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今世 第一章 平凡に生きるまでの非凡
異形児として……
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神様は少女に転生の機会を与えた。しかし、かなり口の悪い転生の神様は少女の転生先を何と人ではなくウォーバードと言う白銀の美しい鳥の異形児として転生させたのだ。
「……ん、……きゅぅーきゅぅー」
(上手く喋れない。と言うか私が生まれたての赤ちゃんだったのならおんぎゃー……みたいな感じじゃないのかな……産声って……。母様からはそう聞いてたんだけど……。)
そう思う少女の腕に大きな鳥の羽が当たるような感触があった。ものすごく重たい瞼を必死で開けると、そこには白銀に輝く大きな翼……もとい、大きな鳥がいた。
全身が白銀で、くちばしと瞳は青い。その青く長いくちばしは途中で曲がったりはしておらず、ピンッと伸びていた。
(……綺麗……なんでこんな綺麗な鳥さんがボクの真横に……?)
少女はやはりあの頃のことを少しは忘れたかったのだろう、神様に一人称の変更も頼んでおいた。
それから少しすると、くちばしに歴戦の傷?をつけたいかにも長っぽいウォーバードが現れ、喋った。
「……この子が今日産まれたと言う異形児か……。」
アイエェェェ!喋ったアァァァ!と少女は思ったが口には出せなかった。その長鳥は少女の頬をくちばしで軽く撫でた。すると、横にいたウォーバードが、
「……やはり殺さなくてはならないでしょうか、エド様……。」
不安そうに見つめるウォーバードに、エド様と呼ばれた長鳥は、おそらく微笑んだのだろう優しく言った。
「構わぬ。そのようなことで差別をする我々ではあるまい。……となると名付けの儀式が必要だな。」
そこまで言うと、エドは魔方陣を展開した。片方はエドの下、もうひとつは少女の下にだ。
(な、なに!?)
そう思っていると、エドの声が脳内に届いた。
(小さきものよ、怯えるひつようはない。そなたが今の状態を知っておく必要があるからな。)
(えっ?どう言うことですか?)
少女の問いにエドは答える。
(お主はウォーバードの習性を強く持っていない。どちらかと言うと人間に近いウォーバードだ。目が見えるならわしの瞳を見よ。)
少女が目を見開きエドと呼ばれているウォーバードの瞳を見る。そこには羽の生えた少女がいた。それと同時に右目に制御クリスタルが埋まっているのも確認できた。
(……つまり、異形児ってこと……?)
少女が不安そうに思うと、エドは気にするなと言った。そして、
(フム……何と美しいクリスタルだ……。これも神の導きか……。)
そして、エドはよしという感じで頷くと、微笑み言った。
「この子の名前はクリスタじゃ。皆のもの、差別をせんようにな!」
エドがそう言うと、岩影等から沢山のウォーバードとおぼしき鳥たちが姿を現し、
「キュエェェェェェ!」
と高らかに鳴いた。少女はクリスタとして前途多難な生活が始まった。
「……ん、……きゅぅーきゅぅー」
(上手く喋れない。と言うか私が生まれたての赤ちゃんだったのならおんぎゃー……みたいな感じじゃないのかな……産声って……。母様からはそう聞いてたんだけど……。)
そう思う少女の腕に大きな鳥の羽が当たるような感触があった。ものすごく重たい瞼を必死で開けると、そこには白銀に輝く大きな翼……もとい、大きな鳥がいた。
全身が白銀で、くちばしと瞳は青い。その青く長いくちばしは途中で曲がったりはしておらず、ピンッと伸びていた。
(……綺麗……なんでこんな綺麗な鳥さんがボクの真横に……?)
少女はやはりあの頃のことを少しは忘れたかったのだろう、神様に一人称の変更も頼んでおいた。
それから少しすると、くちばしに歴戦の傷?をつけたいかにも長っぽいウォーバードが現れ、喋った。
「……この子が今日産まれたと言う異形児か……。」
アイエェェェ!喋ったアァァァ!と少女は思ったが口には出せなかった。その長鳥は少女の頬をくちばしで軽く撫でた。すると、横にいたウォーバードが、
「……やはり殺さなくてはならないでしょうか、エド様……。」
不安そうに見つめるウォーバードに、エド様と呼ばれた長鳥は、おそらく微笑んだのだろう優しく言った。
「構わぬ。そのようなことで差別をする我々ではあるまい。……となると名付けの儀式が必要だな。」
そこまで言うと、エドは魔方陣を展開した。片方はエドの下、もうひとつは少女の下にだ。
(な、なに!?)
そう思っていると、エドの声が脳内に届いた。
(小さきものよ、怯えるひつようはない。そなたが今の状態を知っておく必要があるからな。)
(えっ?どう言うことですか?)
少女の問いにエドは答える。
(お主はウォーバードの習性を強く持っていない。どちらかと言うと人間に近いウォーバードだ。目が見えるならわしの瞳を見よ。)
少女が目を見開きエドと呼ばれているウォーバードの瞳を見る。そこには羽の生えた少女がいた。それと同時に右目に制御クリスタルが埋まっているのも確認できた。
(……つまり、異形児ってこと……?)
少女が不安そうに思うと、エドは気にするなと言った。そして、
(フム……何と美しいクリスタルだ……。これも神の導きか……。)
そして、エドはよしという感じで頷くと、微笑み言った。
「この子の名前はクリスタじゃ。皆のもの、差別をせんようにな!」
エドがそう言うと、岩影等から沢山のウォーバードとおぼしき鳥たちが姿を現し、
「キュエェェェェェ!」
と高らかに鳴いた。少女はクリスタとして前途多難な生活が始まった。
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