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阿
上
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子供の頃、空に浮かぶ大きな雲を見て、あの雲の中にはでっかいお城とかあるのかな、と思ったこともある。
いつも自由に浮かび、ゆったりと流れる雲。そんな雲を、空を眺めることが昔はすきだった。
最近は、全く見ない。
見たくない訳ではないが、見上げることをしたくないのだ。
三ヶ月ほど前、その日もぼんやりと自室から空を見ていたときから、見上げることやめた。
その日、僕が窓の向こうを流れる雲を見ていた時、視界に奇妙なものが映った。
自室からやや右手の、道路を挟んでやや離れた方向にあるマンションに、それはいた。
時刻は夕方で日が傾いていたが、辺りはまだ明るく、僕の見間違いでは決してない。
それのことは最初、大きなシミや汚れだと思った。なぜなら、マンションの壁面、しかも、七階の高さにあったからだ。
変な形の汚れだなと思い、目を向けていたら、おかしなことに気づいた。
それはゆっくりとだが、たしかに動いていた。
まるで、人が崖を登るかのようにゆっくりと上に、手足を使って屋上方向へと向かって登っているかのように、それは動いていた。
僕は、それがなんなのかわからず、ただただ見ていた。
夕日ももう完全に沈みきる頃、それは屋上へと到達し、上側から徐々に消えていった。
それが完全に消え去ると同時に、夕日も沈んだ。
変なものを見たな、と思いつつ、長い間その光景を見ていたことに呆れて振り返ったとき、目の前にそれが直立で立っていた。
目を覚ました時には、すでに辺りは真っ暗になっており、それはもういなかった。
だが、最後に聞こえたそれの言葉。
ノイズがかった、甲高くさけんでいるよな声でこう言っていた。
「お前も昇るか?」
その出来事以降、上を見ることはやめた。
何かが見えてしまう気がしたから。
いつも自由に浮かび、ゆったりと流れる雲。そんな雲を、空を眺めることが昔はすきだった。
最近は、全く見ない。
見たくない訳ではないが、見上げることをしたくないのだ。
三ヶ月ほど前、その日もぼんやりと自室から空を見ていたときから、見上げることやめた。
その日、僕が窓の向こうを流れる雲を見ていた時、視界に奇妙なものが映った。
自室からやや右手の、道路を挟んでやや離れた方向にあるマンションに、それはいた。
時刻は夕方で日が傾いていたが、辺りはまだ明るく、僕の見間違いでは決してない。
それのことは最初、大きなシミや汚れだと思った。なぜなら、マンションの壁面、しかも、七階の高さにあったからだ。
変な形の汚れだなと思い、目を向けていたら、おかしなことに気づいた。
それはゆっくりとだが、たしかに動いていた。
まるで、人が崖を登るかのようにゆっくりと上に、手足を使って屋上方向へと向かって登っているかのように、それは動いていた。
僕は、それがなんなのかわからず、ただただ見ていた。
夕日ももう完全に沈みきる頃、それは屋上へと到達し、上側から徐々に消えていった。
それが完全に消え去ると同時に、夕日も沈んだ。
変なものを見たな、と思いつつ、長い間その光景を見ていたことに呆れて振り返ったとき、目の前にそれが直立で立っていた。
目を覚ました時には、すでに辺りは真っ暗になっており、それはもういなかった。
だが、最後に聞こえたそれの言葉。
ノイズがかった、甲高くさけんでいるよな声でこう言っていた。
「お前も昇るか?」
その出来事以降、上を見ることはやめた。
何かが見えてしまう気がしたから。
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