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029 対処
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「王太子、そろそろ……」
「おっ、そうだったな」
王太子が連れてきた近衛兵の中でも一番年長者っぽい人が声をかけてきた。
「今は関係無い話を長くしてしまったな。まぁこれも相互理解の為と思ってくれ。
さて、話を戻すが。リョウスケ殿、今回のこの騒ぎを鎮めてもらえるか?」
「え? あ、はい。それはもう、当然です」
「では行こうか。当たり前だが、同行されてもらう。問題無いな?」
「はい」
俺に同行するらしい。
ま、王太子が一緒なら、どこでも入る事が出来るだろう。
俺だけだったら入れない場所もあるだろうし、ラッキーかな?
「王太子、対策はどうしますか?」
「そうだな。悪魔の能力が結界なぞ意味無い事が判ったからな。
リョウスケ殿、何か策は無いか?」
言われてみれば、確かにそうだ。
俺や悪魔には関係無いけど、同行するならカードの能力に対抗する方法が必要。
もしかしたら近づく程、強力になる可能性もある。
しかし俺に策があるかと聞かれても困る。
俺は巻き込まれた一般人なのだ!
策を練れるような知恵も無いし、チートも無い。
結果、カードや悪魔に頼るしか無いのだよ。
「アモン、グラシア。何か策は無い?」
「ないー」
「ありませんな」
……無いそうです。
どうしたものか。
こういう時は最後の手段!
俺の知識を総動員して役立てる!
まぁ、異世界だし? 魔法とかの世界だし? 悪魔だし?
使える知識なんて、せいぜいラノベの内容くらいだ。
これまでで散々ありえないって言われてるけどね……。
こういう場合、小説ではどうする?
思い出せ、俺!
「あっ、そうだった」
「おっ、何か策が?」
「い、いえ。ただ、意識をしっかり持てば少しは大丈夫だったような……」
結果思い出したのは「気力で頑張る!」という事だけだった。
意識してればある程度耐えられるという、精神力勝負。
……適当な事を言ってしまった。
なのに、なぜか周囲は納得している。
どうやら強靭な精神力をしている人を選抜しているっぽい。
大丈夫なか? もしかかったら俺のせいにならない?
よし! ここは知らないフリだ!
もしかかっても「精神力が足りなかったんじゃないですか~?」と、とぼけよう。
こうして探索が始まったんだが。
まず最初にグラシアが退場。
これは奇病にかかった訳ではなく、ただの時間切れ。
捜索はアモンに託された。
道中に2名の近衛騎士がかかって脱落。
でも俺やアモンには何も言って来なかった。
責められるかとヒヤヒヤしたよ。
これで残ったメンバーは、俺とアモンの他には、王太子とアイザックさんだけ。
ギルドマスターは統括する立場なので、王太子に残れって言われてたから居ない。
よく考えたら、その仕事は王太子がするべきなような……。
最終的にたどり着いたのは教会だった。
神父さんに王太子が話をした所、最近カードが持ち込まれたらしい。
図柄が怪しかったので、教会に持ち込まれたんだそうだ。
神父さんも、見た瞬間にヤバい物と思ったらしい。
そのまま受け取り、祈りを捧げ、聖水に漬け、封印をしたんだそうだ。
祈り、聖水、封印。全て効果が無いみたいだ。
いや、効果があったからこの程度で済んでるのか?
どちらにしろ、悪魔のカードはこの程度では対処出来ないようだ。
危険物を扱うような感じでカードが持ってこられた。
近衛騎士に渡そうとしているが、誰も受け取らない。
よく考えたら、この世界における対悪魔の第一人者である神父さんが持ってきた品物。
しかも封印が効いてなくて漏れ出している。
そんな物を受け取りたい人が居るだろうか? いや居ない。
俺でも拒否するね。
「リョウスケ殿、所望の品だ。受け取れ」
王太子が俺に振ってきやがった。
たった今、受け取りにくいって思ったばっかりなのに。
しかも名指ししやがった。
神父さんが変態を見るような目で俺を見てるじゃないか!
更に所望の品だと?! 言い方! もっと良い言い方があるでしょ!
「ちょっと! 言い方! 語弊があるから!」
「では『お前なら封印出来るだろ』とでも言えと? それでは教会をバカにしているみたいではないか」
確かにそうですけど!
それを今この場で言ったら同じ事ですよ!
その言葉を受けて、神父さんが俺を睨んでますから!!
こりゃダメだ。
早い事受け取った方が良さそうだ。
このまま王太子に話させていては、碌な事にならない気がする。
俺はその箱を受け取った。
小箱ってやつだね。宝石箱って言った方がわかりやすいかも。
ただし、綺羅びやかな装飾は無く、代わりに魔法陣のような物が書かれている札が沢山貼られています。
カードを出す為に札を剥がしたところで、全員が俺から距離を取った。
イジメかな……?
