忘愛症候群

夢月

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屋上

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7月14日

今日は鈴が本を持ってきてくれた。
「これでも読んで落ち着いて」だってさ
ほんと、鈴は優しいなぁ、、、


7月15日

今日はあいつが来た。
また俺は何の罪もないあいつを怒鳴ってしまった、、、
最低だな...俺
そうえばあいつの名前なんだっけ、、、?


7月16日

今日もあの女が来た、、
そしてまた怒鳴ってしまった...
すると女は「ごめんね、、」といい、去っていった。
女の発った席を見るとそこにはきれいな花束が置いてあった。


7月17日

今日は鈴にあの女と出会った理由
どうして付き合ったのか
どこまで関係が進んでいたのか
あの女の名前
誕生日を聞いてみた。
すると鈴は笑って答えてくれた。
名前は橘 花恋。
誕生日は3日後の7月20日
出会ったのはアサガオカ公園で倒れてるところを助けてもらったらしく、そこから意気投合して付き合ったらしい。
俺たちは結婚の約束もしていたらしく特に俺は花恋にデレデレだったらしい。
今では信じられない話だけど俺は泣いた。
そんなにも愛していた花恋の心を踏みにじるようなことを俺はしていたから、、、


7月18日

今日も花恋が来た。
でも昨日あんなに嘆き悔やんだのにまた怒ってしまった
花恋がさみしそうな背中で帰っていくのを見て俺はまた泣いた。


7月19日

今日は知らない女が来た。
俺が「誰ですか?出てってください」というと女は「ついに存在まで忘れてしまったんだね、、」と泣きそうな顔で言いかえっていった。
後から日記を見返して分かったことはその女は花恋という名前でかつて俺が愛した人物だってこと。







忘れたのは2回目なのか、、、?
しかもだんだんと花恋の記憶が薄れていくのをなんとなく感じて怖くなった俺は壁に頭をガンガンと何度も打ち付けて自殺をはかろうとしたが看護師さんに止められ、結局死ぬことはできず、ずっと鈴とお話をしてた。


7月20日

今日は花恋の誕生日。
この日の為に俺は鈴と画材屋さんにいってスケッチブック、パステル、油絵具、ついでに花恋は理数系が苦手らしいから本屋で数学と理科の参考書を買った。
なぜこんなにもいろいろと買ったのか。その理由は


「遙ちゃん!!花恋ちゃんが!!!!」

「...え、?」

俺が日記を書いている途中、いつもより早い時間帯に鈴が来て焦ったような青ざめたような表情で息を切らしながら言ってきたため一大事なんだなと思い急いでついていった先は病院の屋上だった...。
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