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学園編
お兄様と私
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「………お兄様、お待たせしました」
「百!いきなり大切な話があるって……って皆も一緒なんだね?」
「は、はい……!こんにちは」
「こんにちは、こんな所でもあれだし、どこか別の所に行こうか」
そうして、近くのカフェへと向かった。
皆が思い思いの飲み物を注文し、店員が去って行ったあと、私は意を決して口を開いた。
「お兄様……私元の世界に帰ります」
「………うん、何となくそんな気はしてた」
「えっ?どうして………」
「俺は百のお兄ちゃんだよ?妹の変化ぐらいすぐ分かるに決まってるだろう?」
お兄様の言葉に私は驚いた。まさか気づいていたなんて。
けれど、それ以上に嬉しかった。私が帰ることを望んでいないと思っていたから。
そんな風に思ってくれていた事がとても嬉しい。
だからこそ、きちんと自分の言葉で伝えなければと思った。
「元の世界に帰る魔法がこの間見つかったんです……それと同時に行き来する魔法も」
「へぇ……君たちもその話は知ってたの?」
「はい……俺たちは今日の昼休みに」
「私は今朝百から聞きました」
「なるほど、それで俺にも伝えることにしたんだね」
お兄様は、全てを理解して私を見つめてきた。
その瞳には寂しさが滲んでいる気がした。
けれど、それも一瞬の事ですぐにいつもの優しい表情に戻った。
「でも……!行き来できる魔法も見つかったんです、それで、あかりと相談して、試してみることにしたんです」
私がそう告げると、お兄様は目を大きく見開いた。
そして、少し考え込むような仕草を見せた後、真剣な眼差しでこちらを見た。
その視線に思わず身構えてしまった。
そして、お兄様はゆっくりと口を開きこう告げた。
「百なら大丈夫だよ、きっと」
「お兄様……ありがとうございます……!」
お兄様はやっぱりすごい、何もかも分かってるみたい。
私達の事を分かってくれている、そんなお兄様のことが大好きなのだ。
それからしばらく話をした後、皆とは別れた。
私はお兄様と久しぶりに並びながら家まで帰ることにした。こうして二人で並んで歩くのは何年ぶりだろうかと考えながら歩いていると、ふとお兄様が話しかけてきた。お兄様の声はとても優しくて心地よかった。
そんな声色で、私のことを呼んでくれた。
それだけのことがどうしようもなく幸せで、泣きそうになってしまう。
そんな私の頬に、暖かいものが触れた。
それは紛れもない、お兄様の手だった。その手はとても暖かくて大きくて安心感を与えてくれるものだった。
「…………実は百が元の世界に帰ることは昔から分かってたんだ」
「昔から……?」
「うん、百も見たことがあるだろう?予知夢ってやつ」
「はい……まさか……!」
「うん、そのまさか。前にほんとに百か?って聞いた夜にね、百がいなくなる夢を見たんだ……まさかそれが本当になるとは思わなかったけどね」
「そうだったのですね………でも!私はいなくなりません……」
「うん、信じてるよ」
お兄様は、優しく微笑むと私の頭を撫でてくれた。
その笑顔に、言葉に、行動にどれだけ救われたことか。
私もいつか、お兄様にとってのそういう存在になりたいと思う。
そして、もっと頼って欲しいとも思う。
お兄様は何でも一人で抱え込んでしまうところがあるから心配だ。
まあ、私なんかじゃ頼りないかもしれないけれど。
それでも、少しでも力になれるように頑張ろうと思った。
「お兄様!」
「ん?なんだい?」
「大好きです……!!」
「ふふ、俺も大好きだよ」
そんな事を言いあいながら私達は
歩き続けた。
夕日が私達を照らしてくれていて、とても綺麗だ。
この美しい景色は、私の大切な思い出としていつまでも残るだろう。
だから、私は忘れたくない。
どんなに辛くても、苦しくても、悲しくても、私は絶対に乗り越えられると信じたいから。
