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不実の王
継ぎ接ぎの快楽2 手
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すっかり足裏を綺麗にしたオルタが、先ほどとは上下逆にベッドで仰向けに寝転がったところで、次の客が到着した。
アルデに先導されて入ってきたのは、鏡に映したような容姿をした双子の男達だ。細い体をしているが、決して貧している感じではない。服も豪華な部屋に見合う立派なものだ。長い前髪で顔の左半分を隠しているのが、オルタが『右側』と呼んでいる客、そして、逆に右半分を隠しているのが『左側』と呼んでいる客である。
彼らは、オルタにとって、上客というほどでもない。だが、彼らとの行為は、負担が少ないので好きだった。
元々、複数の客が同時に売り物を買う場合、負担が大きいという理由で通常よりも代金が上がる。一人分の時間で、額は倍以上になるのだ。しかもそれでいて、彼らはそれほどの負担をオルタに強いないため、良い客ではある。
「やぁ、オルタ、元気そうだね」
「顔色が良いね、手も相変わらず綺麗だ」
「おかげさまで」
右側は右手に、左側は左手に軽く音を立ててキスをしながら挨拶してくる。双子である彼らは声も同じで、オルタは、両側から同じ声に話かけられる事に始めの頃はよく混乱した。
しかしながら、今は慣れたものだ。この二人にはどちらかに応えるのではなく、二人が話し終えた後に一つの答えを返せば良い。そういう風にしか話さないからだ。
それに、行為が始まってしまえば彼らは自分達の世界に沈んでいくので、答えを返す必要もない。売り物はあくまで、オルタの手だけで、彼らが求めているのも、オルタの手だけなのだ。
彼らは自分達の衣服を靴と靴下にシャツを残して脱ぎ去り、ベッドの際で膝立ちになると再びオルタの手をとった。
「可愛い爪だ」
「細く揃ったいい指だ」
彼らは口々に褒めながら、オルタの指を口に含んでは唾液を絡めるように舐めていく。熱心に丹念にそれを行う彼らはまるでオルタの手に魅了されているようだが、実際にはそれほどではない。
(良いお客さんなんだけど…あんま予約入れてくれないんだよなぁ)
彼らが望んでいるのは、鏡写しになったようにオルタの手を舐める互いを見る事だ。
そのため、彼らの美観に耐える手であれば、オルタでなくても良い。オルタとしては自分に執着がない分負担が少なく。それでいて身入りの良い客であるので、なんなら毎日でも来て欲しいのだが、彼らはせいぜい三十日に一度といった頻度だ。
(まぁ、上得意さんも月に一回だし…そんな美味しく稼げるもんじゃないって事だよなぁ)
内心で残念がりながら、少し気の逸れていたオルタは、いつの間にか唾液と呼ぶにはあまりに粘度の高い液体に両手が塗れている事に気付く。
(そろそろかな…)
彼らの唾液には僅かに性的な興奮を高める成分が含まれているらしいのだ。
「っん」
そのため、時折手のひらを指が擦ったり、指の股を舌が掠める感覚が次第に刺激として強まっていく。そのため、ただ手をいじられているだけなのに、思わず声が漏れた。足裏を弄られていた時の熱は完全に失くなった訳ではなく。意識を散らそうとはするが、じんわりと下半身へ血は流れていってしまうのだ。
「あぁ、もう堪らない」
「ダメだもうっ、もう」
もっとも、粘膜でもない手のひらでの経皮摂取では、それほど効果は強くない。
むしろ、自分達の唾液で自家中毒を起こした彼らの方がよほど興奮していた。
「オルタ、包んでくれ」
「こっちも」
言いながら立ち上がって既に先走りを床に垂らすほどになっている性器を、オルタの手にあてがう。
オルタは、言ってみれば媚薬塗れの手で、筒を作って二人のモノをそれぞれ握った。
「あぁっ…くっ」
「ひっ、ふっ」
右側と左側のモノがオルタの手の中で擦れる。自身にさえ効く媚薬が塗りたくられた手だ、彼らは徐々に腰の動きを早め、声を我慢する事を忘れていった。
オルタは彼らが互いの目を見つめ合い、口付けを交わしたところで、自分の手をそっと近付ける。
「んぁっ」
「ひゃぁ」
敏感な先端を突き合う形になり、彼らは合わせた唇の端から悲鳴を漏らした。
「あぁんっ、ちゅっ、んぅっ」
「くちゅ、ぷはっ、んちゅっ」
互いの指を絡め合いながら両手をつなぎ、恍惚の表情で唇を貪り合う二人は、徐々に腰をより近付けていった。
オルタは手で作っていた輪を大きくして、二人のモノを一緒に包み込む。
「あっ、あぁっ、いいぃよぉ、きもちいい…」
「もっ、っらめ、あぁ、くるしっ」
今日は右側の方がより効いているらしく、左側に比べて膝がガクガクと震えていた。
「だいじょうぶ、ぼくも、もうっ、いくよぉ」
「あっ、いっしょにっ、あぁああぁっ!」
わずかな差だが、右側が果て、左側も果てた。
オルタの手の中からは、薄いピンクの精液がどろりと乗りきれずに垂れている。
「はぁ、はぁ、僕らは次の部屋にいくから」
「はぁ、はぁ、服はそちらに運んでくれ」
「承りました」
近付いて来たアルデにそう言って、彼らは片手だけは繋いだまま部屋を出ていく。
毎回の事ではあるが、オルタはその姿を見ながら、どうして最初にこれがいるのだろうかと不思議に思った。勿論、この手で儲けているのだから、文句は無いのだが。
