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第02章 旅立ちと出会い
17 初めての襲撃
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工場に張った結界に触れると魔力のアンカーをつける機能を追加した結果、見事にそれにひっかった組織が現れた。
そこで、俺とダンクス、シュンナの3人でその組織を襲撃してしまおうとなった。
なぜ、俺たちが行くのかというと、今回の組織の場所が判明したのは俺のメティスルの力によるものだ。
それを、警備隊や冒険者ギルドに説明は難しいためにできない。
そこで、自由に動き回れる俺たちがさっと行って片づけてしまおうってわけだ。
「さて、あそこがそのアジトなんだが……ああ、確かに地下に気配があるなぁ」
「地下かぁ、んで、どのくらいだ?」
「そうだな、ざっとだが、100ぐらいか」
「結構な規模みたいね」
「そうだろうな。っで、どうするすぐに行くか?」
俺たちは今、その組織の場所と思われるところ付近で会話している。
こんなところで、こんなのんびりと話してもいいのかとなるが、それは問題ない。
というのも付近といっても屋根の上であり、”霧散”を使って気配を散らしているし、なによりシュンナとダンクスも気配を探り、あたりに俺たちに気が付いている者がいないことを確認しているからだ。
「そうだな。いつまでもこんなところにいるわけにもいかねぇしな」
「そうね。さっさと行って、終わらせましょう」
そんなわけで俺たちはすぐに屋根を降りて、アジトである建物に入った。
ここからは敵に気が付かれないように極力会話は避ける。
ということで、シュンナに続いてダンクスがアジト内を散策。
ここで普通なら素人である俺は2人の間に立つというのがセオリーだという(2人に確認したがそれはこの世界でも同じ)のに、俺が最後尾になっている理由は、俺なら最後尾にいても問題なからだ。
まぁ、結界が使えるからな、常に体の周囲に”物理結界”と”魔法結界”を張っているし、何より”探知”で周囲を探りその情報は”マップ”に刻まれる。つまり俺には奇襲自体が通用しない。
されてもその前に気が付くし、何より気が付かなくても攻撃を受けないからな。
そんなわけで、俺が最後尾となったわけだ。
そして、そんな俺たちはアジト内を散策したが特に地下への入り口は見つからない。
どこかに隠されているんだろうか、残念ながら俺ではそれを探るすべを思いつかない。
だが心配無用、シュンナがどこかを探るとすぐに見つけてしまった。
なんでもこういったことは冒険者の必須技能の1つで、特にシュンナはこういうのが得意なんだそうだ。
いわゆる斥候技能だよなこれ。
ちなみに、ダンクスは苦手らしい。
ああ、それとダンクスは現在大剣を背負っているのではなく片手剣を腰に差している。
室内で大剣なんて振れるはずがないからな。
あとは、ナイフをかなりの数用意している。
これは主に投げナイフ用らしい。
投げナイフ、すごくうらやましい技能だよな。俺もそのうちできるように教わろうと思ったのは言うまでもないだろう。
さて、そんなことを考えているうちに、2人が地下室への扉へと入っていったので今度は俺の番。
俺も2人に倣って地下への階段をゆっくりと降りていく。
「グヘェッ……」
俺が降りた途端そんなくぐもった声が聞こえてきた。
そのあとドサッという音と引きずる音がする。
つまり、シュンナが見張りを1人片づけたということだ。
それからも数人の見張りなどを片づけながら慎重に歩を進めていく。
「……だっ!」
俺たちが侵入していること気が付いていなかった構成員だろうか、曲がり角で俺たちと遭遇して驚いたところにダンクスのナイフが刺さった。
こうして、俺たちは次々に敵を倒していったわけだが、さっきもそうだが俺の目の前で行われているのはいうなれば殺人、シュンナもダンクスも気負うことなくそれをこなしていく。
俺はというと、何とか吐くのだけはこらえているが、妙な恐怖心はぬぐえない。
俺だってわかるこいつらのように裏の組織の構成員となれば下手に生かすより始末したほうがいいってことはな。
でも、やはり日本で倫理について学んだ俺としては複雑だ。
とはいえ、普通の日本人よりは耐えられると思う、なにせ、俺は前世ではこういった死と隣り合わせに身を置いているやつならその死について思うところは特になかった。
例えば、格闘家、彼らがやっていることはもとはと言えば敵を倒すためのものだ。そんなものを使い合えば、当然打ち所が悪く命を落とすことだって別に不思議じゃない。
確かに本当に覚悟のうえでやっているやつはいないと思うが、それでもその可能性と前提を知ったうえでやっているはずだからだ。
次は兵士、彼らは文字通り敵を倒すため、殺すためにその場に立っている。だったら、彼らもまたその対象であり、当然その覚悟を持ったうえでその場に立っている。
まぁ、中には国の指導者が間違っていて、間違った戦場に立たされている兵士もいることだろうが、それでも覚悟をもってその場にいる以上例外ではないだろう。
それは、女性兵士とて同じだよな。
そういえば以前、女性兵士が捕虜となり屈辱を受けたという話があったが、それを取り上げると事態がその女性兵士への侮辱だとおもう、だってそうだろ、彼女たちは当然国のため、家族のため、守りたい誰かのために、男たちと同じように戦っているんだ。
それでも、女性というだけで敵にそのような扱いを受けたとしても、それもまた彼女たちは覚悟しているだろうからな。
もちろん、俺だって彼女たち彼らの考えは分からない、これはあくまで俺の推論でしかない。
ちょっと、脱線したが最後は、戦場を駆け巡る報道関係者だろうな。彼らもまた戦場にいくことでその覚悟をしてうえで、戦場の悲惨さを全世界に伝えてくれているんだ。それを見る俺たちは彼らの報せを受けて戦争なんてことはしないさせないと強く思うことがそんな彼らへの礼儀だと思う。
そんな考えを持っているからこそ、こいつらがここで2人に殺されたとしても、それに関しては思うところはない。
だからといって、目の前で人が死んでいく、その光景はあまりいいものではないな。
でも、この世界で旅をして生き抜いていく以上、いつか俺も誰かを殺さなければならないことが起きる。
その時にしり込みをしていては、こっちがやられるからな。
とはいえ、いきなりはできない。
だから、その段階的に見学というわけだ。
「うっ、きついな」
「スニル?」
「大丈夫か?」
俺がつぶやくと、シュンナとダンクスが心配そうに見てきたが、俺は黙って手を上げつつ大丈夫だと示した。
そうして、アジト内を進むことしばしちょっと広めの部屋に出たところで待ち伏せを受けたわけだが、さすがにここまで入り込むと敵も気が付いたようで、やる気満々だ。
「てめぇら、どこの組織のもんだ!」
「生きて帰れるとは思うなよ」
「見つかったみたいだな」
「そうみたいね」
見つかった以上おとなしくしている必要はないため、シュンナとダンクスも声に出してそれぞれの得物を構える。
そうして、始まった戦い、シュンナダンクスVS侵入者組織構成員21人。
その結果を言うと、当然ながらシュンナダンクスが勝った。
それも2人は無傷でだ。ほんとすごいな2人とも!
