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第26話 コアを砕け
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「なるほど……だが、不確実要素が大きくないかい?」
俺のプランを聞いたシローさんが腕を組んで唸っている。
確かに、ギャンブルみたいな作戦ですからね。
「でもさシロー、大量のスキポが手に入れば次の手を打ちやすくなんない?」
レミリアさんが助け舟を出してくれる。
「どういう行動をしたらスキルポイントの獲得倍率が上がるか、おおよそ把握してますから」
「……うむ」
俺の考えはこうだ。
災害ダンジョンに挑む前に、そのあたりに出現している低ランクダンジョンを狩る。
リーサが設定してくれているリミットを解除すれば、ムラが出るかもしれないが毎回10倍以上のスキルポイントを獲得できるはずだ。
「キャパ以上のスキルポイントをオーブにぶち込めば、破壊できませんかね?」
俺の脳裏に浮かんだのは最初に攻略したSランクダンジョン。
獲得スキルポイントが多すぎて、ダンバスアプリがオーバーフローした。
同じことを災害ダンジョンのオーブに試してみるのだ。
「どのみち、こうして話している間にもスキルポイントの減少は止まらない、か」
覚悟を決めたのか、腰を浮かせるシローさん。
「やっぱダンジョンが活性化してるわね。
半径100メートル以内に10カ所以上のE~Dランクダンジョンの出現を確認」
レミリアさんが周囲に出現している低ランクダンジョンのサーチをしてくれた。
「それじゃ、行きましょう!」
俺たちは一番近いDランクダンジョンへ向かう。
……その時、急いでいた俺は気付かなかった。
フェリナから”リーサが事務棟からいなくなった”と言うチャットが来ていたことを。
*** ***
「ふう、こんなもんですかね」
10カ所目のDランクダンジョンを退治し、額に浮かんだ汗をぬぐう。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:991,200
スキルポイント獲得倍率:た@50%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
======
「ヤバすぎて草」
俺のステータスを見たレミリアさんが引きつった笑みを浮かべている。
冷静に考えれば公定レートで1億円近いスキルポイントである。
災害ダンジョンの影響なのか、獲得できるポイントが妙に多い気もする。
「そろそろ行きます?」
俺の言葉に頷くシローさんとレミリアさん。
「あたしたちは、いざって時のために外に待機しておくね」
「おねがいします」
俺のダンバスアプリとレミリアさんのダンバスアプリを”リンク”する。
こうしておくことで、何か問題が発生した時に”緊急脱出”モードで外に引っ張り出してもらえるのだ。
スキルポイントの消費が激しいのでよほどヤバイダンジョンに挑む場合を除き、あまり使われない手段だ。
俺は二人に2万ポイントずつスキルポイントを渡すと、シールドマシンの先端部に近づく。
「あれか……!」
掘削用の巨大な刃が見えてくる。
その切っ先が触れている岩肌に、真っ黒な魔法陣が明滅している。
ズ……ズズズズズ
「ぐっ!?」
ここまで来ると、明確にスキルポイントの流れを知覚できる。
まるで体の中から血液を抜かれるような感覚。
スキルポイント残高:938,200
スキルポイントの減少スピードが一気に増加した。
俺は急いでステータスをチャージする。
武器と防具は念のため。
素早さに全ツッパである。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:918,200
スキルポイント獲得倍率:た@50%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
■ステータス
HP :500/500
MP :100/100
攻撃力 :300(+100)
防御力 :300(+100)
素早さ :4000
魔力 :100
運の良さ:100
■装備/スキル
武器:チタンブレード+(100×5回)
防具:チェインメイル+(100×5回)
特殊スキル:ヒールLV3(100×5回)、攻撃強化技10%(100×3回)
スタン回復(50×5回)、マジックシールド(100×2回)
固有装備:増幅の腕輪+
======
「いくぞっ!」
俺は覚悟を決め、漆黒の魔法陣に手を伸ばす。
バシュン!
