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とりまクエストにいこう!

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「けほけほっ。お嬢さん……よくもやってくれたね」

 勇者が仲間に引き上げられている。

「サクヤさま~大丈夫ですか?」「びしょぬれ……」

「君たち、ありがとうね」

 ウインク。

「うわっ」

 正直に言って気持ち悪かった。

「僕は絶対に君を仲間にして見せる。待っててね」

 最後までキザな態度で去っていった。



「メイ! よくやったな~。正直あいつ嫌いだったからすっとしたよっ」

「カサラ…いいのそんなこと言って?」

 視線を後ろに向ける。そこにいるのはあの勇者にはしゃいでた人たちだ。カサラの発言を聞いたのかこっちをにらんできている。まるで信者だ。

「お~…」

 カサラも視線に気が付いたようだ。ゆっくりと私に近寄ってきて……

「逃げるよ!」

 私とアミの肩をたたいてせかしてから、猛然と走り始めた。

「あっ待て!」「ユルサナイ」

 信者の声を背中に受けつつ、カサラの後を追った。


||||||~||||||~||||||~||||||~||||||~||||||~


「よし、クエストに行こう」

 勇者との一件の後、私たちは今噴水の前にいる。突然カサラがそんなことを言い出した。

「えっ、今から?」

 もう時間は五時、もう少しすれば日が暮れてしまう。

「お肉食べたいな……」

 アミがボソッと。

「そういうと思って、メイが手続してる間にクエストを受けてきた。これ」

「ウタギュウの討伐…?」

「そう、ウタギュウ」

「すごくお肉が柔らかい……」

 アミの熱い希望により、クエストに行くことが決定した。


 ======~~~======~~~======~~~======~~~======

 町を少し出た草原。ウタギュウがいるのはここらしい。しかし見渡してみても、スライムしか見当たらない。

「ほんとにいるの?」

「ここ」

 カサラはそれしか言わない。アミに助けを求めてもうなずくだけだ。もう一回カサラを見る。

「だからここ」

 そう言って地面を指さす。私たちがいるのは、ポツンと存在する丘の上……丘?

「え、この丘?」

「その通り。私たちはウタギュウの上にいるの」

 完璧に小さな丘だ。初めて見たらモンスターだとは気づかない。

「じゃあ、攻撃開始!」

 カサラがナイフで地面もといウタギュウをぶっ刺した。

「おっ!?」

 足元が揺れた。

「ンンィモォ~~~~~!!!」

 大きな鳴き声とともに、地面から大きな角を持った顔が現れた。というか……

「でかいっ」

 あの丘全部がウタギュウだった。結構な大きさ。こんなものが町近くにいるとは。

「っ!」

 いきなりぴゅうっと風が吹いた。同時に黒いシルエットが飛び出す。長剣を抜き、構えて突進しているアミだ。

「フラッシュ!」

 一閃がウタギュウに向かう。






次回更新~未定
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