ちなみに、戦いの最中敵は当然ながら俺にも攻撃を仕掛けてきた。
しかし、先ほども言ったように俺は結界を張っている。
その結界を抜けることなんて、多分シュンナとダンクスの2人でも無理、それなのに敵の構成員ごときができるわけもなく、見事にはじかせてもらったよ。
そうして、はじかれた奴は待ち構えていた2人にあっさりとやられていた。
「ふぅ、ちょっと多かったわね」
「確かにな。でも、まだまだ余裕だろ」
「まぁね。スニルは、大丈夫だった」
「あ、ああ、何とかな。ていうか、ほんと2人とも強すぎだな」
「相手が弱いっていうのもあると思うけどね」
いや、それを考えても強すぎだろ。
「スニルだってやろうとすれば同じぐらいは簡単にできるだろ」
「やろうと思えばね。でも、そう簡単にはいかないだろ」
「まぁ、それは慣れよ慣れ」
あんまり、慣れたくはないけどな。
とまぁ、そんな会話をしながら、俺たちはアジト内を進んでいく。
「ところで、スニルあとどのくらいだ」
「そうだな。ここらで半分ぐらいか」
そう言ってからさらに進むことしばし、もちろんその間に多くの敵と遭遇してこれを倒してる。
「くそっ、なんだこいつら!」
「強すぎる」
「化け物めっ!」
組織の構成員も奮闘しているが、シュンナとダンクスの相手としては不十分のようで、次々に倒されていく。
こうして進むことしばし、ついに目的の場所へとたどり着いた。
その目的地というのは、元はアンカーのついた侵入者のいる場所だったが、現在は移動してより多くの人間が集まっている場所に行くことにしている。
というのも、アンカーを持った連中がその場所に移動したからである。
そんなわけで、やってきた目的地にはマップに表示されている通り多くの敵がひしめき合っていた。
その数は40余り、数としてはそこまで多くはないが見たところ精鋭みたいだ。
「ようこそ、招かざる客人たち私はこの組織の首領だ。さて、どのような用向きでやってきたのか聞こうか」
首領と名乗ったひげ面のおっさんが一歩前に出てそういった。
へぇ、こいつも結構強いかもな。
裏組織を率いるだけあって、このおっさんはかなり強そうに見えた。
「俺たちはお前らが昨晩侵入しようとして失敗した工場の関係者でな。せっかく来てもらったのにすぐに帰っちまったみたいだからな。挨拶に来たってわけだ」
ダンクスが皮肉目にそう返事をした。
「ほぉ、何のことかな」
おっさんはとぼけるようだ。
「とぼけても無駄だぜ。工場に張っている結界は特殊でな。触れた奴に目印をつけるんだよ。つまりそいつらに案内してもらったということだ」
ダンクスがそういうと、構成員たちは思わずある一か所に集まった4人を見た。
そいつらこそ、工場に侵入したものたちだった。
「ちっ、くそがっ!」
おっさんは思わずそう悪態をついている。
「追跡機能はつけたばかりでな。運が悪かったんだよ。お前ら」
ダンクスがそんなどこかで聞いたことがありそうなセリフを吐きつつ大剣を構える。
俺たちがいる空間はかなり広く、ダンクスが大剣を振り回しても全く問題ない広さがある。
そこで、事前に大剣を”収納”とつながっているバックから取り出したわけだ。
ダンクスはさすがというべきか、戦闘センスに優れており現在では片手剣より大剣のほうが扱いやすいと豪語しているほどだ。
まぁ、片手剣より大剣のほうが断然ダンクスにあっているから、当然といえば当然だ。
「まぁ、いいだろう、お前たちここまで来て生きて帰れるとは思わないことだ。やれ!」
おっさんはこれ以上の会話は無駄と思ったのか、周囲を囲んでいる部下たちに俺たちを始末するように命じた。
そうして始まった構成員たちとの闘い。
敵の数は40余りといってもやはり精鋭がそろっているようで、ダンクスとシュンナをしてもちょっと手間取っているようだ。
