4 / 59
第4話 低ランクダンジョンで試してみる
しおりを挟む
「むふ、これがリーサのぼーけん装備……かわいい!」
「こらこら、いくらHランクダンジョンだからって、一人で奥まで行くなよ?」
「わかってるよ、ユウ♪」
本当に分かっているのか、楽しそうにダンジョンの通路を歩くリーサ。
蒼と黒を基調にした制服風のブレザーに黒い帽子。
彼女の煌めく銀髪にとてもよく似合っている。
青いラインが入った短めのスカートから、すらりと伸びた細い脚は黒タイツに覆われており、足元はコインローファーだ。
愛らしい彼女にとても似合っていて、ついあの頃を思い出す。
リーサが11歳の誕生日を迎えて数日後、彼女はダンジョンバスター見習いの試験に合格した。
チュートリアルを兼ね、手近なHランクダンジョンへとやってきたのだ。
(俺のスキルポイント獲得倍率がどうなっているかも確認したいし)
相変わらず、バグったままのスキルポイント獲得倍率。
実際にダンジョンを攻略してみて、結果を確認する事も目的の一つだ。
「あっ、スライムだ。 ぽよぽよして可愛い」
「まってろ? スキルポイントを割り振ってやるから」
ダンジョンの小部屋から子猫くらいの大きさのスライムがぽてぽてと転がり出てくる。
ダンバス試験に合格した者なら、子供でも倒せるくらいの弱いモンスターだ。
念のため、俺はしっかりとスキルポイントを配分する。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:東兵庫第25ギルド
ランク:F
スキルポイント残高:2,500(-500)
スキルポイント獲得倍率:む&か=%
口座残高:912,500円
称号:ドラゴンスレイヤー
■ステータス
HP :50/50
MP :20/20
攻撃力 :30(+10)
防御力 :30(+10)
素早さ :20
魔力 :10
運の良さ:10
■装備/スキル
武器:ブロードソード(10×3回)
防具:皮の鎧(10×3回)
特殊スキル:ヒールLV1(10×5回)
======
======
■個人情報
アカシ リーサ・レンフィード
年齢:11歳 性別:女
所属:明石 優のパートナー
ランク:H(ダンジョンバスター見習い)
■ステータス
HP :50/50
MP :20/20
攻撃力 :20(+10)
防御力 :40(+10)
素早さ :20
魔力 :10
運の良さ:10
武器:トンファー(10×3回)
防具:ファイバーブレザー(10×3回)
特殊スキル:なし
======
「むふ~、からだ軽くなったよっ♪」
Hランクダンジョンに挑むには、過剰も過剰。
Eランクダンジョンレベルのステータスである。
だが、大切なリーサに怪我をさせたくない。
出来るだけの事をしたいのが親心というヤツだ。
「えへ、そんな優しいユウが大好き!」
ぎゅっ
ああもう可愛いな。
俺たちはスライムを蹴散らしながら、ダンジョンの奥へと向かうのだった。
*** ***
「えいっ!」
リーサのトンファーがボス役のスライムを捉える。
ばしっ!
ぼてっと吹き飛んだスライムは、キラキラと光る粒子になって消える。
ぱああああっ
と同時に、ダンジョンは消失し、俺たちは現実世界に戻る。
大きめの公園によく設置されている、山の形をした遊具の中。
Hランクダンジョンはこのような場所によく出現する。
『依頼No:H73878724、Hランクダンジョンの消失を確認』
ここからだ。
ごくりと喉を鳴らす。
「ドキドキ……」
制服姿のリーサをぎゅっと抱き寄せる。
Hランクダンジョンのスキルポイント報酬は通常5~10。
普通は超絶大赤字になるはずだが……。
『残りのステータスを清算し、スキルポイント155が返却されました』
戦闘によるダメージは0。
戦っていたのはリーサだけなので、これくらい戻ってくるのは想定内だ。
次……!
『現金報酬500円 スキルポイント報酬:500(獲得倍率:む&か=%)』
「!!!!」
「ユウ、これって!?」
通常の100倍近いスキルポイントが手に入った!?
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:東兵庫第25ギルド
ランク:F
スキルポイント残高:3,155(+655)
スキルポイント獲得倍率:む&か=%
口座残高:912,800円(+300)
称号:ドラゴンスレイヤー
======
「やった!!」
「やった~~!!」
思わずガッツポーズをする。
Hランクダンジョンを2人で攻略して、スキルポイントが黒字になるなんて!
