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第11話 メイド少女と貴族の陰謀編 その4 ボスキャラとの戦い?のはてに
しおりを挟む「くっ、これじゃ、逃げられない……なんとかわたしがアイツの注意を引いて……なんとかリリ様だけでも無事にっ」
サナがドラゴンからオレを守るように、立ちふさがる。その表情は、なにかを覚悟したように、真剣だ。
絶望的な戦いが、いま、始まる……
*** ***
うーん、まあ、そうだよな。 それが普通の反応だよな……でも、いやー、なんというか。
そ、そういうのじゃないんだよね……。
「大丈夫だ、サナ、オレに任せて」
「……えっ!? リリ様、なにを!?」
オレは無造作にドラゴンの前に歩み出ると、ドラゴンが使う言葉で彼女に声をかけた。
[よ、よう”ユラン”、久しぶりだな]
[ん、懲りない冒険者だね、相手になるよ……って、竜語!? えっえっ、はぁ!? アンタ、何者っ!?]
オレが竜語で話しかけると、途端にわたわたする”ユラン”。 こいつ、変わってねーな……
[さすがにこの姿じゃわかんねーか……オレだ、”ルーディアス”だよ]
そう、オレのドラゴン時代の名前、本邦初公開だ。
”ユラン”はオレが分らないだろうから、魔導通信端末に保存してある、”オレとユランのツーショット写真”を、洞窟の壁に投影する。
[えええええ!? この写真、初デートの時に魔導プリクラで撮ったやつじゃん! ええっ!? ウソっ!? 本当に”ルーディアス”なのっ!?]
盛大にずっこけ、驚愕のポーズをとる”ユラン”。
「り、リリ様、このドラゴン、いきなり変なポーズを取り始めましたが……もしかして、知り合いですか?」
「うん、オレの元カノ」
「も、元カノおぉおおおぉぉ!?」
サナの驚愕の叫びが、洞窟内に響き渡った。
*** ***
……10分後、お互いの自己紹介が済み、オレ達はすっかりなごんでいた。
”ユラン”はどこからともなく出した巨大なクッションに座り、300リットルはあるコップでお茶を飲んでいる。
オレ達も、魔法瓶に入れてきた紅茶でひとやすみだ。
おっと、ここからはリリちゃん、竜語同時通訳でお送りするから、安心してくれ。
「へええぇ……ルーディアス、討伐されたって風の噂で聞いて、ちょっと心配してたけど、人間なんかに転生してたんだ。 しかも女の子に……たしかに、どことなく面影があるわね」
そうなんですか……さっきの写真見ても、どっちがどっちかさっぱりわかりませんが……と言いたそうな顔をしているサナ。
「まーな、復活魔法の誤動作とはいえ、オレは結構楽しんでるぜ! ユランはバイトか?」
「そーなの、今世紀生活費が厳しくって……」
「す、スケールがでかい……のに、悩みは庶民的……さすがドラゴン……」
オレ達のフランクな会話に、いちいちサナが驚いている。
「そいや、ルーディアスは何しに来たの? 竜の宝とか、別に要らないでしょ?」
「ああ、アーバンロリをゲットする為に”精霊の花”が欲しくてな! この洞窟に咲いてるんだろう?」
「それなら……その奥に咲いてるから、好きなだけ持ってっちゃって。 にしてもアンタ、女の子に対して、相変わらずねぇ」
やれやれという顔をするユラン。
「恩に着るぜ……じゃあ、花を摘んだら、オレ達は帰るわ。 ユランもバイト、頑張れよー」
うーい、という感じでひらひら前足を振るユラン。
オレ達は何輪か”精霊の花”を摘むと、帰路に就いた。 余った花は売るとしよう。 サナの香水代もかかることだしな!
「……なーんか、フランクな竜でしたね、元カノと言いつつ、ドロドロはしてないよ、みたいな」
「んー? まあ、1万年以上前のことだしな……あんときはお互い若かったな―」
「……ドラゴン族の時間感覚がよくわかりません……でも、今カノとして負けられません! サナ、さらに精進します!」
「お、おう」
やけに気合を入れているサナに軽く引きつつ、オレ達はリーベの街に戻るのだった。
*** ***
「おねーちゃーん! ”精霊の花”、取ってきたよー!」
「えええっ!? こ、こんなに早く……あ、ありがとう。 凄腕の冒険者というのは、本当だったのね」
オレ達は街に着くと、さっそくエルナに連絡を取り、”精霊の花”を渡す。
わずか数日で希少アイテムを入手してきたことに、たいそう驚いているようだ。
「あっ、でも、ごめんなさい……さすがに今、持ち合わせがないの。 ご主人様……ヨーゼフ様に連絡して、指示を仰がないと……リリちゃん、ごめんね。 少し待ってくれる?」
「うん、だいじょーぶだよ! あ、出来たら、わたしたちもお嬢様?のお誕生会に出てみたいな! リリ、きぞくさんのお屋敷に行ったことがないから、行ってみた―い!」
オレは、ここがお願いするタイミングと判断し、子供らしく少しわがままに頼んでみる。
この時、さりげなく相手のボディにタッチし、媚びるような視線を送るのがコツだぜ?
「!! リリ様、恐ろしい子!! こないだまで男だったはずなのに、すでに男タラシ女子の必須テクニックを身に着けるとはっっ!!」
サナがオレのスキルに戦慄しているよーだが、甘いな。
ナンパの成功確率を上げるためには、女子の心理を勉強しろ、だ。
数千年修行を続けたオレにとっては、小悪魔幼女を演じることなど、朝飯前!
「それは……ヨーゼフ様に確認してみないと……ああでも、リーベの霊峰を攻略した凄腕の冒険者と言えば、何とかなるかも……うん、リリちゃん、サナちゃん、少し待っててね、また連絡する」
よし、これは脈がありそうだ。 ここでいったん引くのもテクニックである。
オレは経過に満足すると、エルナに別れを告げ、宿泊先のホテルに戻る。
予想通り、その日の夜には、ヨーゼフ家から招待状がとどいた。 よっし、完璧じゃねーか!!
「なんというか、その愛くるしい外見で、凄腕ナンパ師とか、ちょっと引きます……」
むむ、下僕のくせに生意気言いやがって! よし、今夜は(この尻尾で)寝かさねーぜ! いつぞやの仕返しをしてやる!
「えっ!? リリ様、いきなりそんなとこに(光の尻尾)入れちゃ……くうんっ……ひうっ……きゃああああ!!」
部屋の中に、サナのかわいい悲鳴(意味深)が響き渡ったのだった……
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