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学園編
おとぎ話
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「小鳥遊さんちょっといい?」
帰ろうとした所を九条院先輩に声を掛けられて
、 私は足を止める。
先輩に連れられて生徒会室を出て人気のない場所に移動する。
先輩は私の方を向かず前を見て歩いている。
私は先輩に付いて行く形で歩いていて 、会話はなかった。
しばらく歩くと先輩は立ち止まって振り返り私の方を見る。
「さっきの君の話を聞いてて思い出したことがあってね……」
「思い出したことですか……?」
「昔、異世界から来た人間の話を聞いた事を思い出してね。なにか参考になればなって」
「異世界から……その話はどなたから?」
「俺のおばあ様だよ、おばあ様はその話が好きで、俺によく話してくれたんだ」
と、懐かしむように話す。
それから先輩は自分の祖母の話を語り始めた。
それは遠い昔の事。
この町に一人の人間が現れた、その人間はどこか不思議な
雰囲気をまとっていて、 その人間が通った後は草木が元気になると言う話もあったそうだ。
最初はみんなその人物に興味を持たなかったけど、その人物が町に来て一年が経った頃 、突然町に異変が起きた。
なんとその人物は魔法を使うことが出来たのだ。
町の人達は歓喜した。これでこの町は救われると。
だけど同時にその人物は恐怖の対象となった。
人々はその人物を魔女と呼び恐れるようになった。
それでもその人物はめげずに人々の為に力を使った。
ある時は作物が育たなくなった土地を豊作にして、またある時には疫病を治してと、その活躍は国中に知れ渡った。
だが、その出来事から数年後、その人は突如姿を消した。
そしてその後、その土地では不作が続いた。
そのせいで多くの人が飢えに苦しみ死んでいった。
それを聞いた国の偉い人は、その人を呼び戻すため使いを出した。
しかし、その人が戻ることは無かった。
「……っと大体こんな話なんだけど、どう?参考になりそう?」
「はい……ありがとうございます」
「そっか、よかった」
「あの……その人はやっぱり私みたいな人だったのでしょうか?」
「どうだろうね、ただのおとぎ話だと俺は思ってたから良くわからないけど……でも、小鳥遊さんはみんなから怖がられたりして無いでしょ?」
「たぶん……」
「じゃあ、大丈夫だよ」
九条院先輩は私に向かって笑いかけた。
私はその笑顔を見て心が軽くなった気がした。
でも、おとぎ話にも残っているような話が今私の周りで起こっている……
その人が戻らなかったって言うけれどきっとそれは……元の世界に帰ったから?
前にあかりと図書館に行ったときに読んだ本にも私達と似た話が載っていた、やっぱり過去にも私達と同じ
人がいたのかもしれない……
もしそうなら……その人はどうなったの? そんなことを考えていると九条院先輩は時計を確認して もう遅いし家まで送ろうかと言ってくれたけれど
少し用事があるので、と嘘を付いて一人で家まで帰った。
家に着いて自分の部屋に入ってベッドに倒れ込む。
今日一日で色々なことがありすぎて頭がパンクしてしまいそうだった。
この世界の事、魔法の事、魔族の事、考えることが日に日に増えて
行って 私の中で答えが出せないまま時間が過ぎて行く。
このままだとダメだってわかっているのに……
私は一体どうすれば……
「両方の世界に行ける力があればいいのにな……」
と呟きため息を付いた。
帰ろうとした所を九条院先輩に声を掛けられて
、 私は足を止める。
先輩に連れられて生徒会室を出て人気のない場所に移動する。
先輩は私の方を向かず前を見て歩いている。
私は先輩に付いて行く形で歩いていて 、会話はなかった。
しばらく歩くと先輩は立ち止まって振り返り私の方を見る。
「さっきの君の話を聞いてて思い出したことがあってね……」
「思い出したことですか……?」
「昔、異世界から来た人間の話を聞いた事を思い出してね。なにか参考になればなって」
「異世界から……その話はどなたから?」
「俺のおばあ様だよ、おばあ様はその話が好きで、俺によく話してくれたんだ」
と、懐かしむように話す。
それから先輩は自分の祖母の話を語り始めた。
それは遠い昔の事。
この町に一人の人間が現れた、その人間はどこか不思議な
雰囲気をまとっていて、 その人間が通った後は草木が元気になると言う話もあったそうだ。
最初はみんなその人物に興味を持たなかったけど、その人物が町に来て一年が経った頃 、突然町に異変が起きた。
なんとその人物は魔法を使うことが出来たのだ。
町の人達は歓喜した。これでこの町は救われると。
だけど同時にその人物は恐怖の対象となった。
人々はその人物を魔女と呼び恐れるようになった。
それでもその人物はめげずに人々の為に力を使った。
ある時は作物が育たなくなった土地を豊作にして、またある時には疫病を治してと、その活躍は国中に知れ渡った。
だが、その出来事から数年後、その人は突如姿を消した。
そしてその後、その土地では不作が続いた。
そのせいで多くの人が飢えに苦しみ死んでいった。
それを聞いた国の偉い人は、その人を呼び戻すため使いを出した。
しかし、その人が戻ることは無かった。
「……っと大体こんな話なんだけど、どう?参考になりそう?」
「はい……ありがとうございます」
「そっか、よかった」
「あの……その人はやっぱり私みたいな人だったのでしょうか?」
「どうだろうね、ただのおとぎ話だと俺は思ってたから良くわからないけど……でも、小鳥遊さんはみんなから怖がられたりして無いでしょ?」
「たぶん……」
「じゃあ、大丈夫だよ」
九条院先輩は私に向かって笑いかけた。
私はその笑顔を見て心が軽くなった気がした。
でも、おとぎ話にも残っているような話が今私の周りで起こっている……
その人が戻らなかったって言うけれどきっとそれは……元の世界に帰ったから?
前にあかりと図書館に行ったときに読んだ本にも私達と似た話が載っていた、やっぱり過去にも私達と同じ
人がいたのかもしれない……
もしそうなら……その人はどうなったの? そんなことを考えていると九条院先輩は時計を確認して もう遅いし家まで送ろうかと言ってくれたけれど
少し用事があるので、と嘘を付いて一人で家まで帰った。
家に着いて自分の部屋に入ってベッドに倒れ込む。
今日一日で色々なことがありすぎて頭がパンクしてしまいそうだった。
この世界の事、魔法の事、魔族の事、考えることが日に日に増えて
行って 私の中で答えが出せないまま時間が過ぎて行く。
このままだとダメだってわかっているのに……
私は一体どうすれば……
「両方の世界に行ける力があればいいのにな……」
と呟きため息を付いた。
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