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SS
星に願いをかける時、必要なことは?
「嫁来い、嫁来い、嫁来い!ッシャ!3回言ったぞ!!」
星空に向かって握り拳を握ったのは昨日の夜。
帰り道、ふと見上げた星空に。
星に願い事をする日があるのだと、流れ星に3回願いを言えたら叶うのだと、ユーディリア嬢に聞いた話を、ふと思い出したヨーク・バストンの目に映った流れ星。
思わず口をついて出た言葉は「嫁来い」だった。
そして翌日。
ヨークは雷に撃たれたような衝撃を受ける。
「あれ、誰?!」
王都の区画整理にも目処がついたが、センバ商会は、予約を受けていたお得意様のみ、お屋敷に伺うか、おもてなしも兼ねてセンバの王都のお屋敷に呼んだりと、細々と?商売を続けていた。
そんなセンバのお屋敷に、長兄の護衛という名の元、一緒に行ったヨーク。
一人のメイドにくぎ付けになる。
「いやいやいや、あれ誰、って、仮にも他家のメイドのお嬢さんに失礼でしょうが」
兄にたしなめられる。
「あ、申し訳ありません。もし、よろしければお名前などお伺いしても…?」
頬をピンクに染めた末の弟が頑張って声をかけているのと、今しがたお茶を出してくれた他家のメイドさんの顔を二度見、三度見する長兄。
驚いた顔で固まっているメイドさん。
「他所の息子さんの一目惚れの瞬間を目撃してしまったわっ…!」
両手で口を押さえて、大笑いするのを必死に堪えるヒサギ会頭。
…なかなかにカオスである。
いち早く立ち直ったヒサギ会頭が、まずはするべき商談を、と声をかけた事で、
メイドさんは大慌てでお茶を出して下がり、
ヨークは行き場のない伸ばしたままの片手を引っ込め、
「おおぅ、うちの愚弟が失礼した」と、長兄が背筋を伸ばして仕切り直し、つつがなく、バストン家とセンバ商会との契約は結ばれた。
そして帰り際。
「先ほどのメイドはミアと申します。もし、ミアが気になるようでしたら、まぁ、本人の確認をとってからになりますが、お見合いの機会を設けますか?
センバで雇うほどの者です、身元は保証いたしますよ?」「ハイ!お願いします!!」
ヒサギ会頭より、有難い申し出を頂くと、被るほどの速度で反応するヨーク。
後日、正式に顔合わせの機会を設けたいのだが、いつがよろしい?とお伺いが来て、2週間後と相成った。
するとヨーク、
「ちょっと行ってきます!!」
と、家人は、プレゼントでも選びに買い物にでも行ったのか?と思っていたが、丸1日たっても帰って来ない。
おや?とは思ったが、一応我が家の軍に所属する成人男性が誘拐ってこともあるまいし、どっかで事故に合ったって、王都なら警備隊から連絡が来るはずだし?交友関係も広いヨークの事、どっか友達の家にでも呼ばれたか?なんて思っていたが
3日たっても帰ってこない。
なんだ?どうした?どこ行った??騒ぎ初めた所に鳥が来て、領地にいると、次兄を迎えに来たという。
は????
全員頭にハテナの文字。
バストン家は3兄弟。元々長男は父親と一緒に王都で社交や議会、その他貴族との兼ね合いを、次兄は領地の仕事を、そして末っ子のヨークは軍部を、と、それぞれ家を盛り立てるべく仕事をしていた。
そんな次兄を自分の見合いの前に迎えに行くヨーク。
決まってから報告すれば良いものを、なぜ???
それから1週間後。
なんとか仕事の目処はつけてきたと困惑する次兄を連れて、意気揚々と帰って来たヨークは、家のメイドに、人生で一番男前に仕上げてくれ、次兄を差し出す。
領地では、無精髭でも何も言われず、草臥れた格好でいても気にしなかった次兄の姿を見て、
「うちのぼっちゃんがちょっと見ない間にこんなに小汚くなるなんて!!」
と、使命感とやる気に燃えたメイド達。
「ヒィィぃーーー!!」
怯えた悲鳴をまるっと無視して達成感に浸るヨーク。
およそ2日。
「イダダダダダダ!!」マッサージやら、
「ぬぉ!ぐわ!んだぁ!」無駄毛処理やら、
「あぐっ、ンだはっ、ぃでぇー!」リンパのむくみエステやら、男の野太い声が上がっていたが
つるぴか、爽やか好青年が出来上がった。
メイド達はサムズアップを決めている。
そして迎えたお見合い当日。
次兄の首根っこをひっつかんで馬車に押し込んだヨークはそのままセンバのお屋敷へと向かい、次兄と並んでお見合いの席につく。
え?この年で保護者同伴?
