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第50話 模擬戦をしよう
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「もふふふっ(さあ皆さん、頑張りましょう!!)!」
勇ましくだんきちの右腕を振り上げる。
「う、うむ」
うららかな昼下がり。
皇宮に隣接するコロシアムで、俺たちの模擬戦兼演武が始まろうとしていた。
わああああああっ
観客席は観衆で埋まり、沢山の歓声が降り注ぐ。
俺のチームに入ったのは騎士団長であるルークさんと、ギルドの特殊部隊に所属するレンさん。
ルークさんが人間族で、レンさんはワーウルフの魔法使いだ。
「ちっ、何故この私が人間風情と……」
レンさんが忌々しげにルークさんを睨んでいる。
「だんきちさん! ルーク、レンも!
仲良く頑張ってくださいね~!!」
「「リ、リアン様!?」」
「もふもふ(チーム分けをされたのはリアン様ですよ?)」
「「くうっ!?」」
つまり第三皇女推薦のチームであり、これは天覧試合なのだ。
姫様の前で無様な姿は見せられない……慌てて居住まいを正す二人。
「にひ☆
ゆゆちゃんとしても、今日は絶対負けられないし!!」
愛用の高分子ガラスブレードを構え、ずびし!とポーズを取るゆゆ。
「ふたりとも、がんばろーぜ♪」
「あ、ああ!」
「うんっ!」
ゆゆのチームは大柄な魔族の男性(近衛師団所属)と小柄なホビット族の女性神官だ。
「へへ~☆」
((か、かわいい!))
ひらひらと風に舞うゆゆのJK衣装にふたりは釘付けだ。
(絶対一番になるんだから!!)
気合を入れるゆゆ。
一位のチームには数々のお土産と、リアン様から”願いを1つかなえる権”がプレゼントされる。
(タクミおにいちゃんにキスしてもらうんだ~、唇に!!)
とてもかわいい願いではあるが、ゆゆモードの時ですら自分でグイグイいけないところがユウナのヘタレさである。
「ふふっ、ゆーしょーするのはアリスのチームよ!
絶対、だんきちの新作ぬいぐるみをゲットするんだから!!」
じゃきん、とマジックロッドを構えるアリス。
魔法使いの制服風衣装がヴァナランド的に一番フィットしている彼女が従えるのは、ダークエルフと人間族の魔法使い。
「ということでアリスのお願い、手伝ってね。
おね~ちゃんたち?」
((かっ……可愛すぎるでしょ!?))
ふたりは既にアリスの可愛さにぞっこんだ。
「さて、演武の開催に先立ちまして……わたしリアンからルールの説明をさせて頂きます」
貴賓席に座っていたリアン様が立ち上がる。
ヴンッ
観客席のそこかしこに、リアン様の魔法映像が投影される。
(おおおっ)
純白の皇族服に身を包んだリアン様の姿にどよめく観客席。
かくいう俺も彼女の姿に見惚れてしまった。
「演舞場にはわたしの魔力を使って緩衝フィールドを貼っております。
身体的ダメージが残ることはございませんので、皆様遠慮せずお力を発揮ください」
”おおお……”
「ただし、ダメージが一定を超えますとリアン特製の拘束術が発動し、戦闘不能扱いになりますのでご注意を。最後の1人まで残っていたチームが勝ち……こちら、魔王継承の儀で行われるバトル・ロワイアルをアレンジしたルールになります♪」
ぱちん
ヴンッ!
リアン様が指を鳴らすと、演舞場全体が一瞬だけ緑色に輝く。
……そういえばリアン様は当代の魔王だった。
俺たちが全力で戦ってもダメージが残らないフィールドとは、どういう原理かさっぱりわからないがこれで安心して戦えそうだ。
「それでは……リアンの名に於いて、演武の開始を宣言します!」
ドオオンッ!
巨大な銅鑼が打ち鳴らされ、模擬戦が始まった。
*** ***
「もふもふ(ルークさん、レンさん! まずは動き回りましょう!)」
「アリスのチームは魔法特化、ゆゆのチームは近接戦闘特化です。
ターゲットを絞らせずに行きましょう」
「承知した!」
「わかったわ!」
俺のチームは騎士団長にギルドの魔法使い。
バランスのいい構成と言えるが、俺の純粋な戦闘力は参加メンバーの中で最低だ。
上手く立ち回る必要がある……が。
「ふふ、かわいそうだけどまずはだんきちを封じさせてもらうわ!」
「へへっ、そーだよね!」
「!!」
やはり。
数々のクリーナースキルを持つ俺を警戒したのか、ゆゆとアリスのチームは俺を狙って来た。
「ベルおねえちゃん、ウェラおねえちゃん、タイミングを合わせてね?」
「へるばーすと!!」
「「ファイアストーム!!」」
ゴオオオオッ!
三人分の魔法が俺に迫る。
「シドルっち、ウチらに防御魔法を!
ガイっち、いくぜ☆」
「エンチャント!」
「ゆゆ殿、我は右から!」
「オッケー♪」
アリスたちの魔法の一瞬後に、左右から飛び掛かってくるゆゆと魔族のガイさん。
「タクミ殿!?」
「く、あれほどの連続攻撃では……!」
いきなりだんきち離脱か!?
焦るルークさんとレンさんだが……。
「もふふふふっ!!」
俺は着ぐるみの両腕をクロスさせると、ありったけの力を込める。
密かに特訓していた、俺の奥の手を見せる時が来たようだ。
フイイイイイイイイイインッ!
だんきちの両手の肉球が、白く輝き始める。
「な、なにごと!?」
「ふおおっ!?」
キイイイイイインッ!