尤も、だからといって全く問題なく倒せているんだどな。
「へぇ、やるな。なら、こっちももう少し本気を出すか」
「そうね、実戦で使うのは初めてだけど、やってみようかしら」
ダンクスは大剣を構えなおしつつ、大剣に風の魔石をはめ、シュンナは双剣にそれぞれの水と風の魔法を付与した。
「ま、魔剣、だと!」
「ざけやがって!」
そこからの光景はまさに蹂躙だな。ダンクスが大剣を振り回すと、その射線上にいる敵はことごとく斬られていく。
そして、シュンナが一閃、また一閃と剣を動かすたびに一方はダンクスと同様に風で斬られ、もう一方は水に包まれたり、ウォーターカッターのように斬られていった。
味方でよかった。うぷっ……っと、あぶねぇ。
危うく吐くところだったよ。危ない危ない。おっと、そうこうしていると、一部が俺に迫ってきた。
もちろん、俺もやられるつもりはない、というか今回はただの見学のために結界を張る。
そうなると、敵の攻撃はその結界にはじかれるわけで、そこには当然隙も生まれる。そこにダンクスかシュンナの攻撃がやってくるわけだ。
「くそっ、なんだ、なんだこいつらは!!」
首領のおっさんは2人のあまりの強さに、最初のころに見せていた余裕はみじんも感じられない状態となった。
そして、あろうことか部下に足止めを命じて自分とその取り巻き数人と部屋を出ていった。
「逃がすかよ!」
「行かせるか!」
ダンクスがそれを追おうすると、それを阻む構成員、見事な忠誠心だな。
「ダンクス、問題ない」
そこで、俺はダンクスに追う必要がないことを告げた。
というのも……。
「な、なんだ、これは?!!!!」
人が説明しようとしているところで、首領の声が響いてきた。
「スニル、何かしたの」
ここで、シュンナがやって来て俺に訪ねてきた。
ていうか、返り血を浴びて笑顔で話しかけんでくれ、怖いんだが……。
「あ、ああ、”物理結界”を張っておいた」
俺は若干シュンナに引きつつもそう答えた。
俺が張った”物理結界”というのは、このアジト全体を囲むようなもので、俺の”マップ”により赤い表示がされている連中だけを通さないように設定した結界となっている。
「ほんと、便利ね」
「グヘッ」
俺がシュンナに話している間にダンクスが残りと首領のおっさんを片づけたようだ。
「終わったな」
「そうだな」
「スニルは、大丈夫」
シュンナが心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
「ちょっと、やばかったけど、何とかな」
「そうか、まぁ、別に吐いたところで誰も何も言わないぜ。俺だって最初は吐いたもんだからな」
「ああ、あたしも、そこを言うとスニルはすごいかもね」
どうやら、シュンナもダンクスもはじめは吐いたらしい、俺も危なかったからな。
それから、俺たちは構成員の生き残りを始末しつつ、資料などを集めていった。
その結果、今回の依頼人の名前もわかった。
それによりと、どうやらホリエル商会という商会が依頼人だったらしい。
俺たちにはそれがどんな商会かわからないので、その資料はすべて警備隊に渡すことにした。
もちろん、シエリルとワイエノに訪ねることは忘れなかった。
んで、聞いた話によると、ホリエル商会は中央通りにあるこの街でも結構古いそこそこ大きな日常雑貨を主に扱う商会だそうだが、日常だけではなく冒険者向けのものも扱っているという。
というのも、冒険者ギルドで新人が雑貨の店を訪ねれば安く元冒険者が店主でもあるこの店を紹介するが、そうじゃなければ件の店に行くからである。
尤もその店の冒険者向けのものは質が悪く、値段も高いと2人はこぼしていた。
まぁ、こればかりは仕方ないその店の専門は日常であり、冒険者向けは専門ではないからな。
それに対して、2人は元冒険者でありその道のプロだからな。
