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佐鳥姫の憂鬱 〜朝日を羨む夜の月〜
あなたの声が聞こえない 11
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「夜間瀬先生って、ちょっと変わってるんだって? 柚樹から聞いたー」
薬学自主研究ゼミナールの研究室を訪れた翌日、いつものようにベランダに出て洗濯物を干していると、深春が上の階からひょっこりと顔を出す。その手には小さなジョウロがある。ブリキの可愛らしいジョウロだ。ベランダで花や苗を育てているのだろう。
「そうね」
小さな声で返事をする。下の階から上の階へ声が届くとは思えないが、深春はかまわず身を乗り出して話しかけてくる。
「今日も夜間瀬先生いるかなぁ?」
何気に上を見上げたら、深春の手にあるジョウロが傾いているのが見える。
「あ、あぶな……」
話に気を取られて、ジョウロを持っていることすら忘れているのかもしれない。その口から水がしたたり落ちてくる。
深春もそれに気づいてハッとするが、こぼれ出した水は一本の滝のように筋になって降ってくる。
「あっ、わっ!」
深春の視線が私を通り過ぎて後方に釘付けになる。
私が下の階へ視線を移すより先に、水が私を越えて落ちていく。
「ちょっ……、顔出さないでっ」
深春が叫んだ瞬間に、ビシャッと何かに叩きつけられた水音がした。
慌てて下を覗き込むと、ベランダから頭を出す濡れた黒髪が目に飛び込んでくる。
「……まいった」
シャワーを浴びたように髪から水を滴らせた青年が顔を上げる。
「あ……っ」
彼の物憂げな眼差しが私の視線と重なり、一瞬息を飲む。すぐに上の階を見上げても深春の姿はない。引っ込んでしまったようだ。
もう一度下の階を覗き込む。いまだ青年はこちらを見上げていて、朝日がまぶしそうに瞳を細めてつぶやく。
「君か……」
濡れた髪をそっと手で拭って、無表情につぶやいた彼は、私を認識していた。それをなぜか嬉しく思う私がいて、彼の名を口にする。
「夜間瀬先生、おはようございます」
夜間瀬先生は眉をわずかに寄せた後、無言でベランダから姿を消す。
朝の挨拶は場違いだっただろうか。そう思う私の耳に、玄関チャイムの鳴る音が聞こえてきた。
ドアを開けると、案の定血相を変えた深春がいた。
彼女は開き切ってないドアをこじ開けるように押し開くと、玄関ポーチに足を踏み込む。
「どど、どうしよー。めっちゃかかってたよ、あの人」
「謝りに行った方がいいわね」
腕をつかんでくる彼女の手をそっと離して、私はそう言う。
「それはそうだけど、華南ついてきてよ。なんかあの人、陰気そうで怖いー」
「大丈夫よ。夜間瀬先生だったから」
「は? 夜間瀬って、さっき話してたゼミの? ゼミの夜間瀬先生?」
深春はぽかんと口を半開きにする。締まりのない表情がおかしいが、それほど驚くのも無理はないと思う。
「だから大丈夫って……、華南っ。もっとヤバいよ。先生怒らせたらゼミ受けられないよ」
「受けなくてもいいじゃない」
最初から興味のあるゼミじゃなかったのだ。大きな問題ではない。
「そんな簡単に言わないでよー。私は華南と一緒がいいの」
「くだらないって言われるわよ。いいえ、気にしないわね、先生なら」
靴を履き、一歩下がる深春とともに通路に出る。
「気にしない? 気にしないって何っ?」
ヒステリックな声を上げた深春は、通路を歩き出す私を追いかけてくる。
「他人に興味がないみたい」
二階へ続く階段を下りながらそう言うと、深春は足を止めてすっとんきょうな声をあげる。
「なにそれー。誰かさんみたい」
「私は興味がある人にはちゃんと興味を持つわ」
「大多数の人には興味ないよね」
深春は苦笑いしながら私の後ろをついてくる。なぜか私が先導する形になるが、それもかまわない。
二階の長い通路の一番奥、そこは夜間瀬先生の部屋だ。つい昨日、引越し業者が来ていたのは彼の部屋だったのだ。
好奇心に押されて足早に進む。
おびえた様子で私の顔を覗き込む深春におかまいなしにチャイムを鳴らす。
「華南、怖くないの? 変な人なんでしょ?」
「なぜ怖いの。無分別に暴れたりしない人よ」
「何言われるかわからないよー」
「言いもしないわ。心の中で思うだけ」
そう言ってみて、ハッとする。夜間瀬先生は心を悟らせない。だからこそ、その心を覗いてみたいと思う。
気に入らなければゼミをやめればいい。簡単にそう言った彼に嫌悪感を抱かなかった理由は、それのような気がした。