視界が暗転する。
次の瞬間、俺の身体は災害ダンジョン内部に転移していた。
*** ***
「ぐっ……ううっ!」
転移した瞬間、身体全体を持って行かれるような感覚。
ダンジョンの内部はすべて黒い水晶で覆われており、渦巻くスキルポイントの流れが肉眼でも知覚できた。
ゴ、ゴゴゴゴゴ
「急がないと!」
襲い来る眩暈と吐き気に耐えながら、俺は思いっきり床を蹴る。
ダンッ
一気に身体が加速し、ダンジョンの壁が迫る。
ダンッ、ダンッ!
三角飛びの要領で、壁伝いにジャンプを繰り返す。
これならすぐに最奥まで行けそうだ。
「あれか!」
ダンジョンに入ってわずか数分。
最奥の小部屋が見えてくる。
そこに浮かぶのは、漆黒のオーブ。
アレが災害ダンジョンのコアに違いない。
俺はスキルポイントの残高を確認する。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:614,700
スキルポイント獲得倍率:た@50%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
======
この短時間で一気に30万ポイント近いスキルポイントを吸われてしまったが、まだ残りは充分にある。
(どれくらいスキルポイントをチャージすべきか)
オーブが一度に吸い込めるスキルポイントの上限なんて、誰にも分からない。
「それじゃ、俺らしく……!」
脳筋最大火力と行きますか!
俺は残ったスキルポイントのほとんどを、チタンブレードにチャージしようとしてふと思いつく。
「やっぱ、こういう時は拳だよな!」
ヴィイイイイインッ!
======
■装備/スキル
武器:拳(610,000×1回)
======
俺の右腕が白銀に輝く。
ダンッ!
俺は小部屋の壁を蹴り、漆黒のオーブに向けてジャンプする。
「くらえっ!!」
突き出した拳は的確にオーブを捉え……。
バキッ……パリイイイイイイインッ!
膨大なスキルポイントが弾ける感覚。
「ぐあっ!?」
視界が光に包まれる。
ズッ……ドオオオオンッ!
全身を襲ったすさまじい衝撃に、俺の意識は暗転した。
俺のプランを聞いたシローさんが腕を組んで唸っている。
確かに、ギャンブルみたいな作戦ですからね。
「でもさシロー、大量のスキポが手に入れば次の手を打ちやすくなんない?」
レミリアさんが助け舟を出してくれる。
「どういう行動をしたらスキルポイントの獲得倍率が上がるか、おおよそ把握してますから」
「……うむ」
俺の考えはこうだ。
災害ダンジョンに挑む前に、そのあたりに出現している低ランクダンジョンを狩る。
リーサが設定してくれているリミットを解除すれば、ムラが出るかもしれないが毎回10倍以上のスキルポイントを獲得できるはずだ。
「キャパ以上のスキルポイントをオーブにぶち込めば、破壊できませんかね?」
俺の脳裏に浮かんだのは最初に攻略したSランクダンジョン。
獲得スキルポイントが多すぎて、ダンバスアプリがオーバーフローした。
同じことを災害ダンジョンのオーブに試してみるのだ。
「どのみち、こうして話している間にもスキルポイントの減少は止まらない、か」
覚悟を決めたのか、腰を浮かせるシローさん。
「やっぱダンジョンが活性化してるわね。
半径100メートル以内に10カ所以上のE~Dランクダンジョンの出現を確認」
レミリアさんが周囲に出現している低ランクダンジョンのサーチをしてくれた。
「それじゃ、行きましょう!」
俺たちは一番近いDランクダンジョンへ向かう。
……その時、急いでいた俺は気付かなかった。
フェリナから”リーサが事務棟からいなくなった”と言うチャットが来ていたことを。
*** ***
「ふう、こんなもんですかね」
10カ所目のDランクダンジョンを退治し、額に浮かんだ汗をぬぐう。
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■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:991,200
スキルポイント獲得倍率:た@50%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
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「ヤバすぎて草」
俺のステータスを見たレミリアさんが引きつった笑みを浮かべている。
冷静に考えれば公定レートで1億円近いスキルポイントである。
