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幼少期
5歳になりました
私がお兄様と家族二人宣言をした日から、私達は本当に努力した。
お兄様は、領地の事を学び出し、
私は、お母様のご機嫌とりという、玩具役をこなしながらも、淑女教育、侯爵夫人が本来すべきことを、お母様に代わって取り仕切ることも学び始めた。
本当に忙しかった。
死ぬかと思った。
そして、今日、5歳の誕生日を迎え、鑑定式に挑むことになった。
しかし、母親は商会の大事な打ち合わせだと言い、父親には連絡していたが家にやって来ず、侯爵は領地から離れられないと、
なんと、付き添いは私の専属侍女となったアンと、お兄様の専属執事のセバスチャン、家を代表して家令のギャリクソンの、使用人のみという、一応、高位貴族の子息令嬢としてはあり得ない面子であった。
鑑定式は、魔法の属性を確定させる事で、高位貴族にとって、我が家は安泰であるという、御披露目的な意味を持つ、大事な儀式でもあるのだ。
だから、望み通りの属性が得られなかった時には、教会に口止め料をはずむ事もあるのだと言う。
しかし、そのための権限も何も持たない者だけでの挑む鑑定式である。
鑑定式は、教会で行うのだが、そりゃあ、出迎えた司祭達が驚愕の表情になるのも納得である。
そして、跡取りや子供を大事にしていないという、我が家の大人達のダメさ加減も如実に表してしまった。
貴族社会の噂の恐ろしさを知らない訳じゃないだろうに、エアトル家はそんな常識のないヤツラですよ、という話が広まるのも時間の問題だろう。
鑑定式が終われば、子供達もお茶会に出席が可能になる、というのが我が国の通常なのだが、
我が家にご招待、来るのかなぁ。
できたら、他の高位貴族、せめて我が家と同じ侯爵家の子供達と仲良くなって味方じゃなくても敵じゃない、友好的な関係になっておきたいんだけどなぁ。
我が家にご招待?あの母親で、お茶会のセッティング?出来ないよなぁ、
私がやるのか?いや、やるのは、屋敷の皆に助けて貰えばなんとかなると思うけど、当日、あの母親がちゃんと主催者側として対応出来るのか?
ああぁ、無理ぃ…
なんて、現実逃避して遠い目をしてたらしい。
お兄様に手を握られ、エスコートされて気がついた。
「ディ、僕達家族で大事な儀式に行こうか。」
「はい、お兄様」
私はニッコリ微笑んで、お兄様と供に、胸を張って歩き出した。
すると、先程までの、可哀想者を見るような目はなくなり、感嘆のため息に変わったのだった。
「ようこそお出でくださいました。
本日の儀式を務めさせていただきます司教のパトリックと申します。
エアトル家のエミリオ様、ユーディリア様、お二方を鑑定させていただく、ということで、お間違いないですか?」
「「はい」」
「では、お一人づつ、こちらの水晶に触れていただきます。
すると、ご自身がお持ちの魔力に反応して属性が浮かび上がってまいります。
では、先に、御嫡男のエミリオ様より、お願いいたします」
お兄様は頷き、司教様の前に進み出て、机の上にある水晶に触れた。
その瞬間、グレーというよりシルバーの光があふれ、思わず目をつぶってしまった。
「エミリオ様、風属性です。そしてこれは、素晴らしい魔力量です。こんなにも光が溢れるのは久しぶりです。さすが、高位貴族でございます!