とまぁ、それはいいとしてその商会は俺たちが襲撃した組織と深いつながりがあったらしく、これまでも数多くの依頼をしていたことが分かったそうで、すぐにでも警備隊による強制家宅捜査が行われた。
その結果、数多くの不正が露見し商会長および経営陣が軒並み逮捕されたという。
んで、商会はというと、経営陣がいなくなれば当然続けられるはずもなくつぶれたという。
こうして、俺たちの襲撃は1つの裏組織と古い商会がつぶれるという結果となった。
それにより、ほかの組織や依頼人もおとなしくなり、あれから数日が経ったがこれまで一度も侵入を試みた者たちはいないことから、ようやくあきらめたんだろうか。
と、おもっていたんだけどなぁ。
どうして、こうなったんだ。
そこで、俺とダンクス、シュンナの3人でその組織を襲撃してしまおうとなった。
なぜ、俺たちが行くのかというと、今回の組織の場所が判明したのは俺のメティスルの力によるものだ。
それを、警備隊や冒険者ギルドに説明は難しいためにできない。
そこで、自由に動き回れる俺たちがさっと行って片づけてしまおうってわけだ。
「さて、あそこがそのアジトなんだが……ああ、確かに地下に気配があるなぁ」
「地下かぁ、んで、どのくらいだ?」
「そうだな、ざっとだが、100ぐらいか」
「結構な規模みたいね」
「そうだろうな。っで、どうするすぐに行くか?」
俺たちは今、その組織の場所と思われるところ付近で会話している。
こんなところで、こんなのんびりと話してもいいのかとなるが、それは問題ない。
というのも付近といっても屋根の上であり、”霧散”を使って気配を散らしているし、なによりシュンナとダンクスも気配を探り、あたりに俺たちに気が付いている者がいないことを確認しているからだ。
「そうだな。いつまでもこんなところにいるわけにもいかねぇしな」
「そうね。さっさと行って、終わらせましょう」
そんなわけで俺たちはすぐに屋根を降りて、アジトである建物に入った。
ここからは敵に気が付かれないように極力会話は避ける。
ということで、シュンナに続いてダンクスがアジト内を散策。
ここで普通なら素人である俺は2人の間に立つというのがセオリーだという(2人に確認したがそれはこの世界でも同じ)のに、俺が最後尾になっている理由は、俺なら最後尾にいても問題なからだ。
まぁ、結界が使えるからな、常に体の周囲に”物理結界”と”魔法結界”を張っているし、何より”探知”で周囲を探りその情報は”マップ”に刻まれる。つまり俺には奇襲自体が通用しない。
されてもその前に気が付くし、何より気が付かなくても攻撃を受けないからな。
そんなわけで、俺が最後尾となったわけだ。
そして、そんな俺たちはアジト内を散策したが特に地下への入り口は見つからない。
どこかに隠されているんだろうか、残念ながら俺ではそれを探るすべを思いつかない。
だが心配無用、シュンナがどこかを探るとすぐに見つけてしまった。
なんでもこういったことは冒険者の必須技能の1つで、特にシュンナはこういうのが得意なんだそうだ。
いわゆる斥候技能だよなこれ。
ちなみに、ダンクスは苦手らしい。
ああ、それとダンクスは現在大剣を背負っているのではなく片手剣を腰に差している。
室内で大剣なんて振れるはずがないからな。
あとは、ナイフをかなりの数用意している。
これは主に投げナイフ用らしい。
投げナイフ、すごくうらやましい技能だよな。俺もそのうちできるように教わろうと思ったのは言うまでもないだろう。
さて、そんなことを考えているうちに、2人が地下室への扉へと入っていったので今度は俺の番。
俺も2人に倣って地下への階段をゆっくりと降りていく。
「グヘェッ……」
俺が降りた途端そんなくぐもった声が聞こえてきた。
そのあとドサッという音と引きずる音がする。