「じゃあ、服を届けたら、次のお客様を連れてくるから、ちゃんと手を綺麗にしておいてね」
「うん」
二人が出て行ったものの扉が開けてあるため、そっと囁くように言ったアルデにオルタは頷いた。
アルデに先導されて入ってきたのは、鏡に映したような容姿をした双子の男達だ。細い体をしているが、決して貧している感じではない。服も豪華な部屋に見合う立派なものだ。長い前髪で顔の左半分を隠しているのが、オルタが『右側』と呼んでいる客、そして、逆に右半分を隠しているのが『左側』と呼んでいる客である。
彼らは、オルタにとって、上客というほどでもない。だが、彼らとの行為は、負担が少ないので好きだった。
元々、複数の客が同時に売り物を買う場合、負担が大きいという理由で通常よりも代金が上がる。一人分の時間で、額は倍以上になるのだ。しかもそれでいて、彼らはそれほどの負担をオルタに強いないため、良い客ではある。
「やぁ、オルタ、元気そうだね」
「顔色が良いね、手も相変わらず綺麗だ」
「おかげさまで」
右側は右手に、左側は左手に軽く音を立ててキスをしながら挨拶してくる。双子である彼らは声も同じで、オルタは、両側から同じ声に話かけられる事に始めの頃はよく混乱した。
しかしながら、今は慣れたものだ。この二人にはどちらかに応えるのではなく、二人が話し終えた後に一つの答えを返せば良い。そういう風にしか話さないからだ。
それに、行為が始まってしまえば彼らは自分達の世界に沈んでいくので、答えを返す必要もない。売り物はあくまで、オルタの手だけで、彼らが求めているのも、オルタの手だけなのだ。
彼らは自分達の衣服を靴と靴下にシャツを残して脱ぎ去り、ベッドの際で膝立ちになると再びオルタの手をとった。
「可愛い爪だ」
「細く揃ったいい指だ」
彼らは口々に褒めながら、オルタの指を口に含んでは唾液を絡めるように舐めていく。熱心に丹念にそれを行う彼らはまるでオルタの手に魅了されているようだが、実際にはそれほどではない。
(良いお客さんなんだけど…あんま予約入れてくれないんだよなぁ)
彼らが望んでいるのは、鏡写しになったようにオルタの手を舐める互いを見る事だ。
そのため、彼らの美観に耐える手であれば、オルタでなくても良い。オルタとしては自分に執着がない分負担が少なく。それでいて身入りの良い客であるので、なんなら毎日でも来て欲しいのだが、彼らはせいぜい三十日に一度といった頻度だ。
(まぁ、上得意さんも月に一回だし…そんな美味しく稼げるもんじゃないって事だよなぁ)
内心で残念がりながら、少し気の逸れていたオルタは、いつの間にか唾液と呼ぶにはあまりに粘度の高い液体に両手が塗れている事に気付く。
(そろそろかな…)
彼らの唾液には僅かに性的な興奮を高める成分が含まれているらしいのだ。
「っん」
そのため、時折手のひらを指が擦ったり、指の股を舌が掠める感覚が次第に刺激として強まっていく。そのため、ただ手をいじられているだけなのに、思わず声が漏れた。足裏を弄られていた時の熱は完全に失くなった訳ではなく。意識を散らそうとはするが、じんわりと下半身へ血は流れていってしまうのだ。
「あぁ、もう堪らない」
「ダメだもうっ、もう」
もっとも、粘膜でもない手のひらでの経皮摂取では、それほど効果は強くない。
むしろ、自分達の唾液で自家中毒を起こした彼らの方がよほど興奮していた。
「オルタ、包んでくれ」
「こっちも」
言いながら立ち上がって既に先走りを床に垂らすほどになっている性器を、オルタの手にあてがう。
オルタは、言ってみれば媚薬塗れの手で、筒を作って二人のモノをそれぞれ握った。
「あぁっ…くっ」
「ひっ、ふっ」
右側と左側のモノがオルタの手の中で擦れる。自身にさえ効く媚薬が塗りたくられた手だ、彼らは徐々に腰の動きを早め、声を我慢する事を忘れていった。
オルタは彼らが互いの目を見つめ合い、口付けを交わしたところで、自分の手をそっと近付ける。
「んぁっ」
「ひゃぁ」
敏感な先端を突き合う形になり、彼らは合わせた唇の端から悲鳴を漏らした。
「あぁんっ、ちゅっ、んぅっ」
「くちゅ、ぷはっ、んちゅっ」
互いの指を絡め合いながら両手をつなぎ、恍惚の表情で唇を貪り合う二人は、徐々に腰をより近付けていった。
オルタは手で作っていた輪を大きくして、二人のモノを一緒に包み込む。
「あっ、あぁっ、いいぃよぉ、きもちいい…」
「もっ、っらめ、あぁ、くるしっ」
今日は右側の方がより効いているらしく、左側に比べて膝がガクガクと震えていた。
「だいじょうぶ、ぼくも、もうっ、いくよぉ」
「あっ、いっしょにっ、あぁああぁっ!」
わずかな差だが、右側が果て、左側も果てた。
オルタの手の中からは、薄いピンクの精液がどろりと乗りきれずに垂れている。
「はぁ、はぁ、僕らは次の部屋にいくから」
「はぁ、はぁ、服はそちらに運んでくれ」
「承りました」
近付いて来たアルデにそう言って、彼らは片手だけは繋いだまま部屋を出ていく。
毎回の事ではあるが、オルタはその姿を見ながら、どうして最初にこれがいるのだろうかと不思議に思った。勿論、この手で儲けているのだから、文句は無いのだが。
「じゃあ、服を届けたら、次のお客様を連れてくるから、ちゃんと手を綺麗にしておいてね」
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