48 / 157
第一部
番外編短編・公爵家のお皿
しおりを挟む
僕は公爵家のお皿。
フローラがメンヘラヒステリーを起こすたびに、割られていました。まあ、新しい皿に転生し、結局後者家のキッチンの戸棚に戻ってしまう事も多いけれど。
どうも最近はフローラもメンヘラになる事が少なくなり、僕も割られる事は少なくなってしまったけどね。
公爵も家に帰って来るようになったから、僕の出番も増えた。昨日はサラダを乗せたよ。
新米メイドのフィリスは田舎者らしく、僕を洗うのも雑だ。ドレッシングのシミがまだ残っているのに、洗った事にされた時は参った。昨日もメイド頭のアンジェラが怒ってたよ。やれやれ。
「しかし最近の奥さんはメンヘラしなくなったので、お皿買わなくていいですね!」
僕を吹きながら、フィリスはアンジェラに話していた。
「そうよな。前は皿代だけで私の給料の半分ぐらい使ってから」
「えー、そんなにですか! 奥さんのメンヘラは筋金入りです!」
そう、それは僕が一番よく知ってる。
「でもよ、メンヘラ女辞めろっていうのもどうなんかね」
「アンジェラ、そうですか? マムもメンヘラ辞めろって本に書いてたよ」
「だって、自分でご機嫌とって物分かりよくニコニコして、見かけも美人で稼いで自立している女なんて、都合の良い女だよな。自己中のヒモ男か、クズモラハラ男しかよってこんだろ。それがモテるっていう事か? 私はわからない」
「まあ、確かにメンヘラ女でも許せる男はかなり良い男ですね!」
「まあ、うちの坊ちゃんはね?」
「まあ、公爵は単にメンヘラ製造機ってだけでしょね!」
公爵の悪口で盛り上がってメイド二人を見ながら、僕も笑いそうだ。確かにあの公爵はメンヘラ製造機だった。
「お、二人とも何を盛り上がってるんだ?」
そこに公爵が登場。紅茶のお代わりが欲しいとキッチンにやって来たらしい。
突然に公爵の登場に二人とも慌てふためき、僕を床に落とした。
ガッシャーン!
僕は粉々の砕けてしまった。
「おいおい、君達、なんか俺の悪口言ってただろ?」
公爵の猜疑心モードはオンになり、メイド二人はしばらく目を泳がせていた。
一方、僕は新聞紙にぐるぐる巻きにされ、ゴミとして回収されてしまった。
メンヘラ女が治ったと思ったら、うっかりメイドに粉々にされるとは予想していなかったが、仕方がない。
まあ、人生、いや、皿生はこんなものである。次も公爵家のキッチンに生まれ変わる事を望みながら、僕は意識を手放していた。
「ふふふ、ありがとう、お皿さん。今度メンヘラ女になったら、思いっきり割らせて貰うから。その時はよろしく!」
意識が消えかける瞬間、どこからかフローラの声が聞こえる気がした。
フローラがメンヘラヒステリーを起こすたびに、割られていました。まあ、新しい皿に転生し、結局後者家のキッチンの戸棚に戻ってしまう事も多いけれど。
どうも最近はフローラもメンヘラになる事が少なくなり、僕も割られる事は少なくなってしまったけどね。
公爵も家に帰って来るようになったから、僕の出番も増えた。昨日はサラダを乗せたよ。
新米メイドのフィリスは田舎者らしく、僕を洗うのも雑だ。ドレッシングのシミがまだ残っているのに、洗った事にされた時は参った。昨日もメイド頭のアンジェラが怒ってたよ。やれやれ。
「しかし最近の奥さんはメンヘラしなくなったので、お皿買わなくていいですね!」
僕を吹きながら、フィリスはアンジェラに話していた。
「そうよな。前は皿代だけで私の給料の半分ぐらい使ってから」
「えー、そんなにですか! 奥さんのメンヘラは筋金入りです!」
そう、それは僕が一番よく知ってる。
「でもよ、メンヘラ女辞めろっていうのもどうなんかね」
「アンジェラ、そうですか? マムもメンヘラ辞めろって本に書いてたよ」
「だって、自分でご機嫌とって物分かりよくニコニコして、見かけも美人で稼いで自立している女なんて、都合の良い女だよな。自己中のヒモ男か、クズモラハラ男しかよってこんだろ。それがモテるっていう事か? 私はわからない」
「まあ、確かにメンヘラ女でも許せる男はかなり良い男ですね!」
「まあ、うちの坊ちゃんはね?」
「まあ、公爵は単にメンヘラ製造機ってだけでしょね!」
公爵の悪口で盛り上がってメイド二人を見ながら、僕も笑いそうだ。確かにあの公爵はメンヘラ製造機だった。
「お、二人とも何を盛り上がってるんだ?」
そこに公爵が登場。紅茶のお代わりが欲しいとキッチンにやって来たらしい。
突然に公爵の登場に二人とも慌てふためき、僕を床に落とした。
ガッシャーン!
僕は粉々の砕けてしまった。
「おいおい、君達、なんか俺の悪口言ってただろ?」
公爵の猜疑心モードはオンになり、メイド二人はしばらく目を泳がせていた。
一方、僕は新聞紙にぐるぐる巻きにされ、ゴミとして回収されてしまった。
メンヘラ女が治ったと思ったら、うっかりメイドに粉々にされるとは予想していなかったが、仕方がない。
まあ、人生、いや、皿生はこんなものである。次も公爵家のキッチンに生まれ変わる事を望みながら、僕は意識を手放していた。
「ふふふ、ありがとう、お皿さん。今度メンヘラ女になったら、思いっきり割らせて貰うから。その時はよろしく!」
意識が消えかける瞬間、どこからかフローラの声が聞こえる気がした。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる