お助け最強幼女! 下僕少女と世直し旅 ~最強竜なのに人間に討伐され幼女として復活したオレ、竜スキルでハーレムを築いたら楽しすぎ~

なっくる

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第21話 楽しい学院生活編 その7 激闘、混沌の深淵! そして明かされる衝撃の事実

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 さて、ここが”混沌の深淵”の入り口か……

 練習用ダンジョン第11層、中級向けダンジョンの最奥に、立ち入り禁止のロープが張られており、頑丈な鉄格子で封印までされている。

 オレ達は封印を解除し、崩れた横穴の奥までやってきたところだ。

 正面の壁が大きく割れ、そこから漆黒の闇がのぞいており、もわもわと、瘴気がにじみ出ている。
 なるほど、そこそこメンドくさそうだな。

「う、うええ、ここに入るの……? 中に入った瞬間に、闇落ちして黒サキュバスになったりしない? ハンナ、残りの人生クソビッチとか嫌だよ?」

 ハンナがサキュバス族に対して失礼なことを言ってるが、やはり人生経験の少ないお子様だな! サキュバス族には、清純派○○女優もいるのだ!

「それ、結局ビッチじゃないですか……」

 サナのツッコミが冴えわたったところで、オレはみんなが安心できるように、解説してやる。

「大丈夫だ。 心配ない。 この”暗黒”は、闇の魔法力が顕現したもの。 光の魔法力で払いながら進めば、悪影響はない。 ただ、視界は悪いから、ちゃんと隊列を組んで進もう」

「リリ、アナタ詳しいのね……さすがにS級魔導士ですわ」

 まーな、昔こういうのを……ん? いま何か頭の中で引っかかったな? うーん、まあ、大したことないだろう、気にせず行こうか。

「つーことで、行くぞ」

 オレは、学院の備品であるメイジ・スタッフの先に、強力な光の魔法力を込め、照明代わりにすると、”混沌の深淵”に足を踏み入れた。


 ***  ***

「そっち、行きましたわ! ハンナ!」

「おっけー! ”ライト・バインド”!」

「動きが止まりましたわ! グスタフ!」

「うっす! (シールドアタックどーん)」

 Sランクモンスター、”カオス・ゴブリン”は、断末魔の悲鳴を上げ、闇に溶け込むように消えていった。
 ふーむ、こいつらの連携、なかなかやるじゃねーか。

「おっと……”セブンス・ソード”!」

 オレはSSランクの光系攻撃魔法を発動させると、3人の後ろから忍び寄っていた、もう1体の”カオス・ゴブリン”を両断した。

「へへ、油断大敵、だぜ?」

「ふう、助かりましたわ……リリ、相変わらずチートですのね」

「はーい、みんな! わたしが体力と魔力を補充するから、並んで並んで」

 すかさず、サナが回復魔法を使い、消耗した体力と魔力を一瞬で全快まで回復させる。

「ふえー、私的には、サナちゃんのコレのほうが、よほどチートだけどね……♪」

 ……確かに、出会った頃に比べ、サナの回復魔法の威力がどんどん向上している。 これはもしかして、毎夜のとれーにんぐ(意味深)の効果だろうか?

 ”夜の営みと魔力増幅効果の相関性について”

 竜界の学術雑誌である、ドラゴン・ネイチャーに投稿しようか……思わずオレが考え込んでいると、みんなの回復が終わったようだ。



「……ふう、結構奥まで来ましたわね……」

 探索を始めて数時間、さすがに、仲間たちの表情にも、疲労の色が見える。

「そうだな……いったん小休止するか」

 オレは、メイジ・スタッフの先につけた、照明代わりの光球に魔力を補充すると、青い防御陣を展開し、壁を背に半径10メートルほどの”ドーム”を生成する。

「モンスターよけの効果もあるから、この中で休憩しよーぜ。 サナ、お茶でも入れてくれー」

「はい、リリ様、ただいま」


 ***  ***

「ふう、紅茶とケーキおいしー……Sランクダンジョンの中でくつろげるなんて、ほんとにリリちゃん、チートだね!」

 上機嫌にケーキをぱくつくハンナ。 そ、そうか? これくらいの防御陣、普通だと思うのだが、人間のチートの基準は低いんだな……

「まったく、緊張感がありませんわ…………あら? ここの壁……なにか書いてありますわ……読めない……古代文字?」

 呆れ気味のクリス。 ふと、なにかを見つけたようだ。 文字? ダンジョン攻略のカギとなればいいが……

「リリちゃん、もしかして、読めたりする?」

 おいおい、いくらオレが万能だといっても、何でもわかるはずないだろう……オレは、壁の文字に目をやるが……ん? これは、竜語か?

