好奇心は身を滅ぼす?

お子様

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039 収納魔法が見たーい

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「出される武具に興味があるからな。
 それに収納魔法だったか? それにも興味がある」

そう言ったのは第一王子。
ガリム・ウル・ヤコアイテワという名前らしい。
気軽にガリムと呼んでくれって言うけど……無理に決まってんじゃん!

武具に興味があるってのは理解出来る。
俺も価値を知りたい。そっち方面には疎いから。

「どこに出せば良いですか?」
「この部屋の中ならどこでも構いません」
「では、あっちの角から」
「何故角から?」
「山積みされても困るでしょう? 角から順々に置いて行きますので」
「了解した」

こういうのって山積みで出すのが定番なんだろうけど、どう考えても迷惑でしょ。
出すなら順々に出して並べるのが一番だ。
そもそも、インベントリのように自動整理とかされる訳じゃない。
自分で入れた物だから、自分で出さないといけない。
山積みにする必要性も無いんだ。

という事で、部屋の中央に異次元への道を作る。
今回は持ってきて並べるのが目的なので、人間が通れるサイズにする。
剣一本を入れるなら直径20cmくらいので良いけどね。

「こ、これが収納魔法…………」
「と言うよりは異次元の世界への通路って感じですよ」
「ではこの先には違う世界が?」
「はい。そうです。この世界とは時間の経過が違いますけど」
「それにはどういう意味が?」
「例えば、すぐに腐る物を入れても、なかなか腐りません」
「どれくらい違うのだ?」
「そうですねぇ……体感で1/20くらいでしょうか?」

第一王子はグイグイ来るなぁ。
どうやら魔法に興味があるようだ。

「では、例えばだが、俺がその中に入ったとする。するとどうなる?」

なかなか難しい質問が来た。
上手く答えられるかなぁ?

「自分、こっちの世界から見れば、ガリム様の動きが遅くなったように見えます。
 しかしガリム様は遅くなったと感じないでしょう。逆にこっちの世界が早く見えます」
「ではそっちの世界に居れば長生き出来るのか?」
「う~ん……本人的には長生きだと思わないでしょうね。
 しかし、1年後にこっちの世界に戻ったとしたら、20年経っている事にはなります」
「ううむ……ややこしいな」
「そうですね」

俺には現代知識があるから、まだ理解出来るけどね。
コールドスリープをしたようなモノだと理解出来る。

「ところで、ロキスルは入っても大丈夫なのか?」
「ええ。何故か自分は向こうの世界の時間の影響を受けません」

多分精霊のせいだと思う。

「では取ってきますので」
「了解した。……しかし覗いてみたいな。可能か?」
「その実験はした事が無いので、なんとも言えませんが……頭だけ入れてみます?」

この通路。見た目は壁に黒色を投影したような感じ。厚みは無い。
黒色も純粋な黒ではなく、星空って感じなんだよ。
だから真横から見れば何も無いように見える。
後ろからだとマジックミラーのように、正面側が透けて見える。ガラスがあるような感じで通れない。

しかし、体の一部だけ入れるとどうなるか、って実験はしなかったなぁ。
そもそも俺が実験体になっても意味が無いし。ドラゴンでも同じ。
……うん、気になってきた。

「頭だけ入れてみましょうよ! 動けなくなったら、自分が中から押し出しますんで!」
「……お前、俺で実験しようと考えてるな?」
「な、何故それを!」
「明らかに企み顔になったぞ! 王族だぞ! 第一王子だぞ!」
「さっきは気軽に接しろって言ってたじゃないですか~」
「実験動物にして良いって意味じゃない!」
「ちっ。じゃあ止めます」
「こいつ舌打ちしやがった!」

「……やってみるが良い」
「さすが陛下!」「父上?!」

王様が許可した! さすがです!

「万が一、万が一だが、戦争や天変地異などで逃げなければならない事態になるかもしれん。
 その時、ロキスル殿に保護してもらいながら逃げるよりも、異次元に入れてもらい運んで貰った方が安全だ」

なるほど。
確かに俺も見捨てて逃げようとは思わないし、助けられるなら助けたい。
でも大人数を担いで逃げるのは大変だ。入ってもらって、俺一人になった方が逃げやすい。

「じゃ、じゃあ、頭だけ……入れてみます」

どうやら「王様の言う事は絶対ー!」という事らしい。
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