前世が特殊災害指定生物でしたが今世は平凡に生きたいです。

シア風

文字の大きさ
33 / 67
今世 第一章 平凡に生きるまでの非凡 

神話の力、ゴッデスの実力

しおりを挟む
「ええい、暴れるでない、止まらんか!」

リュミエルがクリスタを必死で止めていた。暴走クリスタの力はまさしく幻想級ファンタズムと言っていい力だった。リュミエルにとっては苦戦する相手では(普通は)ないのだが、人々を護りながら戦うには荷が重かった。

「キュガ、ギギ……ギュギャァアアアァァァ!」

暴走クリスタが苦しそうな叫びをあげる。リュミエルはクリスタ自身も止めたくても止められないことにようやく気づいた。そこで、一呼吸置き、冷静に見つめた。

(……クリスタ、君は何がしたい?何に苦しんでいるのだ?)

そう思っていると暴走クリスタは黒い魔法弾らしきものを自らの周囲に生成し始めた。その黒い弾は存在するその周囲の空間を歪め始めた。リュミエルは目を大きく開き、分かりやすく驚いた。

(あれは……空間魔法!?……と言うことは……。まさか……)

空間魔法とは、別名狭間魔法と言うリュミエルが造り出した万能魔法。用途は想像以上に様々で、狭間を開き実際になんでもかんでも行ってしまう。記憶を読んだり、ワープしたりと。

驚き考え込んだリュミエルは、放たれる魔法弾を避け損なってしまった。小型の爆発音が響、黒い煙が球体状に広がった。その光景を見た人間は、

「あの女の子がやられたぞ!や、ヤバい!」
「くっそぉ!何なんだよあのウォーバード!」
「は、早く逃げるぞ!」

と次々に喚き散らした。すると、

『五月蝿い。静かにしろ、人間ども。』

と声がした。リュミエルのように聞こえた。しかし、そこに異質な少女の姿はなかった。あったのは……

         影

光を遮る黒く大きな影とその中に光る赤い目だった。しかし、そこから聞こえてくる声こそリュミエルだった。

『しかし、ここまでするとはなぁ。いつ以来だ?この姿も。……今……止めてあげるからな。……痛くても、我慢だぞ。』

そう言うと影は散り、視認できなくなった。暴走クリスタがキョロキョロしていると、足元から影がヌッと伸び、あっという間に大きなウォーバードの身体を包み込んだ。するとクリスタは、狭間の方へと吸い込まれていった。

狭間の世界はクリスタもよく行くが実は元々、まともに動くことすらできない場所である。リュミエルは普段狭間に特別な空間を創ることで、そこのみ別の生物も普通に生きれる場所にしてある。では、何も手を加えてない場所ならば……

『さて……クリスタ?ちょぉっと、痛いかもな。……ま、喋ることも出来んだろうし、一発で仕留めたげる。』

狭間の中でリュミエルの姿は元の姿へと戻った。実際に倒すだけならばこの姿で十分だと言うわけなのである。

「次起きたら元通りだから……。神罰【シャドウジャッジメント】!」

クリスタが目を開ける事も出来ぬまま、黒い光線に一瞬で吹き飛ばされてしまったのだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

エルティモエルフォ ―最後のエルフ―

ポリ 外丸
ファンタジー
 普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。  海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。  その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。  もう一度もらった命。  啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。  前世の知識を持った生き残りエルフの気まぐれ人生物語り。 ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。 ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

犬の散歩中に異世界召喚されました

おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。 何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。 カミサマの許可はもらいました。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

処理中です...