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ちょっと長い後日談3
8.ここにきて新たな告白
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この会話で、俺達は思わず顔を見合わせた。
イングから、時々元のフレアに戻るとは聞いていたが、本当に別人だ。
纏う雰囲気が、全然違う。
こう言っちゃなんだが。儚げがプラスされて俺的には美少女感が増したと思う。なるほど、この子を男と思うやつは中々居ないだろうな。
「…あの、先輩方は」
「あ、我々はイング君の知り合いだよ」
安心させるようにニアさんが笑いかけた。
こら、イング。フレアを怯えさせないための一言なんだから首を横に振ろうとすんな。
俺の視線に気付いたのか、問いかける様に見つめてくるフレアの顔に思うところがあったのか、イングが微笑んで頷いたので、フレアも安心したように微笑んだ。
中の人との落差激しいなぁ…。
「ルイ君。ちょっと、良いかい?」
気のせいだろうか、ニアさんがアルカイックスマイルを浮かべている。
手招きに応じて保健室の隅に向かうと、スマイルの意味が解った。
「今まで黙っていたんだがね、私、男の娘、ツボなんだ」
「知りませんでした…というか、そういう系の創作はされてませんでしたよね」
「うん。男の娘って元が男性向け成人ジャンルで台頭したものだし。女の子と見紛う中性的な美少年とか、女言葉で喋るけどちゃんと中身は男の子なオネェとは違くて、乙女ゲームに登場させるのはハードルがね。年齢がどうしても低くなりがちになるってのもあるけど。自分の中の理想が高すぎてまとまらないし、書いてるうちにクソみたいに贔屓するという案件が度々発生して相方からボツくらいまくったりしたし、もういっそ男の娘だけでやろうとした事もあったんだけど…ストーリーは男性向けじゃないから需要が見込めなくて…それでも個人的趣味のためにはいっぱい作ったんだけど。公には一切出してない」
「俺は嫌いじゃないので出してもらえたら確実に買いに走った自信がありますが、懸命なご判断だとも思います」
「だよねー…いくら自分の好きを詰め込む同人活動でも、破産覚悟で冒険はできなかったからさぁ。まぁ、それは良いんだもう。そういう訳だからさ。フレアの力になってあげたいんだよ。初対面のエネミーフレアは嫌いだけど。あのフレアはとても好きだよ。いっそくんかくんかしたい」
「今の二アさんの立場でやっちゃうと権力行使感ハンパなくなるんで自重をオススメしますが、どうしようもなくなったら声かけてください。昔ネットで拾った一瞬で気持ちが萎えるようなネタを提供します」
「頼むよ。セクハラパワハラ王太子妃として歴史に残ったらさすがにツライ」
「了解です。まぁ、問題はフレアの中の人が現れるタイミングですかね」
「ルイ君が冷静で良かったよ。私頑張りたいけど今回は使い物にならんかもしれんし」
「エネミーからエネミー扱いで、接触を拒絶されますもんね」
「助けたいけど何もできない葛藤。姫を救い出したいのにコントローラー操作が下手くそ過ぎて殺しまくってたゲームを思い出す。思えばあの姫を救いたい一心でゲーム上手くなった」
「誰かの為にって動機は強いっすよねぇ」
「ルイから離れなさいよこの極悪魔女!」
俺達がくだらない会話をしていると、背後から叫ぶ声が聞こえた。
イングから、時々元のフレアに戻るとは聞いていたが、本当に別人だ。
纏う雰囲気が、全然違う。
こう言っちゃなんだが。儚げがプラスされて俺的には美少女感が増したと思う。なるほど、この子を男と思うやつは中々居ないだろうな。
「…あの、先輩方は」
「あ、我々はイング君の知り合いだよ」
安心させるようにニアさんが笑いかけた。
こら、イング。フレアを怯えさせないための一言なんだから首を横に振ろうとすんな。
俺の視線に気付いたのか、問いかける様に見つめてくるフレアの顔に思うところがあったのか、イングが微笑んで頷いたので、フレアも安心したように微笑んだ。
中の人との落差激しいなぁ…。
「ルイ君。ちょっと、良いかい?」
気のせいだろうか、ニアさんがアルカイックスマイルを浮かべている。
手招きに応じて保健室の隅に向かうと、スマイルの意味が解った。
「今まで黙っていたんだがね、私、男の娘、ツボなんだ」
「知りませんでした…というか、そういう系の創作はされてませんでしたよね」
「うん。男の娘って元が男性向け成人ジャンルで台頭したものだし。女の子と見紛う中性的な美少年とか、女言葉で喋るけどちゃんと中身は男の子なオネェとは違くて、乙女ゲームに登場させるのはハードルがね。年齢がどうしても低くなりがちになるってのもあるけど。自分の中の理想が高すぎてまとまらないし、書いてるうちにクソみたいに贔屓するという案件が度々発生して相方からボツくらいまくったりしたし、もういっそ男の娘だけでやろうとした事もあったんだけど…ストーリーは男性向けじゃないから需要が見込めなくて…それでも個人的趣味のためにはいっぱい作ったんだけど。公には一切出してない」
「俺は嫌いじゃないので出してもらえたら確実に買いに走った自信がありますが、懸命なご判断だとも思います」
「だよねー…いくら自分の好きを詰め込む同人活動でも、破産覚悟で冒険はできなかったからさぁ。まぁ、それは良いんだもう。そういう訳だからさ。フレアの力になってあげたいんだよ。初対面のエネミーフレアは嫌いだけど。あのフレアはとても好きだよ。いっそくんかくんかしたい」
「今の二アさんの立場でやっちゃうと権力行使感ハンパなくなるんで自重をオススメしますが、どうしようもなくなったら声かけてください。昔ネットで拾った一瞬で気持ちが萎えるようなネタを提供します」
「頼むよ。セクハラパワハラ王太子妃として歴史に残ったらさすがにツライ」
「了解です。まぁ、問題はフレアの中の人が現れるタイミングですかね」
「ルイ君が冷静で良かったよ。私頑張りたいけど今回は使い物にならんかもしれんし」
「エネミーからエネミー扱いで、接触を拒絶されますもんね」
「助けたいけど何もできない葛藤。姫を救い出したいのにコントローラー操作が下手くそ過ぎて殺しまくってたゲームを思い出す。思えばあの姫を救いたい一心でゲーム上手くなった」
「誰かの為にって動機は強いっすよねぇ」
「ルイから離れなさいよこの極悪魔女!」
俺達がくだらない会話をしていると、背後から叫ぶ声が聞こえた。
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