣き喚いていた
死ん...だ?「筑紫何があったの?」俺は近くにいた筑紫に何があったのか聞くと「先生が頭を自分で撃って死んだ」と答えた やばい吐きそうだ 布がかかったものは床に落ち布は真っ赤に染まり、
鈍い音を立てたものが正体を現した
それは紛れもなく銃だった
みんな冷静さを失い、教室から出ようとする だが先生が言っていたルール通りなら俺達は死ぬことになる「みんな出るな!」そう言うがみんなには聞こえてないみたいだった
ザッザッザー
「え?」俺は軽く声を漏らした
放送室を誰か使ってる?もしかして、不審者が入ったから、避難の放送かも…「2年C組のみなさーんこんにちは俺の名前は うーん…適当に殺人者Aとでも呼んでください」俺の予想は外れてしまった 放送をしていたのは、不審者だった それより殺人者A?とても甲高い声で喋る男は誰かわからなかった
2年C組と指定して言った なんでわざわざ指定して言ったんだ?俺達のクラスが狙いか? 俺は頭を掻きながら考えていると放送はどんどん流れいく「2年C組の人以外 先生達もグラウンドに出てくださいさもなくば殺します」どんどん外へ出ていく みんな気づけば教員も俺達以外のクラスもグラウンドに出ていた
「それではグラウンドに出ていただいた皆様にはおかえりを願います」帰らせるのか 俺達はどうなるんだ?俺はベランダにでて話を聞こうとする ふと下を見た時ここから飛び降りれないかと考えた 無理かここは三階落ちたら即死って所だ
「それは無理だ」そういう先生 放送室に聞こえるのか?「あーそうですか生徒の皆さんはどうします?帰りますか?残りますか?」「生徒は全員帰らせろ」そう先生達は指示をする生徒は逃げるようにその場を立ち去った
「あーあー自分の命よりこれから希望のある生徒を帰らせるのかハハ」そう笑いながら話す殺人者A「何がおかしい?」先生は質問をする「俺の時はなかったのにな」そう小さな声で言った 先生には聞こえてないみたいだった「帰れば良かったものの」急に低い声になった
「先生が生徒を必死に助ける…凄いですね では、2年C組も助けるつもりですか?」聞きながらクラスの様子を見るまだ泣いている人
恐怖でみんな腰が抜けたのか動けていない
「先生方放送室に来て貰えますか?」その言葉で先生はみんなで放送室へと向かって行った「先生方俺の時はそんなことしてくれなかったですよね」殺人者Aはまた同じことを言うすると放送室から「君は.....」
その瞬間タイミングを測ったかのように放送室から声が聞こえなくなったそして5分後に放送がまたついた「まさに先生の鏡ですね それでは先生方さようなら」その瞬間先程のような銃声音また死んだのか?「うぁ」と呻く声それは1人2人のものでは無い ほんとに殺されたのかもしれないさっきまで静かだった教室もまた泣き声と喚く声でうるさくなった俺は先生の死で「おぇぇ」と嘔吐した 気持ち悪くなってきた
「それでは邪魔ものはいなくなったのでデスゲームを始めたいと思います」さっきまでの甲高い声で殺人者Aは言った
あいつは今悪魔の笑いをしている気がした
神様あのなんともない日常を返してください
第1章ー ルール ー
「それではデスゲームを始めます」
デス...ゲーム?
「あっ!言い忘れたけど盗聴器と監視カメラとかついてるから色々分かるからだからちょっとでも変なことしたら殺すから」ゾクッ…背筋に冷たい何かが走った
おそるおそる俺は殺人者Aに質問をするちょっとでも気に触るようなことを言ったら何されるか分かったもんじゃない「ゲームをするのか?」「うん!そうだよ!デスゲームつまり〝 死のゲーム〟だ」死のゲーム…
「それではルール説明をするね」
「ルールその1外へ助けを求めてはならない」
「ルールその2トイレに行ってもいいが誰か逃げたらその生徒も教室全員を殺す」
「ルールその3命令には絶対逆らうな」
「ルールその4生き残れるのは10人だけ」
「ルールその5どんなに汚い手を使っても良い」ルールを全て言い終わったのか少しの沈黙があった気づけばみんなは静かになっていた 俺は希望を失ったかのように、その場で倒れ込むように座った
でも、その沈黙はすぐに恐怖へと変わった…
「いやー」そう言って教室の外へ飛び出したのだ
「ちな!」筑紫が呼び止めるように大きな声を出したのにも関わらず、一目散に角を曲がって階段へと向かった このままではみんな死ぬ…
そう思った瞬間「やっいややめて殺さないで」逃げたはずのちなは後ずさりをしている
何かから逃げているのか?「殺さないで教室へ戻るからお願い」そう言って必死に逃げようとする角からは謎の黒い服を羽織った人がいた片手には銃を持っている
まずい…
「ちな!こっちに走ってこい!」俺は力いっぱい声を張った それに気づいたのかこちらへ走ってくる そして右手を伸ばした瞬間だった
頬に何か付いたのだ 左手の人差し指で拭った
血… 「あっあ」と呻く
目の前のちなは俺の手に触れる前に撃たれて死んでいた…
みんなはうぁわと言って俺から後ずさりをしていく
俺に倒れ込むように屈んでいくちなを、受け止めて その場で座り込んだ
「うう…あぁ」助けられたかったという気持ちが込み上げてきて、1粒涙を流した
俺の手にはちなの血がベッタリとついている
「あーあ今回だけ特別だからクラス全員を殺すのはやめるよ」1人殺してしまった
「無駄死にした赤井ちなゲームオーバー」
その掛け声にあーゲームだったと思い出す
「これ以上無駄死にしないでねちっとも面白くないから」そうお願いををしてくる殺人者A
「お前の狙いはなんだ」俺は質問をした「俺の狙いねーそれはねみんなに知ってほしいだけ」知って欲しい?何をだ?「みんなが助かる道はないのか?」これが1番いいと思う 今1人犠牲になったお陰でみんな冷静さを失いつつある だからこそだ「うーん基本的にそれを聞かれる予定はなかったから、あっだったら俺を納得させてみろよそしたら10人以上でも助けてあげるよ」納得?それはどゆことだよ誰か分からないのにどうすればいいんだよ
「お前って誰なの?」俺は名前を聞こうとするよっぽど殺人者Aとか名乗るから教えてくれないと思った
「俺は…石井恭太」その言葉にきっとみんなが凍りついただろう
俺だって固まった「恭太?」俺はおそるおそる聞く「そうだいじめられていた石井でーす」そう言うと「ウソだろ」と一ノ瀬と伊勢が言う きっといじめていたあの4人が1番恐怖心を抱いているのだろう
あいつの目的は 復讐
「え?まってなんでこんな所にいるの?死んだはずでしょ?」そう筑紫が聞いた
「おー、いい質問!なんでここに居るかでしょ?それはね未練が強すぎて転生ができなかったんだ、けどねある日まあ君たちは知らないだろうけど上の人間がいるんだいわゆる神様ってやつだ その人に言われたんだ 3ヶ月くらい経って、まあ色々あって命令が下された だから帰ってきた、俺の未練を晴らすためにね」思ってもない展開にびっくりしたけど まあとにかくデスゲームをするしかなさそうだ
「あーその顔いいね恐怖と絶望に溢れたその顔たまらない俺もあんな顔をしてたんだろうなあの目に光がなくなった顔 大丈夫だよ?そこの4人すぐには殺したりしないから生きたいならゲームに勝てばいいんだよ」
狂ってしまったここまで変えたのは俺達だったこのままではみんな死ぬ早く手を打たないと…
「もうさっきから始めようとしてるんだからとめないでよね あっ!そういえば校舎ごと異世界に飛ばすね!」返事を待つ前に場所が変わる さっきまで明るかったのが真っ暗になったのだ本当に異世界にきたのか
「それでは改めてデスゲームを始めたいと思います」俺は自分の命よりみんなが生き残れる手段を考えなければならない
「恭太…」
俺は狂った彼の名前を小さく呼んだ…
第2章 ー死の鬼ごっこー
「俺といつまでも友達だ!」
その言葉が急に頭によぎった
こんなにも壊してしまったのは俺なのか?
「デスゲームを始める前にみんな一旦席に着いて」そう言われて俺達は席へ向かう 1番前の席の人は教卓の後ろには死んだ先生がいるのでゆっくり、ゆっくり前へ行く「大丈夫だって急に動き出したりしないから俺が確実に殺したから」殺したか…そんなことが問題なのではない あそこに死体があるのが嫌なのだ
「はーい みんな席に着いたね じゃーみんな目を閉じて 俺が指示するまで開けちゃダメだよ」みんなはきっと一斉に目を閉じただろう
ガチャ…ガチャ…物と物がぶつかり合ってする音 何を出している?
するとなにか急に恐怖感をおぼえた
俺の前に誰かいる…机の上になにかおいて
服が擦れるサッサっという音はどんどん遠のいていく
「開けていいよ」恭太からの指示があって
目を開けた 机の上にあったのは、銃とナイフ…本物?そして懐中電灯
こんなものを持ってどうする?
俺達は死ぬか、生きるかのはず…
「それはね殺し合いをさせるためのものだよ」ニタァ…そう笑った気がした
「殺し合い…」そう聞いてみんなが一斉にざわつき始めた
「ゲームを始めたいと思います」
1番最初のゲームは何をするのか?
「ミッションは全部で5それで生き残ったものが勝ち」
ミッションか…俺は本物の銃を持つことの恐怖を感じた そして生き残りたいと思う本能が芽生えた瞬間だった
きっと誰もがそうな気がした
「ミッション1 鬼ごっこ」鬼ごっこ?
「この校舎にバケモノを1体放す」バケモノ?今まで俺もゲームをして追いかけられるゲームをしてきただが
実際にする日がくるとは思ってもいなかった
「まあそのバケモノは思ったより優秀だから気をつけてね隠れてもよし自分が生き残るために他の人を殺してもいいよ」その残酷な言葉に鳥肌がたった 俺だって人間だ怖いという気持ちだって湧く そういえばこのゲームが始まる前は何時だった?授業が始まったばかりだったなもう結構経った気がして時計を見るだがまだ時間は30分しか経ってなかった
恐怖で時間の感覚がおかしくなっている
「その銃とナイフでどうにか対処するのもよし まあ死ぬことはないから…あの〝バケモノ〟は…」不死身なのか生き延びたいならするしかなさそうだ「30分ずっと生き延びてる人が勝ち死んだら負け」30分?長くねぇか?
「逃げる範囲はこっち側の校舎だけあっちの校舎に行ったらゲームオーバーと見なします」やりたくないな …
「それでは1番最初のゲーム死の鬼ごっこを始めたいと思います」始まってしまう
俺はナイフを机に一緒においてあったナイフケースに入れ 銃と懐中電灯を持って教室から出る準備を始めた まるで今からサバイバルゲームをはじめるかのように…
みんなもやるしかないと考えたのか準備を始めた 女子達はさっきまですごく泣いていたが
少し冷静さを保って、目が真剣になっていた みんなが一斉にドアの前へ集まると恭太からの掛け声を待った
「それではゲームスタート!」その掛け声で
みんなは走って教室を出る 俺もその人の流れに乗って廊下へと出た
グイッ…そう俺は服を引っ張られて振り返る
とそこには筑紫がいた
「お願い一緒に行動して欲しい」そう震えた声と服を引っ張っていた震えた手でお願いしてきた
俺もひとりじゃ怖いし、足でまといとも思わない なので俺は一緒に行動することを決意した
筑紫のことなんとも思ってないって言っていたけど、実は前まで好きだった人だ
俺は好きだったけど、振られてしまってもう無理だなと思い諦めたのだ
でも今思えばまだ好きなのかもしれない
他の女の子だったらここまで守りたいっても思わないだろうし、こんな状況なのに話しかけてくれて嬉しいとも思う
そういえば放課後になんかしようって誘われたな なんであの時断ったんだろ
「なぁ」俺は筑紫に声をかける俺達は廊下を少しづつ歩きながら隠れる場所を探していた
「放課後暇だったら何したかったの?俺と」
そう聞いてみる あの時は遊びの誘いかと思っていたけれど、実は違うのかもしれないと思った「えっとね 放課後遊ぼっていようと思って大事な話があるからっていようと思ったけどすぐ断られちゃった あはは」そうクスクス笑いながらその話をする筑紫
やっぱり好きだったな…
「大事な話って?」「うーん教えない」と意地悪な笑顔で言われた「じゃーこれが終わったら教えてね」その温かい空気はいつもの教室へいる感じだった
「キャー」その声に温かい空気は一瞬でなくなり、ゲームをしていたということを二人とも思い出した
「ここに隠れよう」俺は小さな声で筑紫に言った 筑紫の手を掴んで中へ入った俺達は大分密着していた 筑紫にハグした状況だった「ねぇ朔夜近くない?」そう言われて返事をする「悪いだが今は我慢してくれ音がするんだ」
そう言うと筑紫は静かになった
ペチャペチャ… 音がして光を消す
音はどんどん近づいてきた
音がしなくなった部屋の前で止まっ…た?
俺は筑紫を強く抱きしめて
緊張感が増したのか息をしなくなっていた
部屋を開けられないといいが
すると、音はどんどん遠のいていくどうやらやり過ごしたようだ 俺は少しして息をし始めて、筑紫とは体をはなした すると放送が鳴った
「ここで!ゲームオーバー者を発表します
!真野恵里菜 池上明 橋長司 金川美波ゲームオーバー」もう4人やられたのか?!