だから、私は皆のことを絶対に忘れないと心に誓った。
「百!いきなり大切な話があるって……って皆も一緒なんだね?」
「は、はい……!こんにちは」
「こんにちは、こんな所でもあれだし、どこか別の所に行こうか」
そうして、近くのカフェへと向かった。
皆が思い思いの飲み物を注文し、店員が去って行ったあと、私は意を決して口を開いた。
「お兄様……私元の世界に帰ります」
「………うん、何となくそんな気はしてた」
「えっ?どうして………」
「俺は百のお兄ちゃんだよ?妹の変化ぐらいすぐ分かるに決まってるだろう?」
お兄様の言葉に私は驚いた。まさか気づいていたなんて。
けれど、それ以上に嬉しかった。私が帰ることを望んでいないと思っていたから。
そんな風に思ってくれていた事がとても嬉しい。
だからこそ、きちんと自分の言葉で伝えなければと思った。
「元の世界に帰る魔法がこの間見つかったんです……それと同時に行き来する魔法も」
「へぇ……君たちもその話は知ってたの?」
「はい……俺たちは今日の昼休みに」
「私は今朝百から聞きました」
「なるほど、それで俺にも伝えることにしたんだね」
お兄様は、全てを理解して私を見つめてきた。
その瞳には寂しさが滲んでいる気がした。
けれど、それも一瞬の事ですぐにいつもの優しい表情に戻った。
「でも……!行き来できる魔法も見つかったんです、それで、あかりと相談して、試してみることにしたんです」
私がそう告げると、お兄様は目を大きく見開いた。
そして、少し考え込むような仕草を見せた後、真剣な眼差しでこちらを見た。
その視線に思わず身構えてしまった。
そして、お兄様はゆっくりと口を開きこう告げた。
「百なら大丈夫だよ、きっと」
「お兄様……ありがとうございます……!」
お兄様はやっぱりすごい、何もかも分かってるみたい。
私達の事を分かってくれている、そんなお兄様のことが大好きなのだ。
それからしばらく話をした後、皆とは別れた。
私はお兄様と久しぶりに並びながら家まで帰ることにした。こうして二人で並んで歩くのは何年ぶりだろうかと考えながら歩いていると、ふとお兄様が話しかけてきた。お兄様の声はとても優しくて心地よかった。
そんな声色で、私のことを呼んでくれた。
それだけのことがどうしようもなく幸せで、泣きそうになってしまう。
そんな私の頬に、暖かいものが触れた。
それは紛れもない、お兄様の手だった。その手はとても暖かくて大きくて安心感を与えてくれるものだった。
「…………実は百が元の世界に帰ることは昔から分かってたんだ」
「昔から……?」
「うん、百も見たことがあるだろう?予知夢ってやつ」
「はい……まさか……!」
「うん、そのまさか。前にほんとに百か?って聞いた夜にね、百がいなくなる夢を見たんだ……まさかそれが本当になるとは思わなかったけどね」
「そうだったのですね………でも!私はいなくなりません……」
「うん、信じてるよ」
お兄様は、優しく微笑むと私の頭を撫でてくれた。
その笑顔に、言葉に、行動にどれだけ救われたことか。
私もいつか、お兄様にとってのそういう存在になりたいと思う。
そして、もっと頼って欲しいとも思う。
お兄様は何でも一人で抱え込んでしまうところがあるから心配だ。
まあ、私なんかじゃ頼りないかもしれないけれど。
それでも、少しでも力になれるように頑張ろうと思った。
「お兄様!」
「ん?なんだい?」
「大好きです……!!」
「ふふ、俺も大好きだよ」
そんな事を言いあいながら私達は
歩き続けた。
夕日が私達を照らしてくれていて、とても綺麗だ。
この美しい景色は、私の大切な思い出としていつまでも残るだろう。
だから、私は忘れたくない。
どんなに辛くても、苦しくても、悲しくても、私は絶対に乗り越えられると信じたいから。
だから、私は皆のことを絶対に忘れないと心に誓った。
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