《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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明日が有る、という幸せ

ウルトラな父

「ダーッハッハッハ!!!行くぞ行くぞ!!!」
訓練場にお父様の笑い声が響いています。

「…うん。完全に新しいおもちゃを手に入れた子供だな?」
見に来たお兄様と一緒に呆然と眺めてしまいましたわ。

ゴン!!

「父上!!いい加減覚えてください!!また足から血が出ます!!!」
アカシア君が飛び上がりお父様の頭を殴ります。

ちなみにアレを

〝お父様専用キャタピラーつき車椅子〞と頑なに呼ぼうとしましたが

「長いな?」「え?がんたん、では?」「イチイも聞きました!」

お兄様、ライ様、チィちゃんの言葉により、

アレは〝がんたん〞と命名されてしまいました。
うん、不用意な発言は控えるべきだと切に思いましたわ。

そして、どうにも楽しいらしく、乗った初日からお父様は走り回ったようで、靴擦れならぬ太もも擦れをおこしたのです。
そりゃもう盛大に。
太もも置き場が血まみれになってるのに気づいたアカシア君。
軽くパニックを起こして、お父様を担いで私の部屋に飛び込んで来ましたもの。
思わずエリクサーかけて治しました。

それを5回ほど繰り返した所で、やって来たテン爺に怒られましたの。

「治ると思ったらコイツは学びません!!太もも擦れに栄養剤使用禁止!!」
スパーーーンとスリッパで頭を叩かれてましたわ。

いやもうスキンヘッドってば良い音が鳴ること。

なんでも見守っていた職人さんが、血まみれの太もも置場を見るとその度にアカシア君がお父様を担いで走り去るので、こりゃお父様に限度を知ってもらわにゃどうにもならん、と。
お父様に言うことを聞かせられる人間は?と考えた時に、引退していたテン爺を引っ張り出してきたそうです。

ええ、テン爺のスリッパ捌き、全く衰えてませんでしたわ。

職人さんの技術とテン爺の人体の知識で、お父様専用がんたんとお父様の太ももは日々進化しているようです。

とりあえず、両手も使っての4足歩行は、お母様から特に厳しく禁止されました。
絨毯での歩行器はどうにも歩きづらいらしく、降りて赤ちゃんのハイハイしちゃったら、あ、楽じゃん!と気づいたお父様。
だって、ロアも真っ青な速さで走り抜けるんですもの。

何度お母様が書類をぶちまけ悲鳴をあげたか。

ええ、死角からいきなり物体が驚きの速さで横をすりぬけるんです。
恐怖です。

私も思わず「ヒィ!!」って言っちゃいましたわ。

もはや歩行器具はお父様が爆走しないための枷ですわ。
松葉杖と併用出来るスマートな身体置き場へと進化しています。

うん、なんかそのうち足にバネっぽいのつけて飛びそう、とか思ったらフラグになるのかしら?

「なんか、リアが面白い事を思い付いてるような気がするぞ!!
リア!!俺に教えてくれるか?!!」
お父様がドコドコやって来ました。
職人さんとお父様の目がキラキラしてますが、
アカシア君の目が据わっていて、テン爺が何も言わんでくれ、と目で訴えます。


なんでそんな所で無駄にセンバの勘を発揮するんでしょうねぇぇえ?!!
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