災害ダンジョンの影響なのか、獲得できるポイントが妙に多い気もする。
「そろそろ行きます?」
俺の言葉に頷くシローさんとレミリアさん。
「あたしたちは、いざって時のために外に待機しておくね」
「おねがいします」
俺のダンバスアプリとレミリアさんのダンバスアプリを”リンク”する。
こうしておくことで、何か問題が発生した時に”緊急脱出”モードで外に引っ張り出してもらえるのだ。
スキルポイントの消費が激しいのでよほどヤバイダンジョンに挑む場合を除き、あまり使われない手段だ。
俺は二人に2万ポイントずつスキルポイントを渡すと、シールドマシンの先端部に近づく。
「あれか……!」
掘削用の巨大な刃が見えてくる。
その切っ先が触れている岩肌に、真っ黒な魔法陣が明滅している。
ズ……ズズズズズ
「ぐっ!?」
ここまで来ると、明確にスキルポイントの流れを知覚できる。
まるで体の中から血液を抜かれるような感覚。
スキルポイント残高:938,200
スキルポイントの減少スピードが一気に増加した。
俺は急いでステータスをチャージする。
武器と防具は念のため。
素早さに全ツッパである。
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■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:918,200
スキルポイント獲得倍率:た@50%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
■ステータス
HP :500/500
MP :100/100
攻撃力 :300(+100)
防御力 :300(+100)
素早さ :4000
魔力 :100
運の良さ:100
■装備/スキル
武器:チタンブレード+(100×5回)
防具:チェインメイル+(100×5回)
特殊スキル:ヒールLV3(100×5回)、攻撃強化技10%(100×3回)
スタン回復(50×5回)、マジックシールド(100×2回)
固有装備:増幅の腕輪+
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「いくぞっ!」
俺は覚悟を決め、漆黒の魔法陣に手を伸ばす。
バシュン!
視界が暗転する。
次の瞬間、俺の身体は災害ダンジョン内部に転移していた。
*** ***
「ぐっ……ううっ!」
転移した瞬間、身体全体を持って行かれるような感覚。
ダンジョンの内部はすべて黒い水晶で覆われており、渦巻くスキルポイントの流れが肉眼でも知覚できた。
ゴ、ゴゴゴゴゴ
「急がないと!」
襲い来る眩暈と吐き気に耐えながら、俺は思いっきり床を蹴る。
ダンッ
一気に身体が加速し、ダンジョンの壁が迫る。
ダンッ、ダンッ!
三角飛びの要領で、壁伝いにジャンプを繰り返す。
これならすぐに最奥まで行けそうだ。
「あれか!」
ダンジョンに入ってわずか数分。
最奥の小部屋が見えてくる。
そこに浮かぶのは、漆黒のオーブ。
アレが災害ダンジョンのコアに違いない。
俺はスキルポイントの残高を確認する。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・ノーツギルド
ランク:C
スキルポイント残高:614,700
スキルポイント獲得倍率:た@50%
口座残高:2,910,800円
称号:ドラゴンスレイヤー
======
この短時間で一気に30万ポイント近いスキルポイントを吸われてしまったが、まだ残りは充分にある。
(どれくらいスキルポイントをチャージすべきか)
オーブが一度に吸い込めるスキルポイントの上限なんて、誰にも分からない。
「それじゃ、俺らしく……!」
脳筋最大火力と行きますか!
俺は残ったスキルポイントのほとんどを、チタンブレードにチャージしようとしてふと思いつく。
「やっぱ、こういう時は拳だよな!」
ヴィイイイイインッ!
======
■装備/スキル
武器:拳(610,000×1回)
======
俺の右腕が白銀に輝く。
ダンッ!
俺は小部屋の壁を蹴り、漆黒のオーブに向けてジャンプする。
「くらえっ!!」
突き出した拳は的確にオーブを捉え……。
バキッ……パリイイイイイイインッ!
膨大なスキルポイントが弾ける感覚。
「ぐあっ!?」
視界が光に包まれる。
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