「おっ、そうだったな」
王太子が連れてきた近衛兵の中でも一番年長者っぽい人が声をかけてきた。
「今は関係無い話を長くしてしまったな。まぁこれも相互理解の為と思ってくれ。
さて、話を戻すが。リョウスケ殿、今回のこの騒ぎを鎮めてもらえるか?」
「え? あ、はい。それはもう、当然です」
「では行こうか。当たり前だが、同行されてもらう。問題無いな?」
「はい」
俺に同行するらしい。
ま、王太子が一緒なら、どこでも入る事が出来るだろう。
俺だけだったら入れない場所もあるだろうし、ラッキーかな?
「王太子、対策はどうしますか?」
「そうだな。悪魔の能力が結界なぞ意味無い事が判ったからな。
リョウスケ殿、何か策は無いか?」
言われてみれば、確かにそうだ。
俺や悪魔には関係無いけど、同行するならカードの能力に対抗する方法が必要。
もしかしたら近づく程、強力になる可能性もある。
しかし俺に策があるかと聞かれても困る。
俺は巻き込まれた一般人なのだ!
策を練れるような知恵も無いし、チートも無い。
結果、カードや悪魔に頼るしか無いのだよ。
「アモン、グラシア。何か策は無い?」
「ないー」
「ありませんな」
……無いそうです。
どうしたものか。
こういう時は最後の手段!
俺の知識を総動員して役立てる!
まぁ、異世界だし? 魔法とかの世界だし? 悪魔だし?
使える知識なんて、せいぜいラノベの内容くらいだ。
これまでで散々ありえないって言われてるけどね……。
こういう場合、小説ではどうする?
思い出せ、俺!
「あっ、そうだった」
「おっ、何か策が?」
「い、いえ。ただ、意識をしっかり持てば少しは大丈夫だったような……」
結果思い出したのは「気力で頑張る!」という事だけだった。
意識してればある程度耐えられるという、精神力勝負。
……適当な事を言ってしまった。
なのに、なぜか周囲は納得している。
どうやら強靭な精神力をしている人を選抜しているっぽい。
大丈夫なか? もしかかったら俺のせいにならない?
よし! ここは知らないフリだ!
もしかかっても「精神力が足りなかったんじゃないですか~?」と、とぼけよう。
こうして探索が始まったんだが。
まず最初にグラシアが退場。
これは奇病にかかった訳ではなく、ただの時間切れ。
捜索はアモンに託された。
道中に2名の近衛騎士がかかって脱落。
でも俺やアモンには何も言って来なかった。
責められるかとヒヤヒヤしたよ。
これで残ったメンバーは、俺とアモンの他には、王太子とアイザックさんだけ。
ギルドマスターは統括する立場なので、王太子に残れって言われてたから居ない。
よく考えたら、その仕事は王太子がするべきなような……。
最終的にたどり着いたのは教会だった。
神父さんに王太子が話をした所、最近カードが持ち込まれたらしい。
図柄が怪しかったので、教会に持ち込まれたんだそうだ。
神父さんも、見た瞬間にヤバい物と思ったらしい。
そのまま受け取り、祈りを捧げ、聖水に漬け、封印をしたんだそうだ。
祈り、聖水、封印。全て効果が無いみたいだ。
いや、効果があったからこの程度で済んでるのか?
どちらにしろ、悪魔のカードはこの程度では対処出来ないようだ。
危険物を扱うような感じでカードが持ってこられた。
近衛騎士に渡そうとしているが、誰も受け取らない。
よく考えたら、この世界における対悪魔の第一人者である神父さんが持ってきた品物。
しかも封印が効いてなくて漏れ出している。
そんな物を受け取りたい人が居るだろうか? いや居ない。
俺でも拒否するね。
「リョウスケ殿、所望の品だ。受け取れ」
王太子が俺に振ってきやがった。
たった今、受け取りにくいって思ったばっかりなのに。
しかも名指ししやがった。
神父さんが変態を見るような目で俺を見てるじゃないか!
更に所望の品だと?! 言い方! もっと良い言い方があるでしょ!
「ちょっと! 言い方! 語弊があるから!」
「では『お前なら封印出来るだろ』とでも言えと? それでは教会をバカにしているみたいではないか」
確かにそうですけど!
それを今この場で言ったら同じ事ですよ!
その言葉を受けて、神父さんが俺を睨んでますから!!
こりゃダメだ。
早い事受け取った方が良さそうだ。
このまま王太子に話させていては、碌な事にならない気がする。
俺はその箱を受け取った。
小箱ってやつだね。宝石箱って言った方がわかりやすいかも。
ただし、綺羅びやかな装飾は無く、代わりに魔法陣のような物が書かれている札が沢山貼られています。
カードを出す為に札を剥がしたところで、全員が俺から距離を取った。
イジメかな……?
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