とも思ったが、そこは高位貴族の使用人、何も言わずにお茶を出す。
そして、そこにミアが登場。
ずっっきゅーーーーーーんンン…
そこに居た全員が、恋のキューピッドの矢の音を聞いた気がした。
「いやぁ!いい仕事したわ!!!」
ヨークは真っ赤な顔で固まる次兄の背中をバンバン叩いて
「あとは、若いお二人に任せて、って事で!!」
真っ赤な顔で固まるミアを席に促し、赤い顔してお互いぺこぺこ頭を下げる2人を、使用人と一緒に木の影から見守っている。
あの日願った〝嫁〞は、
ヨークの元には来なかったが、バストン家的には叶ったらしい。
星空に向かって握り拳を握ったのは昨日の夜。
帰り道、ふと見上げた星空に。
星に願い事をする日があるのだと、流れ星に3回願いを言えたら叶うのだと、ユーディリア嬢に聞いた話を、ふと思い出したヨーク・バストンの目に映った流れ星。
思わず口をついて出た言葉は「嫁来い」だった。
そして翌日。
ヨークは雷に撃たれたような衝撃を受ける。
「あれ、誰?!」
王都の区画整理にも目処がついたが、センバ商会は、予約を受けていたお得意様のみ、お屋敷に伺うか、おもてなしも兼ねてセンバの王都のお屋敷に呼んだりと、細々と?商売を続けていた。
そんなセンバのお屋敷に、長兄の護衛という名の元、一緒に行ったヨーク。
一人のメイドにくぎ付けになる。
「いやいやいや、あれ誰、って、仮にも他家のメイドのお嬢さんに失礼でしょうが」
兄にたしなめられる。
「あ、申し訳ありません。もし、よろしければお名前などお伺いしても…?」
頬をピンクに染めた末の弟が頑張って声をかけているのと、今しがたお茶を出してくれた他家のメイドさんの顔を二度見、三度見する長兄。
驚いた顔で固まっているメイドさん。
「他所の息子さんの一目惚れの瞬間を目撃してしまったわっ…!」
両手で口を押さえて、大笑いするのを必死に堪えるヒサギ会頭。
…なかなかにカオスである。
いち早く立ち直ったヒサギ会頭が、まずはするべき商談を、と声をかけた事で、
メイドさんは大慌てでお茶を出して下がり、
ヨークは行き場のない伸ばしたままの片手を引っ込め、
「おおぅ、うちの愚弟が失礼した」と、長兄が背筋を伸ばして仕切り直し、つつがなく、バストン家とセンバ商会との契約は結ばれた。
そして帰り際。
「先ほどのメイドはミアと申します。もし、ミアが気になるようでしたら、まぁ、本人の確認をとってからになりますが、お見合いの機会を設けますか?
センバで雇うほどの者です、身元は保証いたしますよ?」「ハイ!お願いします!!」
ヒサギ会頭より、有難い申し出を頂くと、被るほどの速度で反応するヨーク。
後日、正式に顔合わせの機会を設けたいのだが、いつがよろしい?とお伺いが来て、2週間後と相成った。
するとヨーク、
「ちょっと行ってきます!!」
と、家人は、プレゼントでも選びに買い物にでも行ったのか?と思っていたが、丸1日たっても帰って来ない。
おや?とは思ったが、一応我が家の軍に所属する成人男性が誘拐ってこともあるまいし、どっかで事故に合ったって、王都なら警備隊から連絡が来るはずだし?交友関係も広いヨークの事、どっか友達の家にでも呼ばれたか?なんて思っていたが
3日たっても帰ってこない。
なんだ?どうした?どこ行った??騒ぎ初めた所に鳥が来て、領地にいると、次兄を迎えに来たという。
は????
全員頭にハテナの文字。
バストン家は3兄弟。元々長男は父親と一緒に王都で社交や議会、その他貴族との兼ね合いを、次兄は領地の仕事を、そして末っ子のヨークは軍部を、と、それぞれ家を盛り立てるべく仕事をしていた。
そんな次兄を自分の見合いの前に迎えに行くヨーク。
決まってから報告すれば良いものを、なぜ???
それから1週間後。
なんとか仕事の目処はつけてきたと困惑する次兄を連れて、意気揚々と帰って来たヨークは、家のメイドに、人生で一番男前に仕上げてくれ、次兄を差し出す。
領地では、無精髭でも何も言われず、草臥れた格好でいても気にしなかった次兄の姿を見て、
「うちのぼっちゃんがちょっと見ない間にこんなに小汚くなるなんて!!」
と、使命感とやる気に燃えたメイド達。
「ヒィィぃーーー!!」
怯えた悲鳴をまるっと無視して達成感に浸るヨーク。
およそ2日。
「イダダダダダダ!!」マッサージやら、
「ぬぉ!ぐわ!んだぁ!」無駄毛処理やら、
「あぐっ、ンだはっ、ぃでぇー!」リンパのむくみエステやら、男の野太い声が上がっていたが
つるぴか、爽やか好青年が出来上がった。
メイド達はサムズアップを決めている。
そして迎えたお見合い当日。
次兄の首根っこをひっつかんで馬車に押し込んだヨークはそのままセンバのお屋敷へと向かい、次兄と並んでお見合いの席につく。
え?この年で保護者同伴?
とも思ったが、そこは高位貴族の使用人、何も言わずにお茶を出す。
そして、そこにミアが登場。
ずっっきゅーーーーーーんンン…
そこに居た全員が、恋のキューピッドの矢の音を聞いた気がした。
「いやぁ!いい仕事したわ!!!」
ヨークは真っ赤な顔で固まる次兄の背中をバンバン叩いて
「あとは、若いお二人に任せて、って事で!!」
真っ赤な顔で固まるミアを席に促し、赤い顔してお互いぺこぺこ頭を下げる2人を、使用人と一緒に木の影から見守っている。
あの日願った〝嫁〞は、
ヨークの元には来なかったが、バストン家的には叶ったらしい。
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