《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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外伝 センバは続く

私の行く道 19

教皇様はイチミに介助されながら立ち上がり、優雅に手を振ると観客から
「「「「ウワーーーーーー!!!!」」」」
と、再び地鳴りのような歓声が上がります。

そんな中、人をかき分けかき分け現れた神官が、一番前に陣取っていた神官に何か耳打ちすると、さらに青ざめた顔した神官が一緒にこの場から去ろうとしますが

「教皇様からお言葉を賜ります!そこ!神官達も教皇様のお言葉ですよ?神官が一番に聞かなきゃダメでしょう!」
りおじさまの風に乗せた声が響くと、観客も一斉に神官達に目を向けます。
神官はキョロキョロ回りを見回し、余りの分の悪さにモゾモゾとしながら、その場にとどまります。
この観客達の中、逃げ出しても捕まるでしょうし、ねぇ。

「今日、ここに、この場に来る事が出来たのは、私の身に、生涯忘れることの出来ない奇跡が起きたからである」

教皇様はここまで言うと、神に祈りを捧げるポーズをとります。

「それを話す前に、まずは素晴らしい演舞を見せてくれたセンバの子供達に、尽力してくれたセンバの者、その協力者達に言祝ぎをさせて欲しい!
子供達、関係者、皆、この場に集まって欲しい」
りおじさまが力強くうなずくので、子供達、それから私はヨーク様に抱っこしてもらい、パパ達に囲まれ、それから公爵様とその護衛の皆さんが教皇様の前に進み出ます。

が。

「教皇様!そ、そのような勝手な事を!」
一番前に陣取っていた神官の中でも一際上等な生地、腕には豪華な飾りを着けた神官が前に割って入り、慌てて声を上げます。

「何故じゃ?元々、私が言祝ぐという名目でこの者達を呼んだのであろう?
当初の約束通りの事をするだけじゃが?」

教皇様が首をかしげて言いますが

「教皇様よりの言祝ぎ、最上級の誉れですよ!もっときちんとした儀式を行いませんと!それには教皇様の体力が持ちませんでしょう!
日を改めて、そう!教皇様の体力が回復するまでセンバの者達には待ってもらい、改め」

「だまらっしゃい!!!」

ピカッ ゴロゴロ ズドーーーーン!!!

「「「「ヒィィィッッッ!!!!」」」」

何処かで落雷しました。
神官も観客達も一斉に頭をかばってしゃがみかけ、慌てて回りを見回します。
さっき来た神官と耳打ちされてた神官は神殿の方を見つめ、抱き合っていますが。

「プロシェード王国で天罰が行われたのを忘れたのですか!!
神は、きちんと行いを見ているのです!!!」

教皇様が両手を上げて天を仰ぎ、「神よ!」と叫んだ瞬間、パパに目配せします。

ドガッッッッッッ!!

「「「「ヒィィィッッッ?!!!」」」」

神官達の目の前の地面にクレーターが出来ました。

パパに親指を立てます。

それを見たヨーク様。

「え?シラヌイ様がやったの?今?」
「うむ。神は遠距離、ピンポイントは出来ん、と」
「は?今、神様がそう言ったの?リアルタイムで指示来てるの?!」
ヨーク様が驚愕の表情でパパを見ます。

「演出は任されています!」
「アンジュちゃんの指示だった?!」
目を見開き、私を見るヨーク様、好き!!

「おや、何か飛んできているようです。子供達!集められるかい?」

りおじさまが空を見上げると、大量の紙がヒラヒラ舞っています。

「「「「「はーーーーい!!!」」」」」

子供達は縦横無尽に飛び回ると、風圧で紙がさらに飛んでいきます、って、りおじさまが遊んでますね?
あの子達が空中に舞う紙を掴み損ねるはずがないです。
子供達も面白がって余計に紙を追うので、観客の方まで飛んでいきますが、神官達の所には子供達が回収していて取れないようです。

観客達にもザワザワとした声が広がって行きます。

「その紙を寄越せ!」
ちょうど神官の前に着地したカツラが、紙をひったくられました。

「カツラ!かまわないよ、殴られる前にこっちにおいで!」
りおじさまのこんな声も会場に響き、不審な顔が神官達に集まる中、笑顔で戻ってくるカツラ。

うん、わざとね。
皆、ノリが良いんだから、もう。

神官達は紙を覗き見て、顔を赤くしたり、青くなってたり、回りが見えてません。

そう。

紙は、神官達の不正の証拠の書類たち。

神官の部屋から広場まで、バラ撒かれまくりなのです。
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