別世界の空の下で！

第23話「現れる悲しみ」

第23話「現れる悲しみ」



今日は、年に一度の外での授業の日です。学園に通っている殆んどの生徒達は冒険者になる者と騎士団に入団する者が多いため、魔物との戦いになれる必要があります。


という事で本格的に攻撃魔法を習い始める三年生のこの時期から魔物との実践的な命のやり取りの戦いが始まります。

もちろん、安全のため担任の先生と魔法や武術に長けた先生方達の計3人と共に約25名もの生徒を2人から3人1組にして王都付近の草原に順番に行きます。


私とラチノちゃんルイナさんの順番は1番最後なので、帰って来た子達の話しを聞いたりして待っていました中には怖くて泣いて帰って来たいた子もいました。

ルイナさんはそれを見て、「最初は泣いても仕方ないの。」と言っていたのできっとルイナさんにもそんな経験があったんだろうな、と思いました。ラチノちゃんは泣いている子を慰めに行ったりしています、優しい子なのです。


「おーい、最後の組みは何処だ？」


「イヒヒ…最後の組み忘れもしないイロスズがいる組みですよイヒヒ…。」


「ウィルム先生、メイクライ先生すまんが最後の組みだけ2人で行ってくれないか？私は泣いている生徒と気分の悪い生徒達を保険室に連れいていくよ。」

「わかりました、それではレント先生、
生徒達の事をよろしくお願いします。」


「イヒヒ…少し不安ではありますが
森の中までは入りませんし大丈夫でしょう任せてくださいなウヒヒ…。」


「それじゃ、ライドウオーカー達こっちに来なさい、今から森の近くに向かうよ武器は自賛した物か学園の倉庫にある物を持ってくるようにな。」


「はい」「はーい」「わかったの」


「あれ？アイラちゃんは槍を使うの？」


「よく見るの、これは槍と杖が合体した武器なの。」


「何それ？」


「これは、マジックスピアーと言います。お母様に貰ったものです。」

「へー、そうなんだ珍しい武器だね！」


「珍しいどころじゃないの、マジックスピアーはアイラちゃんが持ってる物と合わせて15個しか作られてないの。」


「とりあえず、凄い珍しいって事だよね？」

「もう、その認識でいいの…。」


「あはは…、所でラチノちゃんは短剣を使うのですか？」


「うん、そーだよ～普通の剣だと重いから持てないからね！」


「まぁ、身軽なのは大事な事なの。」


「ルイナさんのも、短剣？で良いのかな？」


「これは、短剣じゃないの短刀って言うの片方にしか刃がついてないの、でもとても軽くて使いやすいの。」


「そうなんですか、だから二本も持っているのですね。」


「二刀で使う方が使いやすいの、アイラちゃんがマジックスピアー以外に持っているその青色の小さな石？が繋がってるアクセサリーはお守りなの？。」


「これですか？これはお兄様から頂いた物です他にも沢山あるのですけれど外に行くときは必ず持っていきなさいって言われていたのでいつもポケットに入れてるのです。今日は初めてのモンスター戦ですからお守りがわりに腕につけて行こうと思いまして。」


「そうなの、綺麗な青色してるの。」

「ありがとうございます。」


「うん、綺麗な青だよねーアイラちゃんのそれ見るたび青騎士物語を思い出すんだよね～。」

「青騎士物語？そんなの知らないの。面白いの？」

「えー、ルイナちゃん知らないのー？
ふ   ふ    ふ   仕方ないにゃー。わ  た  し  が今度本を貸してあげようじゃないですか～。」


「なんだか、物凄く腹がたつの。やっぱいい読まないの。」


「え～～、読んでよー、ちゃんと貸してあげるからさー。」


「私は面白いかどうかと言われると悲しい所もありますので何とも言えませんが、とても良い話なのでオススメはいたします。」


「アイラちゃんがそこまで言うのなら読むの。」

「なんか、私の時と態度違う！寂しい！」

「日頃の行いが悪いの。」

「そこは、すみませんが同意見になってしまいます…。」


「アイラちゃんまでひどぉいよ～。」


「おーい、そろそろ行くぞ！」

「ヒヒッ、用意はできたかいヒヒ。」


そして、私達は王都の門を開けて外に出た
ゴブリンの森よりも王都の近くに存在する
コボルトの森へ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コボルトの森