つまり、シュンナが見張りを1人片づけたということだ。
それからも数人の見張りなどを片づけながら慎重に歩を進めていく。
「……だっ!」
俺たちが侵入していること気が付いていなかった構成員だろうか、曲がり角で俺たちと遭遇して驚いたところにダンクスのナイフが刺さった。
こうして、俺たちは次々に敵を倒していったわけだが、さっきもそうだが俺の目の前で行われているのはいうなれば殺人、シュンナもダンクスも気負うことなくそれをこなしていく。
俺はというと、何とか吐くのだけはこらえているが、妙な恐怖心はぬぐえない。
俺だってわかるこいつらのように裏の組織の構成員となれば下手に生かすより始末したほうがいいってことはな。
でも、やはり日本で倫理について学んだ俺としては複雑だ。
とはいえ、普通の日本人よりは耐えられると思う、なにせ、俺は前世ではこういった死と隣り合わせに身を置いているやつならその死について思うところは特になかった。
例えば、格闘家、彼らがやっていることはもとはと言えば敵を倒すためのものだ。そんなものを使い合えば、当然打ち所が悪く命を落とすことだって別に不思議じゃない。
確かに本当に覚悟のうえでやっているやつはいないと思うが、それでもその可能性と前提を知ったうえでやっているはずだからだ。
次は兵士、彼らは文字通り敵を倒すため、殺すためにその場に立っている。だったら、彼らもまたその対象であり、当然その覚悟を持ったうえでその場に立っている。
まぁ、中には国の指導者が間違っていて、間違った戦場に立たされている兵士もいることだろうが、それでも覚悟をもってその場にいる以上例外ではないだろう。
それは、女性兵士とて同じだよな。
そういえば以前、女性兵士が捕虜となり屈辱を受けたという話があったが、それを取り上げると事態がその女性兵士への侮辱だとおもう、だってそうだろ、彼女たちは当然国のため、家族のため、守りたい誰かのために、男たちと同じように戦っているんだ。
それでも、女性というだけで敵にそのような扱いを受けたとしても、それもまた彼女たちは覚悟しているだろうからな。
もちろん、俺だって彼女たち彼らの考えは分からない、これはあくまで俺の推論でしかない。
ちょっと、脱線したが最後は、戦場を駆け巡る報道関係者だろうな。彼らもまた戦場にいくことでその覚悟をしてうえで、戦場の悲惨さを全世界に伝えてくれているんだ。それを見る俺たちは彼らの報せを受けて戦争なんてことはしないさせないと強く思うことがそんな彼らへの礼儀だと思う。
そんな考えを持っているからこそ、こいつらがここで2人に殺されたとしても、それに関しては思うところはない。
だからといって、目の前で人が死んでいく、その光景はあまりいいものではないな。
でも、この世界で旅をして生き抜いていく以上、いつか俺も誰かを殺さなければならないことが起きる。
その時にしり込みをしていては、こっちがやられるからな。
とはいえ、いきなりはできない。
だから、その段階的に見学というわけだ。
「うっ、きついな」
「スニル?」
「大丈夫か?」
俺がつぶやくと、シュンナとダンクスが心配そうに見てきたが、俺は黙って手を上げつつ大丈夫だと示した。
そうして、アジト内を進むことしばしちょっと広めの部屋に出たところで待ち伏せを受けたわけだが、さすがにここまで入り込むと敵も気が付いたようで、やる気満々だ。
「てめぇら、どこの組織のもんだ!」
「生きて帰れるとは思うなよ」
「見つかったみたいだな」
「そうみたいね」
見つかった以上おとなしくしている必要はないため、シュンナとダンクスも声に出してそれぞれの得物を構える。
そうして、始まった戦い、シュンナダンクスVS侵入者組織構成員21人。
その結果を言うと、当然ながらシュンナダンクスが勝った。
それも2人は無傷でだ。ほんとすごいな2人とも!
