地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

その頃の執務室 ⑤

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で、生まれたのが樹魅じゃ。

樹魅も、赤子で生まれた。

そして、母親の古椿の精じゃが、樹魅を生んだだけで、弱った。

もう、瀕死じゃった。

だから、本体の椿の木の中に戻してやったんじゃよ。
人間に大事にされて、休んでこいと。
樹魅の誕生と母親の死んだ日が一緒じゃなんて、
わしらも、教えたくはなかったしのぅ。

そして、やっぱりこうなった。

わしと篁で子育てじゃ。

そんで、どうしても腹が立っての、閻魔に約束させた。
わしと篁は、柊路と樹魅の属性が発現するまで、働かん。
その間の生活面、わしらの仕事面の雑事はお前がなんとかしろ、と。
篁なんぞ、その他に、
閻魔の仕事は今後一切手伝わん!!と言いきったわい。
仕事なら、これから育つ、この子達の手助けをすると。

なんの憂いもなく、子育てすることにしたわい。
しかし、今回は赤子からじゃろ。

わしらも、パニックじゃった。
言い訳するなら、弟子も柊路も言えば理解する者達にしか、教えてなかったんじゃよ。

赤子とは、すさまじいの。

世の中の母親の凄さがわかったわい。

わしら、最初はオロオロしての、
だがの、柊路がすごかったんじゃ。

ミルクの作り方も、オムツの替え方も、一度で覚えた。

樹魅が泣くと、柊路が真っ先に駆けつけ、オムツを確認し、抱っこしてあやし
その間に、わしらがミルクの準備をする。

じいじ2人と兄1人で子育てじゃ。

働く必要もない、食い物も運ばれてくる、掃除も閻魔庁舎の係の者にお願いしての、子育てだけするという、世の中の母親垂涎の待遇じゃ。

新しい発見が沢山あっての、楽しかったわい。
その内、おんぶ紐で柊路に樹魅をくくって、学びも再開した。
贅沢じゃろ。

そんな日々が5年過ぎ、樹魅も物事がわかってきたある日、
わしと篁の両方がどうしても外せない用事が出来た。

神無月の集会で、出雲に呼ばれてのぅ、子育てしとるから行かん、と言っておったんだが
樹魅の母親の古椿の様子を近くの神社の稲荷に頼んでおったんじゃが、
そこから連絡がきての、
家が売却されるようだ、椿はまだ寝てるようだが、下手したら切られるぞ、となっての
慌てて見に行く事になった。

篁が、椿を譲り受けたいと言う交渉事を、わしが移植先の準備じゃな。

知っとるか?
わし、天満宮の神様になっとるんじゃよ?
わしの神社で椿を1本受け入れて貰おうと思っての、
天満宮は梅の精がおるでの、頼みに行くことにした。

で、柊路と樹魅の2人だけで大丈夫かとも思ったが、
閻魔に一応、わしらが出かける、初めての2人だけでの留守番じゃと伝えたら、

閻魔が自分の仕事を見に来い、閻魔の仕事も学べるぞ、と言い出してな、

赤子じゃなくなって、話しも通じる頭が良い子達じゃと聞いていたから、自分も見たくなったんじゃろ。
ほんっとうに、父親としては、最低じゃわい。

拒否しようかとも思ったが、まぁ、父親と獄卒の普段の様子を見たりするのもありじゃと思ってしまったんじゃよ。

ほんっっっとうに、後悔している。

あんのクソ閻魔に預ける事を選択した、わしらがバカじゃった。
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