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これぞ悪役?シスコン無双
ダメでしょう
「レンヤ少年!!!」
そんな審判の叫びも虚しく、いきなり始まってしまったお兄様の決闘。
うん、素人目で見ても、彼はそこまで剣の技量があるわけではないですね?
お兄様が彼の剣を軽々避けています。
お兄様は魔法主体ですし、あの剣に触れたくないので距離を取りたいのですが、
彼はガンガン攻めて来ます。
一振でも触れたら彼の勝ちみたいなもんですからね、お兄様が不利ではあるのかな?
お兄様、彼のスタミナ切れ待ち?
「あの殿下と呼ばれていた坊主は、まだ間に合う。もう、これ以上、あの剣と関わらせるべきでない。
しかし、今闘ってる方。レンヤ、と言ったか?アレは手遅れかもしれん」
セリから夫人の腕の中に戻ってきたオムツ様。
意味深な言葉をつぶやきます。
「手遅れ、とは?」
夫人が聞き返します。お兄様を見ながら、耳はどこぞのマジシャンばりに聞き耳をたてます。
「殿下の方は、自分が本当に人を傷つける場所に居る事に驚いとったし、小僧の殺気に怯えとった。
ありゃ、想像力が足りない残念な子供じゃろ。
まだ、自分の気持ちが残っとるし、修正も可能じゃろ。
しかしなぁ…。
アレは、すでに、あの剣で人を傷つけとるんじゃないかのぉ。
もう、染まっておるわ…」
オムツ様、残念そうにつぶやきます。
「そもそも、あの剣はなんなんですか?」
そうです、夫人、それが聞きたかった!!
「ありゃ、人の手に渡る前に回収出来んかった堕ちた聖玉の剣じゃ…」
「…堕ちた?つまり、なんなんです?」
「人間には、伝わってないかもしれんの。
もはや、瘴気を集めて魔王を作り出すためのような剣じゃな…」
チィちゃんと同時にオムツ様に振り向きます。
「は?そんなものとリオ君を戦わせてるの?
天使降臨でもなんでもして、止めて、回収してってよ!!」
夫人、激しく同意です!!!!
「だから、手遅れなんじゃよ。
魔物だけ倒していれば、まだ良かった。
でも、既に、レンヤ、あの子はあの剣で人を傷つけてしまった。
壊して欠片だけでも回収して、威力を削いで、今回の役目を果たさせるしかない」
「役目を果たす、って、魔王があの剣から生まれるの?!」
「というか、まぁ、レンヤが魔王になるか、じゃな?」
「だって、アレ、元は聖玉の剣なんでしょう?!
アレを壊して、どうやって魔王に勝つのよ?!
聖玉の剣でしか、魔王に太刀打ち出来る術はないんじゃないの?!」
「だから、壊して威力を削ぐんじゃよ。
壊せば、瘴気を集める能力が弱くなるはずじゃ。強い魔王は生まれん、はず?」
「はず?はずって!!」
「そもそも、人間が聖玉の剣を堕としたんじゃ、人間が責任を取るべきじゃ。神は干渉せん」
その時、ドン、という音がしました。
オムツ様ガン見してる場合じゃなかった!お兄様!!!
ふー、お兄様が風圧でレンヤ少年を吹き飛ばして距離を取った音でした。
「なぁ?オマエ、自分が傷つけられる事覚悟してた?
なんで自分だけが傷つける側だと思ってるの?」
お兄様が語りかけます。
あ、彼、かなり消耗してますね。肩で息してます。
「オレが聖玉の剣に選ばれたんだ!
オレが主人公だ、ここはオレのための世界だ!!!
オレの成り上がりの物語、オマエはオレに倒される当て馬悪役のクセに!!」
「オマエ、聖玉の剣もどきを見つけて、妄想と現実の区別つかなくなっちゃった?」
「うるさいうるさいうるさい!!次こそ、オレが倒す!」
彼は、剣を支えに立ち上がります。
ココだけ見ると、満身創痍のド根性少年が巨悪に立ち向かってる様に見えなくもないですが、
実際は、何もしてないお兄様に、いちゃもんつけてるだけですからね!!
「なぁ?傷つけられたら、痛いって、教えてやるよ!!
ウィンド・ショット」
「グワァ!」
ウィンド・ショットが彼の肩に掠りました。
剣を支えに怪我した方の肩を押さえています。
掠っただけですよ?お兄様、貫通させる事も出来ましたよ?
チィちゃんなら、ワンパンで白目ですよ?
「なぁ、痛いだろ?オマエが他人にやってきたことだよ!
物語だか、主人公だか知らねぇけどよ、傷ついたら、痛ぇんだよ!!
終わりにしてやる!!
ウィンド・ショット!!!」
パキーン
彼が支えにしていた剣に、お兄様がウィンド・ショットを命中させて折りました。
そう、お兄様、本当に聖玉の剣、折っちゃった!!!
いきなり支えを折られたレンヤ少年、驚愕の表情で崩れ落ちます。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ…」
うずくまった彼がそんな声を出したかと思うと、
「ウソだぁぁああああああ!!オレが負けるワケがない!!!
剣が折れるワケがないイイイイイイ!!!」
レンヤ少年を中心に黒い渦が沸き起こりました。
「あ、剣が折れたことで、溜まってた瘴気が溢れとるのじゃ!