ちなみに、戦いの最中敵は当然ながら俺にも攻撃を仕掛けてきた。
しかし、先ほども言ったように俺は結界を張っている。
その結界を抜けることなんて、多分シュンナとダンクスの2人でも無理、それなのに敵の構成員ごときができるわけもなく、見事にはじかせてもらったよ。
そうして、はじかれた奴は待ち構えていた2人にあっさりとやられていた。
「ふぅ、ちょっと多かったわね」
「確かにな。でも、まだまだ余裕だろ」
「まぁね。スニルは、大丈夫だった」
「あ、ああ、何とかな。ていうか、ほんと2人とも強すぎだな」
「相手が弱いっていうのもあると思うけどね」
いや、それを考えても強すぎだろ。
「スニルだってやろうとすれば同じぐらいは簡単にできるだろ」
「やろうと思えばね。でも、そう簡単にはいかないだろ」
「まぁ、それは慣れよ慣れ」
あんまり、慣れたくはないけどな。
とまぁ、そんな会話をしながら、俺たちはアジト内を進んでいく。
「ところで、スニルあとどのくらいだ」
「そうだな。ここらで半分ぐらいか」
そう言ってからさらに進むことしばし、もちろんその間に多くの敵と遭遇してこれを倒してる。
「くそっ、なんだこいつら!」
「強すぎる」
「化け物めっ!」
組織の構成員も奮闘しているが、シュンナとダンクスの相手としては不十分のようで、次々に倒されていく。
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というのも、アンカーを持った連中がその場所に移動したからである。
そんなわけで、やってきた目的地にはマップに表示されている通り多くの敵がひしめき合っていた。
その数は40余り、数としてはそこまで多くはないが見たところ精鋭みたいだ。
「ようこそ、招かざる客人たち私はこの組織の首領だ。さて、どのような用向きでやってきたのか聞こうか」
首領と名乗ったひげ面のおっさんが一歩前に出てそういった。
へぇ、こいつも結構強いかもな。
裏組織を率いるだけあって、このおっさんはかなり強そうに見えた。
「俺たちはお前らが昨晩侵入しようとして失敗した工場の関係者でな。せっかく来てもらったのにすぐに帰っちまったみたいだからな。挨拶に来たってわけだ」
ダンクスが皮肉目にそう返事をした。
「ほぉ、何のことかな」
おっさんはとぼけるようだ。
「とぼけても無駄だぜ。工場に張っている結界は特殊でな。触れた奴に目印をつけるんだよ。つまりそいつらに案内してもらったということだ」
ダンクスがそういうと、構成員たちは思わずある一か所に集まった4人を見た。
そいつらこそ、工場に侵入したものたちだった。
「ちっ、くそがっ!」
おっさんは思わずそう悪態をついている。
「追跡機能はつけたばかりでな。運が悪かったんだよ。お前ら」
ダンクスがそんなどこかで聞いたことがありそうなセリフを吐きつつ大剣を構える。
俺たちがいる空間はかなり広く、ダンクスが大剣を振り回しても全く問題ない広さがある。
そこで、事前に大剣を”収納”とつながっているバックから取り出したわけだ。
ダンクスはさすがというべきか、戦闘センスに優れており現在では片手剣より大剣のほうが扱いやすいと豪語しているほどだ。
まぁ、片手剣より大剣のほうが断然ダンクスにあっているから、当然といえば当然だ。
「まぁ、いいだろう、お前たちここまで来て生きて帰れるとは思わないことだ。やれ!」
おっさんはこれ以上の会話は無駄と思ったのか、周囲を囲んでいる部下たちに俺たちを始末するように命じた。
そうして始まった構成員たちとの闘い。
敵の数は40余りといってもやはり精鋭がそろっているようで、ダンクスとシュンナをしてもちょっと手間取っているようだ。
尤も、だからといって全く問題なく倒せているんだどな。
「へぇ、やるな。なら、こっちももう少し本気を出すか」
「そうね、実戦で使うのは初めてだけど、やってみようかしら」
ダンクスは大剣を構えなおしつつ、大剣に風の魔石をはめ、シュンナは双剣にそれぞれの水と風の魔法を付与した。
「ま、魔剣、だと!」
「ざけやがって!」
そこからの光景はまさに蹂躙だな。ダンクスが大剣を振り回すと、その射線上にいる敵はことごとく斬られていく。
そして、シュンナが一閃、また一閃と剣を動かすたびに一方はダンクスと同様に風で斬られ、もう一方は水に包まれたり、ウォーターカッターのように斬られていった。
味方でよかった。うぷっ……っと、あぶねぇ。
危うく吐くところだったよ。危ない危ない。おっと、そうこうしていると、一部が俺に迫ってきた。
もちろん、俺もやられるつもりはない、というか今回はただの見学のために結界を張る。
そうなると、敵の攻撃はその結界にはじかれるわけで、そこには当然隙も生まれる。そこにダンクスかシュンナの攻撃がやってくるわけだ。
「くそっ、なんだ、なんだこいつらは!!」
首領のおっさんは2人のあまりの強さに、最初のころに見せていた余裕はみじんも感じられない状態となった。
そして、あろうことか部下に足止めを命じて自分とその取り巻き数人と部屋を出ていった。
「逃がすかよ!」
「行かせるか!」
ダンクスがそれを追おうすると、それを阻む構成員、見事な忠誠心だな。
「ダンクス、問題ない」
そこで、俺はダンクスに追う必要がないことを告げた。
というのも……。
「な、なんだ、これは?!!!!」
人が説明しようとしているところで、首領の声が響いてきた。