しかも真野恵里菜っていじめてた主犯の1人じゃねぇか
やべぇなこれは…思ったよりすごそうだ
開始してすでに5分経過している
5分で4人って…おわる頃にはどうなってるんだ?
「私達も死ぬのかな?」不安そうな顔をしながらその目には涙が溜まっていた 確信はないからなんとも言えない
「大丈夫俺が守るから」そう言ってもう1回抱きしめた 恋人でもないのに急に抱きしめたくなってやってしまった
「あーごめん」そう俺は急いで筑紫を離し
謝るすると筑紫はクスクス笑い「じゃーお願いします王子様」と笑ってくれたこんな状態でもほのぼのさせてくれる
緊張が少し解けた 「じゃー行こうか」そう手を強く繋いだ
「それではお知らせー!」恭太は放送をかける「ただの鬼ごっこじゃ楽しくないことに気づいたので新しいルールを付け足すね!」
ルールを付け足す?「今からどこかに鍵を至る所に置いていくね 教室の鍵とは違う形で もっと見たことの無いような形その鍵を2年C組の教室に持っていき」ガタン...
ビクっ…体が軽く跳ねた「今教室の鍵を閉めたからその鍵で開けてね その鍵で2人助かることにします 教室にはバケモノが入って来られないようにするね」助かるのは2人
俺達は2人だから助かるかもしれない
「探しに行く?」筑紫に聞くと声を震わせながら「ええもちろん」そう言われて部屋を出ようとする「あっ!ちなみにバケモノは音に敏感だから大きな音が少しでもすると追いかけてくるよ そして教室を開ける時のドアの音に注意してね」そうだ俺達の教室のドアは音が物凄くするドアなのだ
音に敏感か無駄に音を出せないな
でもさっき喋っても大丈夫だったということは多少は喋っても大丈夫そうだ
「じゃー頑張ってね!」そう告げるともう喋らなくなった
「じゃー行こうか」俺達は手を繋いだまま
歩き出した 鍵は至る所に置いとくと言ったが
そんな簡単には見つからないはず
「ここ探してみよう」ここは音楽室何故かここを調べたくなった 教室のように机が並べてある「探そうか音を立てないように」筑紫が怖がると思って一緒に行動しようと思ったが筑紫から意外な事を言った「手分けして探そうそっちの方が見つかりやすいでしょ?」「大丈夫なのか?」「うんだっていざとなったら助けてくれるんでしょ?」「おう」そう言って俺達は手分けして探す机の中を2人で探した「あったか?」「ううんない」どこにあるんだよ 俺は辺りを見渡す すると目に入ったのはピアノだった 「ピアノら辺探そう」
そう言うと筑紫は頷いて、2人で探した
「あった!」筑紫が軽く大きな声を出した
見たこともないような鍵これか…
そう思って動こうとすると、ガタン…
机に思いっきりぶつかってしまった
しまった!俺達はすぐさまそこを離れて、隣の家庭科室へと逃げ込んだ
ペチャペチャ…そう音を立てながら歩く
家庭科室を通り過ぎる時にその〝バケモノ〟はこちらをみた
俺の心臓は飛び出しそうだった
バクバクッ…
そして、音楽室の方へと歩いていく
「ふぅー」そうそっと息をはく
「ちょっと朔夜近いよ!」そう小さく叫んだ
俺の前に筑紫が座ってバックハグした状態
そりゃあ怒るよ 馬鹿だな何してんだよ俺
「あー悪ぃハハ」俺は少し笑いながら筑紫を離した 俺は無意識のうちにやっていた訳だが気づいた時にはもっと抱きしめときたいって気持ちがあったやっぱり好きだなそう改めて思う瞬間だった
「もう!朔夜めっちゃ近いよ!」暗くてよく見えなかったが、筑紫は怒っていたみたいだ
俺は顔が赤いのバレなくて済んだけど…
バケモノが来る前にここを動こう
「教室へ急ごう」俺は筑紫の手を掴んで家庭科室をゆっくり出た
まだバケモノは音楽室に居るはず
今のうちに行くしかないそう思った時だった
ペチャペチャ…
最悪だ タイミングが悪すぎる
家庭科室は出てしまってもう戻れない
走ろうにも音がするから走れない
「朔夜どうしよう死ぬのかな?」少し冷静を装って俺は軽く笑顔を見せた「大丈夫俺が守るから」そんなこと言ってももう恐怖でいっぱいだった
異世界に飛ばされて真っ暗な訳だが
月は見えるここの月は凄く綺麗だった
ペチャペチャ…
そう音は近づく俺は筑紫の手を強く握った
月の光に照らされて〝バケモノ〟がこちらをみた
「え?」俺は小さく声を漏らした
「朔夜くん!」月の光に照らされて見えていたのはこの学校の制服をきた女子生徒だった
こんな子クラスにいたっけな?
「朔夜くん怖かったんだよ 1人で行動して、筑紫さんもこんにちは」そう言って俺は安堵した ただの女子生徒か 名前はなんて言うんだっけ?
「朔夜」そう小さく俺の名前を呼んだ筑紫
「ん?なんだ?」俺は筑紫を見て答えた
「早く…早く逃げないと」そう言って俺の服を引っ張り走り出した「おっおい」俺は筑紫に呼びかける だが一向に止まろうとしない
振り向くとさっきの女子生徒は、首をかしげながらこちらをみていた
〝バレちゃったか〟それは朔夜にも筑紫にも聞こえていなかった
もう一度教室近くの部屋へと逃げ込んだ
「おいなんで逃げたんだよ?」筑紫は顔を真っ青にしながら答えた
「あんな生徒見たことなかった…それになぜかあの人を見た瞬間 顔が血まみれに見えてしまった気がした そして殺気が感じられた、だとしたら」『 バケモノ』
そう2人で口を揃えて言った
「みぃつけた」その声に俺は体を震わせた
ゆっくり振り向くとさっきの女子生徒
「バレちゃったね、ということで死んでもらうね」そう笑顔で言われて俺達はお互いにゆっくり手を繋いだ 強く…強く…握った
恐怖に勝てるように冷静さを保てるように…
その〝バケモノ〟は姿がどんどん変わっていく
右手には大きな鎌をもち顔の左半分には仮面を被り黒いセーラー服に赤いリボンをつけ、
髪はポニーテールになった
「お前が何故一気に4人殺せたか分かったぞ」そう俺はバケモノに問ただせた
「おーなんででしょう」「お前はさっきみたいにか弱い女子生徒を演じ、みんなに近づいたみんなが油断した時を狙って殺したんだろ
」「おービンゴ」そう笑顔で言っている女は楽しそうに話す
「じゃー君たちも死んでもらわなくちゃね」
大きな鎌をこちらに向けた
振りかざそうとしてくる時に筑紫に抱きつき
避けた
「あっぶねぇ」ギリギリだもう少しで足が切り落とされるところだった
「おっ!凄いね 避けたのは君たちが初めてだよ」クソどうにかここを逃げ出さなければ
「よいしょ!」もう一度鎌を振りかざす
「朔夜」俺の腕を強く握って目に涙をためる
「大丈夫だから」俺は筑紫にそう言った
「大丈夫じゃないっよ!」そう俺はバケモノに背中を切られた かすり傷程度だが「痛ってぇ」「きゃははははは」「大丈夫?!朔夜 いやっ血が…」めっちゃ痛てぇ
筑紫だけでも逃がすこと出来ないか
「いいねいいね朔夜って男の子は結構楽しそう その顔が恐怖に変わる瞬間が楽しみだな」
俺は笑った
「ふっ」「何がおかしい?」そう冷たい目をするバケモノ
「死なねぇよ 俺達はなんとしてでも逃げ出してやる」「ふーん 君は私の嫌いな人にそっくりな目をしているね 君をみているとなんだか自然と怒りと憎しみが溢れ出てくる」誰だよそいつは俺には関係ないだろうが
そんなことを言っているうちに隙が出来たことに気づき、俺はそのうちに筑紫とその部屋を急いででた
「おっおい待て!」バケモノはすぐさま気づいて追いかけてくる
クソ…速いな…
もうすぐで教室だって言うのに
「筑紫走れ!教室のドアを開けてくれ!」
「いやでも」「お願いだ」俺は筑紫にお願いをした「分かった」筑紫は1人でどんどん走っていく
これで、俺だけしか死なない
「へー変なの自分の命を投げ打ってまであの女の子を助けたいのか?」
「あーそうだよ何が悪い」時間稼ぎになるのは俺しかいない
筑紫頼む生き残ってくれ
第3章 ー頼みー
「あぁぁぁぁぁ」俺はでかい声で呻く
俺の手や足は鎌で傷をつけられすぎてもう動くのも辛い
あれから数分、耐えたがもう限界だ
俺は最後の力を振り絞って教室へと走る
生き残りたいからだ… 俺だって生きたい
血は足に力を入れる度にぽたぽた垂れる
激痛がして転けそうに何回かなる
「朔夜!開いたよ!こっちに走って!」
そう筑紫に言われて走る
筑紫の手に触れようとした時
後ろにいた〝バケモノ〟がいなくなっていた
「どこに行った?」「そんなことより入らなきゃ!」「うっうんそうなんだが」
俺は辺りを見渡す
姿がどこにもない
俺がつくしに視線を戻した瞬間だった
スッ…筑紫の後ろにいたのだ
「え?」筑紫が軽く声を出した
「やめろ やめてくれ」バケモノに頼んだ
頼む殺さないでくれ
そいつがいないと俺は死んだも同然だ
何故そう思ったかは不思議だった でも筑紫がいなくなったら俺が俺じゃ無くなりそうだった
「さぁどうする? 自分だけが生き残る道を選ぶか一緒に死ぬか」ニタァ…笑った俺の返り血を浴びて顔が血だらけなのが分かる
〝悪魔〟だ
「朔夜 私は大丈夫だよ朔夜は生きて ね?」間をおいて〝ね?〟と言ったのはまだ迷いがあったらからだ なんとしてでも生きて欲しい
「いいねやっぱり恐怖に変わった瞬間の顔 私の大っ嫌いだった人にそっくりだよその顔 今まで散々私を壊したくせに私が壊そうとすると命乞いをする でも…君は違った」
筑紫の首に鎌がかけられる少しでもひいたら
切り落とされるくらい
なにか考えろ!逃げれる方法を!
「君は自分の為じゃなくてこの女のために命乞いをした それに惚れたよ だから選ばせてあげる この女を死なせて自分が助かるか 一緒に死ぬか」めっちゃくちゃだ
「めっちゃくちゃだね 俺はどっちも選ばねぇよ」「は?」「朔夜?何をするつもり?」すすり泣きをしながら俺に聞いてくる
「こうするんだよ…今回の勝負は俺の勝ち…チェックメイトだ」俺は鼻で笑って、思いっきり銃の弾をバケモノの額にぶっぱなした
「あぁぁぁぁぁ」そう呻いている間に
筑紫と教室へと逃げ込んだ
「大丈夫か?怪我はないか?」
「うっうんそんなことより朔夜の血の量が半端じゃないよ」
ドンッ…
そうドアを叩かれて
振り返るとそこにはバケモノがこちらをみていた ていうか脳を撃たれたのによく生きてられるな さすが〝バケモノ〟だ
〝お前らの勝ちだよ 次は殺してやる〟
口パクで言われた気がして、勝ったという事を確信した
ザッザッ
「はーい!滝沢朔夜、西条筑紫クリア!おめでとう救急箱が必要ならさっき教室に大量に置いておいたから使ってね!」
俺は筑紫に傷を応急処置をしてもらいながら
筑紫が死ななかったことに泣いた
そして俺は筑紫に「良かった生きてて」そう言って泣きながら筑紫を抱きしめた
「よしよし男でしょ泣かないの」そう言われて泣きやみ
傷を応急処置をしてもらっていた
何回か俺たちみたいにちょくちょく入ってきてた人がいたが全然全然少なかったためあのバケモノに殺されたのかと思ったのだ
30分経った頃に生きてた人がどんどん入ってくる
30人いたはずなのに数えたら10人いなくなっていた
10人もやられたのかよ
「すごーい!10人しか殺られてないんだね
さすがだねこのクラスは俺が思った通りだよ」確かにあのバケモノ相手に俺も死んでないことが不思議なくらいだ
「ミッションクリア!今ここにいる人達はあと4個ミッションをクリアしなければなりません」あと四つもクリアしなきゃいけないなんてもう無理な気がする
ほんとに俺は生き残れるのか?
筑紫を生き残らせることは出来るのか?
「さてさて次のミッションは」
みんなが息を呑む
「偽者探し」ニセモノ?
「このクラスに偽物が5人いるその中の5人を殺して?」それって意外と簡単な気がする
「でも間違えたら自分も死ぬし殺された相手も死ぬ」〝死ぬ〟その言葉に慣れてしまったのかもしれない
もう、背筋にゾクッとこなかった
慣れたくないなこんな言葉に…
「成功すれば偽者を殺した人は生き残れる10人のうちの1人となる」え?それって生き残れるってことなのか?
でも、鬼ごっこよりもずっとハードのかもしれない 偽者ってことはきっとそっくりで出てくるそういう事だ
「その偽者を殺す5人は出席番号2から6」
2から6か
あの2人がいるな
一ノ瀬と伊勢だ なんか恭太はあの主犯を狙ってる気がする
気のせいか?
