好奇心は身を滅ぼす?

お子様

文字の大きさ
37 / 62

037 アホな王子

しおりを挟む
長い長い買い物がやっと終了した。
お金? 当然足りる訳が無い。
なので悪いと思ったけど、イシシモ男爵の紋章を見せてツケで買った。荷物もそこへ運んで貰う。
かかった費用は、後で武器防具を渡した時に出来るお金で相殺するつもりです。

市場の商人やオバチャン達に見送られながら宿へ戻る。
疲れたよ。買ってる時はテンション上がってたけど、終わったらドッと疲れた。

今日はもう風呂入って寝よう。

そう考えた時もありました。
世の中はそんなに甘くありませんね。

「おう、戻ったか」
「何で、また部屋に、陛下と両大臣が居るんですか……?」
「そりゃ謁見に来なかったからだろ?」

そうだろうなとは思ったよ!

「でも、事情は知ってますよね?」
「ああ。ランディから報告があった」
「だから俺は悪くないですよね?」
「勿論だとも。当然だが、ランディも悪くないぞ」

良かった。俺は最悪、ドラゴンの所に戻れば良いけど、ランディさんはクビがかかってるからなぁ。

「しかし、あんな第二王子で良いんですか?」
「おっ。なかなか辛辣な事を言うねぇ。普通は思ってても言わないものだがなぁ」

しまった! ラノベの影響か?!
つい聞いてしまった!
だって、あの手のアホな王子がラノベに多いんだもん!

「まぁ、お前になら言ってもいいか。その代わり他言無用だぞ?」
「は、はい」
「実はな、あれは演技だ」
「はい?」
「バカな王子を演じているんだよ。バカな貴族や商人や、他国のスパイをあぶり出す為にな」
「そうなんですか?!」
「実はちょっと考えれば判る事なんだ。
 王子の教育は城内で行われている。そうなると、第一王子と第二王子は同じ教育を受けていると考えられるだろ?」
「そうですね」
「本人達の資質もあるが、片方だけ極端にバカになると考えられるか?」

う~ん。そう言われると……。

「サボってるとか?」
「サボりが許される立場じゃない。必ず基準値まで教育される」
「本当に欠陥があるとか?」
「もしそうなら公の場に出さない」

うわっ、怖っ! 幽閉ってやつか?!

「妬みとか?」
「物心つく前から第一王子は第一王子になるよう、第二王子は第二王子になるように教育されている。
 そこに嫉妬は生まれない」
「それがプレッシャーになって~とか」
「その程度がプレッシャーになるようなら、王にはなれんよ」

正論だ。

「じゃあ、アホな王子とかは居ないんですね?」
「少なくとも我が国には居ないな。他国は知らんぞ? 甘やかして育ててればあり得るかもしれん。
 まぁそんな国は将来苦境に立たされるだろうがな」

確かに、そんな人が王様になった国なんかヤバいよね。
じゃあ、そういう王子の居るラノベの国の多くは崩壊寸前って事か。

「納得しました」
「そうか。ついでに言っておこう。シュラウが謝る場を設けて欲しいと言ってたぞ」
「王子が?! いえ、事情は判ったので大丈夫です」
「ではそう伝えておこう。
 で、あの場に付いてきてた貴族の子が居ただろう?」
「居ましたね。何人か」
「あれがバカ貴族だ。処分対象だよ。シュラウを諌めるなら判るが同調するなどバカの極みだ」
「そんなにですか?」
「そりゃそうだろう。俺が許可してるんだぞ? シュラウでも無視出来ない。
 それすら判らない愚か者だ。きっと教育にも問題があるのだろう。
 家ごと処分する事に決定している。教えていた家庭教師もな」
「処分って……。死刑とかですか?」
「そんな酷い事はせんよ。貴族一族は爵位と財産没収、家庭教師は調べた上で罰金か強制労働って所か」

いや、今まで貴族だった人が爵位と財産を没収されて一般市民になったら最悪ですよ。
家事もした事が無い人達が、自分達でしなきゃいけない。仕事も探さないといけない。
なにより、今までのように偉ぶれない。地獄だろうな。

「さて、行くか」
「へ? どこへです?」
「勿論、城にだよ」
「今から?!」
「ああ。あのまま皆待機しているからな」

マジですか?! 事情を聞いてすぐに解散だと思ってました!
長々と待たせてしまったようだ。謁見の間で土下座かなぁ……。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

30歳の英雄王は転生勇者を拾い無双に育てます

蒼井青龍
ファンタジー
山奥の小屋でのんびり暮らしていた 英雄王のライに、現世から転生してきた赤ん坊を立派な無双勇者に育て世界を魔王族から守る 英雄譚

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...