魔物が沸くぞ!!!」
はぁああ?!ダメでしょう!!!
そんな審判の叫びも虚しく、いきなり始まってしまったお兄様の決闘。
うん、素人目で見ても、彼はそこまで剣の技量があるわけではないですね?
お兄様が彼の剣を軽々避けています。
お兄様は魔法主体ですし、あの剣に触れたくないので距離を取りたいのですが、
彼はガンガン攻めて来ます。
一振でも触れたら彼の勝ちみたいなもんですからね、お兄様が不利ではあるのかな?
お兄様、彼のスタミナ切れ待ち?
「あの殿下と呼ばれていた坊主は、まだ間に合う。もう、これ以上、あの剣と関わらせるべきでない。
しかし、今闘ってる方。レンヤ、と言ったか?アレは手遅れかもしれん」
セリから夫人の腕の中に戻ってきたオムツ様。
意味深な言葉をつぶやきます。
「手遅れ、とは?」
夫人が聞き返します。お兄様を見ながら、耳はどこぞのマジシャンばりに聞き耳をたてます。
「殿下の方は、自分が本当に人を傷つける場所に居る事に驚いとったし、小僧の殺気に怯えとった。
ありゃ、想像力が足りない残念な子供じゃろ。
まだ、自分の気持ちが残っとるし、修正も可能じゃろ。
しかしなぁ…。
アレは、すでに、あの剣で人を傷つけとるんじゃないかのぉ。
もう、染まっておるわ…」
オムツ様、残念そうにつぶやきます。
「そもそも、あの剣はなんなんですか?」
そうです、夫人、それが聞きたかった!!
「ありゃ、人の手に渡る前に回収出来んかった堕ちた聖玉の剣じゃ…」
「…堕ちた?つまり、なんなんです?」
「人間には、伝わってないかもしれんの。
もはや、瘴気を集めて魔王を作り出すためのような剣じゃな…」
チィちゃんと同時にオムツ様に振り向きます。
「は?そんなものとリオ君を戦わせてるの?
天使降臨でもなんでもして、止めて、回収してってよ!!」
夫人、激しく同意です!!!!
「だから、手遅れなんじゃよ。
魔物だけ倒していれば、まだ良かった。
でも、既に、レンヤ、あの子はあの剣で人を傷つけてしまった。
壊して欠片だけでも回収して、威力を削いで、今回の役目を果たさせるしかない」
「役目を果たす、って、魔王があの剣から生まれるの?!」
「というか、まぁ、レンヤが魔王になるか、じゃな?」
「だって、アレ、元は聖玉の剣なんでしょう?!
アレを壊して、どうやって魔王に勝つのよ?!
聖玉の剣でしか、魔王に太刀打ち出来る術はないんじゃないの?!」
「だから、壊して威力を削ぐんじゃよ。
壊せば、瘴気を集める能力が弱くなるはずじゃ。強い魔王は生まれん、はず?」
「はず?はずって!!」
「そもそも、人間が聖玉の剣を堕としたんじゃ、人間が責任を取るべきじゃ。神は干渉せん」
その時、ドン、という音がしました。
オムツ様ガン見してる場合じゃなかった!お兄様!!!
ふー、お兄様が風圧でレンヤ少年を吹き飛ばして距離を取った音でした。
「なぁ?オマエ、自分が傷つけられる事覚悟してた?
なんで自分だけが傷つける側だと思ってるの?」
お兄様が語りかけます。
あ、彼、かなり消耗してますね。肩で息してます。
「オレが聖玉の剣に選ばれたんだ!
オレが主人公だ、ここはオレのための世界だ!!!
オレの成り上がりの物語、オマエはオレに倒される当て馬悪役のクセに!!」
「オマエ、聖玉の剣もどきを見つけて、妄想と現実の区別つかなくなっちゃった?」
「うるさいうるさいうるさい!!次こそ、オレが倒す!」
彼は、剣を支えに立ち上がります。
ココだけ見ると、満身創痍のド根性少年が巨悪に立ち向かってる様に見えなくもないですが、
実際は、何もしてないお兄様に、いちゃもんつけてるだけですからね!!
「なぁ?傷つけられたら、痛いって、教えてやるよ!!
ウィンド・ショット」
「グワァ!」
ウィンド・ショットが彼の肩に掠りました。
剣を支えに怪我した方の肩を押さえています。
掠っただけですよ?お兄様、貫通させる事も出来ましたよ?
チィちゃんなら、ワンパンで白目ですよ?
「なぁ、痛いだろ?オマエが他人にやってきたことだよ!
物語だか、主人公だか知らねぇけどよ、傷ついたら、痛ぇんだよ!!
終わりにしてやる!!
ウィンド・ショット!!!」
パキーン
彼が支えにしていた剣に、お兄様がウィンド・ショットを命中させて折りました。
そう、お兄様、本当に聖玉の剣、折っちゃった!!!
いきなり支えを折られたレンヤ少年、驚愕の表情で崩れ落ちます。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ…」
うずくまった彼がそんな声を出したかと思うと、
「ウソだぁぁああああああ!!オレが負けるワケがない!!!
剣が折れるワケがないイイイイイイ!!!」
レンヤ少年を中心に黒い渦が沸き起こりました。
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魔物が沸くぞ!!!」
はぁああ?!ダメでしょう!!!
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