本妻探偵〜彼女の不幸な結婚〜

地野千塩

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番外編短編・メンヘラ地雷女の夢

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 川瀬文花は夢を見ていた。

 文花は専業主婦。夫は恋愛小説家だが浮気性で、メンヘラ地雷女になってしまった。夫の愛人を調べ尽くし、探偵の真似事をしていたが、ある日、愛人の一人が殺された。浅山ミイという婚活カウンセラーだった。

 文花は警察に疑われ、大変だったが、なぜか犯人を捕まえ、ホッと一息ついている時だった。

 公爵夫人フローラ・アガターという女の夢を見た。フローラも自分と同じようなサレ妻だったが、愛人が殺され、調査をしていた。

 事件は違うが、この夢はなんだ?

「何この夢!」

 朝、目覚めたら、この夢の不可解さに首を傾げるしかない。

 フローラは近世ヨーロッパっぽい国に住んでいたり、社会的立場は全く違うが、共感できる所ばかり。

「まるで前世? いや、来世の夢?」

 そうは言っても来世や前世は信じていない。物語の中だけの話。

「それにしてもサレ妻の苦しみは万国共通だったのね。自分だけじゃない。なんだか気持ち楽になって来たかも。悲劇のヒロインみたいのは辞めるわ」

 文花はそう言ってベッドから抜け出すと、身支度を整え、朝食を作りに向かう。

 夫が嫌いな意識高いオーガニック野菜を使った味噌汁と雑穀米、それに鯖の塩焼きが今日の朝食だ。

 きっと夫は文句を言いつつも、朝食を食べるだろう。

「さあ、朝ご飯を作ったら、久しぶりにクッキー焼ましょうかね。フローラよりも上手に焼けるかわからないけど」

 文花ははりきり、腕まくりをしていた。
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