ガチャと僕のプライベートプラネット

太陽くん

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難攻不落

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「ダンジョン第一層未だ陥落せず。敵の抵抗激しく、前進困難なり」

ダンジョンで戦う味方からの通信だ。


ダンジョン第1層は非常に複雑な迷路で構成され、あらゆる通路や部屋からモンスターが雪崩のように押し寄せてくる。

進軍すればするほど分岐する通路や数多くの部屋と前線が接触する為、多方向から接敵し、まともに前進することが困難である。未だ第一層の三分のニほどしか攻略することはできていない。


これは6課やあのイカれ神父を投入し、さらにアンデッド爆弾やホムンクルスを投入しても数の差はあり、少しづつしか前進することができないのだ。

イカれ神父はたった一人で敵の後方まで突き進み、大量のエリート兵を討ち取った。これで敵の統率も士気も崩壊するかと思ったが、そもそも敵は基本的に突撃しかしてこないため、統率も士気もあったもんじゃない。

そしてイカれ神父は今、治療ポッドの中で睡眠中だ。数日はあの中だろう。


このダンジョン攻略の序盤で強力なユニットを消耗させるわけにもいかないので、6課を中心とした精鋭メンバーは後方で残党や孤立した敵軍の撃破を任せている。



というか、数が多すぎる!どうなっているんだ?

種類もやたら豊富だ。ゴブリン、オーク、スケルトン、オーガ、リザードマン、ゴースト、デーモン、その他何十種類。

こいつらがただ突撃ばかりしてくるのだ。協力なんてあったもんじゃない。突撃するのをやめれば後ろの兵士に踏み潰されるという地獄である。


何故これほどまでに敵が多いのか、ダンジョンの至る所にモンスターが自然発生する場所、『スポーンポイント』があるらしい。

一定期間毎に、モンスターを無制限に生産するのだ。

なんじゃそりゃ!

幸いなことにこのスポーンポイントは壊すことができる。

だが、スポーンポイントはダンジョンの隠し部屋にもあったりして、油断しているとこちらの制圧エリア内より、発見していない隠し部屋から魔物が溢れ出すのだ。

これが前進を困難にしている要因である。





さて、ガチャだ。

本日のログインボーナスはモンスター確定コイン。


モンスターって。まぁ首無し曰くユニットは俺に対して意図して危害を加えることはできないらしいけど。


ガタンッ




C『ゴブリン占い師』



ゴブリン。ヨーロッパの伝承で語られる想像上の生物。

ゴブリンと言えばゲームなどのモンスターとして登場するが、それはゴブリンが墓地の地下や岩の裂け目などに住む醜い邪悪な妖精として語られているからである。

しかしその一方で家事や引っ越しの手伝いやしてくれたり、鉱山ゴブリンと言われる、ツルハシを持っており、金属を発見することができる。
このように人の役に立つゴブリンも存在するのだ。






出現したのは、紫色のローブを深く被った、怪しいネックレスに指輪を着け紫色に輝く水晶玉を持った、緑色の肌を持つゴブリンだった。


ゴブリン!
これはすこし面倒なことになるぞ。俺たちはダンジョンでゴブリンを数多く殺している。


「なんだい、あんたそんな顔して」

声が年老いた女性のようだ。
これは驚いた。ダンジョンのゴブリンは『ゴブッ』とかしか話さないので、まさか人間の言葉を話せるとは思わなかった。


「あー、その。あんた、仲間のゴブリンが死んだらどう思う?」


「なんだい突然。そりゃ、不愉快だよ。同族だしね」


あちゃー。どうしよっかな。
とりあえずホテルの部屋にでも待機してもらって、その中で活動してもらうか?

そう考えていると、ホムンクルス達が魔物の死体を持って俺の横を通り過ぎた。彼らは俺の目の前にいるゴブリンをぎょっとした目で見る。

最悪なことに、ホムンクルス達が持っている死体はよりにもよってゴブリンだった。


お、おまえら間が悪いぞ!何で今来るんだ!


「はっ、なるほどねぇ。心配する必要はないよ。あたしはあんなゴミを同族とは思ってないからねぇ」

「ゴミって…同族だろう?さっきと言っていることが違うぞ?」

「あたしはゴブリンでもただのゴブリンじゃない、金融ゴブリンだよ」

「金融ゴブリン?」

「投資家や銀行員、経営者、さらには鉱山の労働者。金や鉱石のあるところで働くのがあたし達金融ゴブリンだよ。あんな下等種族と一緒にするなんて失礼ってもんだよ」

「いやいや、見た目は同じじゃないか?」

「全然違う!あんたは猿を見て同族だと思うのかい?」

「いや思わないけど…猿と人間は見た目が全然違うじゃん。でもゴブリンは同じ…」

「違う!」

うーん、ゴブリンにしかわからない見た目の差があるのか?

