《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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センバでほのぼの?サバイバル

幕間 驚きの白さ 2

心の声や、真贋の瞳で見えたモノは〖 〗で表すことにしました。
よろしくお願いします。
******************************






多分、僕は、はじめから壊れてる人間なのかな、とは思う。

小さい頃から裏表のある人間ばっかりに囲まれてても、母親の愛情とか貰えなくても、クズ兄に脅しで殺されかけても、発狂もせずに、それなりに育ってるし。
ああ、でも、父親に暗部の訓練に放り込まれて、良かったのかも?

楽しみが出来たし?

人間って、醜いんだなぁ、って。

どこまで醜悪になれるんだろう?
踏み止まれる人間との差ってなんだろう?

良心って、どこまで通用するんだろう?

基本的に人間はひとっつも信用出来ないんだな、とは思ってるけど。
その代表格が自分の家族だって、笑うしかないけど。

そんなこんなで、学園に入学する歳になって。

表面的にへらへらと愛想振りまいて。

でも、休み時間は絵を描いていて。

そしたら、
「君はものすごく細いが、病気か何かか?うぉう!すごく絵が上手なんだな!!」

気配を全く感じなくて、いきなり話しかけられて、久しぶりにビックゥってなって。
後ろを振り返ったら。

短髪黒髪黒目のムキムキマッチョがいて。

「そりゃ君に比べたら、誰でも細いでしょうよ!」
って、びっくりさせられた腹立たしさに思わず声を荒らげてしまったけど。
彼は、絵と景色を三度見ぐらいしてて。
演技でこんだけ出来りゃたいしたもんだなぁ、なんて思って顔を見たら、

〖どうやったらこんなに上手く描けるんだ?〗

って、純粋な感嘆が見えちゃって。

そんな感情に、僕の方が驚いちゃって。

「え?僕の事、知らないの?!」

「は?有名人なのか?!すまん、知らん!!だが、絵は上手いな!あ、なるほど、この歳で有名な画家なのか!!
芸術面はとんと疎くてな。ってか、王都もほぼ知らん!!」

って、胸を張って、とんちんかんな事言うから、思わず顔をガン見しちゃったんだよ。
そしたら、
〖ニワトコ・センバ。センバ辺境次期当主、実直すぎる暑い漢〗

実直すぎる暑い漢って、ナニ?!!!

って、ぽっかーんとまじまじ顔を眺めてたら

「うん?ああ!黒目黒髪が珍しいか?センバの特徴だ!
俺はニワトコ・センバという!君の名前を聞いても良いか?」
〖君は誰だ?画家だろ?画家だよな?〗

「あ、うん。シィベリ・プロシェード」

「そうか、シィベリというのか!画家だろ?画家だな!画家と友達になったと両親に自慢して良いか!!」
〖はっはっは!画家と友達!母上に自慢してやろう!さすが王都!芸術家がゴロゴロ居るとはな!〗

「いや、えっと、プロシェードって家名、聞いたことない?」

「ん?有名な芸術家を多く排出してる家名とかか?芸術家は知らん!君が初めて会った芸術家だ!」
〖そうか、そんなに有名な芸術一家だったのか!!〗

「ブファ!!アーッハッハッハッハ!!」
僕は思わず吹き出して、大声で笑っちゃった。

こんなに大声で笑ったの初めてかもしれない。

そして、こんなに裏表のない人間にも、初めて会った。



それから僕はニワトコにつきまとった。

僕が王家の人間だ、と言ったら

「ぬ?毎回最敬礼すれば良いのか?」
〖しまった、最敬礼の仕方をケヤキに習わねば〗
としか言わなかったし、思ってなくて

「そんな面倒なことしなくていいよ。友達なんだろう?」
と言ったら

「そうか!!」〖そうか!!〗
ニッカァ!っと輝くばかりの笑顔で笑うし。

あまりにもそのままな人間が珍しくて。
いつかコイツの裏の顔を見てやろうと、時間があると、ニワトコの後ろをついて回った。

でも、驚くのはいつも僕の方で。

ニワトコは魔法が一切使えなくても、ひとつも落ち込まないし
逆に石を投げて的を破壊した上で
「こっちの方が早いだろう?!」
〖早い方がいいだろう!〗

歴史の試験で15点しか取れなくても
「座学の試験で点数が悪くても死なんだろう?」
〖なぜ、落ち込む必要が?〗

って平然としてたのに、補講があると聞いて、本当に膝から崩れ落ちた時は
〖ウソだウソだウソだウソだ〗

僕は心から大笑いする事が出来たんだ。
ニワトコの裏の顔なんて、ひとっつも見れなかった。


いつの間にか、いや、最初に会った時から。
僕にとって君は、唯一の友達で、唯一信用できる人間だったんだけど。




君にとって僕は、数ある人間の1人に過ぎなかった、

君の唯一は他に居たんだ、ってことに、僕は絶望したんだ。
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