「それではゲームスタート!」
その5人が一斉に偽者を探し始める
一ノ瀬は乱暴に探し始める
「おい!お前が偽者か?」
そんな乱暴にしたって見つかるはずがない
なにかあるはずだ見つける方法が
考えろ…
「俺は偽者じゃない!信じてくれ!」みんな命乞いを始める
俺は全員を見渡す
泣いている数名と命乞いをしてる全員
ん? なにかおかしい?
「私じゃない!お願い殺さないで」その子は泣きながら命乞いをする
おかしいぞ
この女変だ 他の女子はみんな冷静を保っているのにこの女だけ凄く必死だ
すると伊勢はその女をすぐ撃った
バンッ…
「おっおい嘘だろお前泣きながら命乞いをしてた奴殺したのかよ」そうクラスの人が言い始める
「こいつは偽者だよ ほらみろよ」
みんな一瞬で凍りついたと思う
俺だって声が出なかった
数秒経ってやっと声がでた
そしてみんなが口々と同じことを言う
「血がでてな…い?」
「ほらな 俺はこれでおしまい」
伊勢は余裕をぶっ越えて喋った 頭がいいな
でもなんでわかったんだ?
「なんで分かったんだよ」俺は伊勢に聞いてみる「は?そんなのすぐ分かるだろ」
そう言おうとした瞬間に「はーいそこまで!言ったらせっかく助かるのに助かる道なくなるよ?」すると、伊勢はすぐに黙った
「伊勢亮太クリアね!」そう言うと、恭太はまた黙った
それからまた数分が経つ
俺はやっとわかった 伊勢がわかった理由を…
それは偽者が泣いているという事
みんな冷静を保っているのにやけに泣いて必死なのだ
だから泣いているあの5人は…
え?5人?
俺は自分で考えていたことにびっくりしまた
泣いている人の数を数える
やっぱり5人だ
もしかして冷静を保てなくなって泣いたのか!?
これはまずい5人が一斉に助かるチャンスなはずなのに
でも、あと2人はクリアしたのだ
4分の1の確率だったのによく出来たな
そして、また恐怖に落ちた
一ノ瀬が誤って1人殺したのだ
血が出てみんなが気づいた
「嘘だろ俺は死ぬのか?」みんなが一ノ瀬から離れていった
「おいなんで離れていくんだよ 頼むよ 俺を1人にしないでくれ」そう泣きながらみんなに近づいてくる
すると一ノ瀬は急に苦しみ始めた
「あっあがくるじい…」
自分の首を掴んで自分で首を締めているようだ
みんなが泣きはじめた
筑紫は「いっいやっ」そう目をそむけた
俺も見てられたくなって目をそむけようとする
すると一ノ瀬が最後の力を振り絞ったのかなにかを言い始めた「おっまえら…呪っ…てや…る」そう言って一ノ瀬は静かになった
みんなが冷静を失い、疲れきって泣くことも叫ぶ気力もないみんなはもう生きる希望を無くしたような目になった
俺はもう一ノ瀬のあの顔を忘れることは出来ないだろうもう何もみたくない
結局死んだ人間は合計4人もなった
3人はクリアしたが一ノ瀬ともう1人が間違えたのだ そして間違えられた人2人と間違えた2人が死んでいった
そして残りの人数は15人となった
「はーいこれでミッションはクリアです!生き残った人お疲れ様でした人が死ぬ所を何度もみたからおつかれなのでしょう?」みんなはもう疲れて喋ってすらない
「ここで休憩タイム!」え?休憩?
なんだそれ
「休憩の間だけ俺を納得させるチャンスをあげます」納得か…これで助かるのかもしれない
「あっでもそんな簡単には俺の心は揺れないから」
その言葉に俺は希望を無くした
あいつの目的はなにか
そしてなんのためにこれをしているのか
謎だらけだ…
第4章 ー目的ー
「納得させてみせてよ」その言葉を聞いてみんなが一斉に納得させようとした
「俺、お前見捨てて悪かったって思ってるだからもうやめてくれ」そうクラスの1人が言う
俺には〝俺は何も悪くない勝手に死んだのはお前だろ俺は生き残りたい〟としか聞こえなかった
心が読めるようになったかのように人の裏声が聞こえてしまう
こんな〝恨み、憎しみ、憎悪〟にまみれた
声を聞く日がくるなんて思ってもいなかった
俺は何も言えない
もう殺されてもしょうがないって思い始めてきた
俺が見捨てたことに変わりない
そしてふと思った
「恭太お前ってほんとに自殺だったのか?」俺の言葉に誰もがびっくりしただろう
でもなんだかおかしく感じた
ほんとに自殺なら、いじめの主犯だけにやり返せばいい なのに、何故こんな手間のかかるやり方をしているのか もし仮に俺たちみんなが見捨てたから、でもそんな理由で人を殺すような奴じゃないはず…
もしかしたら…俺の頭の中に嫌な言葉が思い浮かんだ
〝恭太を誰が殺した〟
そんなはずはない
そんな人はいないはず
俺はそう思いたいだけど
聞かずには居られなくなった
「お前って誰かに殺されたのか?」
もし 殺されたとすれば、誰に殺されたのか分からない 大勢の人を巻き込めば、必ずまた殺しにくるはず
そして俺の発言を待った 〝殺された〟そのキーワードさえ出れば、その犯人が誰だか分かるからだ…
これが狙いなのか?
「うーんどうだろ」曖昧な返事は、話をそらそうとしているように思えた
「正直に答えてくれ殺されたのか?」
俺はもう一度問いただす
俺はもうなんだか分かってしまった
分かりたくない、最悪な答え
そんなこと思いたくなかったのに、さっきの曖昧な返事で分かった きっと恭太は殺されたのだと…
ガラッ…
教室のドアがあき、俺達は身体を震わせた
そして入ってきたのは…
「恭太」みんなが口を揃えて一斉に言った
入ってきたことに少し動揺した
「朔夜」恭太は俺に笑顔を見せた
あのいじめられていた時の痛々しい笑顔
もう二度と見ることは無いと思っていたのに…
「朔夜の言う通りだよ 俺は殺された その人を探して欲しい この計画は元々俺を殺した犯人を探して欲しいだけだった」
「なっなのに関係のないやつを殺すのはおかしいでしょ!」西連寺が恭太に牙をむく
「殺さなきゃ恐怖は味わえないでしょ?」そう笑った
その笑顔は口は笑っているのに目には一欠片の光もない
「でも納得が先だから」
もう納得なんて誰もできない気がした
こんなにも変わってしまった
「殺す必要があったのは俺が何言ってもあんたらは助けてくれないし、見捨ててだってくる なにより1番苦しいのは〝孤独〟だった」恭太は俺たちに、語り始めた
「そして何を言っても心は動かない だから恐怖で教えてあげるしかない」俺は胸が締め付けられた
変えたのは俺…
怖いとか言わないで助けておけば俺のせいで、自殺なんてしなかった
どれだけ足掻いてもどれだけ泣いても
罪は消えないし、恭太は帰ってこない
「それにこれは朔夜のためでもある」
その言葉に俺ははてなマークでいっぱいだった
俺のため?
「納得させてくれる人!手上げて!」
恭太がみんなに言い始める
あの時の恭太みたいだった
あれはきっと小学生の頃だ
俺は小学生の頃 リーダーのような存在ではなかったただの平凡な男の子
そこら辺にいるただ普通の男の子
でもいつも俺が見るところ見るところに
輝いている恭太がいた
「これわかる人!」そうみんなで笑いあって
恭太は、リーダーというよりムードメーカーだった
みんなに愛されてみんなに褒められていた
「朔夜!遊ぼ!」あいつはこんなただの平凡な俺でも受け止めてくれた
あいつのおかげで俺は今みたいな俺がいる
助けてくれたのだ
あの孤独から
俺は両親を殺された
目の前で… 今も思い出す
鮮明に血の匂いも母さんの声も父さんの声も兄さんの声も俺に最後に言った言葉も母さんは俺をかばって死んだ母さんは最後に俺にこういった〝生きてあなたなら大丈夫〟そう言って母さんは息を引き取った
その後俺と妹がいるが一緒に殺されそうになったがその殺人犯は言った
「また大きくなったら殺しにくるね」狂ったような笑顔で言われてその場で腰が抜けた
家はそこら中に血まみれ妹は気を失って俺は
もうなにもかも分からなくなって
もう何もない
幸せが奪われた
俺はその殺人犯を恨んだと同時にいつ殺されるかと怖がっていた
でもその殺人犯は捕まった
殺されることは無くなったが、幸せを奪ったことが許せなかった そして同時に俺も死のうかと思ったのだ
でもそんな時妹が俺に言ってくれた
「お兄ちゃん あのねあの日から私のこと見ていてくれてありがとう 親もいないのにお兄ちゃんが色々してくれてありがとう お兄ちゃんは幸せが無くなったかもしれない でもね、憎しみはまた憎しみをうむの そして同時に後悔をする だからやめてね変な事考えるの 私から2度も幸せを奪わないでね お兄ちゃんがいてくれるだけで幸せだからさ」そう言われて
俺はその日から妹と過ごしている
普通だったら嫌いとかなるんだろうけど
たった一人の家族と思うと大切で仕方がなかった
そして俺の恨みは消えていった
でも心の傷はいつになっても癒えない
もう何十年と経っているのに
そんな時恭太が居てくれた
恭太に全てを話して、妹とも遊んでくれて俺の事も気遣ってくれて嬉しかったなのに何故いじめられてしまったのだろう
誰にでも優しかったのに…
「いないのー?」その声に現実に引き戻された
「そっかーいないのかならまたゲームを始めようと思う」ゲームか
また殺し合うのかな…
するとあの何十年も前の母達の事件が頭によぎった
もうあんな光景見たくないのに
「それではゲームを再開します」
その声はまるで戦争が始まる鐘の音のようだった
恭太お前に何があったんだ?
俺には今の恭太が理解できない
第5章 ー犯人探しー
「それではゲームを再開します」
その声に俺達は身構えた
次はどんなことが起こるのか
俺達はほんとに生き残れるのか
「ミッションその3犯人探し」
犯人探し?
「俺を殺した犯人を探して欲しいこれが終われば全てを話す」俺たちの目の前で恭太は話し始める
犯人探しか殺されたりするよりはマシだな
「それでは話し合いスタート」
俺達は話し合いを始めた
「恭太を殺した犯人は手上げて」
誰もがしーんとなった
そりゃあ犯人が潔く手をあげるわけが無い
「お前が犯人なんじゃねぇの」
伊勢が俺に指を指してくる
「は?なんで俺が犯人なんだよ?」そう聞いた 誤解を生むようなことはよしてほしい
「だってよお前は1番仲良かっただろ?だから喧嘩とかしたから殺したんじゃねぇの?」
そんなことするか 俺は恭太のこと本気で大切に思ってたんだぞ
「朔夜お前はいい人ぶってるだけだろ?」
その言葉に俺は鼻で笑ってしまった
「何がおかしい?」伊勢は切れた様子で俺の事を伺う
「じゃーお前も殺しの動機にはなるよな 恭太をいじめてたんだからよ」俺と伊勢は睨み合った
「あーあもういいわ お前じゃねぇのは分かったから」そう言われてなんだコイツと俺は思った
「誰が殺したんだよ」
みんなもう限界だった
異世界に飛ばされて、真っ暗
時計を見てももう7時きっと現実世界も夜だろうみんなは疲れた様子で寝ていた
「もうみんな疲れているみたいだから1回寝ちゃダメか?恭太」俺は恭太に提案をする
「うーんみんな疲れちゃって動けてないしね 怪我してる人は放送室においで俺が手当てしてあげる」そうだった俺は怪我してた
まだ傷はズキズキする
みんなは怪我してないみたいで、俺だけ放送室へ行くことになった
「行かないで」そう筑紫に言われる
「大丈夫帰ってくるよ」そう俺は筑紫をみて笑った
そして恭太に呼ばれる
「朔夜」「今行く」俺はこんな久しぶりな感じが少し嬉しかった また恭太と話せる
「恭太ひとつ聞いていいか?」
「ん?なに?」恭太は俺の手当てをしながら
俺の質問に応えようとしてくれる
「お前さ本当は誰も殺してないんじゃないの?」俺はほんとにそう思ったのだ
親友の感としてそう思ったというよりそう思いたい
「なんでそう思ったの?」恭太が俺に返事をしてくれる
「いやだって恭太は関係の無い人殺すかなって思って それに誰にでも優しかったじゃんだからそう思った」俺は恭太が誰も殺してないことを願った
頼むから殺してないって言ってくれ
「朔夜には余程俺が優しくみえるんだね まあそれでもいいよ教えてあげる朔夜にだけ」
俺にだけ?「ここにいる鎌を持って追いかけて来た女の子いるだろ あれは俺のまあ知ってるやつ この世に未練を残した女の子でも傷は付けてくるけど誰も殺してない 俺が嘘の放送をながしただけ」え?殺してない?ほんとに殺してないのか?俺は胸を撫で下ろしたそして同時に恭太が誰も殺してないことが良かったと思った
「まあ朔夜の場合、傷付けられすぎだけど」そう学校で俺と笑ってくれた笑顔をしてくれた
懐かしい…
「じゃーちなや一ノ瀬は?」「あーアイツらは偽者にすり替えた ちなは角を曲がった直前に麻酔を吸わせてそして一ノ瀬は鬼ごっこの時にみんなすり替えた だからみんな生きてる」そう言ってくれた生きてるのか良かった
「誰にも言うなよ 分かったか?」
「分かった でも目的を」「教えれない」え?