「スニル、何かしたの」
ここで、シュンナがやって来て俺に訪ねてきた。
ていうか、返り血を浴びて笑顔で話しかけんでくれ、怖いんだが……。
「あ、ああ、”物理結界”を張っておいた」
俺は若干シュンナに引きつつもそう答えた。
俺が張った”物理結界”というのは、このアジト全体を囲むようなもので、俺の”マップ”により赤い表示がされている連中だけを通さないように設定した結界となっている。
「ほんと、便利ね」
「グヘッ」
俺がシュンナに話している間にダンクスが残りと首領のおっさんを片づけたようだ。
「終わったな」
「そうだな」
「スニルは、大丈夫」
シュンナが心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
「ちょっと、やばかったけど、何とかな」
「そうか、まぁ、別に吐いたところで誰も何も言わないぜ。俺だって最初は吐いたもんだからな」
「ああ、あたしも、そこを言うとスニルはすごいかもね」
どうやら、シュンナもダンクスもはじめは吐いたらしい、俺も危なかったからな。
それから、俺たちは構成員の生き残りを始末しつつ、資料などを集めていった。
その結果、今回の依頼人の名前もわかった。
それによりと、どうやらホリエル商会という商会が依頼人だったらしい。
俺たちにはそれがどんな商会かわからないので、その資料はすべて警備隊に渡すことにした。
もちろん、シエリルとワイエノに訪ねることは忘れなかった。
んで、聞いた話によると、ホリエル商会は中央通りにあるこの街でも結構古いそこそこ大きな日常雑貨を主に扱う商会だそうだが、日常だけではなく冒険者向けのものも扱っているという。
というのも、冒険者ギルドで新人が雑貨の店を訪ねれば安く元冒険者が店主でもあるこの店を紹介するが、そうじゃなければ件の店に行くからである。
尤もその店の冒険者向けのものは質が悪く、値段も高いと2人はこぼしていた。
まぁ、こればかりは仕方ないその店の専門は日常であり、冒険者向けは専門ではないからな。
それに対して、2人は元冒険者でありその道のプロだからな。
とまぁ、それはいいとしてその商会は俺たちが襲撃した組織と深いつながりがあったらしく、これまでも数多くの依頼をしていたことが分かったそうで、すぐにでも警備隊による強制家宅捜査が行われた。
その結果、数多くの不正が露見し商会長および経営陣が軒並み逮捕されたという。
んで、商会はというと、経営陣がいなくなれば当然続けられるはずもなくつぶれたという。
こうして、俺たちの襲撃は1つの裏組織と古い商会がつぶれるという結果となった。
それにより、ほかの組織や依頼人もおとなしくなり、あれから数日が経ったがこれまで一度も侵入を試みた者たちはいないことから、ようやくあきらめたんだろうか。
と、おもっていたんだけどなぁ。
どうして、こうなったんだ。
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村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
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強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
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目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
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エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
エルティモエルフォ ―最後のエルフ―
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※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています
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生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
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ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
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偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
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俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
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