《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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明日が有る、という幸せ

王災って言葉、有るのかな?

疲れた様子でイチミが報告を始めました。

「最初に城壁が壊されたのが東門だと言うので、そっちに行ったら、そりゃそうですよね、壊した本人は居ないわけですよ。で、アワアワしてる門番の兵士を落ち着かせて話を聞いたら、多分、ワイバーンだな、と。
そこも混乱してたんですよ、どうしたら良いのかって。

王城に指示を仰ぎに行った者が戻って来ないって。

そこにアイシア侯爵の精鋭軍なんて現れたもんだから、頼られて、軍の皆さんも王都の民のために無碍にも出来ず、とりあえず、壊れた門はこんな人数じゃどうもならないけど、巻き込まれた人間が居ないか確認する事、居れば救出、見張りは残して変な人間が居たら確保する事だけをまずやってくれ、って指示を出して、

ワイバーンが王城の方へ向かったって言うからそっちへ行ったんですよ。

まぁ、間に合わなかったんですよね。

王国軍に初手を奪われてまして、すでに火矢を放ってた状態で。

あっちこっちに飛び火してて、危なくてしょうがねぇんで、身体強化で飛び上がって、とりあえずワイバーンの尻尾には届いたんで、そこを掴んで身体によじ登って、頭殴って地面に落としたら、落ちた衝撃で首の骨イッてたんですよ。ラッキーでした。

で、〝倒したのか?!〞って聞かれたんで、〝はい〞って答えたじゃないですか。

そしたら、群がってきやがって、剣でメッタ刺しにし始めて、

〝王国軍が見事化け物を打ち取ったぞぉ!!〞〝うぉぉぉぉおお!!!〞

って茶番劇やりだして、思わず呆気に取られてたんですよね。
でも、さすがアイシア軍ですわ。

〝そんな事をしてる暇があれば消火活動を先にしろ!!平民街にも被害が広がってるぞ!!〞

って怒鳴ったら、

〝我らは王族を守る騎士だ!ここを離れるなど出来ん!!〞

とか言い出して、早々に城へ引っ込んだんですよ?!信じられます?!
アイツらが火をつけたのに!!!
ワイバーンの肉、旨いのに!!アレじゃ食えないっすよ!!!素材も取れない!!
チキショー、呆然とみてないで奪ってくるんた!!!」

「…うん、イチミの後悔が肉ってのは、わかった」
「素材ももったいなかったですわ!!」
「ディ?センバに染まってきたね?」
「もちろんですわ!!」
だって、無駄にするくらいならセンバに持って帰った方が良かったじゃないですか!!

「しょうがないんで、ココとアイシア侯爵家の両方に報告に行って貰って、戻ってきました。
これからどうしましょうか?」
ため息混じりのイチミに対してお兄様は

「問題は平民街の火災だよな。火災現場に風属性の俺が出るわけにいかないんだよ。
もし、この火災の中で魔物が出た時、ウィンド・カッターとか使ったら、余計に燃え広がる未来しか見えん。
氷属性や水属性の貴族が平民街まで出張ってくるかね?」
と言った瞬間

〝ピコン!エミリオなら風属性の最上級魔法・ホワイトアウトが使えます。エリア限定させる必要はありますが。
魔力消費量は多いですが、ユーディリアが魔力タンクの役目を果たせば、一度に平民街半分は覆えます。
その後、エリクサーで体力、魔力の全回復を奨励します〞

うぉい、師匠!びっくりしたぁ!って、お兄様!ホワイトアウトまでいけちゃいますの?!
それはもはや氷属性では?
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