「それが一番怖いって……」
深春は私の背中に隠れるが、かまわず二度目のチャイムを鳴らす。しかし、一向に出てくる気配はない。
私たちが訪ねてきたことは容易に想像できて、無視しているのかもしれない。夜間瀬先生ならそのぐらいのこと造作もなくやってのけるだろう。
仕方なくドアノブに手をかける。ひねれば容易くドアは開いた。
「ちょっと華南」
「嫌ならここで待ってて」
私を突き動かすものはなんだろう。その正体を知りたくて、玄関ポーチに足を踏み込んだ。
「夜間瀬先生、お邪魔します」
リビングに続くドアは開いていて、声をかけながら玄関をあがる。
後ろで玄関ドアの閉じる音がして振り返るが、深春の姿はない。ついて来る気はないようだ。
間取りは自室と同じで、ベランダとつながる部屋はリビングとわかっているから、相変わらず返事はないものの迷わず進み入る。
「先生」
夜間瀬先生は気だるげにソファーにもたれていた。
昨日研究室でそうしていたように、開いた窓からぼんやりと空を見上げている。
さらに彼に近づこうとして、つま先にぶつかった何かにつまづく。
足元を見下ろして気づく。引っ越してきたばかりとは言え、リビングの中は雑然としている。
ダンボール箱は開けっ放しで、クリーニングのタグがついたままのシャツやスーツはクローゼットに収まることを知らないかのように棚に積んである。
大学での身なりは正しくスマートなのに、家の中のことには興味がないのかもしれない。
「夜間瀬先生、大丈夫ですか?」
正面に立ってもなお、彼はこちらを見ない。頬にはしずくの跡があり、髪は濡れていて、拭いた形跡もない。
辺りを見回して、テレビの横にあるダンボール箱に目を止める。すぐにそこからはみ出しているスポーツタオルを持ってくると、夜間瀬先生の視線の先に差し出す。
彼はようやく視線を動かす。シルバーメタルフレームの眼鏡が朝日を受けてきらりと光る。
普段は眼鏡をかけているのだ。新たな発見に私の好奇心はくすぐられ、フレームの奥から漆黒の瞳が私を訝しげに見つめていても気にはならない。
「君は意外とおせっかいだな」
私を認識して、彼はそう言う。
私が勝手に入ってきたことも、ダンボール箱を触ったこともとがめる気配はない。
「風邪引くといけないです」
「あ……、ああ。呼ばれたような気がして顔を出したらとんでもない仕打ちだ」
「わざとじゃないですから。拭いてください」
タオルを差し出したままの私の手を見た後、彼は物憂げに目を伏せると、少しばかり怠惰に上体を起こす。
「拭きたければ勝手に拭けばいい。どうせ後でシャワーを浴びる」
「でしたら、今からシャワーを浴びて来られたらどうですか?」
「気分じゃない」
ひざに腕を乗せて前かがみになる彼は、私の方へ頭を突き出しているかのよう。
二年前のあの日、気分が良くなくて汗をかいていた彼に差し出したハンカチは受け取られなかった。そして、ぬぐってあげることも出来なかった。それをしていたら、この二年間の過ごし方は違っていたかもしれない。
彼に会えなかった二年……、私はきっと後悔しながら過ごしてきた。
そっと彼の髪の上にタオルを広げて乗せる。
ソファーの前にひざを折り、両手で優しく丁寧にぬぐう。思ったより柔らかな髪は、ふわふわとタオルの中で楽しげに揺れる。
ほおに垂れた水をたどりながら肩までぬぐっていく。そのどれもがほとんど乾いていて、私がしていることは無意味に思えた。
しかし、彼から伝わる男性らしい骨張った感触に人知れず胸の高鳴りを覚えて、彼のために何かをしてあげたいと思っている自分を見つけることが出来た。
「先生は手がかかりますね」
嫌味ではない。むしろお世話をしたい。不思議とそんな気持ちになって言えば、彼は虚ろな目で私を見つめる。
向かい合う距離は近く、どちらかが顔を寄せればキスが出来てしまいそうなほど。
「君のしたいようにしたらいい」
夜間瀬先生は私の胸のうちを見透かしただろうか。私でさえわからない私の胸のうちを。
「先生がいいなら」
私はもう一度、乾いた髪にタオルの上から触れる。
夜間瀬先生に触れていたい。素直にそう思った時、私はハッとして指を止める。
黒い……、黒い何かが私に語りかけてくる。それは声にならない声で、形もなく、訴えてくるものでもない。
静謐な……、そう、静かで穏やかな静謐な黒。これが先生の心の声。
「明日も来ていいですか?」
先生に会いたいから。先生と一緒にいたいから。先生が好きだから……。そう思って問う。夜間瀬先生は拒まないだろう、私に関心がなくても。そういう人だ。