恭太は俺の言葉に口挟んで言った
教えれないか「なんでダメなんだ?」「なんとなくだ」そう恭太は悲しい笑顔をした
なんでたまにあんなに悲しい笑顔をするのだろう
「よし!終わったぞじゃー教室へ戻れ」
俺は帰ろうとしただが少し心配になって、俺はもう一度恭太をみる
「ん?どうした?」恭太は俺にまた笑ってくれた
「俺は信じてるからな」俺は恭太に言った
俺は誰も殺してないことに信じてるなんて言ったんじゃない
恭太が自分を犠牲にしてるんじゃないかと思った
理由はそういう奴だからだ
「何をだよ」そう笑いながら言ってくれた
前のような恭太が生きてる時のような感覚
「じゃーまた後で」俺はそう言ってその場後にした
「朔夜ごめんな 俺のせいで」その声は朔夜には聞こえていなかった
教室に戻ってきた俺は筑紫の側へと座った
寝ている筑紫の髪の毛は顔にかかっていたので俺はそっと筑紫の耳にかける
すーすーと寝息をたてている筑紫を見ながら
「可愛いな」と俺は柄でもないことを呟いた
何言ってんだろ なんて思いながら俺は深い眠りについた
「朔夜」恭太?なんでお前泣いてんだ?
「朔夜ごめんな俺のせいで許してなんて言えない」何言ってんだよ、お前が俺に何をしたっていうんだよ
視点が変わった?俺はもう1人の俺と恭太を見ていた
「ごめんな」恭太は泣いていた
「許せない殺してやる」そう俺は呟いた
何言ってんだよ俺なんで殺すなんて言葉使ってんだよ
「はぁはぁ」俺は息を切らしながら起きた
ゆ…め?あれ?なんの夢見てたっけ?
忘れたな…凄く嫌な夢だったはずなんだけどな
「朔夜大丈夫?顔色悪いよ?」そう筑紫が俺に問いかけてくれる
「あっうん大丈夫だよ」俺は少し間あけて大丈夫だと答えた
「おはよー諸君」恭太が笑いながら入ってくる俺は殺される恐怖など感じなかった
俺は恭太を信じてるから
でもみんなは殺されるという恐怖で目に光がない
みんなは自分のことでいっぱいいっぱいだった
「それではミッションその4を始めようと思います」
また恭太はニタァと笑った
第6章 ー信頼ー
「それではミッションその4を始めます」
その声のトーンも喋り方も聞き慣れた
「ミッションその4は殺し合い」
ゾクッ…もうきっと驚くことは無いと思っていたのに寒気がした
誰も殺してないって言ったのにこれじゃ誰かが死ぬことになるどうするつもりだよ
「え?殺し合いって」みんながざわざわとし始めた
どうする俺は恭太を信じるか?それとも
恭太に言うなと言われたことを言ってしまうか?どうする
俺が出した答えは…
そうするうちにゲームがはじまりつつあった
あと5人殺せば10人になる
そして合図がある「それではゲームスタート!」そして一斉に殺し合いが始まった
俺を襲ってくるやつもいたが俺はするりと避けた
あの〝バケモノ〟を相手にしたんだぞ俺は
だから今はお前のナイフなど止まって見える
そして俺は我慢ができなくなりみんなに呼びかけようとする
一斉に殺し合いが始まったのだが動いた人は1人2人 みんな人を殺す勇気などないのだ
その1人2人も俺が呼びかけようとした頃には止まっていた
「恭太ほんとにこんな事したいのか?」俺は恭太へと呼びかける
恭太は狂ったような笑顔で言った
「俺の目的は最初から復讐だ 人を殺すのに1ミリたりとも感情はない」感情はあるはずだろ お前は俺に沢山笑顔を見せてくれただろ
「もう頼むからやめてくれ 誰も殺さないでくれ」俺は何故か急に泣きそうになりながらお願いをした
「ふっ無理だよ お前も俺の事を見捨てただろ」そう言った そうだ確かに俺は見捨てた
「でも殺し合いはないよくない 後悔するだけだ」俺は恭太に必死に語りかける 頼む心に届いてくれ
「人が人を押しのけて生きる それのなにが悪い、いやそうしてきただろお前らも」
そうだ自分が生き残るためになんだってするでも、お前にはもうこれ以上悪役になって欲しくないんだよ俺は
「そうだ 誰だって自分が一番可愛い 自分が1番なんだよ」自分が生きてる価値に比べたら他人の命なんて造作もない でもな、それでも今わかる気がするんだ
俺がやらなきゃいけない事が…
「そうだよ…他人の命なんてどうでもいいやつがいっぱいいる俺だってそうだ なのに暇つぶしやウザイと言うだけで人の命を簡単に貶してくる奴がいる」恭太がそう言った「人の命なんて本当はどうでもいいくせに簡単に人の心を傷つけて自殺したら知りませんって顔をする だから、少し痛みを与えようと思っていざしようと思うと相手の方がすぐ謝ってくるそれは本物の気持ちではなくて、自分が助かりたい一心で…哀れだよな」
「もうやめてくれ」「だったら止めてみろよ」その言葉は何か嫌なことが起きそうな言葉「いやー殺さないで…」その声は西連寺!
「ほらやめて欲しんだろ?その拳銃で俺を撃てよ そしたら俺は消滅するけど西連寺は助かる」消滅?「消滅ってなんだよ」「あれ?消滅って知らない?消えること」そんなこと知ってるよどうゆう事だって言ってんだよ「あー俺は消滅してしまったら魂が成仏でも悪霊化する訳でもない ただの〝無〟だ」恭太は俺が考えていたことが分かったかのように説明をした「それってもしかして消えるのか?」「うん消えるよ…俺の魂もみんなの記憶からも俺の存在は綺麗さっぱりなくなってしまう そして忘れる…思い出すことなんて一生ない」一生?もう思い出せないのか?俺は今からこいつを殺すのか?殺さないと西連寺を犠牲にしてしまう「まあ俺は西連寺達には死んでもらっても構わないけどね だって俺をずっと苦しめていたやつだからさ」そう西連寺に向かって笑った「ざけんな!お前なんかのために死んで溜まるかよ 私はお前なんかのために生きてたんじゃない!」「だったら!なんで俺をいじめたんだよ?そして今俺が殺そうとしたら、なんで死にたくないって言えるんだよ?自殺まで追い込んだやつが命乞いなんてすんじゃねぇよ!」恭太は西連寺に狂ったように語った 西連寺は生きたいからかもがいている「人の命がどれだけ大切か分からないなら!自分の命と比べて、どれだけのことをしでかしたか考えろ!」
西連寺はやっと意味が分かったのかいじめていた伊勢でさえも泣いていた西連寺も泣いていた「ごめんなさい…あの時は楽しかったから」西連寺が謝る それに伊勢が便乗して一緒に謝った「俺も謝るよごめんだから西連寺を殺さないでくれ」「悪いがそれは出来ない」恭太はすっぱり断った「さぁ殺せよ 朔夜俺を殺さないと西連寺は助からない」そんな事言われても無理だよ「滝沢…私死んでもいいよ 石井は大事なお前の友達だったよな 私は今分かった…お前の気持ち凄くわかる だって、さっき私の友達が死んだ時すごく苦しかった」
そうだな俺は、あの時にとんでもない罪悪感を感じた そして過呼吸になるくらい苦しくなった「人が死んだ時に心がポッカリ空く気持ちが前にも石井が死んだ時感じた それは本当は分かっていたからだったんだね だから滝沢見殺しにしてもいいよ 私が石井を殺したも同然」そんなこと言う西連寺はきっと本当は死にたくないけど
自分がした事の重さに気づいたから覚悟を決めた上のお願いだろう「朔夜 西連寺にここまで言わせてまた1人犠牲にするのか?」
それはしない、だからって俺は恭太を殺すことは出来ない
「ほら早く殺せよ お前が俺を殺したように」
そうだ…俺は恭太を殺した 心を殺してしまった そして俺は恭太に拳銃をむけた「あぁいいねぇー朔夜が俺を殺す光景こんなこと滅多にない ほら殺せ」その挑発の言葉に俺は腹が立って引き金を引こうとした瞬間「朔夜ごめんな」いつもの笑顔だった 俺が知っている笑顔「あぁぁぁぁ」バン…「ハズレだな」
「うっうっ」俺は泣きながらその場に座り込んだ 涙をポロポロと床へと落ちていく…俺は悔しくて床を拳で殴りつけた「クソ!」すると恭太が「結局お前には誰も救えない」そう耳元で言われた「お前は助けたいのに誰も殺せないその感情が余計なのだ」そうだ助けれなかったことになっているだろう でも恭太は西連寺を離した
最初から殺す気無かったのかもしれない…西連寺は怖かったのか、その場で気を失った そして俺は恭太に言い返した「人を殺すのを躊躇って何が悪いんだよ この感情のどこが余計なんだよ!」「そのせいで1人犠牲になっても同じこと言えるのか?お前はただ俺を殺した時の罪悪感が残るのが怖かっただけだろ?人殺しと思われるのが嫌なだけだろ?俺のためとかじゃないだろお前もみんなと一緒だよ」そんなことないそう思った 俺はほんとに殺せないんだ
「自分は優しいから人を殺せません…そうじゃないだろ?みんなそうだよ 俺はあいつのためにやった それはただの自己満だ 自分がかっこよく見えたいだけなんだよ」「うるさい!俺はそんなんじゃない」俺は必死に言い聞かせたそうだそんなんじゃないと「じゃーなんで俺を見捨てた?」その言葉で身体に一気に寒気が走った「そっそれは」「ほらな 結局1番自分が大事なんだよ 綺麗事ばっかり並べて結局は自分自分だ」もう何も言い返す言葉が見つからない「お前らもそうだろ!このクラス全員結局俺がこうやって帰ってこないと俺が味わった恐怖は分からなかっただろ」恭太必死にみんなに語りかけた もう人格が変わったかのように
「朔夜…そういうのなんて言うか知ってるか?〝偽善者〟だ」〝偽善者〟という言葉が頭の中でこだまする そしてもう一度、俺は恭太の言葉に耳を心を傾けた
「人の命を殺すのなんて容易いんだよ」俺はつぅっと涙を流しながら聞いて口を開いた
「それでもだ殺しちゃいけねぇんだ 復讐でもなんでも人の命なんて安くない この世に死んでもいい命なんてないんだよ」俺は頑張って恭太に語りかけるいい人ぶってるんじゃない
俺は恭太にもうやめて欲しいだけなのだ
もう恭太が傷つくとこなんてみたくない…
「じゃーなんで俺は死んだんだよ…この世に死んでもいい命なんてないならなんで俺は死ななきゃいけなかった?」
俺はもう苦しくて泣いて、泣いて、泣いた
「確かに俺はこうやってゲームをしている
なのにお前はいつまでも優しいよな 俺は死ななきゃいけなかったんだ確かに、でもこんな俺は生きててもよかったって言うのか?」もうやめてくれ それ以上自分を責めないでくれ恭太が辛いだろ?やめろよもう
その瞬間あの時の痛い笑顔を思い出した「生きてなきゃいけなかったんだ」「なんで…なんでだよ いつまでもそんなに優しいから人を助けることが出来ないんだろ それなのに俺に生きてて欲しかったって言うのか?」当たり前だ「友達だから…」そう俺は泣きながら笑顔で言った
その時ある恭太の顔を思い出した…ため息はつくくせに笑ってくれる顔 その時と同じ顔をしたのだ そして俺に言った「お前はどこまでも優しいな ごめんな俺はお前を試した」試した?
「元々殺すつもりなんかなかった 殺し合いなんてさせるつもりはなかった」俺が出した答えは…信じるだった よかった信じて
「……」え?恭太なんて言ったんだ?
