地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

幕間 ある獄卒のひとりごと②

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災害対策本部って、忙しいんですね。
事務所でのんびり報告待ってるんじゃ無いんですね。
え、やっぱり普通はそうですよね!
事件は現場で起こってるんだ!って怒られる方ですよね!

王子サマ達は違ったんです。

緊急アラートが鳴ると、その時出社している王子サマ付部署の全員と、焔矢サマ以外の王子サマ全員が対応に当たります。

まず、一番体力のある剛磨サマが、灼熱地獄と大焦熱地獄の現場に出ている獄卒達の避難が進んでいるか、確認に走ります。
罪人達にしたら、自分を責め立てていた獄卒たちが一斉に引き上げる。
なんだなんだと思いながらも痛い思いから逃れられると、一時の余裕を満喫する。

柊路サマ、樹魅サマ、紀伊助サマが炎乃香の地ファイアデビルランドに向かい、焔矢サマのお出迎えの対応を取ります。それにワタクシを含めた4人が着いて行きます。

1人はお留守番です。
何かあった時の連絡係、兼
剛磨サマが戻って来られた後、剛磨サマと一緒に、滞ってる業務を一手にこなします。

なんで炎乃香の地に〝ファイアデビルランド〞なんて物騒なフリガナがついているのか不思議だったのですが、
実際見て納得しましたよ。
あれはダメです。
大災害です。
地獄絵図です。



何もない荒野に、焔矢サマが1人でポツンと立っています。

びっくりしましてね、
「お出迎えのお手伝いですよね?近くに行かなくて良いんですか?」と聞いたら

「ええええぇ?!あ、キミ新しく来た子だっけ。初めてか!
いいかい、絶対に、僕たちから離れちゃダメだからね、死ぬよ!!」

いきなり樹魅サマに死ぬよと脅されてびっくりしてるうちに、炎乃香さまが到着なさいました。

「紀伊助、頼む!!」
「とおぉ~」

気の抜けた紀伊助サマの掛け声の後、鋭角な土壁が立ち、
ワタクシ達は家の角の壁に隠れるようになりました。

ぐごごごごおおおおおおぉぉ

いきなり大音量と共に熱波と炎が襲って来ました。
壁だけで天井はありませんので、見上げると炎が見えます。
「ヒィッ!!」何なんですか、この炎はぁぁぁ?!
命の危険がアブないです!!!

「柊路!!!!」
樹魅サマの声がするかしないかのうちに壁のこちら側は涼しくなりました。

ふう、思わず取り乱してしまいました。
柊路サマが冷気を出して下さってるようで、人心地つきました。
ナンナンですか、この炎は、竜巻になってますよ、え、火災旋風かさいせんぷう

通称、ファイアデビル?

………ナルホド。理解しました。


やがて炎が収まると
「第一段階終了、かな?」
樹魅サマのお声がけで壁の外を見たくて、顔を出そうとしたら、

「まだ止めた方がいいよぉ。熱波は残ってるから。」

ええ、一番の常識人、樹魅サマの言い付けは守らせていただきますとも!

「ってか、これから大変だからね?」

え?紀伊助サマに輝く笑顔で言われた意味は何でしょうか?
ワタクシ、ただの並男なんですが?!
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