では、続いて、ユーディリア様、お願いいたします」
お兄様が私の元に帰って来て、頷いて送り出してくれた。
私も司教様の前に進み出て、水晶に触れた。
すると、お兄様よりは光の濃さが薄いが、眩しさは同じくらいだった。
しかし水晶に浮かんだ文字にひきつった。
「ユーディリア様も風属性でございますね、その下に何か模様のようなものが見えた気がしましたが、まぁ、風属性が確定しているのですから問題ないでしょう。
エアトル家の風属性は無事に引き継がれております。お二人ともおめでとうございます」
「「ありがとうございました」」
お兄様と二人でお礼を申し上げ、儀式の間を後にした。
多分、後ろでギャリクソンが賄賂を渡して上手くやってくれるだろう。
私は 一刻も早く、お兄様と二人きりになりたかった。
お兄様は、領地の事を学び出し、
私は、お母様のご機嫌とりという、玩具役をこなしながらも、淑女教育、侯爵夫人が本来すべきことを、お母様に代わって取り仕切ることも学び始めた。
本当に忙しかった。
死ぬかと思った。
そして、今日、5歳の誕生日を迎え、鑑定式に挑むことになった。
しかし、母親は商会の大事な打ち合わせだと言い、父親には連絡していたが家にやって来ず、侯爵は領地から離れられないと、
なんと、付き添いは私の専属侍女となったアンと、お兄様の専属執事のセバスチャン、家を代表して家令のギャリクソンの、使用人のみという、一応、高位貴族の子息令嬢としてはあり得ない面子であった。
鑑定式は、魔法の属性を確定させる事で、高位貴族にとって、我が家は安泰であるという、御披露目的な意味を持つ、大事な儀式でもあるのだ。
だから、望み通りの属性が得られなかった時には、教会に口止め料をはずむ事もあるのだと言う。
しかし、そのための権限も何も持たない者だけでの挑む鑑定式である。
鑑定式は、教会で行うのだが、そりゃあ、出迎えた司祭達が驚愕の表情になるのも納得である。
そして、跡取りや子供を大事にしていないという、我が家の大人達のダメさ加減も如実に表してしまった。
貴族社会の噂の恐ろしさを知らない訳じゃないだろうに、エアトル家はそんな常識のないヤツラですよ、という話が広まるのも時間の問題だろう。
鑑定式が終われば、子供達もお茶会に出席が可能になる、というのが我が国の通常なのだが、
我が家にご招待、来るのかなぁ。
できたら、他の高位貴族、せめて我が家と同じ侯爵家の子供達と仲良くなって味方じゃなくても敵じゃない、友好的な関係になっておきたいんだけどなぁ。
我が家にご招待?あの母親で、お茶会のセッティング?出来ないよなぁ、
私がやるのか?いや、やるのは、屋敷の皆に助けて貰えばなんとかなると思うけど、当日、あの母親がちゃんと主催者側として対応出来るのか?
ああぁ、無理ぃ…
なんて、現実逃避して遠い目をしてたらしい。
お兄様に手を握られ、エスコートされて気がついた。
「ディ、僕達家族で大事な儀式に行こうか。」
「はい、お兄様」
私はニッコリ微笑んで、お兄様と供に、胸を張って歩き出した。
すると、先程までの、可哀想者を見るような目はなくなり、感嘆のため息に変わったのだった。
「ようこそお出でくださいました。
本日の儀式を務めさせていただきます司教のパトリックと申します。
エアトル家のエミリオ様、ユーディリア様、お二方を鑑定させていただく、ということで、お間違いないですか?」
「「はい」」
「では、お一人づつ、こちらの水晶に触れていただきます。
すると、ご自身がお持ちの魔力に反応して属性が浮かび上がってまいります。
では、先に、御嫡男のエミリオ様より、お願いいたします」
お兄様は頷き、司教様の前に進み出て、机の上にある水晶に触れた。
その瞬間、グレーというよりシルバーの光があふれ、思わず目をつぶってしまった。
「エミリオ様、風属性です。そしてこれは、素晴らしい魔力量です。こんなにも光が溢れるのは久しぶりです。さすが、高位貴族でございます!
では、続いて、ユーディリア様、お願いいたします」
お兄様が私の元に帰って来て、頷いて送り出してくれた。
私も司教様の前に進み出て、水晶に触れた。
すると、お兄様よりは光の濃さが薄いが、眩しさは同じくらいだった。
しかし水晶に浮かんだ文字にひきつった。
「ユーディリア様も風属性でございますね、その下に何か模様のようなものが見えた気がしましたが、まぁ、風属性が確定しているのですから問題ないでしょう。
エアトル家の風属性は無事に引き継がれております。お二人ともおめでとうございます」
「「ありがとうございました」」
お兄様と二人でお礼を申し上げ、儀式の間を後にした。
多分、後ろでギャリクソンが賄賂を渡して上手くやってくれるだろう。
私は 一刻も早く、お兄様と二人きりになりたかった。
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