甲高い発動音と共に、演舞場は光に包まれた。
勇ましくだんきちの右腕を振り上げる。
「う、うむ」
うららかな昼下がり。
皇宮に隣接するコロシアムで、俺たちの模擬戦兼演武が始まろうとしていた。
わああああああっ
観客席は観衆で埋まり、沢山の歓声が降り注ぐ。
俺のチームに入ったのは騎士団長であるルークさんと、ギルドの特殊部隊に所属するレンさん。
ルークさんが人間族で、レンさんはワーウルフの魔法使いだ。
「ちっ、何故この私が人間風情と……」
レンさんが忌々しげにルークさんを睨んでいる。
「だんきちさん! ルーク、レンも!
仲良く頑張ってくださいね~!!」
「「リ、リアン様!?」」
「もふもふ(チーム分けをされたのはリアン様ですよ?)」
「「くうっ!?」」
つまり第三皇女推薦のチームであり、これは天覧試合なのだ。
姫様の前で無様な姿は見せられない……慌てて居住まいを正す二人。
「にひ☆
ゆゆちゃんとしても、今日は絶対負けられないし!!」
愛用の高分子ガラスブレードを構え、ずびし!とポーズを取るゆゆ。
「ふたりとも、がんばろーぜ♪」
「あ、ああ!」
「うんっ!」
ゆゆのチームは大柄な魔族の男性(近衛師団所属)と小柄なホビット族の女性神官だ。
「へへ~☆」
((か、かわいい!))
ひらひらと風に舞うゆゆのJK衣装にふたりは釘付けだ。
(絶対一番になるんだから!!)
気合を入れるゆゆ。
一位のチームには数々のお土産と、リアン様から”願いを1つかなえる権”がプレゼントされる。
(タクミおにいちゃんにキスしてもらうんだ~、唇に!!)
とてもかわいい願いではあるが、ゆゆモードの時ですら自分でグイグイいけないところがユウナのヘタレさである。
「ふふっ、ゆーしょーするのはアリスのチームよ!
絶対、だんきちの新作ぬいぐるみをゲットするんだから!!」
じゃきん、とマジックロッドを構えるアリス。
魔法使いの制服風衣装がヴァナランド的に一番フィットしている彼女が従えるのは、ダークエルフと人間族の魔法使い。
「ということでアリスのお願い、手伝ってね。
おね~ちゃんたち?」
((かっ……可愛すぎるでしょ!?))
ふたりは既にアリスの可愛さにぞっこんだ。
「さて、演武の開催に先立ちまして……わたしリアンからルールの説明をさせて頂きます」
貴賓席に座っていたリアン様が立ち上がる。
ヴンッ
観客席のそこかしこに、リアン様の魔法映像が投影される。
(おおおっ)
純白の皇族服に身を包んだリアン様の姿にどよめく観客席。
かくいう俺も彼女の姿に見惚れてしまった。
「演舞場にはわたしの魔力を使って緩衝フィールドを貼っております。
身体的ダメージが残ることはございませんので、皆様遠慮せずお力を発揮ください」
”おおお……”
「ただし、ダメージが一定を超えますとリアン特製の拘束術が発動し、戦闘不能扱いになりますのでご注意を。最後の1人まで残っていたチームが勝ち……こちら、魔王継承の儀で行われるバトル・ロワイアルをアレンジしたルールになります♪」
ぱちん
ヴンッ!
リアン様が指を鳴らすと、演舞場全体が一瞬だけ緑色に輝く。
……そういえばリアン様は当代の魔王だった。
俺たちが全力で戦ってもダメージが残らないフィールドとは、どういう原理かさっぱりわからないがこれで安心して戦えそうだ。
「それでは……リアンの名に於いて、演武の開始を宣言します!」
ドオオンッ!
巨大な銅鑼が打ち鳴らされ、模擬戦が始まった。
*** ***
「もふもふ(ルークさん、レンさん! まずは動き回りましょう!)」
「アリスのチームは魔法特化、ゆゆのチームは近接戦闘特化です。
ターゲットを絞らせずに行きましょう」
「承知した!」
「わかったわ!」
俺のチームは騎士団長にギルドの魔法使い。
バランスのいい構成と言えるが、俺の純粋な戦闘力は参加メンバーの中で最低だ。
上手く立ち回る必要がある……が。
「ふふ、かわいそうだけどまずはだんきちを封じさせてもらうわ!」
「へへっ、そーだよね!」
「!!」
やはり。
数々のクリーナースキルを持つ俺を警戒したのか、ゆゆとアリスのチームは俺を狙って来た。
「ベルおねえちゃん、ウェラおねえちゃん、タイミングを合わせてね?」
「へるばーすと!!」
「「ファイアストーム!!」」
ゴオオオオッ!
三人分の魔法が俺に迫る。
「シドルっち、ウチらに防御魔法を!
ガイっち、いくぜ☆」
「エンチャント!」
「ゆゆ殿、我は右から!」
「オッケー♪」
アリスたちの魔法の一瞬後に、左右から飛び掛かってくるゆゆと魔族のガイさん。
「タクミ殿!?」
「く、あれほどの連続攻撃では……!」
いきなりだんきち離脱か!?
焦るルークさんとレンさんだが……。
「もふふふふっ!!」
俺は着ぐるみの両腕をクロスさせると、ありったけの力を込める。
密かに特訓していた、俺の奥の手を見せる時が来たようだ。
フイイイイイイイイイインッ!
だんきちの両手の肉球が、白く輝き始める。
「な、なにごと!?」
「ふおおっ!?」
キイイイイイインッ!
甲高い発動音と共に、演舞場は光に包まれた。
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