「それで、占い師なら何ができるんだ?」

「あたしは占い師だからね。今後の会社経営などに関する占いや株価の予想、今後の危ない投資先、鉱石や宝のある場所なんかを占えるよ。そして何より…」


「何より…?」


「相手が人狼かどうかを知ることができるんだ、すごいだろう?」






人狼ゲームじゃねーか!





ゴブリン占い師はダンジョンで宝箱や隠し部屋の発見のために前線に送った。間違えて殺さないよう全軍に通達し、護衛のホムンクルスをつけて。





それでは、無料ガチャ!





ガタンッ





HR『星間戦闘機 ハミングバード』

ハミングバード。ハチドリの英語名。
南北アメリカに生息する鳥であり、その特徴として毎秒55回以上羽ばたくことによりホバリング、つまり空中で停止することができる。
この際の羽ばたく音が蜂のように聞こえるからハチドリとも言うらしい。


出現したのはショッピングモール二階の空き店舗だった。


全身を黒く塗装された、漆黒の戦闘機。玉型の本体にエンジンや武装などが設置されている。

マッドサイエンティストの調査の結果、この星間戦闘機はその名の通り宇宙空間での運用を想定した、一人乗り戦闘機のようだ。

360度あらゆる方向に動かすことのできるエンジンと武装により、ハチドリのように急停止、急発進を行うことができ、非常に複雑な動きで敵を翻弄するそうだ。

旋回や発着陸のための滑走路などは必要がないということだ。

武装としては対艦魚雷、装甲切断レーザー、対艦ビーム砲二門、機銃八本。

対艦対戦闘機両用のようだった。かっこいい!



マッドサイエンティスト達からお前がガチャとダンジョンからわけのわからない物をたくさん持ってくるからシンオオサカニウムの解析が進まないと嬉しそうに文句を言われた。










私はダンジョンマスター、シュラハト。魔のダンジョンを発展させ何百年にも渡り守護してきた。

今ではダンジョンマスター序列五位に入り、ありがたくも創造主より五星の座をいただいている。


そんな私の率いるダンジョンは難攻不落。数多くのダンジョンマスターが攻略に挑んだが、全ての敵を返り討ちにしてきた。

そしてここ200年程度は挑んでくるダンジョンマスターもいなくなり、同じ五星のダンジョンマスター達とともに、とあるダンジョンマスターの育成をしていたのだが。



そんな時、突如として我がダンジョンは、孤立した。

ダンジョン外へ繋がるワープゲートは使用不可、外への連絡もすることができない。


そんな時、我がダンジョンに統率の取れた集団が侵入してきた。

彼らはなんと銃を使い、攻略を始めたのだ!



久しぶりのダンジョンアタックだ!

私は笑みをこぼした。

ここまで大規模な空間隔離魔術。敵は本気だ。

この広大なダンジョンを孤立させるほどの大規模な魔術を使うためには相当の腕前の魔術師が何百人も必要だろう。

さらになんと銃火器を使っているではないか。敵は戦力の拡大に積極的らしい。まだこんなに骨のあるダンジョンマスターがいたとは。


敵も考えた物だ。我ら五星はそれぞれ派閥を率いており、数多くのダンジョンマスターを支配下においている。

私に喧嘩を売るとは、その配下である何百人ものダンジョンマスターに喧嘩を売るということだ。

だがそれもこう隔離されては援軍に来ることもできない。

敵は本気だ。
一体誰だ?『強欲』か?『土』か?『武』か?予想ができない。

しかし間が悪いな。我が側近達は皆、出払っている。
敵は情報能力に長けているか、それとも運がいいのか。


何にせよ、久しぶりのダンジョンアタックだ。あぁ、楽しいなぁ。






本日の鑑定

●呪盾

暗黒騎士団の団員が装備する頑丈な漆黒の盾です。第87層の鉱山街で生産されました。
呪いの力により敵の攻撃を盾に引き寄せ、盾を攻撃した敵に対して微量ながらもデバフを与えることができます。


このデバフは、装備者が死亡・盾を放棄・デバフ解除を意識あるいは戦闘終了した時などに消滅します。
彼ら暗黒騎士は、敬愛する騎士団長のためにダンジョンを守護します。
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