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175 カバ
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「ザガンとセーレとベリト辺りが使えるかも?」
「どんな能力なんだ?」
「えっと……。
ザガンは、金属をその地域の硬貨に変える、って能力。
セーレは、一瞬で大量の荷物を受け渡しが出来る、って能力。
ベリトは、あらゆる金属を金にする事が出来る、って能力」
「ザガンとベリトは変換する能力のようだが、元に戻せるのか?」
「そんな事は書いてないから、無理じゃない?」
「じゃあ、ダメじゃないか」
まあね。
ミスリル自体に価値があるんだけど、掘れないからって掘れる金属に変えたら意味がないよね。
戻せるなら変換した物を掘り出して、地上で元に戻せば良いんだけどさ。
「セーレは大量の荷物の受け渡しが出来るとの事だが、埋まっている金属を荷物扱いに出来るのか?」
「あっ、気づいた? そこが問題なんだよね。
例えばだけど、梱包されてる物とか持ってる物を荷物とするなら無理だと思うんだ。
でも、俺の物ってくくりなら、埋まってても可能だと思う」
「う~む。難しいな……」
「ただ、もしもだよ? もしも埋まってるミスリル全てを荷物と認定出来たとしよう。
それをさ、分割出来ずに王都なりに送ったら、すげー迷惑だよね?」
どれくらいの大きさがあるか見当もつかないけど、例えば100m四方で厚みが5mとしよう。
それを突然城の庭に送ったら?
庭にあるもの全部潰れるよね? っていうか庭自体凹むんじゃないかな? 城も傾くかも?
「……分割出来んか?」
「無理でしょ。例えば鎧を送ったとしてさ、パーツごとに分解されてたら迷惑じゃない?」
「まぁ、確かに」
日本の場合だと、精密機械であるPCなんかを分解されて送られたら迷惑どころの騒ぎじゃない。大問題だ。
素人が元に戻せるわけないからね。
王太子は悩んでいる。
どうするつもりなんだろうか?
「…………よし。ザガンでお願いする」
「ザガン? 硬貨に変わるよ? それでも良いの?」
「とりあえず一部を硬貨に変える。
それで層の厚さを調べたい。金に変えても掘る作業が必要だからな」
なるほど。
硬貨なら袋にでも詰めれば良いだけだ。
それならスケルトンにでも出来る。
「了解したよ。
で、そろそろ俺の話を聞いてくれないか?」
「ん? 何だ?」
「いや、だから石板だよ、石板」
「おお、それがどうした?」
本当に気にしてなかったみたいだね……。
「いやいや、表面を見てくれよ」
「ん? これは……何かの動物らしきものが書かれているな」
あっ、この世界にはカバが居ないのかな?
「この絵がカバだよ」
「ふ~ん、カバね…………カバ? どこかで聞いたな?」
「だから! ヒントにあったやつだよ!」
「ヒントね。覚えているぞ。
『北に亀 南にカバ 西にヘビ 東にハリネズミ 三歩進んで二歩下がる』だろ。
んん?! もしかして、『南にカバ』ってやつか?!」
よほどミスリルに執着してたらしい。
今頃気づいてくれたわ。
「そうだよ。関係してないかな?」
「う~ん、どうだろう? ……しかし考えてみれば、ここは王都の東に位置してるぞ?」
「そうなんだよね。でも王都が中心じゃなくて、物のある場所が中心かも?」
「なるほどな。ならば、石板があった場所から北に進めば何かあるかもな」
「亀の書かれた石板が出れば、当たりっぽいけどねぇ」
「確かに」
「まぁ、今スケルトンが各方向に掘り進んでるから、続報があるかも」
「じゃあ、それが来るまでにミスリルの調査といこうじゃないか」
やっぱミスリル中心なのね?
「どんな能力なんだ?」
「えっと……。
ザガンは、金属をその地域の硬貨に変える、って能力。
セーレは、一瞬で大量の荷物を受け渡しが出来る、って能力。
ベリトは、あらゆる金属を金にする事が出来る、って能力」
「ザガンとベリトは変換する能力のようだが、元に戻せるのか?」
「そんな事は書いてないから、無理じゃない?」
「じゃあ、ダメじゃないか」
まあね。
ミスリル自体に価値があるんだけど、掘れないからって掘れる金属に変えたら意味がないよね。
戻せるなら変換した物を掘り出して、地上で元に戻せば良いんだけどさ。
「セーレは大量の荷物の受け渡しが出来るとの事だが、埋まっている金属を荷物扱いに出来るのか?」
「あっ、気づいた? そこが問題なんだよね。
例えばだけど、梱包されてる物とか持ってる物を荷物とするなら無理だと思うんだ。
でも、俺の物ってくくりなら、埋まってても可能だと思う」
「う~む。難しいな……」
「ただ、もしもだよ? もしも埋まってるミスリル全てを荷物と認定出来たとしよう。
それをさ、分割出来ずに王都なりに送ったら、すげー迷惑だよね?」
どれくらいの大きさがあるか見当もつかないけど、例えば100m四方で厚みが5mとしよう。
それを突然城の庭に送ったら?
庭にあるもの全部潰れるよね? っていうか庭自体凹むんじゃないかな? 城も傾くかも?
「……分割出来んか?」
「無理でしょ。例えば鎧を送ったとしてさ、パーツごとに分解されてたら迷惑じゃない?」
「まぁ、確かに」
日本の場合だと、精密機械であるPCなんかを分解されて送られたら迷惑どころの騒ぎじゃない。大問題だ。
素人が元に戻せるわけないからね。
王太子は悩んでいる。
どうするつもりなんだろうか?
「…………よし。ザガンでお願いする」
「ザガン? 硬貨に変わるよ? それでも良いの?」
「とりあえず一部を硬貨に変える。
それで層の厚さを調べたい。金に変えても掘る作業が必要だからな」
なるほど。
硬貨なら袋にでも詰めれば良いだけだ。
それならスケルトンにでも出来る。
「了解したよ。
で、そろそろ俺の話を聞いてくれないか?」
「ん? 何だ?」
「いや、だから石板だよ、石板」
「おお、それがどうした?」
本当に気にしてなかったみたいだね……。
「いやいや、表面を見てくれよ」
「ん? これは……何かの動物らしきものが書かれているな」
あっ、この世界にはカバが居ないのかな?
「この絵がカバだよ」
「ふ~ん、カバね…………カバ? どこかで聞いたな?」
「だから! ヒントにあったやつだよ!」
「ヒントね。覚えているぞ。
『北に亀 南にカバ 西にヘビ 東にハリネズミ 三歩進んで二歩下がる』だろ。
んん?! もしかして、『南にカバ』ってやつか?!」
よほどミスリルに執着してたらしい。
今頃気づいてくれたわ。
「そうだよ。関係してないかな?」
「う~ん、どうだろう? ……しかし考えてみれば、ここは王都の東に位置してるぞ?」
「そうなんだよね。でも王都が中心じゃなくて、物のある場所が中心かも?」
「なるほどな。ならば、石板があった場所から北に進めば何かあるかもな」
「亀の書かれた石板が出れば、当たりっぽいけどねぇ」
「確かに」
「まぁ、今スケルトンが各方向に掘り進んでるから、続報があるかも」
「じゃあ、それが来るまでにミスリルの調査といこうじゃないか」
やっぱミスリル中心なのね?
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