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028 王都
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門をくぐり少し進むと、広場があった。
そこで馬車は止まる。
「ここからは別行動ね」
「そうなんですか?」
「ああ。俺はこのまま城へ向かう。
お前は冒険者ギルドに行くなり宿に行くなり自由にすればいい。
宿はもう予約してあるから心配いらないぞ」
「え~と、……宿料は?」
「俺が払うから心配すんな」
「あざーず!」
「宿の名前は満員御礼だ」
「すげー儲けてそうな名前ですね」
「実際人気のある宿だぞ」
「そうなんですか。ところで領主さんは?」
「俺は王都に別邸があるからそっちに泊まる。
お前はそっちに泊まりたくないだろ?」
気を利かせてくれたようだ。
確かにありがたい話だよね。気を使わないで済む。
「用事がある時は、宿に言伝するから。
こっちに用事がある時は、街を警邏している警官にこれを見せて話せば伝わる」
そう言って、紋章入りのバッジのような物を渡された。
この紋章は馬車の側面にも書いてあったわ。
領主さんの紋章なんだろうね。
「間違っても貴族街には来るなよ?
徒歩では入れないし、紋章の無い馬車も通行不可になってるからな」
「大丈夫です。頼まれても行きません!」
「まぁ、お前を止められるヤツなんかいないけどな……。そこは頼むぞ」
「はい」
絶対に行きません。
ラノベなら無理やり行ったりするんだろうけど、縛られてても拒否するぞ!
「冒険者ギルドは、あそこに見える屋根に鐘の付いた建物だ。
宿はギルドを右に曲がった先にある、鶏の絵の書いてある建物。
ギルドを左に曲がれば市場に出る」
「なるほど」
「先に言っとくぞ。絶対にお前は誰かから聞いたら興味を持つって判ってるから。
学園は城を挟んで反対側だ。だが、部外者は立入禁止だからな?」
「どうやったら入れますか?」
「入るなって言ってんだよ!」
「それでも入る方法は?」
「1.自分の子供が入学している。子供がいないし入学もしてないから無理だろ?
2.学園長の許可がある。学園長も基本的に敷地を出ないから会えないだろうな。
もし街中に出てても、顔を知らないから出会ってても判らないから無理。
3.陛下の許可がある。陛下に呼ばれて城に行けば許可が出る可能性はある。
呼ばれれば、だぞ? 勝手に行くなよ?
4.教師になる。これが一番確実な方法だろうけど。
教員試験があるのは2ヶ月先だ。入りたければそれまで我慢しろ」
どうやってもすぐには無理なのか……。
ま、学園以外に知りたい事は沢山あるので問題はない。
時間つぶしにダンジョンめぐりしても良いし。
「覚えたか?」
「大丈夫です。鐘のあるのが冒険者ギルド、右に行けば宿で、左に行けば市場、ですね」
「正解だ。他に気になる場所があるなら警官に聞くと教えてくれるだろ」
「了解です」
「おっと、最後に言っておく事があった。
1週間後には戻るから、用事はそれまでに終わらせとけよ?」
「バラバラで帰っても良いですけど?」
「お前単独で帰らせる訳無いだろ! それに帰りの護衛もしてもらいたいしな」
「判りました……」
冒険者ギルドでダンジョンの場所を聞いて行ってみようと思ってたのにな。
しょうがない。とりあえずドラゴンに頼まれているミッションをクリアしよう。
それからドラゴンの所で生活出来るように、色々買い込まないとね。
領主さんの馬車から降りて、とりあえず宿に向かう。
別に宿に置いておく荷物とか無いんだけど、チェックインくらいしておきたい。
それに宿に飯屋があるかも確認しておきたい。
なければどこか食べられる場所を探さないといけないからね。
トイレや風呂があるかもチェックしたい。
って事で、俺は宿に向かった。
道中の道幅は広く、馬車がすれ違えるほど。
それとは別に歩道もちゃんとある。
一番感動したのは、街が臭くない事だ!
俺が学者だった頃は、トイレってのは1階にしか無かった。しかもボットン。
庶民の家には無い事も普通だった。
じゃあどうするか。路地裏でするのだ!
面倒だと思うヤツは部屋に”おまる”が置いてある。
そこでした後は……窓から中身を捨てるんだ! 恐怖!
上から××が降ってくるんだぞ!
だから外に出る時はどんなに暑くても外套を来てツバのある帽子を被る。
靴も当然厚底。高下駄を想像してくれればわかりやすいかな?
ちなみに、こういう事からハイヒールが誕生したらしい。
な、臭いのが判るだろ?
それが無いんだよ。感動だわ。
道路の縁には側溝もある。しかも降りた広場で公衆便所を発見した! 有料だったけど!
良い時代になったなぁ……。
夢の無い話だけど、中世ヨーロッパってこんな感じだったらしいからね。
パリなんか18世紀くらいまで公衆トイレが無かったらしいし。
当時の街に今の日本人なんか絶対に住めないわ。
ラノベって絶対にそういう点は書かないよね。中世ヨーロッパ風なのにね。”風”だから良いのか?
