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時代激戦、激動の中男が誕生!
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「ヨテ!大事だ!もう、無事出来たぞ!」
防空壕の中、その男の子は誕生する。紅い薔薇の如く、顔は紅い。大日本帝国は昭和初期、激動の中に有った。
天皇陛下万歳!誰もがそう称えて居た時代。独りの赤子、渡邉博は戦いの時代に出生する。
「名前はもう、決めてんだー。ひろし!漢字は博物館、博愛主義な!にしても何やってんだべ彦内は!また銃なんて持ってってよ!」
男、博の祖父の福松は大声出して笑いながら言った。昭和の大日本帝国の栃木県、壬生町。時代はアメリカ合衆国との激戦の中だった。
誰もが帝国の為にと薙刀を女達が振るい、男は出征兵士として見送られて生まれ故郷の為国の柱として闘う。
きっと道は天か、誰もがそう願望実現を願って居た。
昭和六年、十二月十九日。日本の誰もが禁じられた肉を食べる時代に変えた男が生まれた。アメリカ合衆国はもう直に全てを救うキリストの生誕祭、クリスマスが行われる世界大戦の最中だった。
「はー。ハーハァあ!ヒロ!きっとこの子は日本を楽園にすっぺよ!にしても可愛いない!」
渡邉ヨテは、微笑んだ寝顔を浮かべる博に笑いながら言った。
「ひこ!ひこ!ヨテの赤ん坊出来たぞ!ハッコ!」
ハッコとは早く来いとの栃木弁である。老人の声に誘われて顔立ちの良い猟銃を携えた若い男、彦内が入って来た。
「おうォ!ヨテ!良くやった!さっきでっけぇえ熊と猪撃って来たんだよ!魚も釣ったっだよ!」
この時は、未だ大日本帝国は誰しもが救われる楽園に日本が変わると信じて居たのだった。
アメリカ戦闘機B29が襲い来るも、大日本帝国は年越しは、年明けはと希望を胸に農地を耕していたのであった。
「お~!おー。すげえでっけぇ熊だなあ!サイチロー見ろ!サイチローも帝国の未来の宝になってくぞ!」
博の友となる坂田佐一朗も、大声で彦内の持って来た大きい熊と良く肥えた猪を見て笑った。
「牛や豚の肉も鳥の肉も俺ら農民は皆、食えねぇ!猪の肉や山の熊の肉でも喰えるし、だから俺は土地より狩りや釣りさ行く!土地なんかより今を生きてく!日本の今を見てりゃ解る。やってる事と言ってる事が違う!」
そう話す彦内は、凄腕の銃士宛らの猟銃使いだった。分家の土地を別ける本宅の話しにも、参加せずに家族の為猟銃と釣り竿を手に山へと奔る。
「それはともかく、他にあっぺか?なんか彦ちゃんは土地貰おうとかは無かったんかい?米でも麦でも作ろうとかはねぇの??オレぁサイチローの事考えてて貰ったってェのに!」
まだ嬰児の佐一朗を抱えながら、坂田佐一朗の父は言った。
「さつき屋と荒川と小管も子供が出来た。この町はきっと変わんべよ」
彦内は顔をしかめた。
「子供らか。果たして子供らが幸せに生きて行く国に変わんのか?こんな争いばっかの国で」
そう言う彦内は、帝国がきな臭い行動を繰り返して居て疑心暗鬼であった!
出征して行った男達が何をしている?アメリカの戦闘機部隊と日本の戦闘機部隊は違い過ぎる。目に余る闇市の表裏。
「そうさない!一行に社会は変わんないもんない!そうしたら彦ちゃん、日本が勝ったらおらんたと仲良く八海山でも飲んでパーっとやんべよ?」
佐一朗の父は明るく能天気に佐一朗と笑った。今晩は月輪熊と猪で博の生誕を祝う。
ヨテが身重で、部落の皆渡辺一族の女性達がカボチャの酔豚(すいとん)や鍋を作ってくれて居た。
「博にはいつか、食い物で泣く事の無い社会を担う百姓になって貰いてぇ!そん為に俺ァ銃を抱えンだ」
天皇陛下万歳!大日本帝国が敗北に徐々に迎えつつ有る事に気付く事など、この時は誰もが知らずに過ごしているのだった。
そして、広島に原子爆弾が落とされ多くの人々の死に傷み、報われる事の無い哀しみの中、博は就学生となり、商戦駅の有る鹿沼市へ妹のマツと共に列車で向かって居た。
「兄さん!まぁ~た男があたしの事狙ってるよぅ!」
渡辺マツが薩摩芋の沢山入って居る袋を抱えながら泣いて博に言った。
「誰が!狙われるのはおめぇじゃね~。その芋でも狙われるんじゃね~?」
博は笑いながら噎せ返る列車の中言った。金目の物になるのは、戦時中は食糧。マツが狙われる様なら、オレが守ると博は決められない居た。
