地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

第3王子 紀伊助③

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紀伊助にしつけられたアカであるが、
闘鶏用の軍鶏だったからか、一度紀伊助にフルボッコしつけされてから従順に、紀伊助を親分、親分と慕っている。
紀伊助が不喜処に来ると真っ先に訪れ飛び付く。
一度など感極まって求愛ダンスまでしてしまったら
落とし穴からの生き埋めコンボを食らってしまった。

紀伊助曰く

「ボクはメスじゃない」

いや。
アカがメスなら受け入れるのか?
拒否する理由はソコじゃない。


端から見ると、
テトテト歩く幼児の後ろを
ポテポテついてくる(軍)鶏
その後ろをカピバラやアルパカも続いたりする。

写真コンクールで入賞するとか、ほのぼの映像特集で使われるような風景である。

ここが地獄で、まわりに大火災が起きていねければ、だが。

動物と戯れ、モフモフを堪能した紀伊助は
気が向くとみんなのお手伝いをする。

みんなでモフモフ大行進していき、現場に向かう。

現場に到着すると、

紀伊助は最大級の愛想を動員してニッコリ笑う。

すると罪人達は
地獄に仏とはこの事か?   とか
天使が迎えに来た!やっぱりオレはが地獄に落とされたのは間違いだったんだ!  とか
天使だと?!なら迎えに来たのはオレの方だ!!! とか
言いたい放題、泣きながら、あるいは怒りながら紀伊助に群がってくる。

するといきなり

ストン

地面がなくなり、
びっくりしてる間に、首だけ出して地面に埋まっている。

我に反った罪人達は

「キサマ、何をしたぁ!!!」「出せっ」「鬼ぃぃぃ」「悪魔ぁぁぁ」

などなど、マイルドな悪口のみ紹介したが、
聞くに堪えない罵詈雑言の数々を叫ぶ。

さっきまで「天使」だの「仏」だの言ってたそばからこれである。

紀伊助は、正真正銘鬼である。
獄卒のトップ(代理)である。

自分の容姿も利用して、地獄で笑顔など見たことない罪人達に希望を抱かせ

落とす。

精神的にも物理的にも。

そして、こう言うのである。

「さぁ、アカさん、ブチさん、懲らしめておりなさい」

「「「「「うぎゃああああぁぁああああ」」」」」

どこぞの越後のちりめん問屋のご隠居である。

しかもご高齢ばかりなので、ほぼ通じる国民的時代劇。
もしここに柊路がいたなら嬉々として参加しただろう。
なんなら印籠まで用意しそうだ。

そして紀伊助は
モフモフ達が地面から生えている首に容赦なく攻撃するのを確認したら
満足して帰っていく。
ちなみに、帰りはクロに乗せて貰う。
優雅な散歩道である。



今日も地獄は平和である。
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