そこで馬車は止まる。
「ここからは別行動ね」
「そうなんですか?」
「ああ。俺はこのまま城へ向かう。
お前は冒険者ギルドに行くなり宿に行くなり自由にすればいい。
宿はもう予約してあるから心配いらないぞ」
「え~と、……宿料は?」
「俺が払うから心配すんな」
「あざーず!」
「宿の名前は満員御礼だ」
「すげー儲けてそうな名前ですね」
「実際人気のある宿だぞ」
「そうなんですか。ところで領主さんは?」
「俺は王都に別邸があるからそっちに泊まる。
お前はそっちに泊まりたくないだろ?」
気を利かせてくれたようだ。
確かにありがたい話だよね。気を使わないで済む。
「用事がある時は、宿に言伝するから。
こっちに用事がある時は、街を警邏している警官にこれを見せて話せば伝わる」
そう言って、紋章入りのバッジのような物を渡された。
この紋章は馬車の側面にも書いてあったわ。
領主さんの紋章なんだろうね。
「間違っても貴族街には来るなよ?
徒歩では入れないし、紋章の無い馬車も通行不可になってるからな」
「大丈夫です。頼まれても行きません!」
「まぁ、お前を止められるヤツなんかいないけどな……。そこは頼むぞ」
「はい」
絶対に行きません。
ラノベなら無理やり行ったりするんだろうけど、縛られてても拒否するぞ!
「冒険者ギルドは、あそこに見える屋根に鐘の付いた建物だ。
宿はギルドを右に曲がった先にある、鶏の絵の書いてある建物。
ギルドを左に曲がれば市場に出る」
「なるほど」
「先に言っとくぞ。絶対にお前は誰かから聞いたら興味を持つって判ってるから。
学園は城を挟んで反対側だ。だが、部外者は立入禁止だからな?」
「どうやったら入れますか?」
「入るなって言ってんだよ!」
「それでも入る方法は?」
「1.自分の子供が入学している。子供がいないし入学もしてないから無理だろ?
2.学園長の許可がある。学園長も基本的に敷地を出ないから会えないだろうな。
もし街中に出てても、顔を知らないから出会ってても判らないから無理。
3.陛下の許可がある。陛下に呼ばれて城に行けば許可が出る可能性はある。
呼ばれれば、だぞ? 勝手に行くなよ?
4.教師になる。これが一番確実な方法だろうけど。
教員試験があるのは2ヶ月先だ。入りたければそれまで我慢しろ」
どうやってもすぐには無理なのか……。
ま、学園以外に知りたい事は沢山あるので問題はない。
時間つぶしにダンジョンめぐりしても良いし。
「覚えたか?」
「大丈夫です。鐘のあるのが冒険者ギルド、右に行けば宿で、左に行けば市場、ですね」
「正解だ。他に気になる場所があるなら警官に聞くと教えてくれるだろ」
「了解です」
「おっと、最後に言っておく事があった。
1週間後には戻るから、用事はそれまでに終わらせとけよ?」
「バラバラで帰っても良いですけど?」
「お前単独で帰らせる訳無いだろ! それに帰りの護衛もしてもらいたいしな」
「判りました……」
冒険者ギルドでダンジョンの場所を聞いて行ってみようと思ってたのにな。
しょうがない。とりあえずドラゴンに頼まれているミッションをクリアしよう。
それからドラゴンの所で生活出来るように、色々買い込まないとね。
領主さんの馬車から降りて、とりあえず宿に向かう。
別に宿に置いておく荷物とか無いんだけど、チェックインくらいしておきたい。
それに宿に飯屋があるかも確認しておきたい。
なければどこか食べられる場所を探さないといけないからね。
トイレや風呂があるかもチェックしたい。
って事で、俺は宿に向かった。
道中の道幅は広く、馬車がすれ違えるほど。
それとは別に歩道もちゃんとある。
一番感動したのは、街が臭くない事だ!
俺が学者だった頃は、トイレってのは1階にしか無かった。しかもボットン。
庶民の家には無い事も普通だった。
じゃあどうするか。路地裏でするのだ!
面倒だと思うヤツは部屋に”おまる”が置いてある。
そこでした後は……窓から中身を捨てるんだ! 恐怖!
上から××が降ってくるんだぞ!
だから外に出る時はどんなに暑くても外套を来てツバのある帽子を被る。
靴も当然厚底。高下駄を想像してくれればわかりやすいかな?
ちなみに、こういう事からハイヒールが誕生したらしい。
な、臭いのが判るだろ?
それが無いんだよ。感動だわ。
道路の縁には側溝もある。しかも降りた広場で公衆便所を発見した! 有料だったけど!
良い時代になったなぁ……。
夢の無い話だけど、中世ヨーロッパってこんな感じだったらしいからね。
パリなんか18世紀くらいまで公衆トイレが無かったらしいし。
当時の街に今の日本人なんか絶対に住めないわ。
ラノベって絶対にそういう点は書かないよね。中世ヨーロッパ風なのにね。”風”だから良いのか?
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