「なんて言ったんだよ今」「いや、なんでもない」そう言った「悪いなみんな」恭太はみんなに謝ってこう言った「本当は誰も殺してない」そう言ったら、みんなびっくりしてたと思う それと同時に胸を撫で下ろした人がいるだろう そして、怒るやつもいた「は?ふざけんなじゃーなんでこんなことしたんだよ」「こういうことしないと俺が味わった恐怖は味わえないでしょ?」「味わいたくねぇよ 俺ら関係ないし」「一応言っとくけど殺そうと思えば殺せるから 別に気が変わったから殺さなかっただけ」「じゃー殺してみろよ だったら素直に怖かったってこと認めてやるよ」すると目の前にいた恭太はいなくなっていた 喧嘩を売っていた男を見るとナイフを向けられている首に当たるスレスレで…
「はい…死ぬ準備はいい?」「ひっ」男は情けない声を出す さっきまでの威勢はどこいったんだ?「悪かった謝る謝るから!」「みんなまだ分からないの?俺が何を言いたいのか」大体の人が予想がついただろう〝復讐〟違うな
〝人の苦しみ〟
きっと恭太は人の苦しみについて知って欲しかったのだろう 簡単に人は死ぬということ 傷つければ傷つけるほどその人は壊れていく事
そして心が死ぬことを…
「まああとは自分で考えて」すると沈黙が現れた
「そういえば結局恭太のこと誰が殺したんだ?」一人の男がそう口に出した
先程までの沈黙は、一瞬にしてざわつきはじめみんなが口々に言った「西連寺とかじゃね?」西連寺と伊勢が責められる「俺らじゃねぇよ」伊勢はそう言う そして恭太がいつの間にかいなくなっていたこと気付き周りを探すがどこにもいない どこに行ったんだ? するとガラッと教室のドアがあき、死んだはずのみんなが戻ってきた
みんなが嬉しそうにしてみんなの顔が明るくなった
そしてまた話が戻った
「恭太は誰に殺されたんだ?」自殺じゃないと分かった以上ほっとく訳にもいかない
「誰が殺したんだよ名乗り出ろよ」そんなこと言っても出てくるはずがない「そんなこと言っても出てこねぇだろ」もう1人の男が笑いながら言った瞬間 衝撃的な発言が聞こえた
「私が殺した…」
第7章 ー辛い過去ー
私は西条筑紫
あれはちょうど7年前の話
私はお母さんから虐待をされていた
その虐待は日に日に酷くなっていく
傷も深くなっていった
「あんたなんか生まれて来なければよかったのに!あんたなんかが生まれたせいでお父さんは私を見捨てた!私の幸せ奪わないでよ!」そうお母さんに言われる度に私のせいだと思った
いつも朝から夜まで家庭のために仕事して
お父さんはいなくて女ひとりで私を育ててくれたことそれは凄く感謝していた
だからストレスが溜まるのもしょうがないと思っていた そんなある日の事だった
お母さんがこう言ったのだ
「明日は休みだからどこか行く?」私はお母さんとどこか行くのは初めてで嬉しくて「うん!」そう言った「あ!でも買い物行かなきゃいけなかった」お母さんがそういうので私が「私が行こうか?スーパーすぐそこだし」そう言うと「あれ?行けるのかなぁー」そう笑顔で言ってくれる こんな優しいお母さんは初めてみた そして今までの事を謝ってくれた「ごめんね今までこんな痛々しい傷ばかりつけて幸せをあげれなくて もうやめるわ殴ったりするの」そう言ってくれたのが嬉しくて、もう痛い思いをしなくていいと思った「ほんとに?」私は思わずそう聞いた「うんもう絶対しない」そう言った
私はずっとお母さんに嫌われていると思っていた しょうがないとはいえずっと殴られたりしてきたから…
だから本当は好きでいてくれてるってことをこれから知るはずだった
そして次の日
私は買い物へ出かけた
お母さんから貰った紙を頼りに買い物を進めた
そして30分経ったくらい
私はやっと買い物が済んだ
好きなものも買ったしあとは帰るだけ!
「ただいまー」私は大きな声で言ったのに聞こえるはずだったお母さんの返事がない
「お母さん買い物してきた…よ?」そこで目にしたのは血まみれのお母さん
「お母さん?お母さん!」
私は必死に呼びかけた こんな日常だけど、どれも大切な1日だった
「筑紫?おかえ…りだい…すきよずっと」その言葉で最後だった
「お母さん…私も」そう言った
それからだ 私がお母さんを殺した相手を憎んだのは、私の辛い日常はそこで終わりではなかった 普通だったら引き取られるのだろう 叔父さん叔母さんに、引き取られて幸せに暮らすはずだった けど私は叔父さんも叔母さんも大っ嫌いだ
あの家庭は先祖からずっと受け継がれている物があるらしくそれを受けつがなくてはならなかった
「筑紫にはしっかり働いて貰いますから」私の事を全く考えてない 叔母さんの家に1回行ったけれど、腹が立って逃げ出した だから私は1人で今は住んでいる だからってお金は遠くのお母さんのお姉ちゃんがお金を送ってくれている お母さんのお姉ちゃんは、私のことを小さい頃から可愛がってくれていた だからお母さんが死んだ後でも世話はできない代わりにお金を送ってくれている 私はそれがすごく嬉しかった 叔母さん叔父さんの家にはそれ以来1回も行っていない
でも…あの時、当時10歳にして生きる意味を無くした
私は生きている意味も 価値も 存在も 生きてていいのすらも分からなくなった
だから愛されたことがない日々をずっと1人で生きてきた
ただ愛されたかっただけだったのに、幸せを奪ったあの男が許せなかった
そしてある日大量殺人事件で男が捕まった
そこに今まで殺してきた人の名前が書いてあったことそこで滝沢って名前があったことを知った
私は、児童養護施設に引き取られた
お母さんのお姉ちゃんはお金を送ってくれていたが、やっぱり心配で児童養護施設に入れて貰えるようお願いをしたらしい
そこに引き取られるまでご飯はまともに食べれず、1人で孤独に生きていた
久しぶりに温かいご飯を食べた時は泣きながら食べた そこの人達は私に優しくしてくれた
事が嬉しかった…だからって愛情を貰った訳では無い 他にも子供はいっぱい居る
私は、やっと学校に行くことが出来た
お母さんが殺されたショックでずっと学校に行っていなかった
そして、登校をすれば恭太に会った みんなの中心に立って楽しく喋る石井の姿
私の席の隣は、滝沢朔夜だった
私はテレビでやっていた苗字と一致した事を知った、苗字が一緒だからってその人かどうかなんて分からない
私は何故か朔夜に惹かれるように話しかけたそれが恋とかではなく身体が本能的に動いたのだ そして、ある日突然変な噂が流れた
「恭太のお父さんってあの有名な連続殺人者だったらしいよ名前は…」その名前を聞いた瞬間、殺意が湧いた ずっと恨んできた…苦しみを私に与えた人をやっと見つけたのだ
今思えばただの逆恨みだっただろう でもどうしても、関係してなかった恭太に殺意が湧いた
でも朔夜はそんな恭太が大好きだった
唯一の友達
私もそんな友達が欲しかった
だけど…私は出来ない
生まれてきてはダメだったから
確かに話をする女の子はいる
だけど、私は1人がよかったのだ
私には人を信じることができない…
ある日朔夜が変なことを言った
わざわざ校舎裏にまで呼び出してきたのだ
もう正直何を言われようと驚かないと思っていたのに、思いっきり驚いてしまった
「ねぇ俺さ筑紫のこと好きなんだよね」
その言葉は凄く嬉しくて泣きそうになっていた
それはきっと私にとって幸せな言葉…
私も実は朔夜のことが気になっていたから付き合ってもいいかなって思っていた
けれど「私も!」って言うのを身体は許してくれなかった
金縛りにあったかのように動かなくなったのだ
私はきっと心のどこかで怖かったのだ
ずっと愛されたことがなかった…
愛されたくて一生懸命頑張ってきた…
だけど、いざとなったら愛されるということが怖くなった そしてお母さんのように、目の前から急にいなくなるのではないかと思った
もう誰も失いたくない…
「ごめんね 私といると不幸になるの」そう言って私はその場を立ち去った
これで良かったんだよね?
それから、恭太はいじめに合うようになった
理由は分からなかったけど、私には好都合だ
だって私のものを全部奪った人がいじめられているのだから…
そして私は勇気をだして、恭太を呼び出すことを決めた
全部言おう…思ってること全部
「ところでなに?」私は恭太を屋上に呼び出した 恭太はニコニコした笑顔で私に聞いてくる
私はその笑顔に負けそうだった
その笑顔はまるで天使…
ダメダメ!負けちゃだめ
この人のお父さんは私の大事なものを奪った
だから今から聞くの
「あなたのお父さんって金沢達海でしょ?」そう言うと先程までの笑顔は消え去った
「だったらどうするの?」恭太は、私に聞いてきた「俺がその息子だったらどうする?」そう言った
「やっぱりそうなんだ…」そう私は呟く
「俺を殺したい?」違う…
「文句を言いたい?」それじゃなんか違う
「俺をどうしたいんだよ まあ俺はこうやっていじめられているから死んでもいいんだけどね もう辛いし」痛々しい笑顔を見せた
その笑顔は何故か私にそっくりで、もう何を言おうかも忘れてしまいそうだった「あんたのお父さんのせいで…お母さんは殺された」恭太は真剣に私の話を聞こうとしてくれた
「あんたが私の幸せを奪ったのよ! 私はずっと孤独で生きてきた なのに!あんたはのうのうと生きてて、愛されて、幸せで!あんたみてると腹立つんだよ!」私はきっと今ひどい顔をしているだろうとそう思った
「悪かった 俺のお父さんのせいで…」私はきっとこの言葉で腹が立ったのだ 私はどうしたらいい もうわかんないよ 実際頭では分かってる 恭太に文句を言ったってこの人は関係ないことぐらい だけど幸せを奪われたことが何より辛かった…
「あんたのせいで私はずっと1人 誰にも愛されないまま孤独で死んでいくかもしれない なのになんであんたは!私より幸せなの?意味わかんない!」 私はこの手で突き落としたのだ
そこから私には記憶がない
手で押した時、「ごめん…西条」それだけが頭に残っていた
気づけば屋上の下を座って見下ろしていた
血がじわじわ出ている恭太を呆然と眺めている
きっと私が殺したのだ
この手で…
それしかありえない
だから今こうして言った「私が殺した…」ってね もうどれだけ足掻いたって恭太の思う壷 ならば私ごと狂っちゃえばいい さぁ私はどうなるかな 私は不気味な笑みを浮かべた
朔夜…ごめんね 心の中で強く思った
第8章 ー狂気ー
「おっおい何言ってんだよ筑紫…」
俺はものすごく動揺していた
恭太を殺した?のか?
「そうよ、私が殺したのよ!」筑紫が狂ったように顔を上げてそう言った
「なんで?なんで?殺したんだよ!」そう俺は問いかける
俺の大事な友達を奪ったのは筑紫だった
またひとつ何かを失った
「俺の大事なものを奪ったのかお前は…
俺を苦しめたいのか?これ以上苦しいのは御免なんだよ!」俺は悲しかった
俺の好きな人は一瞬にして悪者になった
「ただ、訳もなく殺したんじゃない!あんたらは知らないだろうけど…私のお母さんは殺された そこから辛い人生を送ってきた それなのに恭太は普通に生きていたのが許せなかったのよ!」筑紫のお母さんが殺された?
「誰に殺されたんだよ」俺は筑紫に質問を重ねた
もしかしたら俺に関係があるのかもしれないと思ったからだ
「恭太の父親だよ」恭太の父親?
恭太が殺したわけじゃないのに、なんで?
「恭太の父親の名前は…金沢達海」
俺はその言葉を聞いた瞬間 鳥肌がたった
金沢って連続殺人犯
俺の家族を殺した殺人者
俺は恐怖を抱いたと同時に殺意が芽生えた
あーこういう事か…俺は軽く笑う
「私はずっと恨んできた だから殺したのよ!」俺はその言葉を耳にした時、泣いてしまった
俺の家族を思い出したからだった
「じゃー恭太お前はどんな気持ちで聞いてたんだ?俺の話」そう聞いた
きっと今泣きながら笑っているんだろうなそ思った
「すまなかったって思ったよ」「すまなかったってなんなんだよ!俺を騙していたんだな?俺を面白がって見ていたんだろ!」
俺は裏切られたショックで我を失いつつあった
「違う!」恭太がでっかい声を出した時 ビクッと身体が跳ねた
「違う!俺はお前に嫌われたくなかった お前が唯一の友達で失いたくなかった お前の傷ついた顔を見たくなかった」そう言われた時何故だか自然と泣いていた
「うるさい!もう俺は誰も信じない!信じれない!俺が!俺ばっかりが失って裏切られてきた!なのにお前は、俺を傷つけたくなかったなんて綺麗事言って、結局お前はいじめているヤツらと一緒じゃねぇか!自分のことばかりじゃねぇか!」俺は泣きながら訴えた
俺の辛い過去は一生の傷となっていた
信じてたのに今頃〝俺は殺人者の息子でした〟なんて言われたら、苦しいよ
俺は、分かっている お前が悪くないことぐらい…お前にいくら言ったって家族が帰ってこないことくらい
「ほんとに違うんだ…確かに俺は殺人者の息子だ だけど1ミリもお前を裏切ったつもりは無い」筑紫も恭太も俺も、もう必死だった
もうここが教室だと思えない程だった
「俺は!お前らとは違う!俺はお前らとは違うんだよ!俺はお前らみたいに心まで腐っていない!」俺は必死に言った
だってほんとに俺は違う
「朔夜…ごめん」そう恭太は謝った
もううんざりだった
人が目の前で死ぬのも…
人が人を殺す姿も…
孤独で生きていくのも、もう疲れた
俺は恭太達とは違う
「分かった もう俺を殺せよ 消滅させてくれ お前をこれで傷つけてしまったのならば、俺を壊せ」恭太がどんな思いで言っているのか知っていた
恭太は、ほんとに優しいやつだった
俺が泣いている時は必死に慰めてくれて
俺が苦しんでる時は話を聞いてくれて
俺が笑っている時は幸せそうにしてくれて
こんな俺といたら疲れるはずなのにいつでも
笑ってくれていた
だから分かる 恭太は悪くないことぐらい
恭太は、俺の知っている彼は、憧れの存在
俺は感謝しているのだ
恭太がいなければ俺はもうこの世にいなかったからだった
だからありがとうって言いたかった
だけどこんな状況でもう言えないよね
俺はそっと銃を恭太に向けた
「俺はお前が好きだ だけど許せない」
「うん!知っていた」
恭太は俺の大好きだった笑顔をした
その笑顔には〝俺はお前に殺されても悔いはないよ〟そう言われた気がした
「うっうぅ」俺は少し声をあげて泣いた
殺したくない…だけど許せない
こんなことがあるのか 大好きな人を殺す俺はきっと凄く最低だ
「なんで泣いてんだよ お前は俺を憎んでるんだろ?殺したいんだろ?だったら殺してよ」
引き金を引こうにも引けなくて、いつまでも苦しくて、痛かった
「あぁぁぁぁ!」
俺はついに引き金を引こうとした瞬間
ごめん…の気持ちを込めて
ありがとう…の気持ちを込めて
大好き…の気持ちを込めて
「朔夜…ありがとう」恭太は笑顔で言ってくれた
「あぁぁぁ!」俺は引き金を引いた
だけど、その弾は恭太にはあたらなかった
「なんで?なんで殺せねぇんだよ!なんで!」俺はその銃を床に投げつけてその場で、発狂した
「もう!誰も愛してくれない! 恭太は俺をずっと嘲笑っていた なのになんで?こんな…殺せねぇんだよ」俺は、もう何が何だか分からなかった
ただ、苦しかっただけだった
「それは、朔夜が恭太をほんとに好きだからだろ?本当は分かっているからだろ?」
1人の男にそう言われて、俺は顔を上げる
「それにお前は1人じゃない、俺だって好きだし、みんなだってお前のこと好きだぞ?」
クラスの男子達が俺に喋りかけてくる
「そうだよ!滝沢君は1人じゃないよ?」そう言った女子
みんなは俺に笑いかけてくる
なのに、みんな泣いていた
「なんで、泣いてんのさ」
そう聞くと、みんなが顔を見合わせた
そして、もう一度笑った
「これは、朔夜がこんなにも苦しい思いをしてたってことに気づけなくて…悔しくて…」
俺なんかに泣いてくれてるのか?