 どうやら、オレ達ドラゴンが使う言語で書かれているようだ。どれどれ……つーか、きたねー字だな……

「”我は暗黒竜……創世暦2万年の節目にここに記そう! 我が名”……ッツ!!」

 恥ずかしいポエムか……書いた奴はポンコツ中二病患者に違いない……と読み進めていたところ、を見つけてしまった。


 うああああああ!!

 思い出してしまったああああ!!

 この”混沌の深淵”、1万2千年前に”ちょっぴり”中二病にかかっていたオレが、見よう見まねで暗黒魔術っぽいことをしてみた結果、本当に”混沌”を生み出してしまい、扱いに困って不法投棄した奴じゃねーか!

 頭をかきむしって転げまわりたい衝動を、必死にこらえるオレ。

 こ、これは恥ずかしい! みんなにばれる前にごまかさないとっ!

「くっ! みんな離れろ! これは太古から伝わる伝説の禁呪! 声に出して読むと呪われるぞっ!」

 オレは、ばっ! と手を広げ、防御魔法 (っぽいモノ)を展開する。 はやくここを離れないと!

 ……だれだ? 今も大して変わらないじゃんと言ったのは? 中二病の恥ずかしさは、また格別なのである。

 オレ達はそそくさとその場を撤収すると、ダンジョンの奥へ急いだ。

「……リリ様、まさか……」

 サナはなんとなく察しているよーだが、後で釘をさしておかなければ……


 ***  ***

 その後のダンジョン攻略は簡単だった。

 なにしろ、自分が作り出したモノなので、マップも、トラップも、出てくるモンスターの弱点属性さえも把握しているのである。

「すっごーい! リリちゃん、何でそこまでわかるのっ!?」

「ふ、ふっ……これが天才の洞察力って奴だぜ……」

 うう、純粋な賞賛の声が、耳に痛い……

「とう!」

 ぼてっ……しゅうううう……

 最奥に控えていた、ダンジョンの守護者(出来損ないのキメラみたいで、デザインがダサい。 もちろんオレが生み出したものだ……)も、弱点属性を攻撃することで、あっさり撃破。

 周辺地域を震撼させた、特A級魔導災害”混沌の深淵”は、消滅したのだった……さらば、オレの中二病の傷跡よ……二度と出てくんな。


 ***  ***

「ふー、終わった終わった! これで私の単位も安泰だー♪」

 ”混沌の深淵”が消滅したので、入り口である、練習用ダンジョン第11層に戻ってきたオレ達。

 この成果で、先生に恩を着せて……ふふふ……


「あら、これは何でしょう……”魔導災害被害調……”?」

 オレが期待に胸と尻尾を膨らませていると、サナがなにかを見つけたようだ。

 足元から、焼け焦げた紙片を拾い上げる……なんだ? なにかの書類の切れ端か?

「”想定被害額……” んー読めません……”上記により、補助金申請を以下の”……公的な書類ですかね? でも何で焼かれているんでしょう? サナ、サナ、気になります!」

「おいおい、”混沌の深淵”を学院で調査したときの痕跡とかじゃねーの? それよりオレは早くイレーネ先生を……」

「いえ、こういうところに、巨大な犯罪の証拠が眠っているかもなのです! さっそくこの書類、再生してみます!」

 やれやれ、また”名探偵サナちゃん”のお出ましか……まあ、好きにさせてやるか。

 パアァァ……

 サナのチート再生魔法で、瞬く間に再生される書類……

「!! リリ様、これは”魔導災害特別補助金申請書”!! 犯罪の、匂いがします!」

 ……それって、ただの役所の書類じゃねーの?

 盛り上がるサナとあきれるオレ。

 これは、事件、なのか?
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