「リーサ、この調子でHランクダンジョンを狩りまくるぞ!」
「らじゃ!」
「今日の夕食は……お寿司だ!」
「やっほう!」
満面の笑みで抱きついてくるリーサ。
Hランクダンジョンは危険が少ない事と報酬が安いせいで、超初心者のチュートリアルに使われるほかは、ほぼ放置されており、”フリー”で狩ることが出来る。
幸い、フェリナさんから貰った現金報酬でしばらく生活の心配はない。
俺たちは1日中Hランクダンジョンを狩りまくるのだった。
「こらこら、いくらHランクダンジョンだからって、一人で奥まで行くなよ?」
「わかってるよ、ユウ♪」
本当に分かっているのか、楽しそうにダンジョンの通路を歩くリーサ。
蒼と黒を基調にした制服風のブレザーに黒い帽子。
彼女の煌めく銀髪にとてもよく似合っている。
青いラインが入った短めのスカートから、すらりと伸びた細い脚は黒タイツに覆われており、足元はコインローファーだ。
愛らしい彼女にとても似合っていて、ついあの頃を思い出す。
リーサが11歳の誕生日を迎えて数日後、彼女はダンジョンバスター見習いの試験に合格した。
チュートリアルを兼ね、手近なHランクダンジョンへとやってきたのだ。
(俺のスキルポイント獲得倍率がどうなっているかも確認したいし)
相変わらず、バグったままのスキルポイント獲得倍率。
実際にダンジョンを攻略してみて、結果を確認する事も目的の一つだ。
「あっ、スライムだ。 ぽよぽよして可愛い」
「まってろ? スキルポイントを割り振ってやるから」
ダンジョンの小部屋から子猫くらいの大きさのスライムがぽてぽてと転がり出てくる。
ダンバス試験に合格した者なら、子供でも倒せるくらいの弱いモンスターだ。
念のため、俺はしっかりとスキルポイントを配分する。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:東兵庫第25ギルド
ランク:F
スキルポイント残高:2,500(-500)
スキルポイント獲得倍率:む&か=%
口座残高:912,500円
称号:ドラゴンスレイヤー
■ステータス
HP :50/50
MP :20/20
攻撃力 :30(+10)
防御力 :30(+10)
素早さ :20
魔力 :10
運の良さ:10
■装備/スキル
武器:ブロードソード(10×3回)
防具:皮の鎧(10×3回)
特殊スキル:ヒールLV1(10×5回)
======
======
■個人情報
アカシ リーサ・レンフィード
年齢:11歳 性別:女
所属:明石 優のパートナー
ランク:H(ダンジョンバスター見習い)
■ステータス
HP :50/50
MP :20/20
攻撃力 :20(+10)
防御力 :40(+10)
素早さ :20
魔力 :10
運の良さ:10
武器:トンファー(10×3回)
防具:ファイバーブレザー(10×3回)
特殊スキル:なし
======
「むふ~、からだ軽くなったよっ♪」
Hランクダンジョンに挑むには、過剰も過剰。
Eランクダンジョンレベルのステータスである。
だが、大切なリーサに怪我をさせたくない。
出来るだけの事をしたいのが親心というヤツだ。
「えへ、そんな優しいユウが大好き!」
ぎゅっ
ああもう可愛いな。
俺たちはスライムを蹴散らしながら、ダンジョンの奥へと向かうのだった。
*** ***
「えいっ!」
リーサのトンファーがボス役のスライムを捉える。
ばしっ!
ぼてっと吹き飛んだスライムは、キラキラと光る粒子になって消える。
ぱああああっ
と同時に、ダンジョンは消失し、俺たちは現実世界に戻る。
大きめの公園によく設置されている、山の形をした遊具の中。
Hランクダンジョンはこのような場所によく出現する。
『依頼No:H73878724、Hランクダンジョンの消失を確認』
ここからだ。
ごくりと喉を鳴らす。
「ドキドキ……」
制服姿のリーサをぎゅっと抱き寄せる。
Hランクダンジョンのスキルポイント報酬は通常5~10。
普通は超絶大赤字になるはずだが……。
『残りのステータスを清算し、スキルポイント155が返却されました』
戦闘によるダメージは0。
戦っていたのはリーサだけなので、これくらい戻ってくるのは想定内だ。
次……!
『現金報酬500円 スキルポイント報酬:500(獲得倍率:む&か=%)』
「!!!!」
「ユウ、これって!?」
通常の100倍近いスキルポイントが手に入った!?
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:東兵庫第25ギルド
ランク:F
スキルポイント残高:3,155(+655)
スキルポイント獲得倍率:む&か=%
口座残高:912,800円(+300)
称号:ドラゴンスレイヤー
======
「やった!!」
「やった~~!!」
思わずガッツポーズをする。
Hランクダンジョンを2人で攻略して、スキルポイントが黒字になるなんて!
「リーサ、この調子でHランクダンジョンを狩りまくるぞ!」
「らじゃ!」
「今日の夕食は……お寿司だ!」
「やっほう!」
満面の笑みで抱きついてくるリーサ。
Hランクダンジョンは危険が少ない事と報酬が安いせいで、超初心者のチュートリアルに使われるほかは、ほぼ放置されており、”フリー”で狩ることが出来る。
幸い、フェリナさんから貰った現金報酬でしばらく生活の心配はない。
俺たちは1日中Hランクダンジョンを狩りまくるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる