彼女と喧嘩したら乙女ゲーの悪役令嬢に転生しちゃいました！？

二人の転生者

重い空気の中、最初に声を上げたのは玲央様だった。
「このまま百の家に向かうのでよかったんだよね？」
「はい、お二人とも大丈夫でしょうか？」
「俺は大丈夫だよ、瀬名さんは？」
「私も別に大丈夫です…」
「わかりました、では改めて行きましょうか」
こうして私達三人では私の家へと向かう事になった。
そう言えば玲央様以外の方が私が招待するのってここに来てから初めてな気がする。
なんて考えていたら私の家の前に着いていた。
「…………ここがお家…」
「さ、二人ともどうぞ」
「おじゃまします…」
「お邪魔します」
そう言って二人を招き入れた。
玲央様は慣れた様子で私の家に入るが瀬名様は緊張しているのか
周りをキョロキョロと見回している。
そりゃそうだよね、だっていきなり話があるって言われて呼ばれて
こんな家に案内されたら誰だってこうなる。
「お嬢様、お帰りなさいませ。あら？そちらの方は？」
「あーえっと、学園のお友達です。ちょっと、お話がありましてご招待したんです」
「なるほど、では、ごゆっくり」
「ありがとう、じゃあ行きましょう？」
「はい……」
私の後について行くように二人はついていく。
私の部屋に入り、椅子に座ってもらいお茶を用意する。
「それで、話って言うのは……」
「単刀直入に言います、瀬名様は転生と言う言葉をご存じ？」
「転生……じゃあ、やっぱり百は…」
「貴方…やっぱりそうなんですね…」
「転生？って百は何か分かってるの？」
「玲央様、今から私が言う事は全て本当の事です。信じるのも信じないのも
玲央様次第、私をおかしな子と思ってもらっても構いません…」
「大丈夫、俺は百の事を信じるよ」
真剣な目でそう言ってくれた玲央様をた信じて、私はここまであった事
私がどういった存在で、どうしてここにいるのかを話した。
「百が転生者…それで悪役令嬢…だっけ？信じられないな……」
「信じられなくて普通です、でもすべて本当の事」
「ううん、信じるよ。百は嘘をつく子じゃないもんね」
「玲央様…」
「それで、瀬名さんとも関係があるんだよね？」
「話してくれますよね？瀬名様…」
「うん…まず、私も前世の記憶があります、でも、百みたいに事故とかじゃなくて
寝落ちてて気づいたら、この世界にいました」
「そっか…あの…前世の私は…？」
「眠ってる、だから死んだとかじゃないと思う…」
「…………そっか」
「なるほど…瀬名さんも転生者…で？二人の事は分かったけど、恋人って言ってたのは何？」
「あーそれは…」
「私達前世で恋人同士だったんです！ね？百」
「はい、そうですね」
「……へぇ」
そう言った玲央様の笑顔が怖かったのは気のせいだろうか。
「ねぇ、百」
「なんですか？」
「もう、名前呼んでくれないの？」
「……あかり」
「ふふ、やっぱりその呼び方の方が好きだなぁ」
「俺の前でイチャイチャするのはやめてくれないかなぁ」
「あ、ごめんなさい……つい」
「恋人同士だったのって前世でしょ？今は俺が百の婚約者だから」
「なっ！私だって百が大好きなんです！ね？百」
二人が私を取り合ってる、ゲームとかだったら嬉しい展開なんだろうけど
私からしたらどうしたらいいか分からなくて困る。
「その…今日はこの辺にしませんか？」
「むぅ～百のそういうところ前世と変わらないよね～いいよ、明日も会えるんだし」
「それ、マウントのつもり？でも、そうだね…また明日迎えに来るからね」
こうして、今日の話し合いは終了した。
っとそうだ…私にはまだ話し合わないといけない人物がいるんだった。
…お兄様、きっとびっくしますよね…はぁ…