大事だ、姉のヒデが商戦駅で先に待って居る。
防空壕の中、その男の子は誕生する。紅い薔薇の如く、顔は紅い。大日本帝国は昭和初期、激動の中に有った。
天皇陛下万歳!誰もがそう称えて居た時代。独りの赤子、渡邉博は戦いの時代に出生する。
「名前はもう、決めてんだー。ひろし!漢字は博物館、博愛主義な!にしても何やってんだべ彦内は!また銃なんて持ってってよ!」
男、博の祖父の福松は大声出して笑いながら言った。昭和の大日本帝国の栃木県、壬生町。時代はアメリカ合衆国との激戦の中だった。
誰もが帝国の為にと薙刀を女達が振るい、男は出征兵士として見送られて生まれ故郷の為国の柱として闘う。
きっと道は天か、誰もがそう願望実現を願って居た。
昭和六年、十二月十九日。日本の誰もが禁じられた肉を食べる時代に変えた男が生まれた。アメリカ合衆国はもう直に全てを救うキリストの生誕祭、クリスマスが行われる世界大戦の最中だった。
「はー。ハーハァあ!ヒロ!きっとこの子は日本を楽園にすっぺよ!にしても可愛いない!」
渡邉ヨテは、微笑んだ寝顔を浮かべる博に笑いながら言った。
「ひこ!ひこ!ヨテの赤ん坊出来たぞ!ハッコ!」
ハッコとは早く来いとの栃木弁である。老人の声に誘われて顔立ちの良い猟銃を携えた若い男、彦内が入って来た。
「おうォ!ヨテ!良くやった!さっきでっけぇえ熊と猪撃って来たんだよ!魚も釣ったっだよ!」
この時は、未だ大日本帝国は誰しもが救われる楽園に日本が変わると信じて居たのだった。
アメリカ戦闘機B29が襲い来るも、大日本帝国は年越しは、年明けはと希望を胸に農地を耕していたのであった。
「お~!おー。すげえでっけぇ熊だなあ!サイチロー見ろ!サイチローも帝国の未来の宝になってくぞ!」
博の友となる坂田佐一朗も、大声で彦内の持って来た大きい熊と良く肥えた猪を見て笑った。
「牛や豚の肉も鳥の肉も俺ら農民は皆、食えねぇ!猪の肉や山の熊の肉でも喰えるし、だから俺は土地より狩りや釣りさ行く!土地なんかより今を生きてく!日本の今を見てりゃ解る。やってる事と言ってる事が違う!」
そう話す彦内は、凄腕の銃士宛らの猟銃使いだった。分家の土地を別ける本宅の話しにも、参加せずに家族の為猟銃と釣り竿を手に山へと奔る。
「それはともかく、他にあっぺか?なんか彦ちゃんは土地貰おうとかは無かったんかい?米でも麦でも作ろうとかはねぇの??オレぁサイチローの事考えてて貰ったってェのに!」
まだ嬰児の佐一朗を抱えながら、坂田佐一朗の父は言った。
「さつき屋と荒川と小管も子供が出来た。この町はきっと変わんべよ」
彦内は顔をしかめた。
「子供らか。果たして子供らが幸せに生きて行く国に変わんのか?こんな争いばっかの国で」
そう言う彦内は、帝国がきな臭い行動を繰り返して居て疑心暗鬼であった!
出征して行った男達が何をしている?アメリカの戦闘機部隊と日本の戦闘機部隊は違い過ぎる。目に余る闇市の表裏。
「そうさない!一行に社会は変わんないもんない!そうしたら彦ちゃん、日本が勝ったらおらんたと仲良く八海山でも飲んでパーっとやんべよ?」
佐一朗の父は明るく能天気に佐一朗と笑った。今晩は月輪熊と猪で博の生誕を祝う。
ヨテが身重で、部落の皆渡辺一族の女性達がカボチャの酔豚(すいとん)や鍋を作ってくれて居た。
「博にはいつか、食い物で泣く事の無い社会を担う百姓になって貰いてぇ!そん為に俺ァ銃を抱えンだ」
天皇陛下万歳!大日本帝国が敗北に徐々に迎えつつ有る事に気付く事など、この時は誰もが知らずに過ごしているのだった。
そして、広島に原子爆弾が落とされ多くの人々の死に傷み、報われる事の無い哀しみの中、博は就学生となり、商戦駅の有る鹿沼市へ妹のマツと共に列車で向かって居た。
「兄さん!まぁ~た男があたしの事狙ってるよぅ!」
渡辺マツが薩摩芋の沢山入って居る袋を抱えながら泣いて博に言った。
「誰が!狙われるのはおめぇじゃね~。その芋でも狙われるんじゃね~?」
博は笑いながら噎せ返る列車の中言った。金目の物になるのは、戦時中は食糧。マツが狙われる様なら、オレが守ると博は決められない居た。
大事だ、姉のヒデが商戦駅で先に待って居る。
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