「好きなように」
彼はそう言って、もう一度ソファーにもたれると、私から目をそらして何事もなかったように空を見上げた。
「夜間瀬先生って、ちょっと変わってるんだって? 柚樹から聞いたー」
薬学自主研究ゼミナールの研究室を訪れた翌日、いつものようにベランダに出て洗濯物を干していると、深春が上の階からひょっこりと顔を出す。その手には小さなジョウロがある。ブリキの可愛らしいジョウロだ。ベランダで花や苗を育てているのだろう。
「そうね」
小さな声で返事をする。下の階から上の階へ声が届くとは思えないが、深春はかまわず身を乗り出して話しかけてくる。
「今日も夜間瀬先生いるかなぁ?」
何気に上を見上げたら、深春の手にあるジョウロが傾いているのが見える。
「あ、あぶな……」
話に気を取られて、ジョウロを持っていることすら忘れているのかもしれない。その口から水がしたたり落ちてくる。
深春もそれに気づいてハッとするが、こぼれ出した水は一本の滝のように筋になって降ってくる。
「あっ、わっ!」
深春の視線が私を通り過ぎて後方に釘付けになる。
私が下の階へ視線を移すより先に、水が私を越えて落ちていく。
「ちょっ……、顔出さないでっ」
深春が叫んだ瞬間に、ビシャッと何かに叩きつけられた水音がした。
慌てて下を覗き込むと、ベランダから頭を出す濡れた黒髪が目に飛び込んでくる。
「……まいった」
シャワーを浴びたように髪から水を滴らせた青年が顔を上げる。
「あ……っ」
彼の物憂げな眼差しが私の視線と重なり、一瞬息を飲む。すぐに上の階を見上げても深春の姿はない。引っ込んでしまったようだ。
もう一度下の階を覗き込む。いまだ青年はこちらを見上げていて、朝日がまぶしそうに瞳を細めてつぶやく。
「君か……」
濡れた髪をそっと手で拭って、無表情につぶやいた彼は、私を認識していた。それをなぜか嬉しく思う私がいて、彼の名を口にする。
「夜間瀬先生、おはようございます」
夜間瀬先生は眉をわずかに寄せた後、無言でベランダから姿を消す。
朝の挨拶は場違いだっただろうか。そう思う私の耳に、玄関チャイムの鳴る音が聞こえてきた。
ドアを開けると、案の定血相を変えた深春がいた。
彼女は開き切ってないドアをこじ開けるように押し開くと、玄関ポーチに足を踏み込む。
「どど、どうしよー。めっちゃかかってたよ、あの人」
「謝りに行った方がいいわね」
腕をつかんでくる彼女の手をそっと離して、私はそう言う。
「それはそうだけど、華南ついてきてよ。なんかあの人、陰気そうで怖いー」
「大丈夫よ。夜間瀬先生だったから」
「は? 夜間瀬って、さっき話してたゼミの? ゼミの夜間瀬先生?」
深春はぽかんと口を半開きにする。締まりのない表情がおかしいが、それほど驚くのも無理はないと思う。
「だから大丈夫って……、華南っ。もっとヤバいよ。先生怒らせたらゼミ受けられないよ」
「受けなくてもいいじゃない」
最初から興味のあるゼミじゃなかったのだ。大きな問題ではない。
「そんな簡単に言わないでよー。私は華南と一緒がいいの」
「くだらないって言われるわよ。いいえ、気にしないわね、先生なら」
靴を履き、一歩下がる深春とともに通路に出る。
「気にしない? 気にしないって何っ?」
ヒステリックな声を上げた深春は、通路を歩き出す私を追いかけてくる。
「他人に興味がないみたい」
二階へ続く階段を下りながらそう言うと、深春は足を止めてすっとんきょうな声をあげる。
「なにそれー。誰かさんみたい」
「私は興味がある人にはちゃんと興味を持つわ」
「大多数の人には興味ないよね」
深春は苦笑いしながら私の後ろをついてくる。なぜか私が先導する形になるが、それもかまわない。
二階の長い通路の一番奥、そこは夜間瀬先生の部屋だ。つい昨日、引越し業者が来ていたのは彼の部屋だったのだ。
好奇心に押されて足早に進む。
おびえた様子で私の顔を覗き込む深春におかまいなしにチャイムを鳴らす。
「華南、怖くないの? 変な人なんでしょ?」
「なぜ怖いの。無分別に暴れたりしない人よ」
「何言われるかわからないよー」
「言いもしないわ。心の中で思うだけ」
そう言ってみて、ハッとする。夜間瀬先生は心を悟らせない。だからこそ、その心を覗いてみたいと思う。
気に入らなければゼミをやめればいい。簡単にそう言った彼に嫌悪感を抱かなかった理由は、それのような気がした。
「それが一番怖いって……」
深春は私の背中に隠れるが、かまわず二度目のチャイムを鳴らす。しかし、一向に出てくる気配はない。