最初から俺は、勘違いをしていただけだった
そうだ、最初から分かっていた
恭太を殺したって何も変わらないこと…
恭太を恨んでも、しょうがないってこと…
俺はただ悲劇をヒロインを演じて、みんなに愛されたかっただけだったのかもしれない
1番醜いのは俺だった…
「大丈夫か?」みんなが俺の周りを囲んで、優しい手を差し伸べてくる そこに見えたのは、一人一人の糸が俺につながっていた光景
すごく暖かった…
「ごめんなさい…謝っても許して貰えないよな 取り返しのつかないことをしようとしていたのだから ほんとに悪かった」俺が泣きながらそう言うと
恭太はいつものように笑った
「大丈夫!俺はお前を信じてたから…俺が謝らなきゃいけなかったんだけどな」そう言われて俺は泣いた
きっと安心したのだろう
俺はとんでもないことをしようとしていたことを知って、みんなに止めてもらったことが心の底からよかったと思った
「うるさい!」ビクっと身体が一瞬跳ねる その声は筑紫だった
「本当に、どこまでも馬鹿な人達ね」
筑紫は、なんとも言えない笑顔をしていた
「私はずっと恨んでいた 殺せて良かったわよ!でも恭太がこっちに帰ってきた時、正直焦った…でも、魂まで消滅出来ると知った以上、もう一度殺してあげるしかない」めっちゃくちゃのことを言う筑紫は、恭太に銃を向けた
「死んで」そう言った筑紫は、引き金を引こうとした
その瞬間、「助けて」そう聞こえた
なんで、そんな言葉が聞こえたのかは分からない…でも筑紫から聞こえた気がした
そして、俺は急いで止めにかかろうとする
「なんで止めるの?朔夜も、恨んでたんじゃないの?」「恨んでたよ…でもそれは恭太の父親」フッ…そう筑紫が鼻で笑った
「朔夜も甘いね!いいわよ…朔夜が殺せなかった分、私が殺してあげる」そう言った筑紫は、少し泣いていた
なぜ、泣いているのかは分からない…
でも止めるために必死に頑張った
「やめろって!」俺は筑紫の手を掴んで、必死に止める
「なんで止めるのよ!ふざけないで!」
俺は手を払われた…それでも、負けずと俺は筑紫の手をもう一度掴んで、こう言った
「じゃあ!なんでお前は泣いてんだよ!」
そう言うと、動きが止まったのだ
「知らないわよ!そんなの! なんで?なんで?私は泣いてるの? 苦しくなんてないのに!」
筑紫は自分で、自問を続けた
筑紫自信何故泣いているのか、分からないらしい
「大丈夫…俺がどんなお前も受け止めるから」
そう言った…筑紫は一瞬抵抗をやめる
いつの間にか筑紫の目からは涙はもう出ていない
「何言ってんの?」その目に圧倒された
今まで見たことの無い冷たい目
すると、俺は思いっきり殴られる
「痛…」痛くて思わず呟く
「ふざけないでよ…何言ってんの?私の全てを受け止める?私のなにを知ってそんなこと言えるの?」
めっちゃくちゃ殴られた 痛いはずなのに、抵抗はしないと決めた…受け止める!そう言ったから
「そうさ!私は最初からあんたらみたいに裕福に暮らしてなんかいなかった!小学生の時にはいじめられ、その上家でも虐待をうけ、やっとやめてくれると思ったらお母さんは死んでやっと掴めそうだった幸せを逃した!全部恭太のせいだ!」そんなに辛い思いをしていたのか
気づいてやれなくてごめんな
俺は殴られながら話を聞いた…
「人間なんて、野蛮で、傲慢で、嘘つきで、醜い生き物!みんな、私も消えちゃえばいいのよ!」そうだ、俺もそう思っていた
けどな、誰もがそんな人じゃないんだぞ
「愛されたことがない気持ちを分かってたまるか!」筑紫… そこでやっと俺は喋った
「ごめんな 俺も同じ経験をしていたのに気づいてやれなくて」
そして殴られていた手を止めて
俺はそっと筑紫に近づいた
「近づいてこないで!同情なんか受けない!私はずっと1人なんだ!」「そんなことない俺が一緒にいてやるから…」そう言って、逃げないように片手を強く掴む
「いや!」そう筑紫が叫ぶと、俺はナイフで刺されていた
それでも俺はひるまず抱きしめた
「いや!離してよ!」俺の腕の中でもがく筑紫…でも俺は離さなかった
「愛されないの!愛されたいの!なのにどうして私は幸せになれないの?」
分かる その気持ちは凄く分かるぞ
だけどな…お前はひとりじゃない
「俺はなお前に凄く感謝してる」
そう言うと引き離そうとする力が少し弱まったことが分かった
「恭太がいなくなった後 俺が辛い顔してたら笑ってくれた 大丈夫だよって俺の事励ましてくれたじゃん」そうだ…俺は凄く感謝してるぞ
「お前はひとりじゃないよ」俺は精一杯の気持ちを込めてそう言った
「私は恭太を殺したのよ? だからこれが終わったら私も…」「自分も死ぬ?それこそふざけるな!死んで何もかも終わりなんて、甘いこと考えてんじゃねぇよ」
そうだ…俺は筑紫に優しくしすぎた
だから…知ってもらうために酷い言い方をするしかないんだ
「じゃあ!他に何したらいいのよ!人を殺したのよ!私は…」
「1人殺したなら、その分の人を助ければいい…死んだら確かに楽かもしれない…でもな!その分の人を助ければいつか愛してくれる人がいる それに俺は信じてるぞ お前が恭太を殺してないって」
「いいや…私は確かに恭太を殺したの…この手で…恭太を殺した私はもう陽のあたる場所に戻ることを誰も許してくれない」
ううん…そんなことない 確かに人を殺したことは、大きな過ちだ
「みんなのアイドルだった恭太を殺した時点で私はもうみんなの敵なのよ!」
「大丈夫…敵なんかじゃない 周りを見てみろ」
みんなは、筑紫をみていた
その顔は恐怖ではなく…心配をしているようだった
「私はこんな醜い人なのよ? 愛されたことがなかった私は朔夜や恭太に酷いことをした 愛されたいよ…」そう腕の中で呟いた筑紫は少し泣いていた
「もう愛されてるよ…お前が一生愛されることがないことなんてない だって俺がこんなにも愛しているから」筑紫はもっと泣き始めたきっと嬉し涙だろう
「生まれてきてよかったのかな?」筑紫は泣きながら質問してくる
俺は少し鼻で笑って
「当たり前だ!生まれてきてくれてありがとう」そう言った
女の子の魔法は長い間かかっていた
その魔法にどんどん蝕まれていくが今の言葉ひとつでその魔法が溶けたのだ
筑紫は大声で泣いた
クラスの人も泣いていた
これがデスゲームか
俺は恭太の方を見て笑顔で心の中で〝ありがとう〟そう思った
すると身体が急に動かなくなった
さっき筑紫に刺されていた傷が広がって
血は沢山出ている こりゃあ死ぬかな… 俺はその場に倒れた
みんなに声を掛けてくるが
もうそのあとは聞こえなかった
これでいいんだ
恭太ほんとにありがとう…
第9章 ー夢ー
「朔夜!朔夜ってば!」
私は一生懸命に呼びかけた
だけど返事はない…
私のせいだ…私があの時刺したせいで…
「朔夜…お願いだから目を開けてよ」そう言った そんなこと言ったところで目は覚まさないことは分かっている
「ごめん…なさい…」私は小さな声で謝った
「どいて」恭太にそう言われて、抱きしめていた朔夜を離した
「何をするつもり?」私は恭太にそう聞く
「ねぇみんな聞いて…」
そう言われて私達は一斉に恭太へと耳を傾けた
「人は死んだらどうなるか知ってる?」
その言葉に誰もがゾワっとした
そんなこと聞きたくないのに、勝手に耳が聞こうとする
「人は死ぬ前に夢をみる」夢?
「夢の内容はその人によって違う でもひとつ共通なら、幸せな夢を見るということ」
幸せな夢?何よそれ
「その幸せな夢は人が死ぬ時まで続く 逆に死にそうなくらい痛い夢をみる人もいる…それは悪人だ」「それがどうしたって言うの?」恭太の言いたいことがさっぱり分からない
「きっと今朔夜もみている…それは生死をさまよっている合図」それは死ぬかもしれないということ?
「なんとかならないの?」私のせいで朔夜は死にかけている だからどうにかしたいのだ
「約束出来るか?」約束?「今から言うことを朔夜に言わないって約束出来るか?」朔夜に言ったらダメなの?
なんで?恭太が助けてくれるんだから言ってもいいじゃない
「俺が今から使う能力は、傷に癒しをもたらす 完璧に傷を塞ぐ能力…そしてもう1つは言霊」言霊?言霊って言葉に魂を宿す能力のこと?
「言霊は彼を呼び戻す 俺たちに出来ることはそれだけだ それと俺はまず幽霊だ 人に触れることが出来ない 触れていたように見えただろうけどそれは違う 触れているように見せかけていただけ…だから俺には人の温もりを知ることも知られることも無い だけど力を貸してくれ 俺の手に温もりになってくれ」「分かった!」
今はなんだってやってやる それで助かるなら…
「そしてリスクを背負う」リスク?なにそれ
「夢の中で現実世界に帰りたいと思った瞬間…その夢は悪夢に変わる」
悪夢?それでもなんでもいいから!助けなきゃ
「お願い 恭太…私のせいで死にかけているの この人の人生壊したくないの もう目の前で人が死ぬのは見たくない!」そう言うと恭太は少し痛い笑顔をしてこう言った
「俺もだ」そう痛々しい笑顔をもう1回した
そして朔夜を助ける作戦が始まった
この痛々しい笑顔に意味があるなんて誰も知らなかった
「ん?ここは…」俺は目を覚ました
すると自分の家のベッドで寝ているのだ
あれは全部夢?
すると、「朔夜ーご飯よー」え?母さん?
なんで?死んだはずだろ?
「母さんが生きてる…」俺は母さんをみながら言うと、「何寝ぼけてるの…ご飯よ」そう言われた
「また朝っぱらから怒られてる」俺は声がする方を振り向くと「兄さん」
そう俺は言った「絢!朔夜!雫!ご飯よ」そうもう一度母さんに呼びかけられて2階を駆け下りた
そこにはあたたかい風景があった
あれは夢だったんだ
そう…悪い夢
これが現実…だよな?
