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学園編
玲央様と私
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放課後までの時間はあっという間に過ぎて行き、ついに待ちに待った時間がやってきた。
屋上の扉の前に立った私はもう一度深呼吸をしてドアノブに手を掛けた。
ガチャッと音をたてて開いた先には、こちらに背を向けて立っている玲央様がいた。
私は意を決して、彼の名前を呼んだ。
「玲央様!お待たせしてしまいましたか?」
「ううん、大丈夫だよ」
振り向いてくれた彼は、いつも通り優しく微笑んでくれた。
その笑顔を見て、少し安心したけれど、やっぱり緊張してしまう。
「それならよかったです……それで……」
「何か、話があるんだよね……?」
「はい……」
私がそう言うと、玲央様は真剣な表情になり、私も負けじと玲央様を見つめ返した。
玲央様は、私が話すのを待ってくれているみたいだ。
玲央様の瞳には、私が映っている。私は、それを確認してから口を開いた。
「…………玲央様は……魔族と何か関係があるのでしょうか……?」
「…………どうして?」
「前に話したとき、悲しいそうな顔をしていたから……それと、何かあるのなら力になりたくて」
私がそう言い終わると、玲央様は目を伏せてしまった。
どうしよう……もしかしたら、触れてはいけないことだったのだろうか……? 私は不安になって、思わず俯いてしまう。
すると、玲央様は私の手を握ってきた。
驚いて顔を上げると、そこには悲しそうな笑みを浮かべた彼がいた。
そして、彼はゆっくりと語り始めた。
自分の事を、そして自分の正体を。
「…………今の俺は魔族では、ないよ。けれど……前世は魔族だった」
「…………え」
「今は人間として生きている。でも、前世とはいえ、俺の中には今でも魔族の血が流れてる…………君は優しい人だから、きっとこのことを知ったら俺のことを嫌いになってしまうんじゃないかって」
「そんな事ないです………!!確かに聞いてびっくりはしましたが、でも玲央様は玲央様です……!!もし、魔族だったとしてもそれは変わりません……」
「百……ありがとう、でも無理しなくていいんだよ?」
「無理などしてません、私は今の玲央様が大好きです。でも、前世の玲央様に会っても私は玲央様を好きになります……!だから、心配しないでください!」
私がそう言って笑うと、玲央様は目を大きく見開いてから泣きそうな顔をして、私を抱きしめてきた。
突然の出来事に私は戸惑ったけれど、玲央様が震えていることに気がついてそっと背中に腕を回して、子供をあやすようにぽんぽんっと軽く叩いた。
暫くして落ち着いたのか、玲央様は体を離してくれた。
「…………ありがとう」
「いいえ、私はずっと玲央様の味方です」
「…………小さい頃から悩んでいたけど、百のおかげですっきりした」
「玲央様の力になれたようでよかったです」
私がそう言うと、玲央様は微笑んでくれた。
それから二人で笑いあってから、玲央様が帰ろうかと言ってきたので、私ははいと答えて彼の隣を歩き出した。
夕焼けに染まる空を見ながら、私は玲央様と今までの思い出話に花を咲かせた。
私はどんな玲央様でも好きだと言える自信がある、それは玲央様も同じだと
嬉しいなと思った。
これからも、私は玲央様の隣にいたい。
そう思いながら、私は玲央様の手を握った。
その日の夜、私は夢を見た。
そこは、真っ暗な空間が広がっていた。
何処かわからないけれど、そこに一人ぽつんと立っていた。何だろうと不思議に思っていると、急にあたりが明るくなった。
眩しくて目を細めていたら、声が聞こえた。
―――
貴女は、私の大切な人を救ってくれた。
だから、これは私からのご褒美。
貴女の願いを叶えましょう。
さぁ、目を覚まして。
そこで、私は目を覚ました。
屋上の扉の前に立った私はもう一度深呼吸をしてドアノブに手を掛けた。
ガチャッと音をたてて開いた先には、こちらに背を向けて立っている玲央様がいた。
私は意を決して、彼の名前を呼んだ。
「玲央様!お待たせしてしまいましたか?」
「ううん、大丈夫だよ」
振り向いてくれた彼は、いつも通り優しく微笑んでくれた。
その笑顔を見て、少し安心したけれど、やっぱり緊張してしまう。
「それならよかったです……それで……」
「何か、話があるんだよね……?」
「はい……」
私がそう言うと、玲央様は真剣な表情になり、私も負けじと玲央様を見つめ返した。
玲央様は、私が話すのを待ってくれているみたいだ。
玲央様の瞳には、私が映っている。私は、それを確認してから口を開いた。
「…………玲央様は……魔族と何か関係があるのでしょうか……?」
「…………どうして?」
「前に話したとき、悲しいそうな顔をしていたから……それと、何かあるのなら力になりたくて」
私がそう言い終わると、玲央様は目を伏せてしまった。
どうしよう……もしかしたら、触れてはいけないことだったのだろうか……? 私は不安になって、思わず俯いてしまう。
すると、玲央様は私の手を握ってきた。
驚いて顔を上げると、そこには悲しそうな笑みを浮かべた彼がいた。
そして、彼はゆっくりと語り始めた。
自分の事を、そして自分の正体を。
「…………今の俺は魔族では、ないよ。けれど……前世は魔族だった」
「…………え」
「今は人間として生きている。でも、前世とはいえ、俺の中には今でも魔族の血が流れてる…………君は優しい人だから、きっとこのことを知ったら俺のことを嫌いになってしまうんじゃないかって」
「そんな事ないです………!!確かに聞いてびっくりはしましたが、でも玲央様は玲央様です……!!もし、魔族だったとしてもそれは変わりません……」
「百……ありがとう、でも無理しなくていいんだよ?」
「無理などしてません、私は今の玲央様が大好きです。でも、前世の玲央様に会っても私は玲央様を好きになります……!だから、心配しないでください!」
私がそう言って笑うと、玲央様は目を大きく見開いてから泣きそうな顔をして、私を抱きしめてきた。
突然の出来事に私は戸惑ったけれど、玲央様が震えていることに気がついてそっと背中に腕を回して、子供をあやすようにぽんぽんっと軽く叩いた。
暫くして落ち着いたのか、玲央様は体を離してくれた。
「…………ありがとう」
「いいえ、私はずっと玲央様の味方です」
「…………小さい頃から悩んでいたけど、百のおかげですっきりした」
「玲央様の力になれたようでよかったです」
私がそう言うと、玲央様は微笑んでくれた。
それから二人で笑いあってから、玲央様が帰ろうかと言ってきたので、私ははいと答えて彼の隣を歩き出した。
夕焼けに染まる空を見ながら、私は玲央様と今までの思い出話に花を咲かせた。
私はどんな玲央様でも好きだと言える自信がある、それは玲央様も同じだと
嬉しいなと思った。
これからも、私は玲央様の隣にいたい。
そう思いながら、私は玲央様の手を握った。
その日の夜、私は夢を見た。
そこは、真っ暗な空間が広がっていた。
何処かわからないけれど、そこに一人ぽつんと立っていた。何だろうと不思議に思っていると、急にあたりが明るくなった。
眩しくて目を細めていたら、声が聞こえた。
―――
貴女は、私の大切な人を救ってくれた。
だから、これは私からのご褒美。
貴女の願いを叶えましょう。
さぁ、目を覚まして。
そこで、私は目を覚ました。
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