私たちが訪ねてきたことは容易に想像できて、無視しているのかもしれない。夜間瀬先生ならそのぐらいのこと造作もなくやってのけるだろう。
仕方なくドアノブに手をかける。ひねれば容易くドアは開いた。
「ちょっと華南」
「嫌ならここで待ってて」
私を突き動かすものはなんだろう。その正体を知りたくて、玄関ポーチに足を踏み込んだ。
「夜間瀬先生、お邪魔します」
リビングに続くドアは開いていて、声をかけながら玄関をあがる。
後ろで玄関ドアの閉じる音がして振り返るが、深春の姿はない。ついて来る気はないようだ。
間取りは自室と同じで、ベランダとつながる部屋はリビングとわかっているから、相変わらず返事はないものの迷わず進み入る。
「先生」
夜間瀬先生は気だるげにソファーにもたれていた。
昨日研究室でそうしていたように、開いた窓からぼんやりと空を見上げている。
さらに彼に近づこうとして、つま先にぶつかった何かにつまづく。
足元を見下ろして気づく。引っ越してきたばかりとは言え、リビングの中は雑然としている。
ダンボール箱は開けっ放しで、クリーニングのタグがついたままのシャツやスーツはクローゼットに収まることを知らないかのように棚に積んである。
大学での身なりは正しくスマートなのに、家の中のことには興味がないのかもしれない。
「夜間瀬先生、大丈夫ですか?」
正面に立ってもなお、彼はこちらを見ない。頬にはしずくの跡があり、髪は濡れていて、拭いた形跡もない。
辺りを見回して、テレビの横にあるダンボール箱に目を止める。すぐにそこからはみ出しているスポーツタオルを持ってくると、夜間瀬先生の視線の先に差し出す。
彼はようやく視線を動かす。シルバーメタルフレームの眼鏡が朝日を受けてきらりと光る。
普段は眼鏡をかけているのだ。新たな発見に私の好奇心はくすぐられ、フレームの奥から漆黒の瞳が私を訝しげに見つめていても気にはならない。
「君は意外とおせっかいだな」
私を認識して、彼はそう言う。
私が勝手に入ってきたことも、ダンボール箱を触ったこともとがめる気配はない。
「風邪引くといけないです」
「あ……、ああ。呼ばれたような気がして顔を出したらとんでもない仕打ちだ」
「わざとじゃないですから。拭いてください」
タオルを差し出したままの私の手を見た後、彼は物憂げに目を伏せると、少しばかり怠惰に上体を起こす。
「拭きたければ勝手に拭けばいい。どうせ後でシャワーを浴びる」
「でしたら、今からシャワーを浴びて来られたらどうですか?」
「気分じゃない」
ひざに腕を乗せて前かがみになる彼は、私の方へ頭を突き出しているかのよう。
二年前のあの日、気分が良くなくて汗をかいていた彼に差し出したハンカチは受け取られなかった。そして、ぬぐってあげることも出来なかった。それをしていたら、この二年間の過ごし方は違っていたかもしれない。
彼に会えなかった二年……、私はきっと後悔しながら過ごしてきた。
そっと彼の髪の上にタオルを広げて乗せる。
ソファーの前にひざを折り、両手で優しく丁寧にぬぐう。思ったより柔らかな髪は、ふわふわとタオルの中で楽しげに揺れる。
ほおに垂れた水をたどりながら肩までぬぐっていく。そのどれもがほとんど乾いていて、私がしていることは無意味に思えた。
しかし、彼から伝わる男性らしい骨張った感触に人知れず胸の高鳴りを覚えて、彼のために何かをしてあげたいと思っている自分を見つけることが出来た。
「先生は手がかかりますね」
嫌味ではない。むしろお世話をしたい。不思議とそんな気持ちになって言えば、彼は虚ろな目で私を見つめる。
向かい合う距離は近く、どちらかが顔を寄せればキスが出来てしまいそうなほど。
「君のしたいようにしたらいい」
夜間瀬先生は私の胸のうちを見透かしただろうか。私でさえわからない私の胸のうちを。
「先生がいいなら」
私はもう一度、乾いた髪にタオルの上から触れる。
夜間瀬先生に触れていたい。素直にそう思った時、私はハッとして指を止める。
黒い……、黒い何かが私に語りかけてくる。それは声にならない声で、形もなく、訴えてくるものでもない。
静謐な……、そう、静かで穏やかな静謐な黒。これが先生の心の声。
「明日も来ていいですか?」
先生に会いたいから。先生と一緒にいたいから。先生が好きだから……。そう思って問う。夜間瀬先生は拒まないだろう、私に関心がなくても。そういう人だ。
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