好奇心は身を滅ぼす?

お子様

文字の大きさ
20 / 62

020 帰りました

しおりを挟む
山の頂上で長く休憩する訳にも行かず、少しの休憩で出発する事に。
治療系の魔法を知らないんで、治せないしなぁ。

俺がまだ学者だった頃は、治療の魔法があった。
うろ覚えだが、怪我を治す魔法だったはず。
でも治りを早くする程度のものだったと記憶している。
しかも何故か寿命が縮むという恐ろしい副作用付きで。
中には悪化する人も居たとか。

前世の記憶が戻った今なら理解出来る。
きっと体内の細胞を活性化させているのだろう。
結果細胞の寿命が短くなり、それが寿命にも反映されたのではないだろうか?
悪化するのは癌細胞まで活性化させたからでは?

そんな事を考えながら跳んでいると、ドラゴンの姿が見えてきた。

「ほ、本当にドラゴンが居る……」
「このまま行っても大丈夫だよな? 知らない物が近寄ってきたからって攻撃して来ないよな?」

上の荷台の会話が聞こえてくる。
確かに不安だよね。俺もちょっと不安になってきた。

って事で、後2回跳べば着く辺りで一旦止まる。
荷台をなんとか木の上に設置して、乗っている人と話をする。

「俺も攻撃されないか不安になりました。
 なので、ここで待機しててもらえますか? 先に言って話をして来ようと思いますけど、どうでしょう?」
「こちらに異論は無い! 頼んだ!!」
「あ、はい」

では頑張って交渉して来よう。



『戻ったか。で、アレは何だ?』
「いや、村に到着したんだけど、すぐに捕まってな」
『裸に鎧姿の変態だからな』
「それに関しては俺は悪くない!」
『冗談だ。で?』
「ドラゴンの所から来たって言っても信じてもらえなくてね。証明する事になった。
 で、連れてきたんだけど……ダメだったか?」
『別に構わぬ』
「攻撃とかしないよな?」
『向こうが何もせねば、こちらも何もせぬわ。まぁ、攻撃してきた所でかすり傷一つ付けられぬがな』
「じゃあ、連れてくるよ」

保証してくれた。
これで安心して連れて来る事が出来る。
戻ろう。



「お待たせしました」
「どうだった? 交渉決裂? 戻った方が良い? 帰ろうか」
「いえ、大丈夫なので、行きます」
「マジか~、ドラゴン、許可しちゃったか~」
「ここまで来たんだ、諦めろ」
「ビビって帰ったって事にするのはどう?」
「貴族の屋敷に『行きます』って前触れを出しておいて、何も言わずに帰る。
 これと同じような事をするのか? ドラゴン相手に? 怒って領まで追ってきたらどうする?」
「正論を言うなよ~、正論を。判ったよ、行くよ、行けば良いんでしょ」
「そうだ。ではバトリエル、頼んだ」
「はいはい」

どうしても領主さんは行きたくないようだ。
ま、普通は怖いよね。
領主さんの気が変わらない内に行きますか。

2回跳んでドラゴンの近くに着地する。
ゆっくりと荷台を降ろすと乗ってる人の顔が見えた。
皆顔色が悪い。また酔ったかな? ……んな訳無いよね。ドラゴンにビビってるのだ。

「お、おい。紹介してくれ」

小声で領主さんに言われた。
こういう場合は、俺が紹介するのか。

「え~、こちらは、あの山の向こうにある領の領主さんです。名前は……なんだったっけ?」
「い、いや、領主でいい」
「そうですか? で、こちらが村の駐屯地(?)の師団長さんと、そこの兵士さん2名」
『我はホライトドラゴンである。名は無い。何の用で来た?
 こやつの身分の証明か?』
「は、はい。その通りでございます」
『無理に敬語なんぞ使う必要は無い。好きに話せ』
「ありがとうございます。
 おい、ほら、要件だってよ。言えよ」

領主さんが、師団長さんに丸投げした。
出る時にそんな話をしてたね。

「ちょ、おま、この場に及んで……!
 私、山の向こうの砦を守っております、ギロ・サイデルと申します。
 突然バトリエルが我々の居る村にやってきまして。身分が判らず拘束しました。
 その時にホワイトドラゴン様の元より来たと言いましたので、確認の為に訪問させて頂いた次第です」
『ふむ。その者は間違いなく、何百年も前からこの地におるぞ』
「そうですか、判りました。………………何百年?」
『そうだ。死にかけの状態で何百年とここで寝ておったわ』

俺の恥ずかしい過去を簡単にバラさないで欲しい。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...