たとえこれが夢だとしてもこのまま夢を見ていたい だってこんなにも幸せ
愛されてるって感じがする
「いってきまーす」父さんもそこにいて
出かけに行く様子だった
「行ってらっしゃい」俺はそう言った
「朔夜!一緒にゲームしよ!」
「いいよじゃー俺の部屋来いよ」そう言って俺は雫と俺の部屋でゲームを始めた
そして2時間経って2人で家の階段を降りると
父さんはいつの間にか帰ってきていた
「おかえり父さん」「あーただいま」父さんは新聞をみながらコーヒーを飲んでいた
母さんと兄さんは喋っていた
それに俺達も入っていって、みんなと話をし始めた
こんな普通の日常どこにでもある普通の生活だった
そして俺は夜になったので眠りについた
「おはよう」「うわ!びっくりした」気づけば兄さんは俺を見下ろしていた
「あはは 寝すぎだぞおきろ」兄さんは、俺にそう言うと出ていこうとする
「兄さん!待って」そう言うと「その呼び方やめろよ 絢でいいって」元々俺が絢と言わない理由は、2つある
1つ目は俺達は血の繋がった兄弟ではないということ…俺と雫は元々児童養護施設にいた
俺達は家族に捨てられたのだ
前の家族でも兄がいた その兄がとても優秀で
いつも比べられていた
それからご飯は自分で作れだの、洗濯を一緒にしないでと言うようになった
でもその兄さえもクズで「俺はお前とは違って頭悪くないから」そんなことを言われたり次第に親のプレッシャーでストレスが溜まるのか、最初は雫を殴っていた それが許せなくて俺は雫を助けると怒りの矛先が俺に向いたという事だ
俺と雫は警察に電話して、児童養護施設に入れられた
その時の母の言葉を覚えている
「自分から出て行ってくれるなんてありがたいわね さっさと出て行って、あんたらみてると腹が立つ」その言葉が最後だった
俺はそれが許せなかった
幸せになりたくて新しい家族を探した
その前の家族の兄を〝兄さん〟と呼んでいた
そして、2つ目は本当に家族と思ってもらっているのかと言うこと…
俺達は引き取られて、自分の子供のようにこの家族に扱って貰っている
やっと手に入れた幸せだった
だけどほんとに家族と思ってもらっているのかなんて知らない
だから、絢と言えないのだった
「朔夜 あのなお前がどんなこと思ってるか知らないが、拾われたからって他人じゃないんだぞ 母さんは何度か流産をしたんだ 俺を産んでも子供が欲しかったみたいでな 俺だって家族が欲しかったし、だからお前達を児童養護施設から引き取った 」でも好きかどうかなんてわからないよ「確かにおかしいかもしれない でも母さんは3人も増えて嬉しいって言ってたし、あの二人お利口でとても可愛いから、自分が産んだみたいに育てれるわって言ってたんだよ」そんなこと言ったのか…俺はとても嬉しかった
そして兄さんに肩をポンッと叩かれた
「だから!な?俺の事本当のお兄ちゃんって思って絢って呼んでくれ」兄さんがそう言ってくれた事がとても嬉しかった
少し自分が幸せになれた気がした
よし!どこか出かけようかな
「雫 どこか出かけようぜ」「えー?朔夜とー?」そう言われた俺は笑って「行こ!」
俺は雫と出かけた
俺は恭太にあって恭太と3人で出かけることにした
「じゃ!バイバイ」そう恭太が言って俺達は別れた
「楽しかったな」笑顔で雫に言うと「うん!」雫は笑い返してくれた
帰ってまたいつもの様に家ですることをした
母さんや父さん、絢は笑って俺達の話を聞いてくれた
そして、夜になって雫とまたゲームをしていた時だった
下から物凄い音がしたので、俺達は下に降りた
「え?」俺はそこに立ちすくんだ
「うっぅ」母さんが知らない男の人に刺されていた
「あは、いいね生きてるって感じ」その男は笑って母さんの血の付いた包丁を舐めた
「おぇ」俺は思わず吐いてしまった
気持ち悪い 「まだこの家に人が居たんだ もういないと思ってたのに」そう男が言うと俺たちに襲いかかってきた
するとピタッと動きをやめた…なぜなら目の前には絢がいたのだ…
「あははは 誰だよー」男が笑いながら言うと
「こいつらの兄だ!」そう言ってくれた
でも目の前でみんながどんどん死んでいく
「もうやめてくれ…」泣いた 凄く泣いた
苦しくて痛かった
「朔夜…俺なお前に会えてよかった もっとお前と話したりしたかったなぁ あはは」そう笑いながら言う絢に俺はもっと泣きながら俺は絢に抱きついた
「笑い事じゃないよ 救急車呼ばないきゃ」
雫は俯いて顔を手で抑えて泣いていた
「もういいよ ねぇ母さん」絢は母さんに声をかけると、母さんは少しの声で「うん…いいわ…ありがとう 少しでも私の子供になってくれて」母さんも泣きながら笑ってくれた
「あぁ朔夜 雫 俺達は元は他人だけど今は大切な家族だ愛しているぞ」そう父さんまでも言った
「みんな死なないでくれ…俺を1人にしないでくれ」雫は俺に少し抱きついて泣いていた
雫がこう言った「今までありがとう 素敵な家族出会えてほんとによかった」雫がもう死ぬような言葉をかけた瞬間俺はみんなに泣きついた
「俺達を拾ってくれてありがとう こんな俺を愛してくれてありがとう…素敵な家族に拾われてほんとによかったです」そう言ったらみんなが一斉に「どういたしまして」そう言った
もうみんなは意識朦朧としていた
殺人犯はその現場を見て呆然と立っている
そしてその殺人犯は俺に刃物を向けた
俺をまた襲いに来る
そう思って覚悟した瞬間母さんが俺をかばった 絢にもがばって貰ったのになんで?
俺は他人なんだよ?なのにどうして…「私の息子と娘に手を出さないで」そう言ってくれた 俺は泣きながらお母さんに抱きついた
「生きてあなたなら大丈夫」そう言って母さんは息を引き取った
何故かその後不満そうな顔をさせながら、玄関に向かっていった
そしてまた不気味な笑みをもらした犯人
するとこう言った…
「大きくなったら殺しに来るね」その言葉が怖くて、その場で腰が抜けてしまった
男はスタスタ家を出ていった
俺はその場で呆然と座っていた
もう何が何だか分からなくなった
「うっあっあが…」俺は急に心臓が痛くなって、その場に倒れた
意識朦朧としている中俺はごめんなさいと謝った
きっと俺を憎んでいる…他人の俺のせいでみんな死んだのだから
そして、恨んだ あの殺人犯を…
「うわぁぁぁ!」俺はその悲鳴で目が覚めた
辺りを見渡しても何も無い
ただ暗闇が辺り一面に広がっていた
その闇に吸い込まれそうになった
「やっと起きたんだ」後ろから女の人の声がして、振り向くと着物をきた綺麗な人がいた
「ここは…どこだ?」俺はすかさず質問をする
「ここはね…生死の境 」生死の境?そっか俺は、筑紫に刺されたあと気を失って倒れたんだっけ?
あれ?なんかおかしい…
「あっ…じゃーあの母さんと父さんと兄さんが生きていた…あれはなんなんだ?」
「あーそれ?私が見せた夢よ」そう女はニタァっと笑った
その笑顔はまた俺を恐怖に落とそうとしていた
「君が見た夢は幸せから恐怖に落ちるまでの話だったはず…私はみんなにそうやって見せてきたのよ」狂った笑顔はとてもこの綺麗な顔には似合わなかった
「ここで見た夢は全部現実であったこと…誰もが共通で持っているもの それはなんだと思う?」彼女は見せる笑顔は、血まみれで汚いような…でも綺麗な気がする笑みだった
「それはね…恐怖…痛み…苦しみ…憎しみ…恨み…憎悪にまみれた魂があるということ」
「だから俺にも見えたってことか…」人に共通点があったとはこりゃびっくりだな
「そういうこと そういうことで…どうする?現実に戻りたい? このまま死ぬ?」
現実に戻れるというのか?
「現実に戻れるのか?」「そうだね…最近自殺や、他殺で死ぬ人が多くなっている だから一度だけチャンスがあることにした」まだ死にたくない!「ただし、これはゲーム」ゲーム?またゲームするのか?
もう懲り懲りなんだが…「帰りたければ、ゲームに勝たなければならない」
「なんのゲームなんだ?」俺は気を引き締めて話を聞いた
「それは教えられない…けど」「けど?」
綺麗な彼女はまた笑った
「死のゲーム」彼女は唇を軽く噛んで発音をしてこう言った
〝デスゲーム〟その言葉に聞き覚えがあった
恭太と同じことを言っている
「このゲームは強く帰りたいと思わなければ帰れない 少しでも怖がったり、殺意が芽生えたり、心が解放されないと帰ってはこれない」これは恭太のゲームよりやばいかもしれない
「そして夢の中で死んだら…感情が無くなってしまう」感情が?無くなる?
「行っておいで…私は帰ってこれること願ってるよ」そう言った彼女は思い出したかのように声を出した
「そう言えば君は同じ目をしてるねあの人と…」「誰のことだ?」俺は少し集中して聞くことにした
「彼は自分で自殺をした子で、殺したっていう誤解と大切な友達に会いたいからと言って頑張ってた」それって恭太の事なのか?
「まあせいぜい頑張れ」彼女はスタスタ歩いていく…まだ質問は終わっていない「あの!何者ですかあなた…」俺は彼女に話しかけて
、1番知りたかったことを聞いた
「私?私の名前はね〝瑞悪〟と言います 人に瑞夢を見せることも悪夢を見せることも出来る 」瑞悪か どっちでもない半分半分の彼女は暗闇に消えていった
「うぁっ!」俺はまた苦しくなって、意識を失った…
「ここは…」俺はいつの間にか寝ていて、またベッドの上に寝ていた
起き上がると俺は身体が動かなくなった
そして酸素が薄くて苦しくなる
「前の家」そう俺は前の家にいたのだ
苦痛でしかない家
もうダメだ…
「そうは言っても、みんなにほっとかれていたからすることは無い」俺はまたベッドにダイブして天井を見ていた
そして俺は、深い眠りについた
起きるとそこには真っ暗な空間
すると前の母がいた
「お母さん…」俺は呟くと、怖くなって逃げ出したくなった
「あら、朔夜じゃない まだ生きてたのね」そう言われて、俺は少しだけ腹が立った
「お母さん…なんで俺を捨てたの?」俺が1番聞きたかったことだった
「はー?そんなの聞かなくても分かるでしょ?私はあなたが嫌いなのよ」そう言われて俺は泣いてしまった
なぜ悲しくもないのに涙が出るのかは分からないけど俺は泣いた
「朔夜…あなたは生まれてきてはダメだったのよ ここで愛してくれる人なんていないのだから」うるさい…俺は違う 愛されてきた
「現実に戻った所で愛してくれる人なんていないでしょ? あなたが好きな女の子さえも」俺は筑紫の笑顔を思い浮かべて、その場に倒れ込みそうになった
「誰にも愛されないのよ あなたは…みんなあなたを見捨てるわ…私たちのように」少し笑みを浮かべたお母さんは俺から少し1歩下がった
これは瑞悪が見せてる夢だと分かっているのに、身体が思うように言うことを聞かない
恐怖に負けそうになってしまう
「朔夜…あなたの人生は全て私の手の中にあるのよ 私が支配しているの あなたの人生は全て私のもの」そう言われて、俺は泣きながら大きな声で叫んだ
「違う!」俺の人生は俺のものだ
「あなたは愛されてこなかったでしょ?だから見捨てられたんでしょ?私たちにも…拾われた家族も…あなたが生きてるせいであの家族は死んでいった 」俺のせいなんかじゃない
俺のせいじゃないよな?絢…
俺は間違ってないよな?
「ふっ 朔夜は人の事を幸せにすることは出来ず、不幸にすることは出来る…最低だね」
狂ったように笑うお母さんはどこか寂しそうな顔をしていた
「いいね…その顔あんたのその顔を見てると気分がいい…絶望した顔 それをみるだけで心が楽しくなる…いわゆる〝他人の不幸は蜜の味〟だね」俺は、少しずつ生きる希望を無くしていった
もうダメだ…ここで死んでもいい
生きてる価値がない
「あなたは一生私の手の中で踊らされるのよ」その言葉で俺完全に心が壊れかけた
でも、最後の勇気を振り絞った
全部言ってやる…言いたいこと全て
「違う…」「何が?」お母さんは笑っていたのに、その顔から笑みが消えていた
「俺の人生は俺のものだ! 全てお母さんの計画通りなんて思うな!」お母さんは少しビクッとして固まっていた
「あの家を出て行ったのは俺の判断
幸せになるために家族を探したのも俺の判断 俺が女の子を好きになったのも俺の判断
俺の人生全てがあんたらが操ってたなんて思うな!」俺は全てを言いきった
「お母さんなんか、あの家族なんか…みんな みんな 」大っ嫌いそう言いたいのに言えなかった
嫌いその言葉を言おうとすると、胸が苦しくなった
言おうとすると涙が止まらなかった
「朔夜…」お母さんは一筋の涙を流していた
なんで泣いてるんだよ
「あぁぁぁぁぁ!」やっと分かった
俺は、みんなに愛されたい訳じゃなくて
この家族に愛されたかったんだ
この家族に愛して欲しかったんだ
「お母さん…ごめんなさい」
そう言うと、俺は死ぬほど泣いた
痛みが取れないほど苦しくなるばかりで倒れ込んだ
ギュッ…
え?お母さん
俺はお母さんに抱きしめられていた
「朔夜…おめでとう 合格だよ」
ほんとに?俺帰れるのか?
