《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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明日が有る、という幸せ

おおぅ!王道時代劇?

一部、残酷な表現があります。ご注意下さい。

*********************




普段、ひとつも運動なんてしていないだろう陛下。

ブンブンあたふたワッシワッシと無茶苦茶に腕を振り回し、どうやら疲れた模様。

膝に手をつき、うなだれ、全力で肩で息をし始めました。

魔物の追加発生がその間、止まります。

「今だ!!」
「うおりゃっ!」「お嬢!!」
「くっそ、こんな時でもイチャイチャしやがって、家でやれ!見せつけるなぁ!」
シチミの心の声が駄々漏れですわね?

でもそんなイライラが爆発して、陛下の前に続く道が拓けました。

「行きます!!」

いや、宣言なんてしたら相手が気づくでしょうに!
どうしてこう物語の主人公ってヤツは、自分の存在を周りに知らしめる行動を取るんでしょうね!!

陛下が顔を上げ、驚愕の表情をし、とっさに頭を両手でかばいます。

そうですよね、ずぶの素人です。
剣で受け止める、とか、つばぜり合いに持っていく、とか、出来ないですよね…


ブシャ!!

…ゴト…


「ミギャァァアアアアアアア!!!!」
 
断末魔ってこういう叫び声なんでしょうね。

なんてどうでも良いことしか浮かんで来なかったら、抱きしめられました。

「ディは見なくて良いからね!」

って、思いっきり見えちゃいましたわ。


血飛沫をあげながら、右手がついたままの剣の柄、それが地面に落ちる様子が、スローモーションの様に目に焼き付きました。


「フレア公爵!!アイシア公爵!!焼いて血止めを!氷で冷やして!!このままだと失血死です!!」
「「おう!!!」」

「オムツ!柄やら自分で取ってこい!!」
「お、おおぅ…」

頭の上からお兄様の指示を出す声がします。
私はお兄様に抱きついて震えてきてしまいました。
そうです、ココは戦いの場です。人が傷つくのは当たり前でした。私は守られてるんだなぁと思いながら、泣けてきました。

「アオハル青年!よくやった!!最小限の怪我だけで元凶を捕獲出来たのは君のお陰だ!!大丈夫、アレは法の裁きを受けさせる!!」

そんなお兄様の声を聞いていたら

「やっとだ…私の天下がっ、ムギャア!!!」

「は??」「え??」

お兄様の腕の力が緩んだので思わず顔を上げると、

「ベフォラッ!!」

ムギャア、で、セリが、なんかばっちぃものを回し蹴りして、

ばっちぃのは飛んでった先で、

ベフォラッ、で、ハジカミからのカウンターを決められて、あ、歯が飛んでいきましたわ?

「「フッ!!」」
セリとハジカミはお互い、額の汗を拭って、サムズアップを決めていました。

うん、涙も止まるってもんです。

「あーーー、アレ、エアトル侯爵じゃないっスかね?
長年の鬱憤を晴らしたんじゃないですかね??オレも殴りたかったけど、死体に鞭打つのもなー」

「「え?死んだの?!!」」
シチミの説明に、思わずお兄様と声が揃ってしまいましたわ。

「「まだです!!」」
「ッチ…」
ハジカミとセリの返事に舌打ちするお兄様。
お兄様!気持ちはわかりますがっちゃダメです!!

「…あれが出落ちってヤツかのぅ。
柄も回収できたわい。一件落着じゃあ!!」


オムツ様、ココは〝カッカッカ!!〞って高笑いして終わらせないと!!
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