冒険者エース
「ブレイこっちの回復草ヒールリーフは集め終わったぞ！
しかし、今日はモンスターが
ほとんど出てこないんだよな。」

冒険者ブレイ
「そうか、こっちももう少しで集まる！
まぁ、いいじゃねぇーか。
そのおかげでこうやって楽に薬草採取ができるだからいい事なのかもしれないけどさ。」

冒険者A
「いやーつまんないなー。せっかく装備をリザードマン一式装備に新調したってのにさ、モンスターや魔族でも良いから出てこねーかなー」

冒険者B
「おいおい、めったなこと言うんじゃないぜ魔族なんて出て来ちまったら大変どころの騒ぎじゃないぞ。」

「呼びましたか？」

冒険者A
「なんか言ったか？」

冒険者B
「いんや、何も。」

「呼びましたよね？」

冒険者B
「俺にも聞こえたぞ…。」

冒険者A
「誰だ！！こんないたずらするヤツァ！姿を見せやがれってんだ！」

「おやおや、お気づきではない？私が貴方達の側にいる事もそして、貴方がもう、死んでいる事も？それはそれは、愉快な事で。」

冒険者A
「何を言って…？」
ドシャ…

冒険者B
「ひ、ひぃぃぃ！！そんな！バカな…エースが一瞬で肉片に…。」


「おやまぁ、現実をしっかりと認識出来てないご様子で、まだ貴方の命を貰いうけようとしていませんのに、もう絶望に染まってしまったのですかぁ？」


冒険者B
「クソォ！何処だ！何処にいやがる！出て来やが」

ドシャ…


「ヌフフ…愉快！実に愉快！愉快！愉快！やはり人と言うのは素晴らしく愉快な生き物です！！この僕様の姿が見えないのにもかかわらずあたりをキョロキョロキョロキョロと！そして唯の間抜けのように一瞬で肉片になるその姿！なんと愉快！なんと愉快極まりない事か！ヌフ！ヌフフ！」



「団長戯れはその辺にしてください、魔王様からのご連絡が入っております。」


「ヌフフ！ヌ…フ？魔王様からのご連絡ですか？はて？我々の今回の目的はそこ愉快な人間達の街を破壊する事では？」


「そのはずだったのですが、どうやらこの大陸では無い別の大陸で人族による勇者召喚が行われたようですので、至急魔団会議を始めるとのことです。なお、この街への襲撃は軽くで良いそうです。」 


「なな、なんと！魔団会議ですと！？それは急がなければ我らが敬愛する魔王様をお待たせするわけには行きません！この街はそうですね、鬼一きいちあの鬼族にでもやらせましょうか。」

「鬼一…、たしか、団長様が実験道具にしたあの鬼族村の生き残りですか？」


「ええ、そうですよ鬼族のツノをつい引っこ抜いたら愉快に死んでいくので殺しすぎてしまいまして、1人しか実験体にできなかったのは僕様の落ち度でしたね、実に不愉快です。」


「はぁ、それでその実験体はすぐに呼べるのですか？」


「ヌフフ、それには心配はありません。
僕様の実験体は全てこのカプセルの中に入っていますからね！ホイ」


カポンッ！

気の抜けるような音がなり透明なカプセルから本当にあの様な小さなカプセルの中に入っていたことが不思議に思えるほどの大きさの怪物が現れた。


「ガアァァァァァァ！！」


その叫び声は自分を呼び出した者への怒りと憎悪を伝えているような悲しい叫び声である。その身体からは莫大な黒い魔力を放出し鬼族特有のツノが額に二本生えており頭だけを見れば鬼族であるのだが身体は鬼族の物ではない、ミノタウロスの大きく硬い筋肉質な両腕上半身と下半身はコングの硬く唯の剣では刃が肉まで達しないと言われる肉体を持ちその姿はもはやバケモノ。


「おお、これは…、なんとも強そうな実験体ですね。しかし、この実験体が身体から出している魔力は生命の魔力このままでは街を潰す前に死んでしまうのでは？」


「ヌフフ、良いのですよこれで、魔王様は軽くと申しておられるのだからそれにこの程度の実験体など消えてしまっても惜しくはありません心残りなのは、この実験体でもう実験ができなくなるという事ですかね、実に嘆かわしい。」


「団長、魔物達が実験体の魔力に当てられたせいで騒ぎ出しましたよ？まぁ、実験体も何も言わず街へ向かって行きましたし魔物達も都合よく街に向かってるようなので良いとは思いますが…。」


「ヌフフ！ヌフ！ヌフフ！愉快！実に愉快ィ！魔団会議さえなければ僕様はこの街の人族どもの阿鼻叫喚を絶望を！悲しみを！哀れなる死に顔を見たい所です！あぁ、あぁ、実に嘆かわしい！」


「そろそろ、時間です団長魔王様を待たせてしまいます、行きましょう。」


「ふむ、そうですね、その前にこの剣を鬼一の背中につけなければ行けなかったのですが…仕方ありませんね。まぁ、予備の剣は腰につけてありますし…うん？これが予備の剣ですね…。ふむ、まぁ何故予備の剣がここにあり、本来の剣を持たしているのか覚えてはいませんが良しとしましょう。」


「団長、そろそろ怒りますよ？早く行きましょう」


「わかりました！わかりました！全く不愉快きわまりませんがいくとしましょう。魔王様が待つ魔国へ」