「最後に見て欲しいものがある」
いつの間にか画面は変わっていて
俺は病院にいた
「生まれたな 」「えぇ生まれました」
そこには若い頃のお母さんとお父さんがいた
「あなたの名前は朔夜よ」お母さんは俺にそう声をかけると幼い俺は凄く笑っていた
「強くて優しく…人の気持ちを考えれる子になって欲しい 取り柄なんてなくてもいい ただ優しく育って欲しい」お母さんは優しく微笑みながら、俺に名前をつけ願いを言った
気づけばまた場所が変わっていた
「朔夜はかわいいね おいでおいで」お母さんもお父さんも俺を見て喜んでいる
そこに兄さんがいた
「お母さん…朔夜にばっか構ってないで俺にも構ってよ」そう兄さんが言うとお母さんは
優しく微笑んで兄さんに笑った
「お兄ちゃんなんだから朔夜を許してあげて」そう言うとまたお母さんは俺に笑っていた
俺は今まで小さい頃からお母さんに愛されてないって思っていたけど、違ったんだ
そして俺はどんどん成長して、幼稚園に行くようになったぐらい、兄さんからよく暴力を受けるようになっていた
「お前ばっかり、可愛がられて…お前が生まれてきたせいで俺は誰からも見られなくなった」「あっ…かはっ!」俺は蹴られていた
あれはとても痛そうだった
その光景は最悪で痛々しい景色
「ごめんなさい…ごめんなさい…兄さん許して!」そう言っている…俺が殴られていた理由はこれだった
そういう事だったのか
雫が殴られ始めたのは、この後だった
俺が完全壊れたあとは、雫を殴るようになった
勉強だけでしか、見られない兄さんの気持ちがやっと分かった気がした
そしてある日の夜
お母さんはすごく泣いていた
「お兄ちゃんに毎日のように雫と朔夜が殴られているの…どうしたらいいの」お母さんの背中を摩っているお父さん
「お兄ちゃんはとても頭がいいからうちの仕事の利益になる お兄ちゃんはそう定められた男だ 自分からすると決めたヤツだ でも、朔夜や雫はそんなことをしなくてもいい子達」そうお父さんが言うと、お母さんは悟ったように、怒った
「まさか!捨てろって言うの?私の子供よ!ふざけないで!」お母さんは泣きながらお父さんを叩いた
でもお父さんは、お母さんの手をとってお父さんも泣いた
「でも!アイツらに幸せになって欲しいなら!新しい家族で幸せになってくれればいい」そう言うと、お母さんは決断したかのように大きな声で泣いた
俺は、愛されない理由の裏にこんなことがあったなんて思ってなかった…そしてまた一筋の涙を流した
そしてついに別れの日
お母さんは俺にひどいことを言って背中を向けた瞬間、声を殺しながら泣いていた
俺の目は憎しみに狩られた目をしている
それで最後だった
俺は気づけば真っ暗な空間にいた
目の前にはお母さんがいて、最後にこう言った「幸せになって」その言葉が頭から離れなかった
「おかえり」俺は寝転がっていて
泣いていた…それほど俺にとっては悪夢だったのかもしれない
瑞悪におかえりと言われて起きた俺は、急いで起き上がった
「どうだった?私が見せた夢は…怖かったでしょ?痛かったでしょ?」そう言われた俺は確かに怖かったし、痛かった…でも最後に見たものは、俺が長い間いた檻から解放された気分だった
「ありがとう瑞悪 俺、これで前に進めるよ」
そう言うと、瑞悪少し呆れたような顔をした後、直ぐに微笑んだ
今度は怖い感じのでは無く
優しい笑顔
「じゃーまた帰っても頑張んな」
瑞悪はいつの間にか消えていて、体にとても温かいものが巡った
「帰ってきてくれ!頼む」そう恭太から言われた気がして
俺は全身で温かさを感じた
するとまたどこかへ飛ばされた
もう夢は終わったはずなのに…そんなことを思っていると瑞悪の声だけが聞こえた
「本当は帰らせても良かったけど、まだあなたの心は解放されていない…だからこれが最後だ」その声だけが聞こえたあとは
公園に立っていた
そこには1人の男の子 俺はその男の子に話しかけた「君…名前なんて言うの?」俺は男の子に話しかけると「僕?滝沢朔夜」俺?
「こんな所で何してるの?」そう聞くと小さい俺はこう答えた「みんなにほっとかれているから、こうやって1人で遊んでるの」そう言うと小さい俺は泣いていた
「僕もっとみんなに見て欲しいだけなんだけどな」俺はその言葉を聞くと、小さい俺を抱きしめた
「ごめんな…俺がこんなんで生まれてきたせいで…ごめん」そう言いながら抱きしめていると、小さい俺が「よしよし…大丈夫!」ニカッと笑った
さっきまで泣いていた小さい俺は強かった
なのに俺はいつ弱くなってしまったんだろう
すると、小さい俺の元へ小さい女の子がやってきた
「あっ!筑紫ちゃん!こんにちは」そう小さい俺はペコッと頭を下げた
筑紫ってあの…その時俺は筑紫の笑顔を思い出した
小さい時に会っていたんだ
「お兄ちゃん…お兄ちゃんは何があったのか知らないけど、お兄ちゃんには居場所があるから…生まれこなければ良かったなんて思っちゃダメだよ?誰だってひとりじゃない!」そう笑顔で言われた
小さな俺のはずなのに、その姿はまるで未来の俺なような気がした…その姿はたくましく、強かった
「ありがとう」そう言ってその場を後にした
心が楽になった俺は瑞悪に話しかけるように
大声で叫んだ
「もう大丈夫だ!戻してくれ!」俺は心が晴れて、瑞悪の元へと帰ってきた
そしてやっと帰れることになった
すると恭太の声がした「帰ってこい!絶対に!」その声を聞いて、一筋の光が指した
「ありがとう…瑞悪」一言そう言って
俺は歩き出した
大丈夫…これからはもっと前へ進んでいける
ゆっくり目を覚ますとそこには、俺を覗き込むみんながいた
俺は起き上がるとみんな俺に抱きついてきて
俺は嬉しくなった
「そう言えば本当に筑紫は恭太を殺したのか?」俺は、1番聞きたかったことを聞いた
きっと殺してなんかいない
「殺してないよ」そう恭太が言った
「だったら…」「殺されたなんて言わなきゃ良かったのにって言いたいんだろ?」そうだ
ほんとにそうなのであれば…わざわざそんなことを言わなくてもいいじゃないか
「分かってるさ…でもな、殺されたって言わなきゃこれは解決しなかった」
筑紫の方をみると思い出したかのように
口がふわっと空いた
「思い出した…あの日」
筑紫はゆっくり話し始めた
「恭太を呼び出した日…確かに押したんだ でもそれじゃ恭太は落ちなかった」
どういうことだ?
俺達は呼び出されるところまでを真剣に聞いた…そして、殺してなかった所まで話がたどり着いた
「確かに押されたよ でも、俺が自分から落ちたんだ こんなにも苦しめている人がいた事を知って」そうだったんだ
みんな恭太と筑紫の話を聞いた
「でもあの時筑紫は見殺しにしなかったんだ」え?憎んでいたのに?なんで?
「あの時言われたんだ 〝あんたが死んだら誰を憎んだらいいんだよ〟って〝朔夜には恭太しかいない〟って〝死なないで〟ってね」そんなこと言ったのか
「あの時私は何故か身体が動いた 殺してしまったら変わっていまう気がした だから私は落ちた時でも腕を引っ張った」そんなことがあったんだ
「だから誰も悪くない」そう恭太は笑った
「筑紫…ありがとな!お前があの時あんなこと言ってくれなかったら俺は救われてなかった…ずっと俺は、殺人者の息子として石をぶつけられてきた でもあの時〝死なないで〟って言ってくれた時すごい嬉しかった」そう笑顔でお礼を告げた
これで終わりだ
「みんなありがとう」そう言うと恭太が泣いて、「今までありがとう」と言った
その瞬間恭太から光が飛ぶように青白い綺麗な光がどんどん恭太を包んでいく
それはお別れの時…未練を晴らしたからか
恭太はほぼ消えかけていた
「俺の思いは伝わった…これで終了だ ゲームはこれで終わりにします」
俺は恭太に聞いた「また会えるよな?魂は消滅しないよね?」そう聞くと「おう!」と泣きながら笑ってくれた
「ミッションクリア!おめでとうみんな!」
恭太はそれで綺麗な光に包まれて消えていった
「三角形の公式言うわよ」
気づけばそこは太陽の差し込む教室だった
「先生?」先生が生きていた
先程までがまるで嘘のようだった
俺はきっと悲しい顔をしていたんだろう
それでみんなは俺の周りに集まってこう言った〝お前は1人じゃないぞ〟と…
あの出来事が嘘のようだったけど、恭太のことは一生忘れない
ありがとう…大好き
そう心の中で思うと、俺もそう聞こえた気がした…
エピローグ
あれから何年も経った
筑紫と暮らすようになった俺は幸せだった
雫は筑紫ととても仲良くして、何年か前に雫は男と婚約を結び家を出ていった
それから、結婚して、俺は親が殺された悲しみと恭太が教えてくれたことを胸に警察官になった
そして警察官から出世して刑事になった
筑紫は産婦人科の看護師になった
新たな命の誕生を大切にしたいと言って…
そして俺たちにも宝物ができた
子供が出来たのだ
子供の名前は〝幸愛〟幸せになって欲しい
愛される子に愛してあげる子になって欲しいということで〝幸愛 「さちあ」〟
ある日幸愛から変なことを言われた
「お母さんとお父さんってどこで知り合ったの?」
そう言われて俺達は2人で顔を見合わせて笑った
「それはねある男の人のおかげだよ」
「変なの 2人で笑いあって」
そして俺は2人を抱きしめて、笑った
「愛してるよ」そう言った
これからもこの幸せが続きますように…
第?章ー お仕事ー
あの日俺は死んだ…
俺も瑞悪の能力で夢を見た
でも、俺はその賭けに負けたのだ
あの世では、未練が完全に断ち切れている人の〝天国と地獄〟は決められ
未練が断ち切れていない人には、時間制限があった
3日以内に未練が断ち切れていないと、 魂が消滅するまで、ある〝仕事〟をやらされる
その仕事に入ると、人によって違うが一つだけ能力を貰う
俺は〝人の傷を癒す力〟と言っても、あまり使うことは無い
朔夜に初めて使った時はどうなる事かと思ったが、上手くいった
この仕事をして、途中自分の未練を断ち切った所であの世に行ける訳では無い
この仕事を引き受けてしまったら、一生この仕事をしなければならない
俺はわずか1ヶ月で、上司になった
この仕事で行くと、3番目に偉い
部下からも〝先輩〟と呼ぼれる
もうすぐ雲の上の会社につく…
この仕事内容は、〝魂をあの世に途中まで送ること〟
これが思った以上に大変で、未練がある人は、とりあえず瑞悪の所まで行くことになっているのに、行かない人や、悪霊化してしまう魂を除霊してあげるのが俺達の仕事
そして俺は空に浮きながら、もう一度学校の方を見た
朔夜たちとはもう別れて、これから幸せに暮らすことだろう
俺は少し笑みをこぼして、帰ろうとすると
上から2番目に偉い上司が降りてきた
俺はお辞儀をして、彼の話を聞いた
名前は、この仕事では番号で呼ばれ俺は「398」と呼ばれている
「おい!398お前自分が何をしたのか分かっているな?」もちろんお叱りを受けることは知っていた
俺はとんでもないことをしたのだから
「分かっています」俺は少し俯いて、笑って答えた
「俺はお前が消えるのは嫌なんだ! 頼むよ…頼むからもうあんなことするのやめてくれ」
俺は上司の顔を見た
彼はとても苦しそうな顔をしている
ここは、俺を大切に思ってくれる人が沢山いる
それが嬉しかった…
「分かっていますよ 能力を使う度に魂が削られていくことは、凄く分かっています」
そう、あの能力を使うには、代償が勿論あった
それは魂を削っていくこと…
人を生き返らせるためには、なんのリスクも背負わないなんて、そんなことないって分かってました でもね…
「でも…俺はこの魂を掛けてこの計画に出ました」そうだ…この魂が例え消えてしまっても、俺は必ず朔夜に幸せになって欲しかった
「お前覚えているよな?この仕事をする時においての約束」「はい…」
「第1条 この仕事をする際によっぽどのことがない限り、人間に姿を見せてはならない
第2条 人に情を持ってはならない
第3条 人の運命は変えてはならない これを覚えているな?」
これが約束事…この仕事をする際に約束されるもの
これを破ったら、即消滅される
「今回はお前のことだから、第1条と第2条は大丈夫だったが、お前は1番してはならないことをしたんだぞ」
人を生き返らせた時点で、俺は盛大に約束を破っている
「はい…だからもういいんです 殺してください 俺はもう大丈夫です」そう言った
「朔夜って男は今日死ぬ運命だった それを変えたんだぞ?」
そう、朔夜は今日死ぬ運命にあった
でも俺がその人生を狂わせたのだ
例え、苦しい思いをしても 生きて欲しかった
俺のせいでずっと苦しい思いをさせていたのに、こんな所で死んだら困る
「お前が人生を変えたせいで、あいつは苦しい思いをしてたのかもしれないんだぞ?
それでも良かったって言うのか?」
「はい…それでも良かった 元々俺が狂わせた人生をまた俺のせいで狂わせるなんて最低じゃないですか 最後にあったから最後くらいカッコつけさせて貰いました」
俺は上司に今とんでもないことを言っているのだろう
上司はポカンとしている
「今日、朔夜が死ぬ運命にあったのは知っています でも、どうしても助けたかった だからこの計画を練ったのです そして早めに決行した」
上司は少しため息をついて
頭をぐしゃっとさせながら喋り出した
「あぁそうか もう知らねぇぜ俺は今日あったことは言わないでおいてやるよ その代わり、仕事ばんばんやらせるから 覚悟しとけ」そう上司は笑って、俺の手を引っ張って上に上がっていこうとする
「ありがとうございます」そう俺はお礼を言った
そして、俺は瑞悪の所へ行った
「瑞悪 ありがとな!本当に助かった!」
俺は瑞悪にお礼を言った
「あんな恭太さん初めて見ましたよ
すっごく慌てて…まあ好きだからいいんだけどさ」最後らへんはボソボソ喋ってなんて言ったのか分からなかったがほんとに助かった
俺一人じゃこんなの無理だった
「ほんとにありがとう」そうもう一度お礼を告げて頭を軽くポンポンと叩くと、瑞悪は頬を赤らめた
そして俺は、その場を立ち去った
ちなみに俺が398なのは〝さくや〟だからである 自分で番号は決めれるので〝朔夜〟にした 「398さん!今日も頑張りましょう!」
後輩がやって来て俺達は動き出した
「よっしゃ!今日も仕事頑張ろう!」
彼の名前は石井恭太
通称〝死神〟という…
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