彼女と喧嘩したら乙女ゲーの悪役令嬢に転生しちゃいました!?

桜乃

文字の大きさ
3 / 56

婚約者がやってきた!

しおりを挟む
ノックの音に『はい』と返事をすると、ゆっくりと扉が開かれそこに現れた人物それは……
「百!?倒れたって聞いたんだけど大丈夫!?」
そうだ…忘れてた…私の婚約者の『月城玲央』
少しふんわりした性格だけど、怒ったら怖いってあかりは言ってたっけ。
「ごきげんよう、玲央様」
「ごきげんようじゃ無いよ!百本当に大丈夫?」
「ふふっ、玲央様が来てくださいましたから、もう大丈夫です」
「そっか、よかったぁ…」
この人攻略対象じゃ無いからか、ヒロインに一番優しくていい人じゃんって思うかも何だけど
私の事が好きすぎて、私の言う事は何でも聞くから
ヒロインに意地悪する計画に乗ってきたり、手助けをしたりするらしい…
まぁ!私が転生したからにはそんな事はさせないんだけどね!
と言うかこの世界本当にヒロインに優しくなさすぎるよ…まだ見ぬヒロインに私は少し同情してしまった。
「そうだ百!今日はね百が好きそうな本もってきたんだぁ」
「本…ですか?」
「そう!えっと…これ!」
そう言って手渡されたのは、綺麗な装飾が施された本だった。
表紙にはエプロンドレスにリボンを付けた女の子が描いてあった。
これはもしかして不思議の国のアリスだろうか?嬉しいなこの世界にもあったなんて
それにこの世界の百もアリスが好きなんだ、ほんと私とそっくり。
「これ……いただいてもよろしいのでしょうか?」
「うん!」
「ありがとうございます玲央様…大切にします」
「喜んでくれて僕もうれしい、あ、そうだ、この本一緒に読もうよ!二人の方がきっと楽しいし」
「えっと……」
「だめかな……?」
「いえ!そんなことありませんわ!では、お言葉に甘えて……」
「やった!それじゃあ」
そう言うと玲央様は私の近くに座り本を広げた。
「ほら、ここ座って」
そう言いながらポンポンと自分の膝の上を叩く。
その仕草がまるで子供みたいで思わず笑みを浮かべてしまう。
「玲央様……?その体勢は……」
「だって二人で読むならこれが良いと思って、はいどうぞ?」
いやいや、そんな笑顔で言われましても……
「さすがに恥ずかしいですよ……」
「僕は気にしないよ?だからおいで?」
うっ……そんな甘い声で言われたら断れないじゃない……
「分かりました……失礼致します……」
そう言って彼の上に腰を下ろすと、彼は嬉しそうにぎゅっと抱きしめてきた。
そして後ろからページをめくっていく。
「ねぇ、百はどのシーンが好きなの?」
「そうですね……やはりアリスが一番好きですよ」
「やっぱり?僕はチェシャ猫だなぁ、なんか自由奔放って感じで憧れちゃうよ」
「ふふっ、確かにあのキャラクターは魅力的かもしれませんわね」
「でしょ?あ、あと白ウサギも良いよね、ちょっとドジで可愛いし」
「えぇ、白ウサギはとても可愛らしいと思いますわ」
「あ、百、このシーンは?」
「これは……」
そんな会話をしながら私たちは本の世界を楽しんでいった。
「玲央様、そろそろ戻らないと……」
「んー、もう少しだけ……ダメ?」
「ダメ……じゃないですけど……」
「やった!ありがと」
あれから数十分経ったけど、彼はずっと私のことを離してくれない。
「そうだ、百は来年学園に行くんだよね?」
「はい、そのつもりですが…何かありましたか?」
「いや、ちょっと変な噂聞いちゃって」
それから、ぽつぽつと玲央様が話し始めたのは予想もつかない出来事だった…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。

星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。 引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。 見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。 つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。 ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。 しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。 その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…? 果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!? ※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

処理中です...